第11期東京都福祉のまちづくり推進協議会 第6回専門部会
- 更新日
1 日時
平成30年1月25日(木曜日)午前10時から正午まで
2 開催場所
東京都庁第一本庁舎25階 108・109会議室
3 会議次第
2 議 事
(1)福祉のまちづくりに関する主な都の取組について
(2)「心のバリアフリー」の実践に向けたハンドブック(案)
(3)次期「福祉のまちづくり推進計画」の改定について
(4)その他
3 閉 会
4 出席委員
高橋部会長 川内委員 大島委員 岡村委員
稲垣委員 今井委員 滝澤委員 二井田委員
伊藤委員 岩佐委員 市橋委員 越智委員
笹川委員 永田委員 横矢委員 高橋委員
篠崎委員 本田委員
5 会議資料
第11期東京都福祉のまちづくり推進協議会 第6回専門部会 会議次第(Word:42KB)
資料1 東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例(仮称)(パワーポイント:107KB)
資料1-2 パブリックコメント実施概要(Word:51KB)
資料1-3(別紙)東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例(仮称)の構成と基本的な考え方について(Word:28KB)
資料2 産業労働局観光部におけるバリアフリー対策の取組状況について(産業労働局観光部)(パワーポイント:130KB)
資料3 新宿ターミナル協議会の概要(都市整備局都市基盤部)(パワーポイント:3,184KB)
資料4-1 「『心のバリアフリー』の実践に向けたハンドブック」の概要(Word:56KB)
資料4-2 「心のバリアフリー」の実践に向けたハンドブック(案)(Word:163KB)
資料5 福祉のまちづくりの推進に向けた社会的な背景・状況(Word:627KB)
資料6 次期「福祉のまちづくり推進計画」の改定に向けた基礎資料(パワーポイント:6,037KB)
資料7 次期「福祉のまちづくり推進計画」の改定に向けた今後のスケジュール(Excel:13KB)
【参考配布資料】
第11期東京都福祉のまちづくり推進協議会専門部会委員名簿(Excel:34KB)
6 議事録
(午前10時00分 開会)
○池田福祉のまちづくり担当課長 ちょっと電車等の遅延等で、まだお越しになられてない委員の方いらっしゃいますが、定刻となりましたので、これより第11期福祉のまちづくり推進協議会第6回専門部会を開催させていただきます。
事務局を担当いたします、福祉保健局生活福祉部福祉のまちづくり担当課長の池田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
最初に、本日の委員の出欠状況について、ご報告させていただきます。本日は20名の委員の皆様にご出席いただいております。井料委員、西尾委員、鈴木委員につきましては、ご都合によりご欠席のご連絡をいただいております。そのほかの委員につきましては、遅延等のご連絡をいただいているところでございます。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。
次第にありますとおり、本日は資料1から資料7までございます。資料の種類が多くなっておりますので、それぞれの資料につきましては説明する際に確認させていただきますので、不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。
また、配付資料とは別に座席表と専門部会の委員名簿を配付しております。さらに冊子を3冊、机上にお配りしております。「東京都福祉のまちづくり推進計画」、「東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル」、「区市町村事業者のための心のバリアフリー及び情報バリアフリーガイドライン」です。こちらにつきましては、会議終了後、事務局で回収いたしますので、恐れ入りますがお持ち帰らずに机上に置いてくださるようお願いいたします。
最後に、11月に開催されました、第2回推進協議会の議事録と、福祉保健局広報誌「月刊福祉保健」の11月号、12月号、1月号をお配りしております。
なお、当会議は公開となっており、会議の議事録は東京都ホームページに掲載され、インターネットを通じて公開されますので、申し添えさせていただきます。
本日は傍聴の方もいらっしゃいますので、お知らせいたします。
また、当会議は視覚や聴覚に障害のある委員もおりますので、ご発言の際は最初にお名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。
それでは、これ以降の議事進行につきましては、高橋部会長にお願いしたいと思います。高橋部会長、どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋部会長 皆さん、おはようございます。まだまだ足元がお悪い中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。ちょうど凍結して固まるという、今日本当に大変ですけれども、帰りも十分に気をつけていただきたいと思います。
それでは、早速ですけども、これから会議を運営してまいりたいと思います。議事次第の中で先ほどご説明ありましたけども、11月の議事録がお手元にあるかと思います。そのときに、これからの望ましい整備の方向について意見具申をさせていただきました。そのときにもお話が出ておりましたけれども、今日の第6回の専門部会から、お手元にありますように30年度までの福祉まちづくりの推進計画がありますが、この次のバージョンを考えるための基本的な考え方について議論を行っていきたいと思います。
ご承知のように、東京2020大会を契機に福祉のまちづくりの取り組みを加速させていかなければいけません。それも含めての新たな計画策定について、皆さんと一緒に議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
それでは、3点ほど議事がありますけども、最初の(1)福祉のまちづくりに関する主な都の取り組みについて、まずご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 本日は、福祉のまちづくりの推進計画の基本的考え方について初めてご議論をいただく場になりますので、まずは都の取り組み内容や主な進捗状況、また福祉のまちづくりに関する現状についてご説明させていただきまして、フリーディスカッションの形で皆様から忌憚のないご意見をいただきたいと考えております。そしてそれらを踏まえまして、次回の専門部会では次期推進計画の考え方につきまして整理した資料を事務局から提示させていただきまして、それをもとにまたご議論をいただきたいと考えております。
そのため、本日もそうした点に関しまして、参考になるご意見を皆様から頂くということで、まず議事の1、福祉のまちづくりに関する主な都の取組について、現行計画策定時の5年前にはなかった取組ですとか、オリパラやオリパラ後を見据えた次期計画にも関連しそうな主な取組について、関係部局からご説明していただきます。三つの部局から順にご説明いただきまして、質疑につきましては最後に一括してお願いしたいと存じます。
それでは、まず資料1につきまして、福祉保健局障害者施策推進部から説明いたします。
○島倉共生社会推進担当課長 福祉保健局障害者施策推進部共生社会推進担当課長の島倉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、私から、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例の概要について、ご説明させていただきたいと思います。資料1をご覧ください。
まず一番上、目的でございますけれども、東京2020大会を見据え、都民及び事業者が障害者への理解を深め、障害者差別を解消するための取組を進めることで、障害の有無によって分け隔てられることのない、共生社会・ダイバーシティの実現を目指すものでございます。
その条例の概要(案)でございますが、ポイントを4点挙げております。一つ目は、事業者による「合理的配慮の提供」の義務化となります。障害者差別解消法は、事業者による合理的配慮の提供については努力義務としておりますけれども、法の基本方針の中で地方自治体の条例による上乗せ、横出し規定というのを認めておりまして、東京2020大会に向けて障害者差別解消に関する事業者の取組を進めていくため、都条例においては事業者に対する過重な負担のない範囲での合理的配慮の提供というものを、努力義務ではなく明確に義務という形で位置づけるということとしております。
二つ目は、情報保障の推進・言語としての手話の普及でございます。東京都は、昨年6月に手話を広める知事の会に入会しておりまして、聴覚障害者への情報保障を推進するとともに、手話は言語であるとの認識に基づいて手話の普及に努めるということとしております。
三つ目は、専門相談体制の整備でございます。都に専門相談機関(広域支援相談員)を設け、障害者・事業者双方からの相談を受け付け、助言、調整するということとしております。
四つ目は、紛争解決の仕組みの整備でございます。具体的な紛争事案を解決するため、第三者機関として調整委員会を設け、あっせんの手続きを設けることとしています。また、あっせん案に従わず、特に悪質と認められるような場合には、知事は勧告のほか、罰則的意味合いを持つ公表もできるということとしております。事業者に対しては、その過重な負担のない範囲での合理的配慮の提供の義務づけを明確化する一方で、具体的な紛争事案が発生した場合には、相談、あっせん、勧告、公表などを通じて、紛争事案を解決していくという体制や仕組みを整備するといった条例となっております。
左下に、これまでの検討状況ありますけれども、障害当事者を初め、行政や事業者、福祉、教育等の関係機関から成る、東京都障害者差別解消支援地域協議会というものがあるんですけれども、それの下に条例案を検討する専門の部会を設けまして、これまでに8回ほど開催し、検討を重ねてきました。また、条例案の検討に当たりましては、委員以外にも幅広く意見を聞くため、22の障害当事者団体や15の事業者団体、交通、不動産、飲食業などさらに分野別に22の事業者等にヒアリングも実施し、様々な立場の方からご意見をいただいたところでございます。
特に検討経過の中では、先ほどのポイントの1の事業者による「合理的配慮の提供」の義務化については、事業者団体側からも賛成反対さまざまな意見がありました。法と同じく努力義務にすべきという意見もありました。その理由としては、施設設備の改修等を求められた場合、物理的に難しいとか、費用負担が重過ぎる場合があるため義務とすべきではないとか、業種規模による違いがあって、混雑時の状況で対応が難しい場合もあるので、一律の義務化には反対とか、過重な負担の判断基準が不明確であり、事業者にとって負担であるなどの様々な意見が挙げられておりました。
しかしながら、都といたしましては、東京2020大会に向けて障害者差別解消に関する事業者の取組を進めていくということが重要であり、実効性ある条例にするためには、事業者の不安・負担に対応する措置を講じながらも、あるべきルールとしては義務化する方向で検討することとしたところでございます。
そもそも合理的配慮の提供については、不特定多数に向けたハード整備ではなくて、ソフト面を想定した個別対応であって、企業規模や混雑時の状況に関係なく、一律の対応を求めるようなものではなくて、個々の状況で建設的な対話を通じて過重な負担のない範囲で対応するといった考え方になりますので、義務化に反対する意見については、必要以上な対応を想定して、過度な不安に陥っているものと考えております。
そこで都としては、事業者の不安解消に向けた啓発に取り組んで、あくまでも個々の状況に応じた過重な負担のない範囲での対応を求めるということで理解促進を進めていきたいと考えております。
さらに専門相談体制の整備でも、広く事業者からも相談を受け付け、適宜助言を行うことで対応していきたいと考えているところでございます。
最後、右下で、スケジュールといたしまして、今、パブリックコメントを実施しており、今後、来年6月の第2回協議会定例会に条例案の提案をし、10月の施行を予定しているところでございます。
次のページにつきましては、パブリックコメントに関するプレスの資料となっておりますので、ご参照いただければと思っております。1月18日まで意見を募集したところであり、現在集計作業等に取り組んでいるところでございます。
それから、この次のページにつきましては、パブリックコメントの対象となる条例の構成と基本的な考え方について示したものでございます。ちょっと細かいですが、関係するところに触れますと、2ページの7番のところ、障害を理由とする差別の禁止の二つ目の丸のところで、都及び事業者は、障害者から意思の表明があった場合には、建設的な対話を行い、過重な負担のない範囲で合理的な配慮をしなければならないということで義務化をしております。
それから、8番の三つ目のところの丸で、広域支援相談員の職務を記載しておりますが、二つ目のポチで、障害者、その家族、その他の関係者のほか、事業者からの相談にも応じるとしております。
それから、9番では、調整委員会を設けて、あっせんの手続を規定しており、3ページで、「公表について」という丸が真ん中のほうにあるかと思います。勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わないときは、公表できるということを記載しております。
それから11番で、手話は一つの言語であるとの認識に基づき、手話の利用が普及するよう都は必要な施策を講じるとしております。
パブリックコメントの結果につきましては、今後2月、3月に予定している障害者差別支援地域協議会及び条例検討部会のほうに報告し、条例制定に向けた取組を進めていきたいと考えています。
それから、事前に寄せられた意見の中で、先行している他の自治体の取組の状況を知りたいというお話がありましたので、捕捉させていただきます。障害者差別解消に関する条例につきましては、既に25の広域自治体で制定されています。そのうち、事業者に合理的配慮の提供を義務ということで、合理的配慮がされなければならないというような形で規定をされている広域自治体については、25のうち13の自治体で規定をされております。具体的には、岩手県、茨城県、栃木県、千葉県、富山県、奈良県、愛媛県、長崎県、大分県、沖縄県、徳島県、熊本県、鹿児島県で規定されておりますので、補足をさせていただきます。
説明は以上となります。
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは、続きまして、産業労働局観光部からご説明いたします。
○福田受入環境課長 私、産業労働局観光受入環境課長をしております福田と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私からは、お手元に配付されてございます資料2、これA4の横のペーパーです、1枚、それでご説明をしたいと考えてございます。
それでは、産業労働局観光部におけますバリアフリー対策の取組状況につきまして、ご報告いたします。
まず、このペーパーの「基本的な考え方」というところでございます。東京は、現在やはり国内外からかなり多くの旅行者を迎えており、2016年のデータで申し上げますと、訪都外国人1,310万人、それから国内の旅行者5億1,430万人、日帰りとかも含めてですが、非常に多くの方を東京に迎え入れているところでございます。また、今後高齢化の進展ということで、旅行市場というものもかなり変わっていくのであろうという予測もございます。
したがいまして、今後国内外から多様な旅行者を迎えるに当たりましては、やはり高齢の方、障害をお持ちの方が安心して都内観光を楽しめる環境を整備するための取組ということが重要という認識のもと業務を進めているところです。
産業労働局観光部は、観光を産業、一大産業としていこうという目的でつくられた部でございまして、産業振興の観点から主な支援対象の観光関連事業者に対しまして、例えばバリアフリー化でございますとか、あと接遇能力、そういった対応力の向上に向けた支援を実施しているところでございます。
加えまして、都民の方、都内の旅行者に対しまして、バリアフリー観光に関する情報提供、機運醸成などを実施しているところでございます。
続きまして、主な取組として、観光関連事業者への支援というところでございます。左側のバリアフリー化の推進につきましては、宿泊施設のバリアフリー化について、これは補助金ですけれども、宿泊施設に対しまして助成をしております。宿泊施設の段差解消、手すりの設置など、バリアフリー化のための改修工事、それから車いすであるとか可動式スロープとかあると思いますけども、そういった備品購入。それから、施設の改修に当たってのコンサルティングに要する経費というものも補助をしているところでございます。
それから、観光バス等のバリアフリー化ということでございます。やはり旅行をするというときに、どうしてもバスを活用されますので、バス事業者の方に対しまして、リフト付観光バスを導入する際に、通常車両と比べてリフト付車両とする場合の価格が増加する分の経費の補助をしているところでございます。
それから、これは支援対象がちょっと違うんですけども、旅行業者です。旅行業者の方がツアー造成ですね、リフト付バスを借りましてツアーを行った場合に、こちらも通常のバスのレンタル料との差額の補助をしております。こちらの旅行業者への補助につきましては、29年度から新規に行っている取組です。
それから、接遇であるとか、サービス業ですね、対応力の向上という取組でございます。こちらは、全て29年度からの新規の取組です。まず一つ目は、現地相談員の派遣ということでして、産業労働局では、アクセシブル・ツーリズムの推進ということで、こちらの主な取組の左下のところに、ちょっと米印で注意書きをしておりますけども、障害を持つ方、高齢者の方が、移動やコミュニケーションにおける困難さに直面する人々のニーズに応えながら、誰もが旅を楽しめることを目指す取組、アクセシブル・ツーリズムの推進に向けまして、観光事業者、我々の主な支援対象の宿泊であるとか、飲食、小売、こういったような方々に対しまして、そのテーマに応じて専門家を派遣をいたしまして、ハード面、例えば施設の改修でございますとか、ソフト面ということで接遇サービスの改善などに関して助言をするという専門家、現地相談員の派遣事業を実施しているところでございます。
あわせて、これは旅行業者向けになりますけども、研修の実施ということで、これは例えば高齢者の方であるとか障害者の方向けのツアーの実施方法でございますとか、例えばその場での実技、介助とかそういったようなことの研修、それを今年度から実施をしているところです。
さらに、この観光関連事業者が取り組む介助等の接遇スキルの向上のための従業員の研修でございますとか、接遇マニュアルの作成に係る経費の補助というものを今年度から始めているところでございます。
続きまして、この都民・都内旅行者への支援ということでございます。このアクセシブル・ツーリズムのシンポジウムの開催ということで、これは昨年29年10月の末に実施をいたしました。合計270名程度ご参加いただきまして、中身といたしましては、障害をお持ちになっている方から旅行の楽しさなどをお話いただく基調講演でございますとか、パネルディスカッション、それからミニセミナー、あと展示コーナーとかも設けましてシンポジウムの開催をさせていただき、普及と機運の醸成を図ってきたところです。
また、東京ひとり歩きサイン計画ということで、これは外国人旅行者であるとか、こちらも障害者、高齢者の方が安心して東京の観光を楽しめるように、ピクトグラムでございますとか多言語で表記した観光案内標識の設置も進めているところでございます。東京都においては、建設局が道路の関係で実施しており、観光部では、区市町村に対しまして補助を実施しているところでございます。
最後に、バリアフリー観光の推進ということで、こちらは情報発信になりますけども、都内の人気のある観光スポットを、今ですと20コースについて、ホームページでありますとか冊子で紹介をしています。例えば、これは移動ルート上のバリアであるとかバリアフリーの情報、楽しめるポイント、こういったようなものをパンフレットであるとかホームページで情報発信をしているところでございます。
以上、我々産業労働局は、情報発信、機運醸成から専門家の助言、研修、それから実施の補助までを実施しているところでございます。
私からは以上でございます。
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは、続きまして、資料3につきまして、都市整備局都市基盤部からご説明いたします。
○堀川交通プロジェクト担当課長 都市整備局でございます。新宿ターミナル協議会の概要と書いた資料でご説明をさせていただきます。新宿ターミナル協議会の活動について、ご説明をさせていただきます。
東京は、公共交通機関も発達をしてきておりまして、今後はそういう交通機関をつなぐ部分の機能を高めていくと。交通結節点と呼んでおりますけども、そういうところをより便利にするということが求められております。そういった中で新宿駅というのが世界1の乗降客数と言われている駅ですけれども、多数の鉄道、バス、タクシーといった交通機関が集まっているということで。まずは、この新宿駅でもわかりやすくするということから取り組んでいこうということで、新宿ターミナル協議会というものが設置をされてございます。
だれもが使いやすい、わかりやすい、利用者本位といったターミナルを実現しようということに向けまして、多様な関係者が連携して利便性の向上に取り組むということを目的としたものでございまして、平成27年6月に発足をしたものでございます。
対象範囲、図でお示しをしておりますけども、新宿駅と言いましても、かなり周りにも幾つか鉄道会社ごとの駅もありまして、周りの地下道とか地下街もあります。そういったエリアを含んだところを範囲としております。
協議会の組織ですけども、右側にずらっと名前が出ておりますけれども、関係する交通事業者、施設管理者、それから学識経験者によりまして構成をしております。この中で東京都と新宿区が事務局という形で、この取りまとめ等の事務を行っているところでございます。この新宿ターミナル協議会としての取組は、実際鉄道事業者さん、施設を持っている管理者の方々に取り組んでもらうといったことで実施をしていくんですけども、それを連携して取り組むためにこういった会議で声をかけていくという役割を都で担っているということでございます。
活動コンセプトが右下にありますけども、大きく三つございまして、「わかりやすく」、それから「人に優しく」「もっと便利に」ということで。「わかりやすく」というのは、例えば案内サインが今もありますけど、それをもっと改善していこう。それから、「人に優しく」ということで、バリアフリーの観点で少し改善すべきところをチェックして進めていこう。それから「もっと便利に」ということで、サービスの向上を図っていくと。例えばマップを配るとか、そういった取組を進めていこうという、この三つの部分、進めております。具体的な内容を、次のページからお示しをしてございます。
まず最初が、案内サインの改善についてでございます。現在も駅に行かれると気づくことがあるかもしれませんけども、課題としまして、たくさんの関係者で案内サインを設置してきておりますので、その設置した人、鉄道会社とか施設の管理者ごとにその表記、書き方とかデザインとか名称の書き方もいろいろそれぞれで違っているというケースもございます。まず、その表記を統一するといったことが課題になってくるかと思います。それから表現です。例えばピクトグラムなどを使っているんですけども、それも同じ形のものを使っていなかったりといったこともございまして、それを一貫したものにするといったことも必要でございます。それから、適切な配置。たくさん文字を並べても、かえって見にくかったり、設置する高さとか角度とかですね、案内サインの配置も重要でございます。そういった観点で、この新宿ターミナル協議会という関係者が集まる場で、こういった統一性などを図っていくための案内サインについて協議をしてきてまいりました。
それで、まずはこの基本ルールというものを平成28年3月に策定をしまして、基本的なルールといいますか、そういったものを決めてきております。その後で、じゃあ具体的にどういった案内サインを出そうかといったことで、28年10月に試験的につくったものを実際現場に置いてみて、それが見やすいかどうかといったことも試してきております。そこでの意見交換を行ったものを反映しまして、またデザインの案を改善してきております。
例えば、文字がもう少し太くできないかとか、色を使うとすれば、もう少し濃くできないかといったことがございまして、そういったものを反映したデザインをつくってきております。
右側が、それを踏まえてつくったサイン計画の概要ですけれども、去年の29年8月にサイン計画というものをつくりました。基本レイアウトは、この右上の絵のようなものでございまして。施設のまとまり、一つは例えば西口地下広場というところには、JR、小田急、京王といった三つの路線があって、あと都庁とか中央公園につながるような通路があります。そういったまとまりを、まずあらわすというところで、サインの体系をつくってきています。
こういったまとまりを西口地下広場というところでまとめて、その中にJR線、小田急線、京王線といった鉄道施設を案内すると。その交通施設を表現するときには、ピクトグラムですね、この電車のマークの絵の。
これはJISの規格のものですけれども、国際的にもこういったもの、ほぼ似たような形で使われておりますので、いろんな方にも認識されるものだということでございます。このピクトグラムと路線の名称と、それから路線のマーク。今、最近は、例えばNの幾つとかEの幾つとかいったことがよく表示されておりますけども、これももう統一された路線マークというものができてきておりますので、これをつけていくと。それと日本語、英語の2カ国語表記。たくさんちょっと言語を増やすと、またこれは見にくいということもありまして、このサインの中では2カ国での表記としております。
それとあわせまして、主な歩行を目的として、都庁、中央公園方面といったところを示していこうということでございます。これは目標地も、たくさんいろんな種類のものを挙げ過ぎると、また一気に読めないというような問題もありますので、主な代表な点としてこういうところを紹介していこうというところも、この協議会の中で話し合いまして、主なところだけをまず紹介するというような形としております。
整備の例として、ちょっと絵でお示ししておりますけども、既存で少しばらばらだったものも、統一したデザインのもので計画していくということで、それぞれの一つ一つのサインの計画を作成してきてまいりました。それで、もう次は、今はサインを実際に整備をするという段階に来ておりまして、右下がその案内サインの整備の状況でございます。これはもう去年の12月に既に設置をした東口ルミネエストという施設の入り口のあたりにあるサインですけれども。左側が整備前ということで、すごく小さなこういったサインがございましたけれども、右のような統一したデザインの、大きくて見やすいサインを整備したといったところとなってございます。こういったサインの整備は、これからまさに今、進めているところでございまして。今後、新宿駅で目にすることがあるかと思います。
続きまして、次のページがバリアフリーの推進についてでございます。それぞれの鉄道会社等で取組というのは進めてられていて、例えばホームから地上に出るまでのバリアフリーのルートを確保したりといったことは取組が進められてきておりますけれども、さらに鉄道機関同士の乗り換えの動線上では、乗り換えられやすくなっているかどうかといったところが、またさらに必要になってきます。ここで今、主な乗り換えの動線上をどういった障害があるかと、そこにエレベーターが整備できているかどうかを改めてチェックをいたしまして、エレベーターの整備を可能なところから進めていくという取組をやっております。
右側のほうのエレベーターを整備と書いた、29年6月と書いたところがありますけれども、これは大江戸線の新宿西口駅と丸ノ内線をつなぐ部分でございまして。ここはもともと階段とエスカレーターしかなかったところでございます。それぞれの大江戸線、丸ノ内線、それぞれは地上までのルートというのは確保されていたんですけども、乗り換えの部分にはエレベーターがなかったということで、新たに整備をしてございます。
それから、左のほうにも、また丸があってエレベーター整備に向けて具体的に検討といって、まだ段差があるところについて進めていこうといった場所もございます。
それから、もう一つ、視覚障害者誘導用ブロック、これも主な乗り換え動線上に不足しているところないかどうかというところのチェックをしまして、今、西武新宿駅と西口の間の地上の部分ですね、ここをつなぐルートで視覚障害者誘導用ブロックを整備を進めていこうとしてございます。
それから、新宿サブナードの中です。これも例えば丸ノ内線から西武新宿に乗り換えるというときに使う方もいらっしゃると思いますので、そういった部分でも視覚障害者誘導用ブロックを連続的になるように整備をしていこうと進めているところでございます。
それから、あと絵が出てないんですけども、エレベーターに関する案内サインということで、全体的なサインついては先ほどご説明しましたけども。エレベーターも特にわかりやすく、中にたくさん使用することがあるということでわかりやすくしようということで、鉄道、いろんな人が整理したものがあるんですけれども、それを駅全体で通し記号ですね、A、B、C、Dといったものを全体でつけまして、それをエレベーターがどこにあるといったサインを充実をさせていこうというような取組を進めていく予定でございます。
続きまして、次のページがサービスの向上についてでございます。まず、その取組として、マップ、地図の配布というものを開始をしております。左側がターミナルマップと言いまして、ちょっと今お配りはしてないんですけども、折り畳んでいるマップなんですけども、それを広げてみた絵がこれです、資料についているものでございます。中身まで見えないと思いますけども、マップの表面はターミナルの中ですね、乗り換えの経路がわかるような通路を示した地図となっております。その裏面が、駅の周辺を案内するような地図ということで、駅から周りの目的地、どういったら行けばいいかというのをわかりやすくしたものでございます。
ちょっとこれが、特にターミナル内の地図というのは、それぞれの鉄道事業者がつながったものというのが、なかなかなかったということで、それがつながった地図をここで全体をあらわすことで、乗り換えをどういうところを通ればいいかというのが確認しやすくなったものとなっております。
それから、この地図をベースにしまして、エレベーター・階段マップというものを作成してございます。これを先ほど、今お手元に後で配付させていただきましたけれども、駅全体を示す地図の上に、特に車いすとかそういう段差が非常に支障になるような場合に、どこが問題かといったところが見やすくなるような地図となっております。この地図の中で、例えば赤で階段とかエスカレーターという段差がある場所をお示ししておりまして、あとエレベーターを通し記号をつけたものを青色でお示しをしております。これをもとに赤のところに、この先段差があるということを気づいて、それでそれを迂回するためのエレベーター、どれに乗ればいいかといったことを確認できるようなものとなっております。
このマップの作成に当たりまして、ちょうど去年ですけれども、試作品を障害者団体の方とも意見交換をさせていただいておりまして。その意見を反映して、いろいろ少し見やすくしていこうということで改善をしてございます。改善、もう少し、これ前の大きさだったんですけども、余り大き過ぎても折り畳んで持つのが大変だということで、この大きさとなってございます。
それから、この地図については、出かける前に事前に見て、どのルートを通るかというのを確認しておきたいというような話もございまして、ホームページでも公表しております。マップで事前に出かける前に見て、確認をすることができるようになってございます。
説明は以上でございます。
○池田福祉のまちづくり担当課長 事務局からの説明は以上となります。部会長、よろしくお願いいたします。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。それでは、今日は、最初に冒頭で申し上げましたけれども、31年度からの推進計画に向けて、いろいろ頭出しをしていただくということもありまして、現状についてのご報告、主要なものをしていただきました。
それでは、たくさんありますけども、順番に質疑応答を進めたいというふうに思います。それから、また最後に時間が残りましたら、全体についてのご意見もお伺いしたいと思いますけれども。
最初に、差別解消法に係る条例です、都の条例についてのご説明ありましたけども、そこについてご意見、あるいはご質問等ありましたら、お願いをしたいと思います。いかがでしょうか。はい、お願いいたします。滝澤さん、お願いします。
○滝澤委員 日本民営鉄道協会の滝澤と申します。よろしくお願いします。
差別解消法の条例の制定について、資料1の条例の概要のところで、合理的配慮の提供の義務化というところがございますが、教えていただきたいのは、事前に事業者団体等から個別のヒアリング等を実施されているということですが、このうち賛成がどのぐらい、反対がどのぐらいあったのかを教えていただきたいということと、法律では努力義務で条例で義務化となると、実際の実施に当たっては非常に事業者側が混乱するのではないかという危惧もございます。そういったところの周知については、どのようにお考えなのかということの2点を教えていただきたいのでよろしくお願いいたします。
○高橋部会長 それでは、お願いいたします。
○島倉共生社会推進担当課長 共生社会推進担当課長の島倉です。よろしくお願いします。
今、ご質問といたしまして、個別のヒアリングをしている中での事業者への合理的配慮の義務というところについて、賛成、反対がどのぐらいの割合だったかというご質問があったと思いますが、すみません、賛成、反対の具体的な数について、特にまとめているものがありませんので、ご容赦いただきたいと思います。
ヒアリングをした趣旨としては、どれぐらいの事業者が賛成か反対かというよりも、現状としてどういった取組をされているかとか、事業者への合理的配慮の提供については、あくまでも過重な負担のない範囲でというところがありますので、どういった影響が出るかというところを、我々職員も勉強しなければいけないところもあって、実際に現場に伺わせていただきながら、いろいろ意見をいただいているところがございます。
その中で、基本的な障害者へのサービスの中で、普通にお話をする中で対応できているというご意見もあれば、やはりいろんなエレベーターの設置とか、だれでもトイレの設置とか、そういったものを求められるのではないかということを危惧しているという意見もありました。一つの団体の中でも、様々な意見が出ているところもあります。
あと今後の周知について、ご質問あったと思いますが、差別解消法ができたとき、こちらでハンドブックとかパンフレット、リーフレットを作っており、改めて条例の制定とともに、それぞれ更新して、配布したり、新しくシンポジウムを開催したり、様々な媒体を通じて広報、普及に努めていきたいと考えています。
○滝澤委員 はい、ありがとうございます。もう1点だけすみません。努力義務の場合には、違反というか、しっかりやらない場合には、指導、助言とか、最後は勧告、公表というような流れになっているかと思うのですが、条例で義務化した場合には、違反した場合はどういう扱いになるのか、教えてください。
○島倉共生社会推進担当課長 共生社会推進担当課長、島倉です。
先ほどの説明の中で、少し説明が足りてないところがあると思いますが、事業者への合理的配慮の提供の義務化については、例えば、まず、何をもって違反かということが、また一つありますが、手続きの流れとして、障害当事者、事業者から相談が寄せられ、広域支援相談員がお互いの主張を確認し合う中で、建設的に対話をして、こういった解決策がないか、ということを相談、助言という対応をさせていただくというのが、まず一つあると思います。
それでも双方が納得していかないところで、あっせんという手続を経て、さらにあっせん案にも従わず、どうしても悪質というのが認められる場合についてだけ、公表を想定しています。手続的には、そのような段階を踏んで進めていくので、何でもかんでも公表していくことを考えているわけでは、もちろんありません。基本的にこの条例は、お互いの対話を促すというのが基本的な趣旨になりますので、相談、助言で、通常は対応できるものなのかなと考えています。
○滝澤委員 はい、ありがとうございました。
○高橋部会長 基本的には努力義務から義務化ということですけども、基本的な性格と進め方としては、国の対応と現行ともそれほど大きくは変わらないけども、きちんとその条例の趣旨は理解をしてほしいと、そういうことというふうに。
中野さん。
○中野委員 たくさんあるんで、分けてですけれど。
まず、資料1に関して。資料1の、今事業者ということですが、これ一般的に言われている事業者と読み取らせていただくと、個人事業主を含めて宗教法人や学校法人を含め、全てが含まれると考えてよろしいということでしょうか、これは確認です。
○島倉共生社会推進担当課長 共生社会推進担当課長、島倉です。
基本的には、そういったご理解でよろしいかと思っております。
○中野委員 非常にすばらしい取組を東京都からやっていただけるということで。学校法人等では、私学の対応は非常にいろんなところで問題になっていて、国公立はいろんな合理的な配慮というのが提供されているんですが、私学がここ努力義務なのでというので、言い方は悪いですけれども、必ずしもしなくてもいいんではないかというような捉え方をされてしまうところがあって。ただ、建設的な対話をしていくということは非常に重要なことなので、それは私学であるかどうかにかかわらず、そういう対応ができていくということが大切だと思いますので。今後の教育という観点でもこのようにしていただくのは、とても意義があることだなと思いました。
それから、もう1点、この資料1で確認させていただきたいのは、その後にある別紙の部分なんですけれども。そこで例えば大きな5番のところで、障害、障害者及び障害の社会モデルに関する関心と理解云々と書いてあります。全てこの障害に関するところでは、障害と障害者と、それから障害の社会モデルというのを三つを併記していただいているんですが、これはどういうような意図なのかというのを教えていただきたいんですが。
○島倉共生社会推進担当課長 共生社会推進担当課長、島倉です。この条例を検討するに当たりまして、専門の検討部会を設けまして議論をしている中で、障害の社会モデルに関する理解がなかなか進んでいかないというところが、一つご意見としてあります。この障害の社会モデルの理解を進めるためには、従来医学的モデルという形で障害者がご自身で医療的な面で機能障害を克服するという意味合いの障害という言葉と、障害のある人が社会で暮らす中で、社会的な障壁があって、それについては、社会の方が除去する役割があるという意味合いでの障害者という言葉と、それらを含めた障害の社会モデルという考え方、それぞれを正しく理解していただきたいというような趣旨がありまして、それぞれを併記するような形で記載しています。
○中野委員 引き続き、すみません。今は権利条約等で考えると、障害というのは、そもそも社会モデルの視点から考えていきましょうということが重視されていますので、その意味でいうと、権利条約やそれから差別解消法の理念に従えば、障害というのは、もうイコール社会モデルを含んだものというふうな理解かと思うんです。ただ、社会モデルというのが、なかなか理解されていないというのは、おっしゃるとおりなので。それを今回、障害の理解の中に本来社会モデルというのも含まれるけれども、明確に頭ざしをすることで、この障害の社会モデルをより都民に広げていこうという意図で分けられていると理解してよろしいでしょうか。
○川内委員 ちょっといいですか、それは。申し訳ありませんが、今の中野先生のご理解は違います。権利条約はおっしゃるとおりです。ただ、差別解消法は、障害者基本法の定義にのっとっています。障害者基本法の定義は、障害というのは医学モデルの定義しかありません。障害者になって、初めて医学モデルと社会モデルがまざった定義になっています。ですから障害者基本法では、障害と障害者を分ける違いというのは、社会モデルが障害者のほうに入っているという違いなんです。そういうことです。
○中野委員 今、川内先生にちょっと質問させていただきたいんですが。そういう意味でいうと、ここは障害、障害者、障害の社会モデルと入っていて問題ないというふうな理解でよろしいでしょうか。
○川内委員 一応、日本国内の差別解消法に基づく条例なので、その障害者基本法の定義に基づくと、障害と障害者というのは別のニュアンスを持っているということで、こういうふうに併記するということです。
○中野委員 ありがとうございます。理解しました。
○高橋部会長 この辺は少し混乱が招くところもあるかもしれませんね。ちょっとこの併記の仕方、非常に微妙なところかも。はい、稲垣さん。
○稲垣委員 すみません。横入りのようで、申し訳ないんですけど。今の議論でちょっと質問があるんですけども。日本大学の稲垣ですが。
今のお二人の先生方の議論で、果たして都民がこの別紙の1ページ目の5の障害、障害者及び障害の社会モデルに対するという言葉のみで理解できるのかというところが、実際に事業者の方々が取組を進めていく中で、今のお二人の先生方の議論にのっとって、それをきちんと解釈した上で進めていけるのかどうかというところは、今すごくいきなり心配になってきました。
このあたりの基本的な言葉の定義であるだとか、理念の理解みたいなものをどのように推進していくのか、その辺の工夫といいますか戦略が、やっぱりどうしても必要になってくるのかと思ったのですが、いかがでしょうか。これは、多分一般的な都民としても、ごく普通な意見だと思うんですけど。私の専門家としての意見ではないんですが、教えてください。
○高橋部会長 まだ施行までに少し時間がありますが、よろしくお願いいたします。
○島倉共生社会推進担当課長 共生社会推進担当課長の島倉です。
おっしゃるとおりで、正確に細かく理念を含めて理解するというのは、なかなか一般都民には難しいこともあるかもしれませんが、我々としては、広報、普及啓発に努めていくという答えしか、申し上げるのがなかなか難しいです。都民向けにわかりやすいパンフレットというレベルでは、わかりやすいパンフレットをつくるし、より関心のある方に向けてはもう少し詳細なハンドブック的なものをつくるし、段階を踏まえて広報して、普及啓発に努めていきます。
あとは、実際に障害当事者、事業者、その他幅広く相談を受け付ける中でご説明して、ご理解をいただくこともあると思います。そのほか、一般事業者さんでも、例えば社内研修とか、様々な取組があると思いますが、そのような中でも取り入れてもらったりということを考えています。広報、普及については、できる限り頑張っていきたいというところで、決意的な話かもしれませんが、頑張りたいと思います。
○高橋部会長 市橋さん、お願いいたします。
○市橋委員 まず簡単な質問から。パブリックコメントをやって、それから委員会では報告するというんだけども、どういうことが都民から寄せられているか、ここだけまず教えてください。パブリックコメントの数も。
○島倉共生社会推進担当課長 共生社会推進担当課長の島倉です。
パブリックコメントの内容については、すみません、現在集計作業中で、何もまだまとまったものがありませんので、申し訳ないのですが、ご容赦いただきたいと思います。
○市橋委員 多いかもわからない。多かったとか少なかったとか。
○島倉共生社会推進担当課長 何をもって多いとか少ないとかいろいろありますので、すみません。パブリックコメントの状況につきましては、2月、3月の検討部会、それから親会の推進協議会のほうでご報告させていただきますので、申し訳ないのですが、ご容赦いただければと思います。
○市橋委員 その上で短くいきます。
なぜそれを言うかということ。僕、これをつくるときに、20年前に福祉のまちづくり条例をつくったときを思い出しているんです。それでそのときも散々議論をやって、一度なんか静岡まで行って、都市計画部でこのような経験もあるので、わかっていないと。
それでなぜかというと、僕はこのパブリックコメントで寄せられた意見や僕らの意見をきちんととっておいて、今回の条例では難しい部分というのは確かにあると思うけど、20年経ってみると、まちづくり条例が生まれたときとは大きく違っているというところで、この差別解消条例も何回か変えていく中で、都民の中で浸透していって、変わる可能性っていうのは非常に多いと思うんです。だからお互いにつくっていくことが必要だと思います。
だけども、そういうところで僕は、生まれるときに生みの苦しみがあったということを、よく記憶に残しながら都民の理解を進めていって、何らかの解決に条例を3年後変えるとか、都民の意見をよく聞くとか、そういうことをやっていただきたいなと僕は思っています。
だからパブリックコメントも、単にそれを記録をして残して、私たちが見れるようにして、プライバシーは守った上で、情報公開していただければと思っています。
○高橋部会長 はい。温かいご支援のお言葉、ありがとうございました。
ちょっと資料2のほうに、少しよろしいでしょうか。先に資料2のほうのご説明についてのご質疑もこれからいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。観光にかかわるバリアフリー対策の取組状況ということです。こちらのほうについての先ほどのご説明で何かご質問等ありましたら、お願いをしたいと思います。
はい、どうぞ稲垣さん。
○稲垣委員 日本大学の稲垣です。
今の資料2の説明では、アクセシブル・ツーリズムと書かれていて、観光庁のほうは、ユニバーサルツーリズムという言葉を使っていますけれども、現在マニュアルを作ろうとしている動き、御存じですか。そういう観光庁の動きも並行して動いているので、それとの整合を確認できるのか、そういったようなお互いの情報のやりとりができるのか、やっぱり東京都は、最大と言ってもいいほどの観光地域ですので、国との齟齬が出てきてしまうと、地方都市との乖離とかも出てきてしまうので、ちょっと気になるので、そのあたりの考えを教えていただけますか。
もう1点あるんですけれども。事業者への支援ということで、いろんなすばらしい取組を推進しようとしておられるんですけれども、やはり連続性のことを考えると、一つ一つの事業者の施設が立派になっても、その間が連続的につながっていないといけないという話があって、観光庁の中でも議論になるのかなと思っているのが、観光協会であるだとか、まちづくりを進めているような行政ですね、行政のまちづくり部署のところであるだとか、総合的に何か評価していく、バアリアフリー、ユニバーサルデザインを推進していくところにきちんと働きかけをしていかないと、一つ一つの個別のお話だけで終わっちゃうのかなという気がするので。そういったようなことに関して、ぜひとも入れ込んでいただきたいなというのが、私の意見です。以上、2点です。
○高橋部会長 はい、全体の調整も含めてお答えいただきましたので、よろしくお願いいたします。
○福田受入環境課長 国との関係ということでございますけども、確かにちょっと言葉の使い方というところや内容、どのような形でやっていくかという、いろいろあると思うんです。我々も国の情報等も当然入れ込みながら、事業のたてつけをしております。そういった意味では、国の動きというのを常に注視をした上で事業というものを進めております。
それから観光というのは、それこそまず移動ということで、例えば鉄道を使って行かれるであるとか。あと例えば観光地ですね、博物館であるとか、それこそ美術館なども観光地でございますので、それらも見据えた形で、仕事を進めているところでございます。
そういう意味でいくと、確かにトータルとして、まちづくり全体としてどのように考えるかというところはあると思いますけども、観光部に全ての権限があるわけではございませんので、各局連携をしながら、相互に進めていくことになるかと思います。
○稲垣委員 やはり地域によって、そこの観光に関する施策を進めていくためのオーソライズするようなシステムというのが、別々になってきておりますので。そういったようなことに関してちょっと一度整理して、その関連部署にきちんと情報提供することが重要かなと思いましたので発言いたしました。ありがとうございます。
○高橋部会長 はい。ぜひ全体のつながりですね。こちらのほうでは福祉のまちづくりにかかわるさまざまな推進計画というくくりで調整を図りながらということになりますけども、それぞれの部門でも同じように縦横のつながりが必要になりますので、ぜひご検討をお願いしたいと思います。
○川内委員 すみません。私、これそこら中で言っているんですけども、外国の方が来て、羽田空港の国際線ターミナルなんかだと、飛行機が到着すると京急の切符売り場が黒山の人だかりになるんです。それから東新宿なんかでも、券売機の前で途方にくれている外国人が非常に多いんです。券売機が鉄道会社名を選ばないと買えないとか、そういう形になっていて。そんなもの外国の方はわかるわけないので、ぜひ東京だったらPASMOなり、SUICAでもいいんですけども、早く買ってもらって、それを使ってもらうという形を東京都主導で構築されないと。外国の方に聞くと、電車はすばらしい、だけどチケットの買い方は原始的と言われているんです。
以上です。ぜひ調整していただきたい。
○高橋部会長 はい。関連部局との調整が必要になることの事例かというふうに思うんですけど、よろしく、どうぞお願いいたします。
笹川委員、お願いします。
○笹川委員 東京都盲人福祉協会の笹川と申します。
先ほどの市橋さんの意見、私も同感です。ぜひパブリックコメントの結果を何らかの形で知らせていただきたいと思います。
それから、観光ですけれども、私も2回ほど都内の観光調査にまいりました。結論から言うと、やはり観光ボランティアの養成というのが絶対必要だと思うんです。たとえ同伴者がいても、全然事情のわからない者だと意味がありませんので。この東京都として観光ボランティアを何らかの形で養成するということを検討していただきたいと思います。
以上です。
○高橋部会長 はい。この点、いかがですか。ご検討されて。
○福田受入環境課長 そうですね。観光ボランティアということで、もうかなりの人数、今現在おりますけども。例えば障害を持たれている方用とかは、確認いたしまして、お知らせしたいと思います。なければ、当然今後の検討という話に多分なっていくかなと考えております。
以上です。
○高橋部会長 インバウンドの方々には、結構いろんなところで研修が行われているというふうに聞いておりますけれども、よろしくお願いいたします。
市橋さん。
○市橋委員 市橋です。
僕も観光施設、3年続けて協力していただいて。一つは、やっぱり観光行政でどういうポイントを押さえているかというのは、なかなか違うところはあるかにも感じている。これはやっぱり課題として、まだ検討の余地があるなということが一つです。
それから、どこが問題かというと、ここで観光バスのバリアフリー化と書いてあるけれども、リムジンバスは今車いすが乗れないですよね。それとか、これは、僕は自動車会社が部品を開発して、ぜひ乗れるように。羽田から川崎に行くのに近い駅かということで、なかなか無理って、やればできると思うので、これはぜひやっていただきたいと思います。これは、もう技術的に可能なものは、やっぱり今後進めていこうと。技術開発進めていこうと。日本の自動車産業の技術はすばらしいものがあるわけですから、これはやっていいと思う。
それから、前にも言ったんだけど、東京観光の場合、1個1個のホテルに関してバリアフリーを続けるのだけど、集団的に変わるところがないと。地方の障害児学校から、車いすとかそういうものが10人以上困るといったものが、僕が観光相談をやっているような状態なんです。それだから、やっぱりそこら辺のどうやってこうやっていくかというのは考えていただいて、もうちょっと集団的に変われる工夫をつくっていただきたいなというのが、二つ目です。今回はそこ二つでいいです。
○高橋部会長 はい、ありがとうございます。
○福田受入環境課長 国のほうも補助制度をいろいろやっているということでございますので、情報交換をしながら、この観光バスのバリアフリー化につきましては進めているところでございます。国とも連携をして制度については検討していきたいというところです。
それから、宿泊施設の件でございます。そういった声というのは、相当あるということは、聞いております。国交省でも宿泊施設のバリアフリー化については、検討しているというところです。事業者さんは、確かにUDルームとかあっても、まとめて受け入れられるという自信がないという声もあるというのは認識してございます。そういった面も含め、我々も現地相談員の派遣でございますとか、研修の補助ということをやっていると。実際、感覚といたしましては、やはり先進的にやってらっしゃる施設とそうじゃない施設との差があるかなというのは感じているところでございます。
いずれにしましても、対応力の向上につきまして支援をしていくのが、その問題の解決につながるのかなと思いますので、今後とも続けていきたいと考えてございます。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございます。以上に、一つの宿泊施設だけでは対応できない実態もあるかと思いますので、先ほどの全体の調整なんかも含めて、少しご検討いただければと。ありがとうございました。
越智さん、お願いします。
○越智委員 東聴連の越智です。観光バスについてです。
リフトを見かけますけれども、視覚的情報について、もっともっと支援を進めてほしいと思います。例えば観光のときに、着いてアナウンスで「5分間とめます。」のようなアナウンスがございます。私どもは聞こえません。そういう内容は、あまり表示がありません。そういうのを表示できるように工夫をして、表示している機械を設置するなどの検討を進めていただきたいと思っております。
以上です。
○高橋部会長 難聴の方の情報、難聴の方、あるいはろう者の方の情報提供ですとか、多分その辺のことなんかも意見が入ってきているかと思いますけども。
○福田受入環境課長 産業労働局としては、観光バスのバリアフリー化について、今後も検討しなければいけないと思ってます。また、当然バス事業者の方々のご協力というのも必要かと思ってます。補助制度につきましては、今後も運営をしていきたいというふうに考えております。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございます。
高橋さん、お願いいたします。ちょっと次のもう1件だけ最初の報告であるので、少し短目にお願いをしたいと思います。
○高橋(景)委員 東老連の高橋と申します。
先日は、12月に私どもでちょっと研修旅行に行ったときに、こういうことがありました。旅行会社の人にお願いしたいんですけども、恐らく中国の方か韓国の方、わかりませんけども、お風呂の入り方が、マナーが大変に悪い。私ども、ちょっと足の悪い方がいらっしゃいまして、その方が入って、日本人というのはゆっくりお風呂に入ってというのが、自分たちのストレスを少しでも解消したいというのは、私たちのお風呂の入り方なんで。ただ、じゃばじゃばとプールに入るみたいな形で入ってこられて、その足の悪い人は滑って、溺れちゃったんです。
そういうことが毎回見受けられるんで、もしもできたら旅行会社のガイドさんでも、つき添っている方々についても、日本人の風呂の入り方のマナーというのはこうなんですよということを一言言ってもらうと、そういうことが少しなくなるんじゃないかと思いましたので、ちょっと発言させていただきました。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございます。
じゃあ、ご意見。中野さん。
○中野委員 簡単に2点です。1点は、研修の際に、心のバリアフリー研修を必ず入れてください。
それから2点目は、観光情報を提供する際に、バリアフリー化を果たしていただきたい。ホームページを含めてまだそうなってないのがたくさんありますので、ホームページを含めた情報のバリアフリー化をお願いしたい。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございます。これについて。
○福田受入環境課長 1点だけよろしいですか。研修につきましては、おっしゃるとおりで。心のバリアフリー化については取り上げているところでございます。
○高橋部会長 それでは、まだご発言があるかと思いますが、もう1点、前半の報告の中で資料3ですが、新宿ターミナル協議会の概要についてご説明いただきまして。サイン、あるいはバリアフリーの推進を進められているという説明がありました。これについて、ご質問、ご意見等ありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
中野さん、お願いいたします。
○中野委員 たくさんあってすみません、中野です。
まず、このターミナル協議会の中に障害当事者が入っていないのはどうしてか、いうところが一番問題かなと思います。
それから2ページ目、案内サインの改善のところで、だれが参加して、これをチェックしたのかというところに疑問が残ります。確かに以前のものよりは見やすくなったかもしれませんが、例えばこれまで白黒反転になっていて、高齢者やそれから弱視の人には見やすい表示になっていたものが、白板面に戻っています。これが本当に見やすいのかどうかという検証をどのようにかけたのかというところは、教えていただきたいと思います。
それから、私のところに触知サインの位置が悪いということで、当事者から話が来ています。これは実際に私、確認はしてないんですけれども、当事者団体とのすり合わせをやったと書いてあるんですが、実際に様々な当事者が、その必要な情報に行けつけるかどうかというような、そういう検証をかけられているのかどうかというところをお聞きしたいと思います。
今、サイン計画がつくられたという話になっているんですが、このつくられたサイン計画に当事者参加というのが十分になされてないとするならば、この策定されたものが広がっていくことがいいかどうかというところは、疑問なのではないかと思いますので、ご回答お願いします。
○高橋部会長 情報関係の越智さんも、多分情報関係だと思いますので、最初にご意見をいただいてみて、それでお願いしたいと思います。
○越智委員 越智です。
実は、この新宿ターミナルの視察と申しますか調査について、私もすごく協力いたしました。中野さんもおっしゃいましたが、協力しましたが、その後の報告も結果状況も全然情報がございません。どうなったか心配しておりました。
ただ、この調査したとき一つ気がついたことは、新宿の場合は民間の業者のビルが多い。民間のビルの中には、結構バリアフリーと申しますか、有効活用できる設備があるんじゃないかと思っております。駅の施設、公共施設だけではなく、そういう隣接した民間のビルの活用も考えていただければどうかと提案いたしました。
幾つか、そういう例えばエレベーター。ビルにはエレベーターがございますが、地下から1階に行けるようなというのが、もともと設備にございます。マップのほうにも載ってございますが、例えば地下の京王モールのところで110ビルというのがございます。あそこのビルの地下から宝くじ売り場の隣の小さな道を抜けると、1階まで行けるようになっています。スムーズに行けるエレベーターもございます。そういう情報をできるだけたくさん掲載するのもいいかなと思っております。ただ、入場制限がビルによってあったり、使用時間が限られたりとの課題がございますが、民間ビルの活用も効果的だと思っております。いかがでございましょうか。
○高橋部会長 はい、それでは、堀川さん、お願いいたします。
○堀川交通プロジェクト担当課長 都市整備局でございます。最初に、まず新宿ターミナル協議会の障害者団体の方にも入っていただけないかというような話ですけれども。まず、この関連協議会自体が、こういった事業者を調整する場ということで設置をしたものでございまして。この中のこういった、みんなが取組を連携して進めるということをやるための調整をやる場ということで、その関係者を委員としているというところが、まず原則としてございます。
とは言いましても、障害者の方の視点といったことも反映をしていかなければいけないということで、そのテーマごとに先ほどもサインとかマップについてご意見を伺ったという点、お話をさせていただきましたけども。これまでもちょっとお話をお伺いする場、あと現地にも来ていただいて、中を確認していただく場というのを設けてきたところでございます。
協力いただいた中でも、先ほどいただいた方もいらっしゃいましたけれども、そういった意見について取りまとめを行ったものは、この協議会に関係する事業者の間でも情報提供をやっておりまして、それぞれでどういうふうにできるかといったことも確認をいただいているところです。
それと、あとサインについては、先ほど白黒反転の話もありましたけれども。原則として、ここの今計画しているのは、地が白で、そこに黒の文字といった形のもので計画をしています。これは新宿の地下はかなり薄暗いところもあったりして、その明るさを確保するという役割もあって。それで白にしていこうというような方針を考えたわけですけども、それを見やすいか見にくいかという、試行段階でご意見をいただいたときにも、基本的には黒背景に白文字は見やすいというご意見いただいております。
ただ、周囲の明るさ等の状況に合わせて工夫することで、見やすさの確保は可能だといったことの意見をいただいておりまして。この資料の中でも、見やすさを確保できるようなデザインをしていこうということを考えてきております。そういった中で字を太くしていくとか、そういった取組もやってきたところで、あと色の指定といったところもやってきたところでございます。
それと、こういったご意見を聞く場、一度来ていただいて、その後の情報がまたないというようなお話もいただきましたけれども。先ほどエレベーターのサインにつきまして、またご意見をいただく場を設けたいと思っておりまして。そういった場で、またほかの取り組み全体についての意見も伺いながら、今後も協議会の中で都としては事業者の方にも伝えていって、進めていきたいと考えております。
○高橋部会長 はい、中野さん。
○中野委員 今のご回答、ありがとうございました。協議会の性格はわかったんですが、サイン計画を策定する際は、この協議会とは独立に、本来どういうサインが見やすいかということをきちんと検討すべきだと思います。この白黒反転に関しては、私、長年もう研究をやっておりますので。白黒反転と同じだけの効果を、そうでない状態でつくるためには一体どのぐらいの大きさにしないといけないかとか、それからどういう方に聞いたかたというのが重要なんです。なので、例えば100人に聞きましたといっても、その100人がどういう100人かというのが、すごく重要なところで。そのあたりの確認をしないで、ここで行われたサイン計画をそのまま東京じゅうに広げていくというのは、どうかと思います。
それから、先ほど観光の議論があったにもかかわらず、2言語だけで統一するというのは、これはちょっと合わないんではないかと私は思います。もちろん、一つの板面に複数言語を入れると小さくなるという問題はありますが、これを二重化して、例えば交互に置くとか、日本語の間に韓国語、中国語を入れるというようなことを考える必要性があって。これをやっていかないと、今、例えばお隣の韓国も主要駅には日本語の表記を入れてくれています。そうすると、行ったときに自分の言語というのが大切にされているというのは、観光客としては非常にうれしいことだと思います。
先ほどの観光を進めていくと言いながら、一方でサイン計画において英語と日本語だけというのは果たしてどうなのかなというところは、疑問に思うところで。これも実は外国から来られている方の意見を聞いた上でサイン計画をつくるべきではないかというふうに思います。以上は意見です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。越智さんからのご質問については、堀川さん、よろしいでしょうか。参加したけれども、結果の説明がなかったんだけど。
○堀川交通プロジェクト担当課長 先ほどお配りした、このエレベーター・階段マップにつきましては、作成した後、またそのとき参加いただいた方にも情報提供をさせていただいておりまして。サイン計画について、そのときまとめて。ちょっとそうですね、お知らせをどこまで詳しくできていたかというところもありますので、またエレベーター、サインのご意見を聞くような場でも取り組みの紹介をしていきたいと思っております。
○高橋部会長 はい。お忙しいと思うんですけど、やはりこの資料3を見てしまうと、協議会があって、さっきの事業者調整ということで、その目的をちょっと書いておいたほうがよかったのかなと。それから活動コンセプトでも、案内サインですとかサービス、あるいはバリアフリーとかなるので、それぞれの検討がどうなのかというふうに、どうしても質問したくなっちゃう。私も質問したくなっちゃうんですけど。なので、ここはそれぞれ、やはりこれからはっきりしていくためには、きちんとしたそれぞれの検討の場が恒常的にあったほうが、先ほどの越智委員からのご発言ありましたように、きっちりとPDCAサイクルにのって継続していきたいとかということになるかと思いますので、ぜひご検討も含めて。
市橋さん、お願いします。
○市橋委員 短くいきます。
僕もですね。ごめんなさい、市橋です。僕も、これを経験というか、2回ほど参加させていただことがあるんですけれども。今思ったのは、こういう経験、2時間ぐらいの経験でやるときは、発言した人たちの理解が重要で、ここがまずい、あそこがまずいで終わっちゃうわけですよね。やっぱりこういう場では協議会があり、そういうものをつくって、きちっとその経験を今度は検証しながら建設的な意見まで提案することを普通しないと、単に発言させるだけで終わっちゃうような結果になっちゃったのかなと思うので。これから、こういうときは、やっぱり経験ももちろん必要ですけど、検証しながらじっくり経験することは必要じゃないかと思います。
○高橋部会長 はい。ご意見ということで、よろしいでしょうか。
○市橋委員 はい。
○高橋部会長 はい。よろしくお願いいたします。
ほかにございますか。お願いいたします。
○本田委員 都民委員の本田です。
新宿ターミナル協議会の安全・安心に関する取組について、一つ質問があります。地下街というと、非常にたくさんの方が集まっておられるということで、ピクトグラムなどの案内サインを考えられるとき、その他の避難誘導のサインとの整合性を、どのように整理されたのかということを教えていただければと思います。
昨今、首都直下地震を喫緊の課題として捉えている中で、これだけたくさんの方が1カ所に集まられるときに、案内、誘導という平常時のサインと緊急事態のサインがどのように交通整理されているのかというところについて、教えていただければと思います。
○高橋部会長 それでは、お願いいたします。
○堀川交通プロジェクト担当課長 ここで案内サインで整備してきているものは、今、日常の通常時のサインで乗りかえのイメージを高めようといったものが主なものとなってございます。また、防災時のマップ、避難経路等の案内については、これはまた独立したといいますか、系統で作成されたものがあると思いますので、そういったものに支障を与えないということで整備をしていく必要があると考えております。
あと防災の情報について、例えばデジタルサイネージとか整備されているところでは、そういう防災のときにそういった情報が出るといったこととなっていると思います。その情報についての、災害時についての視点も考慮しながら進めていきたいと考えております。
○高橋部会長 はい、本田さん。
○本田委員 今、独立した系統というお話がありましたが、それはこの新宿ターミナル協議会ではないところで整備がされているということですか。
○堀川交通プロジェクト担当課長 避難の経路については、既に出口の案内とかされているものがあると思います。
それから、あと主にということですけども、すみません。避難場所については、このマップでいろんなところで掲出している、今のこのお配りしたものにはサイン、このターミナルマップという、今お配りしてないんですけど、こういったものを駅で配っておりまして。先ほど資料の中で小さく絵がありましたけども、この駅の中を紹介したものと、裏側が駅周辺を案内したものがございます。こちらは、この地図が現地の案内サインの地図も、これと全く同じものを使用するということで、それを手元にも持って移動できるというようなものでございますけども。この地図の中では、例えば中央公園、避難場所のところにマークを示しておりまして、どの方向に行けばいいかというのを確認できるようになってございます。
○高橋部会長 今のあれですか、先ほどの本田さんのご質問の中で、別なところで検討されているというふうに理解しておいてよろしいんでしょうか、今の……。
○堀川交通プロジェクト担当課長 多分地下とか建物の中から外に出る避難の経路というか、出口がここからこうやっていったサインが出されていると思います。そういったものの支障にならないような例えば配置にするとか、そういったことは考えていかなきゃいけない。
○本田委員 別の組織体というのがどこかということと、そことどのように連携されているのかという点を教えてください。
○堀川交通プロジェクト担当課長 そういった経路というのは、それぞれ施設の関係者です、持っている人たちで既にされていると。我々、通常時で特にみんなで考えたというのは、少し連続性とかそういったものを確保しなければいけないと、そういったたぐいのものでございまして、そこの調整を図ってきたということで。
○高橋部会長 時間の関係がありますので、ちょっとこの間にしておきたいと思いますけども。先ほどの全体のサイン計画、ルートですね、確保、バリアフリールート何かも含めて、その辺のところのすり合わせを、実際には行われていると思うんですけれども、もう少しわかりやすく説明していただけたらいいかと。よろしくどうぞお願いします。
それでは、次の議題にちょっと移りたいと思いますが。資料4になりますけども、「『心のバリアフリー』の実践に向けたハンドブック」の製作ということで、こちらのほう、事務局からよろしくお願いします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは、議事(2)「心のバリアフリー」の実践に向けたハンドブック(案)について簡単にご説明させていただきます。資料4をご覧ください。
心のバリアフリーに関しましては、第10期推進協議会の方から平成27年10月に福祉のまちづくりにおけるソフト面の取組により一層の推進に向けてということで、情報バリアフリーとあわせて意見具申を頂戴したところでございます。この意見具申を踏まえまして、都では、本日机上にも配付しておりますガイドラインを作成するとともに、小中学生を対象としたポスターコンクールや、高校生向けリーフレットの配布を行ってまいりました。
また、本協議会の中野委員にもご協力をいただきながら、昨年度は大学生や障害当事者等の参加を得ながらシンポジウムを実施し、さらに今年度は心のバリアフリーについての動画コンテストを行い、11月に開催された人権イベントの中で表彰式を行ったところでございます。こうした昨年度からの取組を踏まえ、その成果としまして心のバリアフリーを広く都民の皆様に普及させることを目的に、この「『心のバリアフリー』の実践に向けたハンドブック(案)」を作成するものでございます。
これは今年度中に発行する予定でございまして、今後イラストや写真等が入りますが、本日は現段階の案をご説明させていただき、内容について皆様からご意見を頂戴していきたいと考えております。1枚目の概要に沿って説明させていただきますので、そちらと本文を合わせてご覧いただきたいと思います。
まず、作成の趣旨でございます。障害の社会モデルの考え方に基づいた、心のバリアフリーについて、わかりやすい具体的な事例を交えながら紹介し、都民の理解促進や実践につなげたいと考えております。障害の社会モデルの説明につきましては、本文2ページの下のほうに、外務省の障害者権利条約パンフレットから引用して、掲載しております。
概要に戻っていただきまして、続いて、1、「心のバリアフリーとは」として、まちの場面の中から心のバリアフリーについて考えてもらう構成としております。三つの場面につきまして、イラストで紹介させていただきまして、こうしたことが起こっている原因が、様々な人々の多様性を知らないことや理解してないことであり、そうした意識や行動が、そこからつくり出される環境がバリアになっていること。そうした心のバリアフリーとは、高齢の方や障害のある方、乳幼児を連れた方、外国人などだれもが平等に社会参加できる社会や環境について自ら考え、必要な行動を継続することであるとしております。
さらに社会や環境にあるバリアとして、障害者に障害のあることがバリアなのではなく、障害のある人を含めた全ての人に配慮してない社会や環境がバリアであり、多様性を理解し、それぞれの人に応じた配慮に気づき、対応することが重要であるとしております。
なお、視覚障害者の方がまちの中で困っている場面、本文では6ページになりますが、そちらの内容につきましては、事前に委員の皆様に資料をお送りした際、笹川委員からもご意見をいただいておりますので、それを踏まえた内容となっております。
次に、2、心のバリアフリーの実践に向けてとして、まず都民の心のバリアフリーに関する認識の調査結果を示しております。内容としましては、まちの中で手助けが必要な場面に気づいているものの、積極的に声かけする方は一部で、行動を起こすことが課題となっているということをご指摘しております。本文では、10ページから12ページとなっております。
そして、これから心のバリアフリーの実践のための三つのポイントをまとめております。その1、人間関係を含めた社会との関係によってバリアがつくられていることを理解すること。その2、どのような配慮が必要か本人とコミュニケーションをとり、その意向を確認すること。その3、バリアの解消に向けて、自分にできる適切な配慮を行うことです。詳しい内容は、本文の13ページから15ページに掲載しております。
次に、3、まちのバリアを考えるとして、移動、職場や店舗でのコミュニケーション、施設・設備の利用の場面、四つの場面をイラストで示して、バリアの内容や配慮のポイントを紹介しております。本文では16ページから19ページまででございますが、まずはどこにバリアがあるのかを考えていただきます。そして20ページからは解説ということで、バリアに対する配慮のポイントと解説を見開きで紹介する構成となっております。この20ページの内容につきまして、紙面の都合もございますが、委員の皆様にはこういうバリアも紹介してほしいですとか、解説にはこういう内容を加えてほしいということがございましたら、ご意見をいただければ検討させていただきたいと考えております。
概要に戻っていただきまして、一番下、最後に4、「心のバリアフリー」の理解に向けた取組としまして、学校、地域、事業者等における取組を紹介しております。
説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。全体のこのハンドブックの製作のタイムスケジュールについて、それから皆さんの、もし今日以外にも意見が伺えるのかどうかという。
○池田福祉のまちづくり担当課長 このハンドブックは、ちょっと先ほどもご説明させていただきましたが、できれば年度内、3月に印刷したいと考えておりますので、本日のご意見とそのほかまた持ち帰っていただきまして、1週間程度を目途にご意見をいただければと考えております。
○高橋部会長 ということは、1月中ということでしょうか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 はい。
○高橋部会長 じゃあ、もし今日の今のご説明でまだ質問をできなかった方も含めて、多少時間はありますので、ご発言をいただけたら。
菊地さん、お願いいたします。
○菊地委員 東京都精神障害者団体連合会の菊地と申します。
このパンフレットなんですが、精神障害者に対する対応ということで、2カ所ほど対応の具体的な指示がありまして。まず17ページで、「オフィスに到着した精神障害者(疲れている)」というのがあります。それから22ページに、やはり「オフィスに到着した精神障害者(周りがサポート)」ということで登場はしているんですが。あと解説の2のところの5番目に、「精神障害のある人は、緊張をしたり、疲れやすかったり、人とのコミュニケーションを負担に感じる人もいるので、本人のペースでの話に耳を傾けて、穏やかに対応するよう努めます。」と。それはそれでいいんですが、現実に精神障害者と接触する場面というのは、こういう平和的な場面でないことが多いんですよね。
簡単に申し上げますと、例えば電車の中で奇声を発しているとか、奇異な行動をとったりとか、そういう方がいらっしゃるんですよね。そういうような方は精神障害の症状が出ている方なので、そういう方々に対する対処の仕方というような視点がないと、精神障害者の対応というのは、こういう平和的な精神障害者だけだったら、本当に偏見なんか生じないんです。
ところが、実際には精神障害者というと、すごい何か、池田小学校の事件を起こした方とか、そういうセンセーショナルな事件が起こって、じゃあ一般の全部含めての精神障害者を厳しく取り締まろうじゃないかというようなところで問題が出てくるわけです。ですので、ここにあることが間違っているわけではないんですけれども、偏見が生じないようにするという書き方にするということですよね。
ですので、書けるかどうかはわからないですけど、例えばイスラム教徒という者がいるわけですけども。イスラム教徒というのと精神障害者というのは、捉え方として結構似ていると思うんです。例えばイスラム教徒の過激派の人は、自爆テロとかいろいろやるわけです。そうすると、イスラム教徒というのは全部がそういう過激な人なんだと、みんな思い込むわけです。ところがイスラム教徒というのは、ほとんどはそんな過激な人じゃないわけです。平和的な宗教を信じている平和的な人たちがほとんどなわけです。それと同じように、精神障害者もそういう池田小学校事件で子供を無差別に殺すような人は、全員そういう人なわけではないというところがあるわけです。
ですので、ちょっと難しいんですけども、これだけではちょっとなかなか精神障害者に対する理解という意味では、ちょっと文章が足りないんじゃないかなと思うわけです。精神障害者も本当に事件を起こすのは、本当に一部で、ほとんどの人はおとなしくて、優しくてということなんで、ここに書いてあるとおりの対応でいいんですけれども。ただ、そういう偏見というものに関する、例えば精神障害者であると思われる人が電車の中にいても、そんなに怖がる必要はないとか、そういうような対応の仕方の難しさがあるわけです。治療につなげれば問題ないんだけど、それは医学的な対応の仕方ということで、そういう対応だけではないということが、ここに最初から書いてありましたけれども。
精神障害者の場合は、特に医学的対応が重要になってくるというのがあるわけです。ほかの障害者に比べても、精神障害の、先ほど電車の中でいろんなおかしなことをしている人がたまにいますよね。あれは統合失調症の主な症状なんです。あの症状が出ているから、その人が自傷・他害に及ぶ、出ている人は全部自傷・他害に及ぶかというと、そういうことはないんです。それはそうですけど、一般の人はそういう奇異な行動をしている人を見ると、すぐそういう池田小学校の事件と結びつけるわけです。そういうことがないということを何かうまく表現するということは、精神障害者の場合は必要だと思います。
そこが、なかなかこういうイラストで、ほかの障害のある人の対応と並べて書くというのは難しいんですけども。ただこのままだと、ちょっと精神障害者の理解が深まるということにはならないんだということを理解していただきたいということを、ちょっと意見を申し上げました。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございます。ここのページ、幾つかページがありますけども、シーンについての大事さということだと思いますので、少し加筆も含めて、菊地さんもちょっと少し応援していただいて、確認をしていただければと思います。
○川内委員 東洋大学の川内です。
今の菊地さんのおっしゃっていることというのは、とってもよくわかって。ただ、ちょっと菊地さんのイメージとは違う発言をするかもしれませんけれども。まちの中で、今、奇異な行動というふうにおっしゃられて、統合失調症というお話もありましたけども。例えば自閉とか、ほかの原因でそういう奇異な行動もする人もいるわけで。
ここで求められているのは、その人がどういう障害があるかということを診断することではない。なので、発達障害のある人はこうしましょう、精神障害のある人はこうしましょうという書き方自体が違うのではないか。まちの中でこういう行動、まず最初は真正面に回って、ゆっくり目を見て話しかけるとか、そういう基本的な行動はあるわけですよね。ですから、その中で相手が例えば言葉が通じない人だったりとか、あるいは興奮状態の人だということを見きわめないといけないわけです。そういう現象からどう入っていくかという書き方をしないと、役に立たないのではないか。車いすなんかは見てわかりますよ。わかるけれど、車いすももっと言うと、脳性麻痺の方のように発語が難しい方とかもいらっしゃいますけれども、特に外見ではわからない、行動だけであらわす障害の場合にどういうふうに、その方々に最初のファーストコンタクトをとっていくかというようなことも含めて書いていかないと、最初から障害に分けていくと、ちょっと使えないんじゃないかなと思います。
以上です。
○高橋部会長 大事なご指摘、ありがとうございました。やはりそれぞれの真意というのがすごく重要なので。私たちも、その障害の中身を全部仮に知らなくても、対応できる場合もあるというご指摘かというふうに思います。
稲垣さん、お願いいたします。
○稲垣委員 日本大学の稲垣です。
こちらのハンドブックの11ページ目のところ、ここが都民の心のバリアフリーに関する認識の現状についてまとめられているところなんですが。この図3と書かれている、その下のところです。以前断られたことがあるので、何もしないというような人が結構いる。これがその他の中に今回まとめられているんですが、これが結構な割合を占めているような調査があったりするわけです。障害を持っているとか高齢者である前に人間なので、いろんな個性を既に持っているわけです。そのときに、その人のいろんな事情があって断ったんだろうということであって。例えば優先席で高齢者がやってきて、譲ろうとしたんだけども、俺はまだ元気じゃとかと言われて、もう二度と譲らないとか。こういったような話、よくあるじゃないですか。なので、断られたということに対して、その後、その人のその後の人生で一体どういうふうに考えてもらうのかといったようなフォローは、ぜひ書いていただきたいような気がします。
プラットホームで視覚障害者に対して声をかけて断られたと。実は、それは単独で訓練していたわけであって。その後、一回断ってしまった手前上再度お願いすることもできず、声をかけられて体の向き変えたから、もう方向わからなくて転落したなんて話もあるわけです。なので、そのときにやっぱりその人のとるべき行動は、最後まで見守るということだと思うんです。なので、そういう断られたときに、そこで心のシャッターを閉じるんじゃなくて、一体どのような行動や、考え方が必要なのかということは、ちょっと可能であれば書き加えていただきたいと思っております。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
はい、じゃあ今井さん。とりあえず3人までで。その後、大島さん、そして高橋さんで。
○今井委員 フリーランサーの今井です。
今までの菊地さんと稲垣さんとのご意見の補足なんですけれども。この調査の結果出てきた結果の一番の課題、「どうしていいかわからない」という回答があるというのは、もうわかっているので。それに対してもう少し具体的にどう行動すべきかという事例を具体的に出していくことが必要かと思います。
例えば「声をかける」ではなくて、どういう声をかけたらいいのか、具体的な文言で「お手伝いできることはありますか。」、それはする必要がないかもしれないという前提とした聞き方をするとか、そういう具体的な声のかけ方まで事例として当事者団体の方とご確認しながらも出していったほうが、かけやすくはなると思います。
特に小学生や中学生といった若い方々は、どうしていいかわからない。もうみんな助ければいいとは思っているんですけども、そういうところで二の足を踏んでいる人たちは多いですので。具体的な行動について、どういうかけ方が理想なのかというのを、皆さんと理想の部分というのは出していく必要があると思います。
以上です。
○高橋部会長 大島さん、お願いいたします。
○大島委員 浦和大学の大島です。
ご説明ありがとうございました。ちょっと2点あります。1点目は、先ほども出たんですけど、宗教とか精神疾患の場合というような話で。このダイバーシティ東京を目指してということで、このハンドブックを作成するということであれば、ちょっと宗教の問題、例えばLGBT普及の問題とか。わからないけれども、うちなる国際化というのか、外国にルーツのある方というような方たちのところを取り上げづらいとは思うんです、事例では。何か文言で、どこかやさしい解説で書くというのもあるかなと思いました。
もう1点は、福祉のほうの養成というか、専門職を養成する場面では、医学モデルと社会モデルというのが相反するものという捉え方はしてなくて、この両方を使って人を見ていきましょうと伝えるんです。例えば医学モデルでものを見た場合に、そのバリアは取り除かれるバリアがわかるということもあるわけで。その医学モデルを否定するというのではなくて、だから先ほど川内先生がおっしゃったようなこの背景というんですか、基本法と解消法のような背景を少し障害モデルのところの説明に入れるというのも一つのやり方かなと思いました。意見です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございます。高橋さん、お願いいたします。
○高橋(景)委員 先ほど稲垣先生がお話しした、身体障害者の方をお手伝いすることなんですが。あれは老人会の人には、私は「何かお手伝いいたしましょうか。」と言いなさいと言うんです。何かしましょうかというのでは、ちょっと感情的な言葉になっちゃうんで、もっと丁寧に相手に精神的にゆとりのある言葉で話をかければ、向こうも、「いや、私1人でできます。」と返ってくるので。私も、何回もそれで断られたことが結構ありますんで、それで大分なれました。別にやっていいのかどうかわからないけど、それがありましたんで。今、うちのほうは、そのようにして話をするようにしています。
もう一つは、先ほど心バリアフリーの中に、28ページの(1)で学校での児童・生徒に対する心のバリアフリーということが出てきましたので。先ほど一番下に都の方がお話しされた、条例の権利でここに学校教育についてどのように考えていらっしゃるのか、それをちょっとお伺いしたいと思って質問したんですが。一番最初に説明いただいた、条例の2番目、情報保障のことの中に、要するに手話の方の普及ということがありましたよね。そこに学校教育はどのようにされているのかというのは、やっぱり明記したほうが、私はいいんじゃないかと思って、今お話ししたわけですけど。
○高橋部会長 資料1のほうでしょうか。
○高橋(景)委員 そう。資料1。
○高橋部会長 ちょっと後で少しいいでしょうかね。ちょっと時間の関係もあって、すみませんが。ここにはいろいろと多分、越智さんからもいろんなご発言があるのではないかなと思いますが。でも最初の説明の中で、学校何かも全て対象になってきますよということですから、手話は問題なく。別に言語条例が今あるわけじゃないので、それどうのこうのということではないでしょうけれども。
○高橋(景)委員 でも明記したほうが、私はいいんじゃないかと思ってお話ししたんです。
○高橋部会長 明記というのは、条例の中にということでしょうか。
○高橋(景)委員 そうです。
○高橋部会長 そこまでは、多分書かれていないでしょう。じゃあ、それだけちょっとお答えいただけますか。
○島倉共生社会推進担当課長 手話については、普及について書いており、手話に特化した教育という話については、条例では今のところ、特に記載していません。
一応、教育という観点でいくと、教育を進めるということでは、条例の項目には入れているので、障害、障害者、障害の社会モデルとか、その教育を推進することについては、入れています。
○高橋部会長 すみません。後程また少し調整していただけますでしょうか。時間の関係もありますので。
永田さん。じゃあ、こちらのほうの資料4についての最後のご発言にさせていただきたいのですが、よろしくお願いいたします。
○永田委員 知的障害者育成会の永田でございます。
先ほど来、どうしてよいかわからないときの対応ということが、少し話題になっておりましたけれども。ここの記載で、全てこういうときはこんなふうにしましょうって、もちろん言い切れることはできないと思うんです。特に対応に困ったときに、不安であったりとか、何とかしなくてはいけないんだけれど、ちょっと自分ではできないと思う方のほうが多いかと思うんです。そういうときに、直接その方に何かどうするかとかという視点だけではなくて、どういうふうに周りの人たちも巻き込むかとか、協力を求めるかとか。特にお子さんなどの場合は、助けを求めることとか、そういうことをやはりしっかりとこういうところに記載していただいて、その場で解決というよりは、何とかしなければならないという気持ちを、やっぱりみんなに養ったり持っていただくというのが、この東京都の心のバリアフリーなのではないかと思いますので、ぜひそういう視点での記載をしていただきたいと思います。
それから、もう1点、ヘルプマークについてなんですが。27ページに参考ということで書いてございますけれども、最近本当に多く見かけるようになりました、おかげさまで普及してきたと思います。それで、やはり配慮のポイントのところにも、つけている方は何らの配慮が必要なので、そういう気持ちを持って見守りましょうみたいなことの記載があると、よりいいのではないかと思いました。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。周囲への協力の求め方、この中に少し書かれておりますけれども、今ご発言ありましたように、本当に大事なことなので。やはり周りの方々の協力がないとだめだということもありますし。それから断らない勇気も、高橋さん、持っていかないといけませんよね。私も年に1回ぐらい山手線で席を譲られ、これからは断らない勇気で頑張ろうかというふうに。よろしくどうぞお願いいたします。
すみません、ちょっと先を急がないといけないので、実はこれからが本当の本題なんですが。次期の福祉のまちづくり推進計画の改定についてということです。この点については、次の専門部会でも議題が用意されて、そこのときに本格的に議論をするという形になっておりますので。今日は本当に簡単なご説明だけになるかと思いますけれども。それでは、時間がない中で恐縮ですけども、資料5、資料6についてのご説明をお願いをしたいと思います。
○池田福祉のまちづくり担当課長 すみません。時間が限られておりますので、ちょっと非常に簡単にご説明させていただきまして、次回2月14日もすぐございますので、もし質疑等がございましたら、そちらでさせていただくという形にさせていただければと思います。それでは、資料5、6についてご説明をさせていただきます。
資料5につきましては、福祉のまちづくり推進計画を考えるに当たっての基本的な社会的な背景の統計数値等をまとめたものでございます。まず、1点目、東京都の人口推移ということで、高齢化率は非常に進んでまいりますということで、平成37年には23.3%、平成42年には24.3%とおよそ4人に1人が高齢者になってまいりますと。(2)のほうで、後期高齢者の数もふえてまいりますという資料でございます。
1枚おめくりいただきまして、2ページ、認知症高齢者のほうも増加してまいります。
3ページになります。こちらのほうは、各障害者種別の手帳の交付推移を掲載したものでございます。身体、愛の手帳、精神障害、これらの手帳の数の推移を示しているものでございます。
4ページ目になります。4ページ、(6)出生数・合計特殊出生率の推移でございます。(7)外国人の旅行者数の推移となってございます。
次に、資料6に移らせていただきます。資料6の1ページ目、都における福祉のまちづくりの主な進捗状況(ハード面)ということでございまして。これまでもいろんな資料を出させていただいておりまして、そちらを今回は写真入りのもので掲載したものとなってございます。
2枚目がソフト面の取組ということで、情報バリアフリー、心のバリアフリーの主な取組について写真つきで掲載したものとなってございます。
続きまして、3ページ目。都民の意識調査の結果ということで、こちらは5年に1回、東京都で実施しております調査の福祉のまちづくりに関するものの調査結果をまとめたものでございます。
主なポイントといたしまして、4ページ目、ソフト面でのバリアフリーということで、心のバリアフリーというところでございますが。先ほど来議論になっております、外出先で困っている人を見かけたときの行動ということで、都民の意識調査の結果としましても、困っている人を見かけたときに何もしなかった理由としましては、「手助けをしていいものかどうかわからなかった」という回答が多く、3割強となっているところでございます。
5ページ以降が、東京都のまちにおける施設・設備のバリアフリー化の状況ということでございまして、「進んでいる」、「やや進んでいる」というあわせた割合は48.4%ということで、5割を割っているところでございます。
続きまして、6ページ目、福祉のまちづくりで特に重点的に取り組む必要があるものということで、道路整備、公共交通施設、災害時の要配慮者という割合の3項目が高くなっております。
続きまして、7ページ目がユニバーサルデザインの認知度ということで、以前から知っていたという方は32%で、23年の5年前とほぼ変わってないという状況でございます。また、バリアフリーという言葉の認知度、心のバリアフリーという認知度につきましては、記載のとおりとなってございます。
また、8ページ、「東京は助けを求めやすいか」というところで、「思わない」という方が66.8%という結果となってございます。
非常に雑駁でございますが、資料の説明については以上でございます。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。今、ご説明、資料5、6ありましたけど、特に資料6については、これから次回の第7回のときの重要な基礎的な資料になります。この点については、引き続いて持ち帰っていただいて、ちょっと目を通していただき、もしご意見等がありましたら、ちょっと取りまとめておいていただけると、大変次の会議がやりやすくなるかというふうに思います。少し質疑もあるかと思いますけれども、とりあえず全体のこれからのスケジュール、資料7について、先にご説明をお願いをしたいと思います。
○池田福祉のまちづくり担当課長 続きまして、資料7についてご説明させていただきます。資料7をご覧ください。次回、皆様ご案内のとおり、2月14日に専門部会を開催しまして、今回の計画の改定についての引き続きの基本的な考え方について議論をさせていただくところでございます。次回2月は、サイトライン等の規則改正案及び整備マニュアルの改正案についてご審議いただく予定となっております。4月、5月と開催させて頂きまして意見具申骨子案となる推進計画の基本的な考え方についてご審議いただきまして、6月の第3回協議会で、意見具申をいただく予定となっております。その後、6月から庁内の検討委員会を開催しまして、次期計画事業の選定を行いまして、来年度、31年3月下旬に新しい福祉のまちづくり推進計画、31年度から35年度の計画を公表する予定となっております。
以上でございます。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。一応、資料については全部ご説明いただいたんですけれども。質疑の時間が十分とれずに、運営のほう大変申しわけありません。でも一言、二言、どうしてもこの機会に話をしておきたいという方がいましたら、最後に短目に。越智委員、お願いいたします。
○越智委員 この計画とは別なんですが、高橋委員の質問に関連する内容でもよろしいでしょうか。
○高橋部会長 はい、どうぞ。お願いいたします。
○越智委員 東聴連の越智です。言い忘れました。
実は、東京の差別解消法令のパブリックコメントが始まったときに、北海道と滋賀県の聴覚障害団体から抗議がございました。というのは、北海道、滋賀は、最初は条例の中に手話は言語であるというのを盛り込んだらどうかと言われたんですけども、それを断りましても、あくまでも独立した手話言語条例を進めているのに、東京は何なんだと言われました。そういう考え方もございますが、東京としては将来的に手話言語条例を独自でつくりたいと考えております。首都としてふさわしい条例を進めていきたい。そのために最初の団体として条例の中に手話は言語である基本理念を盛り込んで、少しずつ理解を進めていって、並行して将来的に独立した手話言語条例をつくりたいと我々は考えております。その中で高橋委員がおっしゃったような教育とかの面も盛り込んでいければと思っております。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございます。恐らく別の機関で、部局で検討が始まっているんではないかというふうに推察されますけれども。全国125自治体でしょうか、その区市町村なんか入れますと、制定されているかと思いますが。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
ほかにございますでしょうか。
川内委員。じゃあ、その後市橋さん。
○川内委員 今の高橋会長の前の会長の、野村会長からの言づけで質問します。国立競技場は国ですよね、それから例えば有明のスタジアムとかというのは都で、東京体育館も都でということで、オリパラの施設の中でどこが、国なら国がやる、それから都なら都がやるんですけども。例えば国技館とか、そういう私立のものというのは、東京都はどういう関わりをしているのか教えてほしいということがあったので。今回でなくても次回でも結構ですので、ちょっと教えていただければと思います。
○高橋部会長 はい、ありがとうございます。協議会でもオリパラ関係は、一度ちょっとやったほうがいいかもしれませんね。非常に後半タイト、先ほどのスケジュール、タイトですけれども、そんな感じもいたします。
市橋さん、お願いいたします。
○市橋委員 パンフレット、ここで意見を言えなかったので。ちょっと上から目線で、何より理解を進めていくことを上から押しつけるという感じがして、確かに都の福祉保健局がつくるので、そうなっちゃうのかなと思うけど、もうちょっと考えなきゃいけないと。
○池田福祉のまちづくり担当課長 心のバリアフリーのハンドブックのターゲットということで、こちらは一般都民の方を対象としております。区市町村を通じて配布したいと考えております。
○市橋委員 じゃあ時間がないので、ちょっと意見を書きます。意見を生かしてください。
○高橋(景)委員 はい。今、市橋さんがお話ししようとしたこともとても重要な視点なので、どうしてもつくろうとすると、上から目線というと言い方おかしいけど、何か強制するような、そういう感じになります。その辺は、先ほど来出てきたような、どうやって助けがわからないという、そういう人たちもいることも含めて、先ほど永田さんおっしゃってましたけど、非常にこれ重要な視点だと思います。よろしく、どうぞお願いしたいと思います。
それでは、時間がちょっと超過をしてしまいましたので、大変運営がまずくて申し訳なかったんですけれども、活発な議論をありがとうございました。
それでは、最後に部長のほうから、一言ご挨拶をお願いをしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○坂本生活福祉部長 生活福祉部長、坂本でございます。
本日は、長時間にわたりまして、大変ご熱心にご議論いただきまして、また、様々な視点から貴重なご意見をたくさん頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。今いただいた内容につきましては、持ち帰らせていただきまして、また改めて検討をしたいと思います。都といたしましても、2020東京大会に向けまして鋭意進めているところでございます。今週中には、来年度予算も発表の予定でございますので、全て今できるわけではございませんが、一歩一歩着実に前に進んでいきたいというのが私どもの思いでございますので、様々な意見を踏まえつつ、今後、都政を前に進めていきたいと考えているところでございます。
次期計画につきましては、今月から6月に向けまして非常にタイトなスケジュールでお願いしているところは、ご容赦いただきたいと思いますが、私どもとしては、よりよいものをつくってまいりたいと考えてございますので、引き続きご協力をよろしくお願いいたします。本日は、どうもありがとうございました。
○高橋部会長 どうもありがとうございました。
それでは今日は第6回、これで終わりにしたいと思います。次回が2月14日ということですので、非常に短い期間ですけど事務局大変ですがよろしくどうぞお願いしたいと思います。ありがとうございました。
(午後12時04分 閉会)