第11期東京都福祉のまちづくり推進協議会 第8回専門部会
- 更新日
1 日時
平成30年4月17日(水曜日)午後3時から5時まで
2 開催場所
東京都庁第二本庁舎31階 特別会議室21
3 会議次第
1 開会
2 議事
(1)「東京都福祉のまちづくり推進計画改定の基本的考え方」 意見具申(案)について
(2)東京都福祉のまちづくり条例「施設整備マニュアル」改正案について
(3)平成30年度の福祉のまちづくりに関する新規事業について
(4)その他
3 閉会
4 出席委員
高橋部会長 大島委員 川内委員 今井委員
稲垣委員 滝澤委員 井料委員 二井田委員
伊藤委員 越智委員 菊地委員 永田委員
横矢委員 高橋委員 鈴木委員 篠崎委員
本田委員
5 会議資料
第11期東京都福祉のまちづくり推進協議会 第8回専門部会 会議次第(Word:41KB)
資料1 「東京都福祉のまちづくり推進計画改定の基本的考え方」意見具申(案)(Word:1,454KB)
資料2-1 東京都福祉のまちづくり条例「施設整備マニュアル」改正案(主な項目)(パワーポイント:141KB)
資料2-2 東京都福祉のまちづくり条例「施設整備マニュアル」改正案(主な項目)(Excel:34KB)
資料3 心のバリアフリーサポート企業連携事業(パワーポイント:136KB)
資料4-1 だれでもトイレに関するバリアフリー情報のオープンデータ化について(パワーポイント:165KB)
資料4-2 だれでもトイレに関するバリアフリー情報のオープンデータ化について(Excel:12KB)
【参考配布資料】
第11期東京都福祉のまちづくり推進協議会専門部会委員名簿(Excel:37KB)
「『心のバリアフリー』の実践に向けたハンドブック」を作成しました(Word:87KB)
次期「福祉のまちづくり推進計画」の改定に向けた今後のスケジュール(Excel:13KB)
6 議事録
(午前3時00分 開会)
○池田福祉のまちづくり担当課長 本日は、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。定刻となりましたので、これより第11期福祉のまちづくり推進協議会第8回専門部会を開催させていただきます。
着座にして失礼いたします。事務局を担当します、福祉保健局生活福祉部福祉のまちづくり担当課長の池田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
最初に、本日の委員の出欠状況につきまして、御報告させていただきます。
本日御欠席委員のお名前を読み上げさせていただきます。中野委員、岡村委員、岩佐委員、西尾委員、市橋委員、笹川委員につきましては、御都合により御欠席の連絡をいただいております。なお、稲垣委員につきましては、1時間程度遅れていらっしゃるということで御連絡をいただいております。
次に、事務局を御紹介させていただきます。
福祉のまちづくりに関しましては、関係局の課長級の職員を福祉保健局の福祉のまちづくり兼務担当課長として任命をしております。4月の人事異動に伴いまして、新たに兼務担当課長に就任した職員を御紹介いたします。
都市整備局市街地建築部、高橋建築企画課長です。
建設局道路管理部、水飼安全施設課長です。
交通局建設工務部、小林建築課長です。
最後に私ども事務局、福祉のまちづくり担当の課長代理を御紹介いたします。
福祉保健局生活福祉部計画課、篠統括課長代理です。
事務局の紹介は以上となります。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。
次第にありますとおり、本日は資料1から4までございます。それぞれの資料につきましては、説明の際に確認させていただきますので、不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
また、参考資料としまして、専門部会の委員名簿、「『心のバリアフリー』の実践に向けたハンドブック」、次期「福祉のまちづくり推進計画」の改定に向けた今後のスケジュールを配付資料とは別に、机上の座席表と福祉のまちづくり兼務担当課長の名簿を配付しております。
さらに、冊子を3冊机上にお配りしております。東京都福祉のまちづくり推進計画、東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル、区市町村・事業者のための「心のバリアフリー」及び「情報バリアフリー」ガイドラインです。こちらにつきましては、会議終了後、事務局で回収しますので、お持ち帰りにならずに、机上に置いてくださるようお願いいたします。
最後に、2月に開催されました第7回専門部会の議事録と、福祉保健局広報誌『月刊福祉保健』の2月・3月・4月号をお配りしております。
なお、当会議は公開となっており、会議の議事録は東京都のホームページに掲載され、インターネットを通じて公開されますので、申し添えさせていただきます。
本日は、傍聴の方もいらっしゃいますので、お知らせいたします。
また、当会議では、視覚や聴覚に障害のある委員もおりますので、御発言の際は、最初にお名前をおっしゃってくださるようお願いいたします。
それでは、これ以降の議事進行につきましては、高橋部会長にお願いしたいと思います。高橋部会長、よろしくお願いいたします。
○高橋(儀)部会長 皆さん、東洋大学ライフデザイン学部の高橋です。どうぞよろしくお願いいたします。
1月と2月に開催しました専門部会では、東京都の福祉のまちづくりにおける現状や課題について、事務局より説明をしていただきまして、次期、福祉のまちづくり推進計画改定に向けた五つの基本的な視点について議論をいただきました。本日は、それらを具体化した、推進計画改定の基本的考え方と題した意見具申(案)を提示していただきます。後程また説明をしていただきます。
6月の第3回の推進協議会で案を都へ提言することになりますので、本日と次回の専門部会に皆様からの御発言をいただいて、議論を進めていきたいと思います。
それから、前回のときに、福祉のまちづくりの条例整備マニュアルについての改定(案)について、少し骨子を出させていただきまして、それについての意見も聞きました。そちらについても、後程また説明をして、議論を深めたいと思います。
そして、最後には、平成30年度の新規事業について一通り御説明をしていただくことになっております。よろしくお願いをしたいと思います。
それでは、早速ですけれども、「東京都福祉のまちづくり推進計画改定の基本的考え方」意見具申(案)について、事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは、私の方から、資料1、推進計画改定の基本的考え方、意見具申(案)について御説明させていただきます。
1ページをおめくりいただきまして、目次をご覧ください。「はじめに」につきましては、別途記載させていただく予定でございますが、この意見具申(案)は三つの章で構成をされております。第1章は、都におけるバリアフリー化の進捗状況ということで、現行の推進計画が平成26年度から平成30年度、5年間となっておりますが、主に平成28年度までの3カ年の取組について振り返り、進捗状況を確認しております。第2章では、今後の計画改定に当たり、福祉のまちづくりにおける主な課題ということで5点提起しておりますので、後ほど概略を御説明いたします。
最後に、第3章で、計画改定に向けた基本的考え方ということで、次期、平成31年度からの計画について、施策の体系や考え方についてお示ししております。
では、順を追って御説明いたします。
まず、3ページをお開きください。3ページ以降につきましては、1の社会的な背景・状況について、都民の高齢化率の進展や認知症の高齢者の増加、身体障害者手帳等の交付状況につきまして、11ページまで記載しております。
続きまして、12ページをお開きください。2の国の動向です。(1)2020東京大会に向けた取組、(2)障害者差別解消法について、(3)「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」等の見直しの動きについて記載しているところでございます。
続きまして、14ページをお開きください。現行計画については、リード文にございますように、102の事業を計画事業として位置づけ、五つの分野に分けて取組を行い、平成28年度までの主な取組実績を掲載しているところでございます。
14ページ、(1)、アの公共交通に関してですが、都内の鉄道駅のエレベーター、だれでもトイレ、視覚障害者誘導用ブロック、ホームドアの整備状況、路線バスのノンステップ化の整備状況について記載しております。
1枚おめくりいただきまして、15ページをお開きください。取組の成果としましては、都内の公共交通等のバリアフリー化が着実に進展し、全国と比べて高い整備率となっております。
次のイ、建築物の部分です。福祉のまちづくり条例に基づく届け出、バリアフリー法に基づく認定、宿泊施設のバリアフリー化、2020大会会場の整備を行うなど、建築物のバリアフリー化については、バリアフリー法、建築物バリアフリー条例、福祉のまちづくり条例、こういった様々な法令に基づいて、新築または改修の際に整備基準を設けて、既存建物も含め、着実な整備を行っているところでございます。
16ページをお開きください。ウの道路・公園につきましても、段差解消や視覚障害者誘導ブロックの設置や、都立公園のバリアフリー化も含めて、着実な整備を行っているところでございます。
続きまして、17ページをお開きください。(3)情報バリアフリーの充実では、1枚おめくりいただきまして、18ページの中央に取組の成果の記載がありますとおり、視覚障害者や聴覚障害者に対するコミュニケーション支援を進めるとともに、都政情報の提供や公共施設における案内、多言語によるホームページの情報提供、外国語ボランティアの育成など、様々な手段による情報提供や提供する内容の充実に取り組んでおります。
続きまして、19ページをお開きください。(5)心のバリアフリーに向けた普及啓発の強化と社会参加への支援です。これまでガイドラインの策定やポスターコンクールの実施、各種冊子類の作成など、様々な普及啓発に取り組むとともに、ユニバーサルデザイン学習やヘルプマークの推進など、区市町村や事業者等とともに、人々の多様性の理解を図る取組や社会参加を促す取組を進めております。
続きまして、20ページからは、都民の意識調査結果です。これまで御説明させていただいたとおり、現行計画においては、平成26年度と比べて、都内のハード面のバリアフリー化は着実に進んでいるところでございますが、22ページをお開き下さい、中央のゴシックの記載にもありますとおり、東京のハード面のバリアフリーの印象は、「進んでいる」と「進んでいない」がほぼ同じ割合となっております。
また、都民の意識につきましても、1枚おめくりいただきまして、21ページをお開きください。<困っている人を見かけたときに、何もしなかった>という方は15%、続きまして、22ページに移りまして、<何もしなかったのは、「手助けをしていいものかどうかわからなかった」から>という結果となっております。
続きまして、25ページをお開きください。こちらはユニバーサルデザインの認知度ですが、「以前から意味も言葉も知っていた」方の割合が32%で、5年前とほとんど変わっていないという結果となっております。また、「心のバリアフリー」という言葉を聞いたことがある方は34%という結果となっております。
以上が都民の意識調査の結果となります。
続きまして、26ページをお開きください。今後の主な課題というところで、今回の意見具申(案)で一番重要な部分となります。
5点あるうちの1点目、誰もが円滑に移動できる道路や交通機関等のバリアフリー化の推進について御説明いたします。
二つ目の丸にありますとおり、鉄道駅では1ルートの確保が進められてきておりますが、今後は、乗降客数の多い駅などでの複数ルートの整備や、乗り換え経路でのエレベーター等の整備の推進の必要があるとしております。
また、次の丸では、転落防止の設備として効果の高いホームドアは、特に利用客数の多い駅や大会会場周辺の駅について、重点的に整備を進めていく必要があるとしております。
次に四つ目の丸で、既にノンステップ化を100%達成している都営バスにおいては、今後は、バスの車内の通路段差を解消したフルフラットバスの導入を進めるなど、より利用しやすい車両の整備を進める必要があるとしております。
次の五つ目の丸では、リフトつき観光バスやユニバーサルデザインタクシー車両の普及の推進について記載しております。
下から二つ目の白丸では、都道のバリアフリー化については、今後、障害者団体等の参加を得て、当事者の視点で、より使いやすい整備に向けた取組を進めていく必要があるとしております。
1枚おめくりいただきまして、27ページをご覧ください。2、すべての人が快適に利用できる施設や環境の整備についてです。
一つ目の丸ですが、障害の有無等にかかわらず、全ての方が同じように楽しめる環境整備が重要であるとしております。
そのためには、次の丸ですが、整備基準に基づいた出入口や、だれでもトイレの整備などをより一層進めて、建物だけでなく、建物内の客席や店舗内の通路等も含めて、快適に利用できる施設整備を進めることが重要であるとしております。
次の丸では、利用者の視点に立った整備を進めるため、高齢者や障害者等の当事者が参加して、施設や設備の使いやすさ等の調査を行い、その結果を設計や整備に反映する取組が有効で、こうした当事者参加の施設整備を推進する必要があるとしております。
また、次の丸になりますが、すべての人が同じ水準のサービスを受けられるよう、施設利用時の場面を想定し、ハード・ソフトの両面から一体的に検討していく必要があるとしております。
次の丸では、公園内の整備についても、わかりやすい案内表示や経路も含めて環境整備を進めることが重要であるとしております。
次の一番下の丸ですが、東京2020大会では、多様な旅行者を迎えるに当たり、宿泊施設や観光バス等の観光関連事業者等における対応力向上が重要であるとしております。
続きまして、3、様々な障害特性や外国人等に配慮した情報バリアフリーの推進です。
28ページをお開きください。28ページの上から二つ目の丸になりますが、今後は、ICTも活用しながら、コミュニケーションを行える環境整備が必要であること。
また、その二つ下の白丸になりますが、バリアフリー情報の発信ということで、都内の公共施設等のだれでもトイレや授乳室等のユニバーサルデザインに関する情報を発信する取組を進める必要があるとしております。
続きまして、4点目が災害時・緊急時の備えということで、一つ目の丸にありますように、高齢者・障害者など災害時要援護者に対して、応急対策や復興支援も含め、様々
な場面で、福祉のまちづくりの観点も含めまして、推進していくことが重要としております。
そのため、避難所のバリアフリー化の推進や、災害が発生したときの医療や介護をきちんと受けられるよう二次避難所、いわゆる福祉避難所の支援が必要であるとしております。
続きまして、1枚おめくりいただきまして、29ページをご覧ください。5、だれもが暮らしやすい社会に向けて都民の理解を深め、行動への一歩を踏み出す心のバリアフリーの推進です。
一つ目の丸では、ハード整備とともに、全ての人が平等に社会参加できる社会や環境について考え、必要な行動を続ける心のバリアフリーを推進することが必要としております。
二つ目の丸では、「オリンピック憲章」では、いかなる種類の差別もなくすことが明記されており、次の丸では、都では障害者差別解消条例制定に向けて検討を行っており、今後とも共生社会の実現に向けた取組を進める必要があるとしております。
次の丸では、だれでもトイレや障害者等用駐車区画など、本来必要としている方が利用できるよう、適正利用に向けた普及啓発を進めることが必要であるとしております。
最後の白丸ですが、小中学校でのユニバーサルデザイン学習や地域住民向けワークショップ、従業員向けの接遇向上研修等の取組の促進など、区市町村や事業者とも連携して効果的に推進することが重要であるとしております。
以上が課題の5点となります。
続きまして、30ページをお開きください。第3章、推進計画の改定に向けた基本的考え方として、(1)の下から2番目の鍵括弧になりますが、「誰もが自立した日常生活を営み、自由に移動し、必要な情報を入手しながら、あらゆる場所で活動に参加し、共に楽しむことができる社会」としております。
(2)計画期間につきましては、前回の計画と同様、5年間としております。
1枚おめくりいただきまして、31ページをお開きください。図1の推進計画施策の体系としましては、これまで御説明させていただきました五つの柱をツリー表にしたものでございます。
32ページからは、用語解説を掲載しております。
非常に雑駁でございますが、私からの説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございました。
東京都福祉のまちづくり推進計画改定の基本的な考え方について、御説明をいただきました。意見具申(案)ということになります。
これについて、これから質疑応答をしたいと思いますけども、最初に私から、最初の御説明の中で、データの実績が一部29年度という形になっていますけれども、これは最終的な答申の段階では、もう少し増えるというイメージで捉えておいてよろしいでしょうか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 現在、まさに29年度のものを集計中でございまして、6月には間に合うように、準備を進めているところでございます。
○高橋(儀)部会長 わかりました。
それから、もう1点ですけども、もう少し先の話になって、この意見具申の後になる、推進計画自体についてですが、現在、102事業ということになっていますけれども、掲載事業の数の見直しなんかも、今後都と事務局レベルでの検討のときに変化する可能性はあるんでしょうか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 はい。まさに、協議会からの意見具申を踏まえまして、今後の計画事業を選定していくという調整を進めますので、事業数や種類等の変更もございます。
○高橋(儀)部会長 わかりました。そうすると、現在、お手元にありますけれども、30年度までの推進計画で102とありますが、それにとらわれないで御発言いただいてもよろしいということですね。ありがとうございます。
それでは、前回の計画策定時はちょうど2013年で、オリパラの招致が決定したときにぶつかった推進計画という形になりますけども、今回は、それを超えた形で進めなければいけないと思いますので、その辺も含みながら御発言をいただけばと思います。
基本的には、最初は現状の動向ということになると思います。2章の中で、前回から議論を進めていました基本的な視点も含めた五つの課題についての整理と、それから、第3章で改定に向けた基本的な考え方ということで、さらに、実際の計画の中では、これに具体的な実績や目標値なんかが入ってくる形になるかと思います。
時間も限られておりますけれども、お気づきの点がありましたら、遠慮なく、それぞれのページで構いませんので、御発言いただければと思います。よろしくどうぞお願いいたします。
川内委員、お願いいたします。
○川内委員 東洋大学の川内です。
まず、これ、意見具申の(案)とありますが、この案について、これから幾つか修正が出るかもしれませんけども、今日の審議で、審議のタイミングとしては終わりということですか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 来月もございます。
○川内委員 もう一回。はい、わかりました。
まず、最初に今までの都の取組があって、どれも着実に進んでいるということで、それはそれで現実なんだろうと思うんですが、例えば15ページですけれども、建築物で、真ん中のほうに宿泊施設のバリアフリー化支援というのがあります。補助の実績というのがあるんですけれども、年間に10件というのが、どの程度のものかなという感じがするんですけどね。これはこれで、こういうものなのかもしれませんけれども、一方で、泊まれるホテルがオリパラに向けて圧倒的に足りないとか、それから、バリアフリーのホテルについては、さらに圧倒的に足りないというようなことが指摘されているときに、こんな年間10件ぐらいのことでいいのかと。だから、目標というのがどこにあって、その目標に対して、どういうふうな到達をしているのかということを示さないと、毎年毎年10件ずつ増えていますよというような話では、とてもじゃないけど間に合わないと思うんですね。それが1点。
それから、建築物について、民間の建築物について強く思うのは、道路や公共交通系の基本構想とリンクして、重点整備地区内での民間建築物で生活関連施設、高齢の方、障害のある方がよく使う施設に見なされそうな建物の民間版ですね、例えば病院とか、そういう建築物の整備が、歩道とか交差点はこう整備しますという計画を立てても、その歩道や交差点につながっている病院の整備は、それは民間なので基本構想の中に入れられませんとか、あるいはタイムスケジュールを立てられませんとか、そのようなことがいっぱいあるわけですね。なので、特に基本構想で重点整備地区内に含まれた民間建築物に対して、どのような行政的な施策を打っていくかというのがとても重要で、そうしないと、歩道ばかり整備されて、使える建物ないねという状況になる。まさに今、現実にそうなっているわけですね。ですから、その辺を、どういう計画を立てていくかということが一つ求められているのではないかと思います。
それから、26ページですが、二つ目の丸で、もちろん駅そのものはよくなってきていますし、それから、複数ルートというのも、今回のバリアフリー法の基本構想の改定なんかでも出てきていますけれども、次の他路線への乗り換え経路ですね、これははっきりしていないんですね、国のレベルでも。これはもちろんハードということもありますけれども、ソフト面というか、例えばJRと地下鉄がどういうふうな連携をとっていくのかとか、あるいは、よく指摘されるのは、あるAという鉄道会社のエリアからBという鉄道会社のエリアに入ると、サインのやり方がガラッと変わって、今までAのところで「あ、こんなことがこういう表示されているんだな」と思っていたのが、Bに行くと全然違ってきて、混乱するということがありますので、そのような意味での乗り換え経路の整備ということが必要なのではないか。ただ単に段差がなくなりました、エレベーターがつきましたというような話ではないところを考える必要があるのではないか。
それから、27ページですが、一番上の丸で、これは「障害の有無等にかかわらず」と書いてありますけれども、ユニバーサルデザインの定義も、長い時間かけて「障害の有無にかかわらず」から「能力の違いにかかわらず」というふうに変えてきているんですね。ですから、ここは「障害の有無等にかかわらず」と言わずに、「能力の違いにかかわらず」というふうに言われたほうがいいのではないかと思います。
それから、四つ目の丸ですけれども、「ハード・ソフトの両面から一体的に検討し」と書いてあります。ここでとても重要なのは、合理的配慮に対する理解の促進ということだろうと思うんですね。ですから、ハード・ソフトと言うと、すごくぼんやりとしたことになりますけども、ここでは具体的に、特に合理的配慮の理解促進ということが重要であるというようなことは、書かれたほうがいいのではないかと思います。
以上です。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございます。
全部で5点ほどいただきました。
最初のほうは、宿泊施設の実績を出されていますので、計画の中で、しっかりと宿泊施設の目標値を示したほうがいいという、現状ではかなり厳しい状況だということがありますけれども。
それから、2点目はバリアフリー基本構想に関する重点整備地区内の様々な生活関連施設の整備のあり方。
それから、経路ですね、特に鉄道の乗り換えといったようなところの連続的な移動の問題。
それから、4点目に、27ページの最初の丸だったでしょうか、障害の有無という表現のあり方の問題。
それから、後半のほうのハード・ソフトの部分で、合理的配慮への対応という、そういう記述を、これを前提条件として、障害者差別解消法の施行ですとか、いろんなものが絡んできますので、当然、そういう部分について、整理の一方では限界といったこともあるかもしれませんけれども、ソフト面についてのあり方をしっかりと出したほうがいいのではないかと。ハード・ソフト、両面での合理的配慮について掲げたほうがいいのではないかといったような御発言かというふうに思います。
事務局のほうで、もし今の川内委員の御発言に対して御意見がありましたら、お願いをしたいと思いますが。
○池田福祉のまちづくり担当課長 宿泊施設のバリアフリー化につきましては、先生も御存じだと思いますけど、国のほうでも検討会が立ち上がっておりまして、バリアフリー法の基準の見直し等の検討も進められておりますので、そちらのほうも睨みながら考えていきたいというふうに考えております。
○高橋(儀)部会長 ほかはよろしいでしょうか。遠慮しないで、事務局どうぞ。反論がありましたら、ぜひ、お願いしたいと。
川内委員、もう一度。
○川内委員 いいんですか、今ので。5点ぐらい言いましたが。
○高橋(儀)部会長 ほかはどうですか。宿泊施設以外は。もし、御発言、御意見だけ承るということであれば、それでもいいのですが、どうですか、その5点については。
○池田福祉のまちづくり担当課長 基本構想のお話ですとか、鉄道事業者の連携のお話とかとなりますと、ちょっと、本日は出席していないですが、都市整備局の所管となりますので、そちらのほうにも意見を申し伝え、検討をしていきたいというふうに思っております。
27ページの記載につきましては、先生の御意見のとおりだと思いますので、表記を変えていきたいというふうに思っております。
○高橋(儀)部会長 5月でしたかね、次の会議のときにも、それも含めたような基本的な課題の整理の仕方をもう一度事務局レベルで考えていただくということになるかと思います。
はい、どうぞ。じゃあ、はい。
○川内委員 ありがとうございます。
今おっしゃった最初の答えですけど、バリアフリー法の改正があるからというようなことをおっしゃいましたけども、それはそれでいいんです。バリアフリー法の改正も、それからガイドラインの改正というか、それも進んでいて、それはそれでいいんですけど、そういうことを申し上げたのではなくて、例えばオリパラに向けてバリアフリーなホテルは何千件要るんだとか、何万室要るんだとか、そういうふうなことをきちんと見越した上で、じゃあ、現実は何室で、だったら年間10件ぐらいの改善じゃ全然追いつかないねというようなところをはっきり出して、じゃあ、あと限られた年数の中でどうやって、できるだけ必要な数を満たしていくかということの計画がないと、年間10件ぐらいですとかというふうなことを言って、ああ、進んでいますねという、そんな話ではないだろうということを申し上げているわけです。
ついでに言うと、バリアフリー、宿泊施設のバリアフリーというのが、何をもってバリアフリーと言うかですよね。具体的に言うと車いす使用者等が泊まれる客室ということで、今言われているのは、まずない、それから、あるとしても1室しかない。それから、インターネットなんかで調べても、あるかどうかがきちんと表示されていないというような問題があるわけですね。だから、こういうことを何年までにやりますということを言って、それに対して実績はこうですということを言わないと、これだけでは、よく頑張っているねとか、進んでいるねという感じが全然伝わってこないということです。
以上です。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございます。
次のときに、もうちょっと見えるような形で、どういう方向で出していくか示していいただければと思います。
○坂本生活福祉部長 今のお話でございますけど、国のほうでも現在進んでいるところで、都でも、宿泊施設のバリアフリー化の支援を産業労働局でもやっており、今、川内先生が言われた御指摘について、議論しており、実際、バリアフリー対応客室が足りないのではないかという話もあり、次回までにある程度整理し、できる範囲内でお答えできればと思います。知事からも同じような話があり、一つの至上命題にもなっており、課題として承知しているところでございます。
○高橋(儀)部会長 東京都は、全国に先駆けて、宿泊施設の補助事業何かもやっておりまして、国のほうでも、観光庁を中心にして、今、29年度の補正予算でしょうかね、補正予算で、5月いっぱいまでのそういうバリアフリー化の事業なんかも、かなり拡大していっていますので、それらもあわせて、具体的な目標数値は出てこないかもしれませんけど、やはりオリパラを主体的にやる自治体として、少し方向性が見えるような形で、最終的には提言したい、答申したいというふうに思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。
すみません。何人か同時に手が挙がりました。では、菊地さん、お願いします。
○菊地委員 東京都精神障害者団体連合会の事務局長の菊地と申します。
基本的には、バリアフリーの建築面とか、そういう進捗ということが基本的には大事なことだとは思うんですけれども、私たちのような精神障害者の立場としての発言としましては、やっぱり心のバリアフリーというところに重点を置いた上で、まだまだそういう面での取組が不足しているというふうに思うわけです。
この数字は、いつも私が述べる数字ですが、2008年の五大疾病の数字、これは国の数字ですけども、精神疾患、第1位で、323万人、糖尿病が237万人、がん患者が152万人、脳卒中が134万人、急性心筋梗塞が81万人、これで五大疾病と。これは2008年ですから、今はもっと人数が増えているわけで。
何を申し上げたいかというと、ストレスが結構重なると精神疾患になるみたいなことで、その人数が増えているにもかかわらず、一旦、精神疾患にかかるとどういうことになるかというと、すぐに差別の対象として見られ始めるわけですね。これは自分も経験しているからわかるんですが。精神障害者というのは、全員が危険な存在で、すぐに人を殺したり、危害を及ぼすんだという認識が、そういう事件があるものですから、皆さん、そういうふうに思っていらっしゃる方が多いわけです。323万人もの人が、すぐに人を殺すなんていったら、大変なことになるわけですからね。そういうような間違った認識というのが、まだまだあるわけです。ですから、偏見を除去していくという取組がまだまだ不足していると思うわけですね。
19ページの心のバリアフリーに向けた普及啓発の強化と社会参加の支援ということは、基本的には私たちの部門になるわけですが、ヘルプマークの推進というのは、16万5,000個を推進したということで書いてあるわけですが、これも先ほどの精神疾患323万人ということからすると、これは国の数字ですから、東京都の数字とはちょっと違うにしても、それにしても、まだまだ少ないわけです。ヘルプマークを推進したからよかったねということならば話は簡単なんですが、そういうことではないんですね、現実には。ヘルプマークというのが、実際に精神障害者がつけているかというと、なかなか、そこまで私自身もふだん持ち歩いていませんし、やっぱりつけていないと。そうすると、見た目には普通の人に見えるわけですから、ヘルプの状況にはならないということなんですね。それはやっぱりつけておかないと、精神疾患の中でも、てんかんの人とかというのは、どんなところでも発作が起きるわけですし、精神と知的の両面からいきましても、知的の人というのは、割と、知的の人は見た目でわからないけど、知的だという人は結構いますので、そういう人たちの障害というのは、例えばおつりの計算ができないわけですよ。千円札で渡して、普通だったら、527円だからといったら、あと400幾らおつりが来るというような、それができないわけですね。そうすると、やっぱりお買い物するときに幾ら渡していいかわからないみたいな、そんな障害があったりするわけです。そういうことも、私もそういう知的の方と接触して初めてわかったんですけど、見た目には全然わかりません。普通の人は、そういうことを勉強すればわかるじゃないかと、教えればわかるだろうというふうに思うんですが、その知的の方というのは教えても一旦は理解するんですが、すぐ忘れるわけです。結局、そういうハンディを抱えたままで生活しているということになっていくわけですね。ですから、なかなか啓発というのは簡単なようで難しいわけです。
今、精神も知的も両方という人も確かに増えていますので、精神だけじゃなくて、知的の面も含めて啓発というようなところも大事だと思われます。これが、ちょっと長くなりましたが、ヘルプマークについても、単に配るだけではなくて、それを実際に使ってもいいんだよと、電車の中でヘルプマークを見て席を譲ってもらってもいいんだと。精神障害者というのは非常に疲れやすいですから、堂々と譲ってもらっていいわけです。そういうような意味で、精神障害者もヘルプマークを使って席を譲ってもらっても何の問題もないんだよというところまで啓発していかないと、単純にヘルプマークを配って、よかったねということではないと。
もう一つ指摘をしておきたいことがありまして、それは27ページの2番の一番下の丸のところに、「東京2020大会において国内外から多様な旅行者を迎えるに当たり」ということで、「高齢者や障害者等が安心して都内で観光を楽しめる環境を整備するため、宿泊施設や観光バス等におけるバリアフリー化や観光関連事業者等における対応力向上」と、こう書いてありますが、この対応力というのが結局はっきりしていないわけですね。どういう対応なのかと。たくさん来るということはどういうことかというと、先ほど申し上げました、てんかんのような症状を持った方々も外国からいらっしゃるわけですし、精神障害の一つで発達障害の人も、「きゃー」と喚いたりという人も来るかもしれませんね。そういう方々に対してどう対応したらいいのかというマニュアルが何もないということになっているのが今の現実ですので、これは精神の担当の人は知っていることですが、欧米の精神障害者の地位というのは結構高くて、日本は、精神障害者とかというと、何か世の中の脱落者というふうに烙印を押されるわけですが、欧米では、精神障害者の当事者も、障害者の施設に職員として雇われたりしていて、地位は高いんですね。そういう欧米から来た人が、急に日本で精神障害が発病して、精神の病院で治療を受けたときに、非常に人権が、何か問題がある扱いを受けたということになってくると問題がありますわけですし、現実に、これも精神の状況の中では有名な事件なんですが、ニュージーランドから来た青年が、身体を拘束された上に死んじゃったという事件があるんですね。これは割と報道されたので、御存知の方もいると思うんですが、身体拘束というのも、日本の精神治療の中では普通に行われているんですが、ヨーロッパとかでは、ほとんど行われておりません。イタリアにおいては、もう全然行われていないというようなこともあると思いますね。そういう中で、当然のように身体を拘束して、そういうようなことの中でショックが起きて、ニュージーランドの男性は死にました。そういうことが起こってしまうと、起こってしまった後、これは大変だというのが日本のいつものことなんですね。じゃあ、死んじゃったからどうしようという、これは何でもそうで、そういう対応の仕方というのも問題があるということを今のうちから認識した上で、そういうような精神障害も含めて、先ほど言った知的の対応も含めてですけども、対応力の向上、これも一般的にこういうふうに書くだけじゃなくて、具体的に、精神障害を日本で発症した場合、一体、どこの病院に入れるのかとか、そういうことも含めて、観光関連業者が対応するわけですから、そういう方々が対応できるようにするということがまだ不足しているんじゃないかと。現実に精神障害が発病した場合に、おたおたしちゃって、対応をどうしたらいいんだ、誰に聞けばいいんだろうというふうに、観光関連業者がなるということは、非常に可能性があるわけですね。その上で、先ほど申し上げましたように、人権が、日本では精神障害の人に対する人権がないというのが、非常にまだ現実なんですね。そういうところが、海外の方々を対応したときに、より顕著に浮かび上がってくるわけです。日本ではこうなんだよ、では通じませんから。ですので、そういうことも含めて、単純に対応する力が向上すればいいということだけでなくて、この機会に、精神障害者に対する治療という面で、病院とか、そういう、これは全部含めて、各地の支援施設も含めてですけれども、精神障害者の人権というのがないがしろにされているという現実を変えていくというような視点が、もう少し見えたような記述というのがちょっと見当たらないので、この機会に精神障害者の人権を向上させるという明確なメッセージを、ぜひ、この中に、基本的考え方の中に含めてもらいたい。精神障害者だけじゃなくて、先ほども申し上げました知的も含めてなんですけれどもね。人権が、ちょっとまだ不足しているということです。
ちょっと長くなりましたが、以上です。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございました。
心のバリアフリーの取組、全体的にはそういうことが言えるかと思いますけども、12ページに障害者差別解消法の施行の問題について触れていますけれども、それをもう少し前面に出したような形で、具体的な、基本的な課題について整理をしてほしいという御発言だったかと思います。基本的には、障害者の権利条約ではありませんけども、個人の尊厳をしっかり前面に出したような書き方をしていただけないか、具体的な宿泊施設の問題だとか、他にヘルプカードとかという御指摘がありましたけれども、宿泊施設については、確か観光庁で、29年度の事業で対応マニュアルを作成しているはずで、私も全部確認していませんけれども、しているかと思いますので、そちらも含めて、事務局のほうで少し早急に、5月の段階になるかもしれませんけれども、意見具申の段階で、やや具体的な部分についても、参考事例等がもしありましたら、御紹介をいただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
大島さん、はい、お願いいたします。
○大島委員 すみません。大島です。
これは多分、事業の実施状況があって、それで、今までの、そして都民の世論調査を載せて、そして、今後はこういう方向性に持っていくよというものだと思うんですけど、21ページから25ページの調査の載せ方というか、順番がアトランダムに出てきているような気がして、例えば困った人を見かけたときに何もしない人がいたと、そして、しなかったのは何をしていいのかわからなかったからだというのが、いきなり二つ目、三つ目で、調査結果とかとして出てきているので、それを例えば心のバリアフリーの24ページのところの上に、ユニバーサル教育のところの上に持ってくるか、少し、この構成を変えないと、心のバリアフリーが出てきて、施設状況の利用が出てきて、そしてまた心のバリアフリーに戻ってみたいな形になっているので、効果的に見せるために、何か見やすさを考えたらいいのかなというふうに少し感じました。
また、最後に、25ページにバリアフリーの認知度と心のバリアフリーの認知度というのが、ここに、ユニバーサルデザインの後に出てきていますので、ここをまとめたほうが、もしかしたら見やすく、それが都民の世論であり、それで、次の計画には、こういうふうに強調を、ここをしたいんだよというふうにつながるのではないかなと思いました。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございます。
20ページから25ページのあたりについては、今御指摘のように、課題の整理に向けたような表現の仕方がいいと思いますので、少し順番も含めて御検討いただければと思います。ありがとうございました。
今井委員、お願いいたします。
○今井委員 今井です。
情報のバリアフリーに関して、一つ御提案させていただきたいと思います。
28ページのところで、今までは主には内容の充実をしてきた、これからは、やはりわかりやすい案内サインの整備を進める必要があるというふうな方向性を示していらっしゃいまして、これは正しい方向性だと思うんですけれども、わかりやすいかどうかというのは、利用者からの意見を集約しなければわからないので、評価の部分ということが非常に大事になってくると思います。
特に、28ページのところで、「東京2020大会も見据え」とあるので、あと2年ないわけなので、これはかなり急いでわかりやすいかどうかというのを確認して、わかりにくいところを重点的に直していくという作業に取りかかっていなければいけない時期にあると思います。特にまちを見ていると、海外からの旅行者というのが急増しているというのは、目に見えてわかっているわけでして、インフォメーションセンターにいろんな方がいらっしゃっているというのが、よくわかります。一つやったほうがいいと思うのは、インフォメーションセンターにどういう相談が寄せられて、どこが一番問題になっているかというのを、現場で一番問題になっているところから少しずつ改善をしていくというふうに、具体的に前進していかなければ、インフォメーションセンターは恐らくパンクしてしまうと思います。ですので、少し具体的にどう進めていくかということも見据えてやっていったほうがいいと思います。
以上です。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございました。
この点、いかがですか。事務局のほうで御発言ありますでしょうか。
情報の評価ということですね。現状で何が問題であるのかということを把握して、これは担当部局のところで動いていただかなければいけない部分になるかと思いますけども、今の今井委員の御発言も含めて、東京2020大会、これは準備局になるのかどうかわかりませんけれども、そちらについて、具体的な現状と、それから観光情報も含めたような案内について、ターミナル駅等もありますけれども、そちらについての取組について、次のときに、参考資料になってしまうかもしれませんけども、少し具体的に見えるようなことに触れておいたほうが、最終的な意見具申のときには載りやすいし、載せやすいし、それから、都民の方もわかりやすいという形になると思いますので、よろしくどうぞお願いをしたいと思います。
ほかはございますでしょうか。
高橋委員。その後に越智委員。
○高橋(景)委員 東京都老人クラブ連合会の高橋です。
先ほど菊地さんが話した中の、27ページの東京2020大会における「高齢者や障害者等が安心して都内で観光を楽しめる環境を整備する」というふうに書かれているんですけども、高齢者といっても、いろんな方がいるわけですよね。特に認知症の人の場合、先ほどお金の支払いができないんじゃないかというお話がございましたけれども、認知症でも、お金を完全に使い切れる人はいないんですよ。そういう人もいる。それが徐々に激しくなって、人に怒られたり、あるいは息子さんに手をたたかれたり、足をたたかれたりして、徐々に精神障害になっていて、最後はもう暴れ出すというような認知症の方もいるわけですよね。そういう人たちのために、環境を整備するということが、具体的にどういうふうに整備されていくのか。中には、認知症の方でも、自分の若いとき、中年のときに楽しんだマージャンとか、グランドゴルフとかをやっている人たちが、グランドゴルフをやっているところに見にきたときに、ものすごくはつらつと、何か昔の若い人になったみたいな感じで、いろんな話をしてくれるという方もいるわけです。そういう人たちのために、高齢者だったり、障害者等と読んでいなくて、何か区別されて、こういうことができるんですよというふうに何か入れていただければ、さらに私どもが話をするときに話がしやすいんじゃないかと思いますけれども。
その辺の検討と、それから、もう一つなんですが、これは、この具申が出まして、これは恐らくオリンピック委員会の相談室なんかの団体の人たちがいるところがあるんですけども、そういう人たちがこれを読んで、またちょっといろんな意見が出てくるんじゃないかと思いますけども、それはフィードバックされて、この委員会でもって検討されていかれるのかどうか、その辺がちょっと私もわかりませんので、もし御回答をしていただければ、御回答していただきたいと思いますけども。よろしくお願いしたいと思います。
○高橋(儀)部会長 一つは、きめ細かな対応という、例示的な扱い、先ほどもちょっと同じような御発言がありましたけども、意見具申はあくまでもこの協議会としての意見具申なので、その後に推進計画としてどういうふうにやっていくか、推進計画をつくりながら、それぞれの担当部局との調整が行われて、そこで具体的な事業だとか予算に入っていくという、そういう段取りになると思いますので、一気に意見具申がそのままダイレクトに担当部局に行くということではありませんけども、ただ、調整の段階では、そういうものが当然入ってくるかというふうに思います。
池田さん、よろしいでしょうか。それから、今のもう一つのほうですね。いかがでしょうか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 今回、御審議いただいている意見具申というのは、まちづくり推進協議会の会長から都知事に意見をいただくというものでございます。意見具申を踏まえて策定する推進計画については、パブリックコメントも行い、あらゆる方から意見を聴取するものでございますが、こちらの意見具申につきましては、この協議会の意見の取りまとめという形となっております。
○高橋(儀)部会長 ですから、結論から言うと、とにかくこれをたたき台、結果的には協議会なんだけど、事務局に手を煩わせていただいて作成していただいていますから、それぞれ自由な御発言をいただきまして、それをまた私たちのところで整理をするという、そういう形になるかというふうに思います。ただし、そのときに、先ほどの宿泊施設の情報ですとか、ヘルプカードの話だとか、いろんなのがありますので、直接担当のこちらの事務局で所管しているようなものについて、具体的にある程度反映できるところがたくさんあると思いますけど、それ以外の部分については、少し調整を図りながら、意見具申の中でも若干調整が必要な部分が出てくるかもしれませんけれども、今日の段階では基本的な課題の整理ということなので、具体的なものが一つ一つ出ていないので、今、御発言がそれぞれ皆さんのほうから出ているかなという感じはしています。でも、たくさんいろいろ言っていただいたほうが助かりますので、よろしくお願いいたします。
越智委員、お願いいたします。
○越智委員 東京都聴覚障害者連盟の越智と申します。
バスについてのことなんですが、ノンステップバス、フラットステップバスについて書いてありますが、福祉のまちづくりの始めの頃に、何度かバスにおける文字情報について意見を出させていただきました。余り重く受けとめられなくて、意見を盛り込まれていないように思います。でも聞こえる人としても便利ということで、今普及されていて、都バスは全部文字情報ができているようになっています。民間もほとんどつけている状態です。この文字情報といいますのは、聴覚障害者にとっては、ノンステップバス、フラットステップバスと同じぐらい大切で、必要なものとなります。その辺を十分に認識していただいていないと思っております。ですから、聞こえない人にとっては便利でいいものではなく、聴覚障害者として、とても大事なもの、そう捉えないと充実しないというふうに思っております。そういう状況であるのではないかと思っています。昔は、ハード中心で、情報バリアフリーとか、ソフトの面の充実の理解はなかったんですが、今はハードとソフト、対等な考え方に変わってきていますので、それを反映させていただければと思っております。特に今後、反映していく必要があるのではないかと思っております。
もう一つ、最近、都バスで運転席の後ろに小さなデジタルサイネージというのを掲載しているところが多くなってきております。CMとか、そういうのが出てくるところになるんですが、例えば次は曲がりますというような、そういうことが紹介されています。そういうのが安心につながっております。私も見たことがあるんですが、運転しているときに、赤い急停止の表示をされることもあります。これは防災に役立っていると思います。そういうところがもっともっと充実していく必要があると思っております。今はまちの中でいろんなデジタルサイネージが増えております。今後、もっと増えていくと思っております。そのデジタルサイネージを使いまして、情報発信、情報提供を、特に災害や非常のときに活用する方法として、もっと研究を、また工夫をする必要があるのではないかと思っております。また、そういうふうにきちんと出してほしい。
今、危惧をしていますのが、間違った情報を発信するというトラブルです。災害関係の情報発信のときに、間違った情報が出たときは混乱が起きます。デジタルサイネージは、やはりICを使って管理をしています。ICの使い方を間違えたりとか、極端な話は、ハッキングをされる、悪意を持って間違った情報を出された場合、大混乱が起きます。災害対策のときに、そのことを含めて注意が必要かと思っております。そういうことも反映させていただければと思います。
以上です。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございます。
最初にバスの御指摘にありました。バスのバリアフリーあるいはUD化、どうしてもノンステップバスだと対象外になってしまうので、もう少し全体を利用者の視点に立って、いろんな人たちが利用しているんですよというようなことですので、文字情報も含めて、先ほどのデジタルサイネージの利用・活用の仕方。デジタルサイネージ自体は、ほかの災害だとかいろんなことにも活用できるということですので、相互のつながりがあるということで、心の中でも、情報のバリアフリーの推進がありますので、そのあたりも少し具体的なICTの活用とか、いろいろ書かれていますから、ここも先ほど来出ているような事例の扱いみたいなことですね、ちょっと参考事例みたいなことで御紹介をしていただくとよろしいかと思います。よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
他はございますでしょうか。
(なし)
○高橋(儀)部会長 それでは、ちょっと時間の関係もありますので、少し先の議題に移らせていただきたいと思います。
2点目です。福祉のまちづくり条例の「施設整備マニュアル」の改正案についてということです。最初に事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは、資料2、東京都福祉のまちづくり条例、施行規則及び施設整備マニュアルの改正(案)につきまして、前回の専門部会での審議を踏まえまして、区市町村と委員の方からいただいた意見に基づきまして、修正した部分について概要を御説明させていただきます。
まず全体概要、資料2をご覧ください。こちらは前回もお示ししたものですが、変更点について御説明させていただきます。
2の規則改正(案)の内容のところで、サイトラインの配慮を整備基準――遵守基準、努力基準、共通ということで、義務規定のほうに格上げしているというところでございます。
サイトラインの規定につきましては、前回の専門部会では、努力基準で提示させていただいたところでございますが、川内委員からも、レガシーとして重要視すべきという御意見もいただきまして、事業者団体連絡会の会長であります建築士事務所協会を通じまして、サイトラインの設計等を実施している事業者からもヒアリングを行わさせていただきました。そのヒアリングの中で、例えば競技会場におけるサイトラインの確保とは、例えばその競技がサッカーなのかラグビーなのか、競技によってはコートのサイズも違うですとか、地面にあるボールまでちゃんと見えなくてはいけないのかですとか、陸上競技なら、第9レーンまでちゃんと見えるものを確保しなければいけないのかといったような、国のほうでも、設計標準という、いわゆる参考事例集の中でサイトラインについて記載されている部分もあるんですけども、なかなか、国のほうでも明確な基準まではないという中で、整備基準の中で具体的な数値も含めて定めていくのは難しいのではないかという御意見ですとか、あと、区市町村からの意見の中でも、現場の窓口対応においても、さまざまな基準において数値等を明確にしてほしいという御意見をいただいていることを踏まえまして、サイトラインにつきましては、義務規定とさせていただきますが、その表現方法を工夫したいというふうに考えております。
具体的な表現につきましては、資料の横の次のペーパーの4ページをごらんください。4ページをお開きいただきまして、項番19、(3)のところの記載になりますけども、(3)車いす使用者のための観覧席又は客席を出入口から容易に到達でき、かつ、サイトラインに配慮した位置を設けることとさせていただいたところでございます。
以上がサイトラインの説明になりまして、その他につきまして、ポイントを絞って御説明させていただきます。
1ページにお戻りいただきまして、1ページをお開きください。出入り口、エレベーター等につきまして、区市町村のほうから具体的な数値基準で示してほしいという御意見をいただいたものにつきましては、出典としているアクセシビリティガイドラインにも数値基準がないものにつきましては、今回、削除をさせていただいております。5番については、大型ベッドの配置の工夫について追記をしております。
続きまして、2ページをお開きください。2ページからは、トイレの記載についてとなっております。一番下の9番のところで、右から二つ目の区市町村からの意見といたしまして、だれでもトイレの使用のルールの明示や普及啓発等について、具体例を掲載してほしいとございましたので、中央部分の※記載例というところを追記しております。
続きまして、3ページをお開きください。今回のマニュアル改定で記載内容を厚くした、宿泊施設の客室に関する記載です。3ページ、4ページに続きます。
5ページをお開きください。5ページにつきましては、駐車場、標識、案内設備、カウンター、自動販売機等についての記載になります。
続きまして、6ページから8ページまでは、緊急設備・施設、店舗内の通路、座席についての記載が続きます。
9ページをお開きください。9ページが公園編ということで、公園の野外劇場・野外音楽堂につきましても、ただいま御説明させていただきましたサイトラインについて、遵守基準に追加させていただいているところでございます。
以上、前回の御意見をいただきましたものを踏まえて、区市町村の意見を踏まえた主な修正点でございます。
説明は以上となります。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございました。
資料2、規則改正につきましては、車椅子使用者対応、観覧席からのサイトラインについて義務化を図りたいと。記述については、今後、少し検討が必要かもしれませんけれども、そして、マニュアルの改正の主な内容ということで、先ほどの観覧席、そして宿泊関係の施設、トイレの利用の問題といったようなことが提案されております。たくさんの項目がありますけれども、全て見切れないかもしれませんけれども、前回のときにも少し皆さんの中からの御意見を、御発言をいただいておりますので、それらと区市町村からの御意見を含めて修正案が出ているという形になります。それぞれの委員の皆さんから御指摘等ありましたら、お願いをしたいと思います。
川内委員、お願いいたします。
○川内委員 東洋大の川内です。
先ほどの4ページ、サイトラインのことは、義務化とおっしゃいましたから、遵守義務として入れられるということですか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 はい。
○川内委員 お聞き届けいただいて、ありがとうございます。
ただ、同伴者席のほうは入らないということですか。コンパニオンシートのことは。それは一つお聞きしたいということですね。オリパラで日本に導入されたというか、知識として伝わってきたのが、サイトライン(可視線)のことと、それからコンパニオンシート(同伴者席)、それから付加アメニティ席ですね、その三つというのが紹介されたわけで、オリパラ会場では、もちろんそれは整備されるわけですけども、レガシーと考えたときに、その三つのうちのサイトラインだけを取り入れるというのは、ちょっと違和感を感じるというところがあります。
○高橋(儀)部会長 じゃあ、まず、今の同伴者席についての対応については、どのようにお考えでしょうか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 前回の資料を全部こちらに添付しておりませんが、望ましい整備の中で、同伴者座席は車椅子使用者対応観覧席と同じ割合で設けるという記載を望ましい整備の中で提示する予定となっております。
○高橋(儀)部会長 整備基準の中の望ましい基準という、そういうことですね。
それから、付加アメニティ席はどうですか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 付加アメニティ席も同様でして、車椅子を使用していないが、歩行困難である場合や、補助犬を使用している人、長身や横幅が広いと何らかの理由で配慮された席が必要な人のための席、付加アメニティ座席を設けるということを望ましい整備に記載する予定となっております。
○高橋(儀)部会長 いずれにしても、法律で言うと努力義務的な扱いはしていってくださるということですね。
川内委員、よろしいですか。
○川内委員 東洋大の川内です。
一方で遵守義務があって、一方で望ましいという差がつくというのは、ちょっと腑に落ちないところもありますが、入れていただいているということで、その点は承知いたしました。
もう一つは、発達障害の方、知的の方、精神の方で、スタジアムで興奮状態になったときに、少し興奮を鎮められるような、視線を遮るような席とかというのも、オリパラでは導入されていくわけですけれども、あるいは休憩ができるコーナーとか、そういうようなものも望ましいのレベルで、こういうものもあるよと。今後、かなり具体的にやっていく項目に上がってくるだろうと思いますので、少なくとも望ましいのところに、こういうこともあるよということは書かれておいたほうがいいのではないかと思います。
4ページの(10)番、17の項目の(10)番、宿泊施設の客室ですが、「◎便房・浴室等の出入口の段差解消や必要なスペースを確保するためには」、この後ですが、「ユニットバスの交換を行う」と書いてあります。別にユニットバスの交換を行うだけが手段ではないだろうというふうに思うので、必要な性能というか、段差解消とか、必要なスペースを確保するということを言えばいいのであって、ユニットバスの交換ということにまで、具体策まで、ここで踏み込む必要があるのか。つまり、何らかのユニットバスを交換しないで、この性能を達成したときには、ユニットバスの交換をしていないじゃないかということになると、それは本末転倒だと思うので、余りここでは具体的に書く必要はないんじゃないかなというふうには思います。
以上です。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございます。
2点ほどございました。今のユニットバスの記述の仕方、それから、あと障害者の方々のためのいわゆる休憩ゾーンですとか、あるいは区切ったこれは劇場なんかにも、今のマニュアルになかったでしょうか。あったような気もしたんですけども。他の自治体ではかなり入り込んでいるので、東京都の整備マニュアルでなかったでしょうかね。ちょっと確認をしていただければと思います。競技場と、それから劇場だとかホールなんかでも、いろいろな使用の仕方なんかがありますけれども、少しずつ公共的な施設では整備をされているかというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
ユニットバスの件については、具体的な、こういう一種の商品名ではないけれども、記述の仕方、もう少し様々な対応の仕方があるので、これは出さなくてもいいのではないかということなので、これはちょっと調整しましょう。よろしいでしょうかね。
ありがとうございました。
他に御発言はいかがでしょうか。
永田委員、お願いいたします。
○永田委員 手をつなぐ育成会の永田でございます。
2点ほどです。
まず、2ページの9の先ほどのトイレの記載例なんですが、せっかく一般の方等も余りそこを使用しないようにということで記載例を設けてくださっているんですが、これはルールですので、必ずしもこのとおりということではないとは思いますけれども、ちょっと、この例の表現の仕方ですと、逆に車椅子以外のだれでもトイレを必要とする人が一層使いづらくなってしまうということがあるかと思います。車椅子を使用する方に限定するのではなく、広いスペースや機能の備わったトイレが必要な人がいますというようなことで、一般トイレが利用できる方がというふうにしていただけたほうが、共用トイレが必要な人たちまでが使いやすいかと思います。そこが一つです。
それから、もう1点は、先ほどの観客席の休憩の知的や精神の人たちがというところで、やはりクールダウンやカームダウンができる、可能なスペースを設けるように配慮するくらいのことは、ちょっと踏み込んで記載していただいていいのではないかというふうに思います。
以上です。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございます。
最初は、機能がそれぞれあって、その機能とトイレの利用の仕方について、考え方を少しはっきりと出していくということかもしれませんので、ここではかなりはしょった書き方をされていますけども、少し、実際のマニュアルでは、整備の仕方ですとか、凡例等を書かないと、設計者側・建築士側には伝わらないかと思います。あわせて、同伴トイレといいますか、共用化もしていく方向がありますので、こちらについては、国の設計標準でもかなり書き込んでおりますけども、十分反映していただきたいと思います。
それから、先ほどのカームダウン室でしょうかね、そのあたりについても、当然、マニュアルには書かなきゃいけないような内容になるかと思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。
他はいかがでしょうか。
これについて、全体の時間的なタイムスケジュール、どうでしょうか。このマニュアルの改正について。ちょっと教えていただきたいんですが。
○池田福祉のまちづくり担当課長 資料2をご覧ください。
今後のスケジュールというふうにございますが、規則改正、今のサイトラインにつきましては、パブコメにかける必要がございますので、5月と書いてありますが、6月に押してしまうかもしれませんけど、5月下旬から6月に向けてパブリックコメントを実施しまして、10月に規則改正を行っていきたいと思っております。
マニュアル改正は、こちらのほうで11月というふうに記載してあるんですが、国のバリアフリー客室基準の見直しの動きですとか、そちらのほうを両睨みしながら、今年度中にはマニュアル改定をしていきたいと思っております。
○高橋(儀)部会長 規則改正だけちょっと先行して進めていって、サイトライン、客席ということになりますけれども、ほかの部分については、現在、国のほうで進められている様々なガイドラインの改定とあわせながらやっていくということですね。年度内では間違いないかもしれませんけれどもということになると思います。ぜひ、国で動いている部分についても、取り入れられるところは取り入れていくということと、それから、国に先駆けて都のほうで先行していくマニュアルの部分はあるかというふうに思いますので、前向きに捉えていただければと思います。よろしくどうぞお願いいたします。
他に御発言、御意見ございますでしょうか。
○川内委員 東洋大の川内です。
つまり、このスケジュールはわかったんですが、今回の規則改正としては、サイトラインのことだけが規則改正。だから、逆に言うと、現在の規則をもうちょっと俯瞰的にとか、全体を見直すというのは、いつ頃をお考えなんでしょうか。
○高橋(儀)部会長 規則全体を見直した上で、改正する部分ということですね。これはどちらかというと、追補的な改正な感じがするので、そのあたりはどうかという御質問です。
○池田福祉のまちづくり担当課長 今回のサイトラインの規則改正については、前回の11月の意見具申を踏まえて、改正するということで進めております。もし今後全体の改正が必要となった場合について、例えば国が大幅に変えるとか、そういったものがあった場合には、またこちらの協議会で御審議いただいてというふうには考えております。
○高橋(儀)部会長 いいですか。
○川内委員 川内です。
わかりました。つまり、今、御存知のない方には非常にややこしい話だと思うんですが、現在、国が改正している、いわゆるガイドラインとかというのは、現在、国会にかかっているバリアフリー法ではない、その前のバリアフリー法をベースにしたものですよね。現在、国会でバリアフリー法の改正がかかっているので、その改正がどういう改正になるかという、それから、それに関連したさまざまなものが変わっていくのを見つつ、それに対応して、都としても次のスケジュールを考えていくというようなお答えだと理解していいですか。
○高橋(儀)部会長 お願いいたします。
○坂本生活福祉部長 今の国の動きが、都のスケジュールとは変則的になっている状況があり、今回は従前の流れの中で、計画の改定も含めて年度内にやれることはまずやるということで考えています。また、それ以降については、先生のお話のとおり、国とずれてしまわないように改めて国の動きも見つつ、私どもとしても、合わせなければいけないものは国の改正に合わせるというのは当然のことだと考えております。これはまた改めて御相談させていただければと思います。
○高橋(儀)部会長 いいですか。
○川内委員 はい。川内です。ありがとうございます。
了解しましたが、一つお願いしたいのは、もちろん国がいろいろと動いていくと、それに従って自治体も動かなくちゃいけないというのはあるんですけど、もう一つ、それとはまた別に、現行の規則に対して、どういう評価が行われ、どういう評価というか、現行の規則について、例えば国が特に動かない部分にあって、現行の規則が果たして有効なのかとか、そういうふうなことは、常にアンテナを立てておいて、次回の改正のときには、そういうことも含めて、この場に議論として出していただければと思います。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございます。
全体としては、国がすごく動いていますけれども、日程が定まっていないので、いつの時点で、ガイドラインも含めたあるいは省令等の改正が出てくるのか、今のところ、はっきりつかめていません。そういう意味で、都として、当然、今の時点でやっていくこと、それから将来、その後に、国のほうの省令ですとか、そういったものが、整備基準とかガイドラインが変わったときには、それは随時変えていく、マニュアルも含めて変えていくと、そういったような作業を柔軟に対応していくという、そういう今の部長の御発言だったというふうに思いますので、とりあえず現時点でやれる範囲のものはやっていく、パブコメも含めてやっていかなければいけないと思いますので、そちらのほうについては、委員の皆さんの御了解をいただければと思います。
私たちの協議会の中でも、さらに進めなければいけない部分については、今回の意見具申の中ではちょっと難しい部分はあるかもしれませんけれども、できる限り、この協議会の中で、専門部会等でも発信していきたいというふうに思いますので、よろしくどうぞお願いをしたいと思います。
他はいかがでしょうか。
(なし)
○高橋(儀)部会長 それでは、少し、今のこの内容についてもかなり詰めなければいけない部分がマニュアルのときには出てくるかと思います。次回についても調整を図りたいと思っておりますけれども、現段階では、また事務局のほうに、今日の御発言、皆様の御意見を参考にしながら、次の資料作りに入っていただければと思います。規則についても準備を進めていただきたいと思いますが、規則(案)の提示については、また事務局とも私どもが調整をしなければいけないかと思いますので、一部、部会長にお任せいただかなければならない部分があるかと思いますので、御了解をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次の議題の平成30年度の福祉のまちづくりに関する新規事業について御説明いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは、お手元資料の3をご覧ください。平成30年度新規事業、東京都心のバリアフリーサポート企業連携事業について御説明させていただきます。
都では、これまでも中高生向けの心のバリアフリーポスターコンクールですとか、ガイドラインやハンドブックなどの冊子の作成、区市町村が実施する小中学校向けの白杖体験や車椅子体験など、ユニバーサルデザイン教育への区市町村への補助事業の実施など、心のバリアフリーに取り組んできたところでございます。しかしながら、先ほど御説明させていただいたとおり、昨年の都民の意識調査の結果においても、「心のバリアフリー」という言葉を聞いたことがある方が34%と、まだまだ認知度が低いのも現状でございます。そこで、今年度は、民間事業者の皆様と一緒に取り組み、働く世代の方へアプローチすることで、東京2020大会を見据え、心のバリアフリーに対する社会的機運の醸成を図っていきたいと考えております。
具体的には、心のバリアフリーの意識啓発に取り組む企業を登録していただき、その取組状況を公表するものでございます。
取組例を記載させていただいておりますが、例えば従業員向けの研修や社内・社外の広報、キャンペーンの実施、都や区市町村が実施するイベントや講演会等への協力など、こちらはあくまでイメージの例示をさせていただいたもので、各事業者の特性や自主的な取組を踏まえたものを御登録いただき、都のホームページで公表していきたいと考えております。
スケジュールとしましては、夏ごろまでに企業募集ができるように準備を進めまして、年度末には、都のホームページにて掲載していきたいと考えております。
続きまして、資料4につきましても御説明させていただきます。
資料4をご覧ください。だれでもトイレに関するバリアフリー情報のオープンデータ化についてです。
こちらの事業目的としましては、乳幼児を連れている子育て世代、障害者、高齢者を含めて、誰もが安心して外出できるよう、バリアフリー情報の発信に向けて、都内の公共施設等のトイレ等のオープンデータ化を推進していくものでございます。
事業概要としましては、1枚おめくりいただきまして、調査票(案)がございますが、こちらの調査票(案)の2のトイレのバリアフリー情報にあります調査項目のとおり、点字ブロック、音声案内、扉の形状、車椅子が回転できるか、背もたれ、手すり、オストメイト、大型ベッド、おむつ交換台、ベビーチェアなどのバリアフリー情報について収集し、オープンデータとして公表することで、既存の民間アプリ事業者等にも広く活用いただくものです。
対象施設といたしましては、都民が自由に利用できる公共施設等で、区市町村や都庁の関係各局に依頼して実施していきたいと考えております。
私からの説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○高橋(儀)部会長 平成30年度の事業について、新規事業について御説明いただきました。心のバリアフリーサポート企業の連携事業ということになります。企業の役割がこれから重要になってくると思いますけれども、そちらの検討。それから、だれでもトイレに関するバリアフリー情報のオープンデータ化についての御説明でした。この2点について、御質問等ございますでしょうか。
はい、お願いいたします。
○本田委員 都民の本田です。
バリアフリー情報のオープンデータ化について質問です。
アンケート調査票の中で、トイレのバリアフリー情報というのがかなり細かく質問設定されており、戸の形式からサイズに至るまで、大変詳細な質問項目が出ています。これは恐らく最終的にはそれぞれの施設のホームページなどで、ピクトグラム等で展開されるかと思います。一方、鉄道事業者さんのホームページ等で展開されている、だれでもトイレに関する情報というのが、ここまで細かくは設定されていないようです。ユーザーの方にこれだけの情報が必要なのかどうかということを確認していただいたほうがよいのではないかと感じており、なぜならかなり両者にギャップが出てきていると思うからです。鉄道事業者さんの方は、例えばJRさん、メトロさん、あと新宿に出入りしている民間鉄道事業者さんのホームページでの情報を比較しますと、バリエーションはありますが、基本的には、車椅子に対応しているトイレがあるかどうか、それから乳幼児用の設備(ベビーチェア、ベビーシート)があるかどうか、そしてオストメイトがあるかどうかという、その3点に絞られていています。要は見るのが大変だと思うわけです。もし、これだけの情報をトイレだけで盛り込むということになるのであれば。ユーザーの方がどうしてもこれだけ必要ということであれば、それは必要だと思いますが、実際にアンケートを実施する前に、これだけの項目を調査する必要があるかどうかを確認していただければと思います。また、これを聞かれたほうも、これだけ答えるのは結構大変じゃないかなという気がしますので、効率のいい調査をしていただければなということで、お願いいたします。
○高橋(儀)部会長 はい、部長、お願いいたします。
○坂本生活福祉部長 貴重な御意見をありがとうございました。
今回のテーマですが、オープンデータとして提供するのが主眼ですので、実際にどこまでこのデータの中から必要なものを抽出して各アプリへ活用していただくのは、それぞれのアプリ業者の方の判断ですので、基本的には、少しでも多くのデータを提供した上で、必要なものだけアプリ業者にピックアップして使っていただきたいと考えています。
それから、まず公共施設から始めて、ある程度、標準的なフォーマットみたいなものを作っていきたいという考えです。今は案の段階ですので、いろんな御意見をいただきながら、取捨選択して、この中で必要ではないものは、この項目から自然と淘汰され必要なものがあれば改めて入れていくということになります。いろんな御意見をいただきながら、より良いオープンデータにしていきたいなと考えております。
○高橋(儀)部会長 はい、井料さん。
○井料委員 JRの井料でございます。今、ちょうどそういう話題が出たものですから。ありがとうございます。
私どもも、データをお出しするということに関しては、もちろんやっていきますので、ボリュームがあるのは大変なことは大変なんですが、大丈夫だと思います。
一応、1点質問をさせていただきたいのは、これは6月頃を目途に回収ということなんですが、こういう情報って、結構、毎年、うちの中でいろいろと改修をしたり、トイレをつくったり、いろんな連携等がある中で改修していくタイミングでレベルアップをしていったりする部分があるものですから、これって1回ぽっきりでいくのか、あるいはこの後何年か、どこかでやっていくのかとか、そういうふうな方針が既にあるのか、その辺を教えていただきたいと思います。
○高橋(儀)部会長 お願いいたします。
○坂本生活福祉部長 次年度以降のことは、なかなか申し上げにくいところですが、我々どもとしましては、町並みも含めて変わっていくものだというのは当然認識した上で、よりよいものにできるよう継続してやっていきたいと考えています。
○高橋(儀)部会長 ぜひ、特にトイレは今いろんな整備が変化しつつあるので、よりよくなっていますから、オープンしたデータの更新ですね、予算要求、継続してお願いをしたいと思います。よろしくお願いします。
それから、もう一つは、今回のオープンデータ化、これでトイレの部分については判定するのではなくて、利用者が利用しやすいようにしていくという形になるので、結果的に出てきたもののデータが、バリアだらけのトイレだったりとか、バリアフリーのトイレなんだけど、実際にはバリアがあるとかって、そういうようなこともできるので、場合によっては、それを改修する側が、施設管理者も含めて、あるいは利用者が判断するという、そういう点では多面的に利用できる可能性もあるので、データは非常に細かいほうが使われる可能性が高いというふうに思いますので、ちょっと手間暇はかかるかもしれませんけれども、そのあたりの工夫をしていただければというふうに思います。
○川内委員 川内です。
例えば実際に車椅子対応のトイレしか私は使わないわけですけれども、使っていて実感するのは、例えば2ページのチェックリストの中で、車椅子マークがついたトイレで、車椅子が出入りできないトイレというのは、今まで経験ないんですね。中で回転ができないのは、例えば居酒屋にあるようなのは、すごく狭かったりというのはあるんですけどね。なので、例えばここで言う(4)番の車椅子が出入りできるとかというようなのは、もう当たり前のこととして、聞く必要はないんじゃないかなという気がしています。
一方で、オストメイトについては、いわゆる簡易型というようなものもあって、例えば1ページ目の(撮影例)といった写真が3枚あります。この中の真ん中の写真というのは非常にいい写真だと思っていて、便器と、それからオストメイトの立位型の器具と、それからベビーチェアと、それから便器横の手洗いまで、全部写っていますね。これを見ると、オストメイトの器具が、「ああ、これは立位型のものだな」というのがはっきりわかる。それから、車椅子用のトイレというのが、器具とかというのがどういう形に配置されているのかというのもとてもよくわかる。一方で、右側のは、大型ベッドと、それから洗面台は写っていて、それから洗面台の鏡の後ろにカーテンが写っていますから、「ああ、カーテンもあるのかな」ということですけども、これは部屋の中でどういうふうなところにあるのかというのがよくわからないですね。ですから、写真3枚というので、写し方のこつみたいなものを少し例示というか、こういう観点で撮ってくださいということを示すと、情報提供する側もやりやすいのかなという感じがします。
以上です。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございます。
そういうのは全体のデータボリュームで決めているのかもしれませんけれども、出入り口の施錠の問題とか、いろんな重要な部分があったりとか、あるいは棚だとか、そういうのがあるので、ひょっとすると、ちょっとこれも工夫をして、コンパクトにしたり、あるいは軽くするとか、できる限り利用しやすいようなデータ化で、写真の例示も、この3点より、もっといいカットが撮れると思いますので、ちょっと、各施設に紹介するときに頑張ってください。お願いしたいと思います。
ほかにございますでしょうか。
越智さん。
○越智委員 都聴連の越智と申します。だれでもトイレについて、意見と確認がございます。
まず一つ目、意見なんですが、前からだれでもトイレの中に異常のときはランプをつけてほしいというお願いをしております。できれば、そのランプをつけたかどうかというところも入れていただければありがたいと思います。
もう一つが、時々あるんですが、使いたいと思っても、ボタンを押して例えば駅員の方とマイクで話して開けていただくということがあるんです。そういうのは、聴覚障害の方は使えない。他の方法はどうすればいいのかというところ、そういうことを入れていただければと思います。そういうのが意見です。もし入れ方が難しければ、入れなくても大丈夫なんですが。
そして確認なんですが、あちこちで「だれでもトイレ」という言い方をやめようという意見を聞いたことがございます。東京都としては、だれでもトイレという名称、言い方を続けるのかどうか、そういうのは意見としてはどうなんでしょうか。
○高橋(儀)部会長 私も一番そこに関心があるんですけど、もうそろそろ「だれでもトイレ」はやめてもいいんじゃないかと個人的には思いますが、部会長が言っちゃいけないので、少しセーブしておりますけど。
最初の本質的な問題は別として、フラッシュランプの部分、あるいはインターホンに関連するような、相互コミュニケーションのとり方の問題について、事例として、ちょっと後半のほうは少ないかもしれませんが、フラッシュランプについての事例なんかはございますでしょうか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 もちろんトイレによってはフラッシュランプがあるトイレもございますので、例えば4の備考欄とかも設けておりますので、その辺でちょっと記載例とかに盛り込んでいって、その他緊急設備等もちょっとつけ加えられるかどうか、ちょっと検討していきたいというふうに思っております。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございます。
それから、だれでもトイレについてのことはいかがでしょうか。名称も含めて、あるいは対応ですとかですね。
○池田福祉のまちづくり担当課長 現状としまして、施設整備マニュアルの整備基準のところにでも、基準の中で、だれでもトイレを1以上設けることというふうな記載がありまして、だれでもトイレの名前が使われているというところがございます。だれでもトイレという名前のおかげで、一定程度、いわゆる多機能トイレといいますか、だれでもトイレが都内で整備されてきたのかなというところも認識しておりまして、また、名称等についても、だれでもトイレという名前だから、誰もが利用していて本来利用したい人が利用できないという意見もいただいているのも現状でございます。そうしたことも踏まえまして、今後につきましては、もし名前を変えるということになれば、私ども事務局だけでも変えられず、また、この協議会で審議が必要なのか、また別の場面で審議が必要なのかというところがございますので、ちょっと引き続き検討をしていきたいというふうには考えております。
○高橋(儀)部会長 法基準ですとか、そっちのほうが先に動いてしまう可能性なんかもありますので、少し協議会の中でも、事務局も、情報、推移を見守っていただければというふうに思います。よろしくどうぞお願いいたします。
稲垣さん。
○稲垣委員 日本大学の稲垣です。学務の都合により遅れてしまい申し訳ございません。
資料3と資料4で、意見があります。
まず、資料3の心のバリアフリーサポート企業連携事業ということで、東京都が旗振り役となって、こういうことを率先してやっていくということは、非常に期待できるところなのですが、ちょっと気になるのは、質といいますか、UD2020行動計画では社会モデルの話をきちんと国民に知らしめていくべき、環境が変わっていかなければならないということがうたわれているわけでありまして。社会モデルの基本的な考え方をここでちゃんと推進していくということをきちんと明確に打ち出していくべきなのではないかと考えます。心のバリアフリーという言葉の認知度よりも、もっと重要なのは、そこだと思います。本来の心のバリアフリーというものが、言葉だけではなくて、きちんと人々の行動が変わるような、社会モデルを達成できるような推進でなければならないと思っております。もちろん社会モデルと個人モデルの両輪でやっていくわけなんですけれども、そういうことをきちんといろんな方々に知らしめていくといったようなことが重要かと思います。なので、目隠しで白杖の体験をするとか、車椅子に乗って「ああ、大変なんだな」で終わるだけでは、完全な心のバリアフリーではございませんので、そういったようなことをいかに工夫していくのかということを考えていただきたいということです。
次に当事者参加をもっと明記していただきたいということで、知事の所信表明演説の中でも、障害者が活躍できるまちづくり、社会づくりという話が触れられておりますし、特に取組例、真ん中、左あたりに研修や勉強会の開催とあるわけですけれども、こちらはぜひとも、内閣官房の汎用性ある研修プログラムの中にもあるように、講師に当事者を招くことが基本であるとか、そういった当事者が実際に心のバリアフリー推進で活躍できるような、よい事例をどんどん紹介していくとか、そういったような話がもっと前面に出てきたら、真の心のバリアフリーのサポートになるのかなという気がいたします。
次は資料4ですけれども、トイレに関する情報のオープンデータ化ということで、まず資料4の下あたりに対象施設というのがありますけれども、これが非常に重要で、公共施設ということで、庁舎とか公民館とか書いてあるんですけども、これだけですと点の議論なんですね。地図の中で、公共性の高い施設を点で拾っていって、それぞれの中でトイレがどんな状況かというふうに見ていくというようなイメージを持ってしまったんですが、今、ターミナル協議会ということで、新宿、池袋、あと私は立川をお手伝いしておりますけれども、その中でやはり議論になって出てくるのは、面的に考えたときのトイレの必要性ということでございます。特に時間によって、開いている時間帯、閉まっている時間帯というのがばらばらな中で、このトイレは使えないんだけれども、こっちのトイレは使えますよというような情報というのは、当事者にとって極めて重要だというふうな話をよく聞きます。そうすると、公共施設だけではなくて、面的な重要性を考えたときに、例えば百貨店とかいったような民間施設であるだとか、これは入れ込むべきトイレというのが出てくるんじゃないかと思います。全ての百貨店のトイレを調査しろとか、そういう話ではなくて、例えば乗り継ぎであるだとか、駅周辺における回遊であるだとか、人の動きをベースにして考えたときには、民間施設をもうちょっとデータベース化すべきなのではないかといったような拾い方もしていただければ、もっと有用性の高いオープンデータ化になるのではないかというふうに思います。
最後、資料4の二つ目ですけれども、今度はちょっと細かい話なのですが、さっき川内先生もちょっとお話しされていた調査票の(案)、これはこれからどんどんたたいていって、項目を考えていくということだと思うのですが、少し気になるのが、2のトイレのバリアフリー情報の(2)のトイレの位置等を音声で案内しているという、ここがですね、「トイレの位置等」というのは一体何なのかと。トイレの位置以外に一体何があるんだろうというようなことを考えたときに、まずにトイレの入り口がわかるようにしているというニュアンスだと思うんですが、例えば見えない方からすると、そこから先のトイレの中に関して、どれだけ音声で案内できているのかとか、触知案内板の設置や、便房の場所の情報提供であるとか、そういったものをどれだけ音とか触知で案内できているのかといったようなことが次に出てきます。利用者の場面場面での情報がどれぐらい提供できているのかといったような話もあるかと思いますので、当事者団体の方々を中心にして、もうちょっと項目を洗練していくべきではないかと思いました。
以上でございます。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございました。
資料3について、2点ほどあります。社会モデルの認知の問題、それから当事者参加の問題が御指摘されて、これは書けそうですよね。特に問題なく入れ込んで、具体的な取組事例としてやれる、好事例としてやっていくことができるかと思います。
それから、資料4のほうの面的トイレの整備のあり方の問題ですね。そういったようなことに使えるような対象施設の広げ方をしたほうがいいのでないか。その他の公共性の高い施設でありますけども、具体的に、大規模商業的な施設ですとか、少し入れていってもいいかもしれませんね。よろしくどうぞお願いいたします。
時間については、調査票の中にも出てきていますので、そういうところから拾っていくことが可能ではないかというふうに思います。
いかがでしょうか。事務局のほうで、特にありますか。よろしいでしょうか。
じゃあ、永田委員。はい、お願いいたします。
○永田委員 手をつなぐ育成会の永田でございます。
トイレの情報のオープンデータについてなんですが、これから、この票はさらに直していかれるということで、ちょっと今日は細かいこともしれませんけれども、少しでも多目のデータという意味で加えていただきたいことを一つお願いいたします。
特に男女兼用で使ったりという場合に、特に私どもは知的障害で介助が必要であったり、それからLGBTの方もそうなんですけれども、入り口がどこに面しているかということがとても大きな問題です。よく男子トイレの中に、だれでもトイレが女子トイレの中にはあるけれども、共用でできるところには入り口がないということもございますので、それは地図などとあわせて、併用してわかるようにはなるかと思いますけれども、男女共用で使える位置に入り口があるかどうかというようなことも加えていただけたらありがたいです。
以上です。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございました。
先ほどの稲垣さんの御発言の音声の問題をちょっと落としました。音声、そもそもどこまで必要かという、そういう議論なんかも出てくるかもしれませんので、実態として、どういう配置をしているか、整備をしているかということがわかるといいかというふうに思います。
ほかにございますでしょうか。
そろそろ時間なのですが、もしなければ、今日、たくさんの御発言をいただきました。最初のほうの意見具申(案)についても、それから整備マニュアルについても、まだまだ御発言があるかと思います。これらについては、一応、次の作業が5月になるというか、専門部会ということになりますので、事務局とは調整していないんですが、さらに、今日の資料を持ち帰っていただきまして、御意見がありましたら、事務局のほうに、1週間ぐらいをめどにお寄せいただくということでよろしいでしょうかね。そして、また、いただいたものを次の会議にできる限り反映させていただきたいと思いますので、これはなじまないかなという御意見も含めて、遠慮なく、いろいろな角度から、今日配付されました資料を点検していただきまして、御意見をお寄せいただければ大変助かりますので、お願いをしたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、その他の案件について御説明いただけますでしょうか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは、その他ということで、参考資料2「『心のバリアフリー』の実践に向けたハンドブック」、こちらにつきましては、6回目・7回目の専門部会で皆様から御意見をいただきまして、でき上がったものでございます。
今後、本ハンドブックを活用しながら、多様性が尊重された「ダイバーシティ・東京」を目指して、心のバリアフリーをより一層推進していきたいと思っております。作成に当たりまして、貴重な御意見をたくさんいただきまして、ありがとうございました。
続きまして、今後の推進協議会の予定について御説明いたします。
参考資料3のスケジュールをご覧ください。こちらは前回の専門部会でも配付させていただいたものでございます。
次回は5月15日の火曜日を予定しております。本日の議論を踏まえました意見具申(案)の修正版を提示させていただく予定です。その後、6月26日(火曜日)に協議会を開催しまして、意見具申を決定していただく予定となっております。その後、意見具申で示された課題等を踏まえまして、庁内の計画策定検討委員会において計画事業を選定しまして、来年度末に計画の公表というスケジュールとなっております。
今後の予定については以上でございます。
なお、次回の専門部会の場所は、第二本庁舎31階の特別会議室22となっております。後日、開催通知をお送りさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございました。
推進計画の改定の作業について御説明をいただきました。先ほどありましたマニュアル等についても、鋭意進めていきたいと思いますけど、これは皆様お持ちでしょうかね。少し見ていただいたほうが、本当はいいですよね。御意見をまとめるに当たっては。ホームページでもダウンロードできますか。あるいは、確認できますかね。
○池田福祉のまちづくり担当課長 就任当初にお送りしているというところでございます。
○高橋(儀)部会長 わかりました。
もし、ない方がいらっしゃれば、事務局のほうにお問い合わせをいただければと思います。よろしくお願いいたします。それから、ホームページ等でも公開されている内容だと思いますので、そちらで見ていただいても構わないかと思います。
それでは、最後に、坂本部長からの最後のまとめといいますか、御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくどうぞお願いいたします。
○坂本生活福祉部長 ありがとうございます。
本日は、長時間にわたりまして、誠にありがとうございます。今日御審議いただきました福祉のまちづくり推進計画改定に向けた基本的考え方ですとか、「施設整備マニュアル」改正案、さらに今年度の新規事業につきまして、様々な観点から貴重な御意見をいただき、誠にありがとうございます。
皆様からいただきました御意見につきましては、来月の専門部会に向けて、必要な修正をいたしまして、調整して改めてお示ししたいと考えております。また、新規事業につきましても、これから少し作り込んでいくような状況ですので、引き続き、何か御意見があれば、おおせいただければと考えております。
先ほど担当の池田から申し上げましたが、非常に今後タイトなスケジュールでございますが、今後の計画策定に向けて、鋭意努力してまいりたいと考えておりますので、引き続き御協力いただきたくお願い申し上げます。
今後、私どもも皆様の御意見をいただきながら、積極的にやれるところは一歩ずつ着実に進めていきたいという考えであります。
本日は、どうもありがとうございました。
○高橋(儀)部会長 ありがとうございました。
それでは、これをもちまして第8回専門部会を終了させていただきたいと思います。
どうも御協力ありがとうございました。
(午後4時54分 閉会)