第7期第3回東京都福祉のまちづくり推進協議会 議事録
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議事録
1 日時
平成21年1月23日(金曜日)午前10時00分から11時29分
2 場所
東京都庁第二本庁舎31階 特別会議室27
3 次第
開 会
議事等
審議事項
東京都福祉のまちづくり条例に基づく整備基準等改正の考え方(案)
第7期後期の審議テーマ(案)について
報告事項
東京都福祉のまちづくり条例の改正(案)
閉 会
4 出席委員
野村会長、坂巻副会長、高橋(儀)委員、今井委員、川内委員、小林委員、高橋(正)委員、市橋委員、時任委員、斉藤委員、田中委員、横矢委員、岩田委員、仲島委員、松本委員、森下委員
5 配布資料
資料1 東京都福祉のまちづくり条例に基づく整備基準等改正の考え方(案)
資料2 審議経過
資料3 福祉のまちづくり推進協議会第7期(H21.4~H22.3)の審議テーマ(案)について
○ 東京都福祉のまちづくり推進協議会設置要綱
○ 第7期東京都福祉のまちづくり推進協議会委員名簿
○ 第6期福祉のまちづくり推進協議会
「福祉のまちづくりの新たなステージに向けて」
○ 第7期東京都福祉のまちづくり推進協議会
「東京都福祉のまちづくり条例の改正及び推進計画策定の基本的考え方」
○ 東京都福祉のまちづくり条例「施設整備マニュアル」
6 議事録
○ 花本福祉保健局生活福祉部副参事(地域福祉担当)
本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。遅れている委員の方がいらっしゃいますが、定刻となりましたので、第7期第3回の福祉のまちづくり推進協議会を開催させていただきたいと思います。
それでは、本日の委員の出欠状況について報告させていただきます。本日は、秋山委員、窪田委員、平林委員、海江田委員、茂木委員、越智委員、増田委員、桜井委員、山田委員、井上委員、志村委員、石阪委員から、ご欠席との連絡をいただいております。
続きまして、お手元の会議資料の確認をさせていただきます。まずは、資料1、東京都福祉のまちづくり条例に基づく整備基準等改正の考え方(案)ということで、意見具申(案)でございます。これは、事前に委員の皆様に送付させていただいたものと同じものでございます。それから、資料2につきましては、審議経過でございます。それから、資料3ですけれども、こちらは、福祉のまちづくり推進協議会第7期の後期、来年度の審議テーマ(案)についてでございます。
それと、番号は振ってございませんが、推進協議会の設置要綱、推進協議会の委員名簿、それから、第6期の東京都福祉のまちづくり推進協議会の「福祉のまちづくりの新たなステージに向けて」、それから、第7期の東京都福祉のまちづくり推進協議会「東京都福祉のまちづくり条例の改正及び推進計画策定の基本的考え方」、それから、こちらの『施設整備マニュアル』ですね。そして、あと、後ほど報告させていただきますが、東京都福祉のまちづくり条例の改正(案)についてでございます。そろっていないものがございましたら、事務局にお申しつけください。
また、本日は傍聴の方がいらっしゃいますので、お知らせいたします。
なお、当協議会の議事録は、東京都ホームページに掲載されまして、インターネットを通じて公開されますので、申し添えさせていただきます。
では、会長、よろしくお願いいたします。
○ 野村会長
皆さん、おはようございます。本日は、大変お忙しい中をご出席くださいましてありがとうございました。ただいまから第7期の第3回福祉のまちづくり推進協議会を開会いたします。
それでは、早速議事に入らせていただきます。お手元に資料2があるかと思います。この資料2をちょっとごらんいただきたいんですが、最初、昨年の3月末に第7期の推進協議会が立ち上がりました。今回のテーマは第6期の後期でまとめました、お手元にございます「福祉のまちづくりの新たなステージに向けて」をもとにいたしまして、東京都福祉のまちづくり条例の改正と推進計画策定の基本的な考え方、これもお手元にございます。これにあわせて、さらに新たな条例に基づく整備基準について審議を重ねてまいりました。皆様には、限られた時間でございましたけれども、大変熱心に議論をしていただきまして、最終調整したものが今、配付されております意見具申(案)でございます。こちらは、昨年末の第5回の専門部会におきまして、委員の皆様からご意見をいただきまして、それを反映させたものでございます。事前に皆様のところに郵送されておりますので、お目通しをいただけたかと思いますが、本日は、事務局からこの概要についてご説明をいただきまして、その後に福祉保健局長へ報告をお渡しするという手順で進めさせていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、事務局のほうからご説明をお願いします。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
それでは、こちらの意見具申(案)について説明させていただきます。
まず、3ページの第1章東京都福祉のまちづくり条例に基づく整備基準等改正の考え方。本文は5ページからになっております。まず、5ページの1、これまでの経緯をご覧ください。東京都は、東京都福祉のまちづくり条例を平成7年に制定いたしまして、建築物、道路、公園、公共交通施設、路外駐車場を条例の整備対象施設として定めまして、高齢者や障害者等が円滑に利用できるように定めた整備基準をそれぞれ設定しました。さらに、整備対象施設の一定規模以上につきましては、新設もしくは改修の際に、工事着工前の届出義務を課しまして、区市町村での指導・助言を行いながら整備を進めてまいりました。
途中、(2)のところでございますが、平成13年に整備基準等一部改正いたしまして、マンション等の共同住宅を新たに整備対象施設に追加し、そして、ベビーチェア、ベビーベッド、授乳場所等、子育て支援環境の整備項目として新たに追加してきました。それから、次ですけれども、こうして福祉のまちづくり条例による整備が進む一方、国の法律や他の条例などの体制整備についても整えられてきました。
めくっていただきまして、6ページ、7ページですけれども、今回条例をユニバーサルデザインの理念のもと改正するのに伴いまして、整備基準についても見直しを行いました。6ページに条例の改正に伴う整備基準等改正の基本方針ということで記載しております。方針として大きく3つあります。まず1つは、(1)ですけれども、ユニバーサルデザインを基本理念とした条例にするため、すべての人が利用しやすい施設の整備という視点から、これまで整備基準への適合を努力義務としてお願いとしてきていたものを、遵守義務といたします。それから、7ページの(2)になりますけれども、整備基準の改正については、バリアフリー新法や建築物バリアフリー条例との整合を図ることとしました。そして、3つ目です。(3)の○の2つ目になりますけれども、地域に身近な小規模建築物につきましては、これまで福祉のまちづくり条例でも、建築物バリアフリー条例でも対象としてきませんでしたが、そういった身近な小規模建築物の整備を進めるために、小規模建築物の実態に合った整備基準を新設して、都民がより生活に身近なところで福祉のまちづくりを実感できるようにしていく。こうした基本方針をもとに、第2章以降、建築物、道路、公園、公共交通施設、路外駐車場の整備基準(案)を示しております。
続きまして、11ページから52ページまでは、建築物の整備基準(案)でございます。12ページをご覧いただきたいと思います。12ページが建築物の基本的な考え方です。建築物につきましては、建築物バリアフリー条例との関係整理を行っております。これらの整理を行うために、今回の改正案では、整備基準A、整備基準B、そして、小規模建築物基準をそれぞれ創設いたします。
13ページの表で説明いたしますと、現行の条例では整備基準は一つでございます。届出義務のない施設も、ある施設も同じ整備基準であり、適合については努力義務となっております。今回改正によりまして、現行の整備基準にバリアフリー新法、建築物バリアフリー条例が上回る基準を追加したより水準の高い整備基準Aと、建築物バリアフリー新法、建築物バリアフリー条例との整合性を図った整備基準Bを設定いたします。そして、整備基準Aにつきましては、適合証を取る際に適応する基準として、これまでと同様努力義務といたしますが、整備基準Bにつきましては、守っていただきたいもの、遵守義務として届け出の際に指導・助言を行います。さらに、今回身近な建築物の整備を進めるため、小規模建築物の実態に合った整備基準であります小規模建築物基準を創設しまして、遵守義務として届け出の際に指導・助言を行っていきます。
小規模建築物基準につきましては、200平米未満の物販、飲食、サービス店舗、ガソリンスタンド、診療所について適用するものとしております。こうしてバリアフリー新法及び建築物バリアフリー条例との関係整理を行うため、その後、15ページ以降でございますけれども、整備基準(案)をお示ししております。
続きまして、53ページをごらんください。53ページが整備基準(案)道路でございます。めくっていただきまして、54ページ、2のところに具体的な改正の方向性として書いております。道路の整備基準につきましては、整備基準の主な改正点でございますが、○の3つ目です。歩車道を分離する方法として、セミフラット形式を原則とすることを明記することがあります。
それから、56ページ以降が公園に関する整備基準でございます。57ページをご覧頂きたいのですが、基本的な考え方のところです。公園の主な改正点でございますが、これまで福祉のまちづくり条例の公園の対象施設としていた公園・緑地、庭園、動物園・植物園・遊園地と区分されていましたけれども、こちらについては公園等ということで一本化させていただいております。
それから、62ページ以降が公共交通施設に関する整備基準でございます。改正点ですが、公共交通施設におきましては、出入口やエレベーター、便所等の共通部分とは別に、新たに鉄軌道駅、バスターミナル、旅客船ターミナル、航空旅客ターミナル等を細分化した構成というふうにしております。右側は現在の基準、左側は改正するものというふうに新旧対表で載せております。
70ページが路外駐車場の整備基準となっています。
以上が意見具申(案)でございます。よろしくお願いいたします。
○ 野村会長
ただいま要点を説明させていただきました。それでは、この東京都福祉のまちづくり条例に基づく整備基準等改正の考え方について、お認めいただけますでしょうか。何か特にご意見がございますでしょうか。
○ 田中委員
建築物にかかわるこの整備基準以前といいますかね、そこにかかわる部分でもあるんですが、建築物のバリアフリー新法の適用の考え方といいますか、そこが特定行政庁によって少しずれている部分もありまして、特に知的障害者のグループホームの扱いについて、市町村によっては、この51ページの基準が細かく表になっておりますけれども、共同住宅等になっている、あるいは寄宿舎扱いになっているところと、それから、福祉施設扱い、福祉ホームその他これらに類するものという位置づけになっているところがありまして、現在、ある区では、この福祉ホームその他これらに類するものという適用をして解釈しているところがありまして、グループホームがこの解釈でいきますと、例えば一般のアパートを使ってやる場合に、2階を利用する場合にエレベーターがなければ設置できないとかというようなことになって、非常に困っているというところが出てきております。
このバリアフリー新法等に基づく福祉のまちづくり条例にかかわってくるんですけれども、現場でこのバリアフリー新法、あるいはこの条例についての適用関係は、それぞれどんな状況になっているか教えていただきたいと思っておりますが。
○ 野村会長
この基本的な改正の考え方そのもののことではなくて、これを実際に運用していくときにいろいろな問題があるんだというようなご指摘ですが、事務局のほうで何かご回答がありますでしょうか。特になければ、私のほうからお話をします。まず、事務局のほうから。
○ 渡邉福祉保健局生活福祉部地域福祉推進課福祉のまちづくり係長
福祉のまちづくり係長の渡邉と申します。
今の田中委員からご質問のありましたグループホームの取り扱いでございます。福祉のまちづくり条例で言えば、グループホームにつきましては、共同住宅の中のその他これらに類する施設ということで取り扱うということで、届出窓口である区市町村に対して質疑応答ということでお示ししているところがございます。今の田中委員のお話のあったとおり、グループホームの取り扱いについて、バリアフリー条例もそうなんですが、担当窓口によって解釈が異なるということについては課題として受けとめております。
さらに、今回の改正におきまして、バリアフリー条例、福祉のまちづくり条例、関係整理を行っていくことによって、よりそういう施設の取り扱いについての解釈については、統一をしていこうということで、これは関係の局のほうと調整をしていきたいということで考えております。
○ 野村会長
実は、私、今、消防庁のほうでその関係の委員をやっておりますので、そちらの立場からちょっとお答えをしておきたいと思います。
まず、平成18年の1月だったでしょうか。長崎県の大村市で高齢者のグループホームの火災があって、7人の方がお亡くなりになりました。これを踏まえて、平成19年に消防法が改正をされまして、今年の4月から実は実施されます。ただ、そこでいうグループホームは、基本的には、いわゆる高齢者用のグループホームということで、5人から9人というような枠があるわけですね。それを主に対象にしているんですが、新たな法律の改正では、実は、利用定員が10人以上の施設では必ず防火管理者を置いて、消防計画書をつくらなくちゃいけないと。これがまず一つあります。
それじゃあ、9人までいいじゃないかというふうに考えてしまうわけですが、実は、消防庁が言うその利用定員10人、実際には収容定員には、入所者、あるいは入居者プラス職員の人数が入るんです。ということは、職員3人ですから、基本的には。そうすると12人になるということで、そういうグループホームについては、とにかく防火管理者を置いて、消防計画書を出して、プラスいろいろな消防設備をプラスアルファしなければいけないことになります。その一番大きなものはスプリンクラーをつけなければいけないことになります。それ以外にもいろんな設備を設けなければいけない。これが4月の1日から始まりますので、これはぜひ皆様に一応頭の中に入れておいていただきたいんです。
ところが、最近は、今、お話のように、1軒の住宅を借りて、あるいは手に入れて、そこに知的障害者の方を、例えば4人だとか、5人、一部屋ずつ住まわせて、それにスタッフがついてというような、どんどんそういう施設が住宅化してきているわけですね。もう実際に民間の空き家になった住宅を借りて、それでそれをそういう形でつくっているわけです。もう限りなく住宅の方向にいっているわけで住宅そのものです。それに対して、それじゃあ、住宅用スプリンクラーをつけるなんていうルールは、実態に合わないということで、実は、消防庁が昨年の9月ぐらいでしたか、もうちょっと前でしたかね、その委員会を立ち上げております。これが今年の3月に結論が出るので、まだはっきりしたことはちょっと私は申し上げられないんですけれども、例えば小さな住宅に対しては、基本的には共同住宅として消火設備であるとか、住宅火災警報器であるとか、そういうものをつけていこうではないかということを検討しているわけです。まだ結論ではありませんので、私ははっきり申し上げられませんが、年度末に向けて今、作業を進めているところでございます。いずれ、これはパブリックコメントになると思いますので、その時点で東京都のほうでパブリックコメントが出た段階でね、いろんな施設のご意見をいただけるような手はずを整えていただけないでしょうか。私としては、ちょっとそこまでしかきょうは言えないんですが、そういうことでご了解いただけますでしょうか。
○ 田中委員
バリアフリー新法のその逐条解説なんかですと、一律的に知的障害者のグループホームは、福祉ホームその他これらに類するものというふうな位置づけで書かれている部分もあるものですから、多分そういうことが影響しているんだろうと思います。隣の神奈川県なんかは、これは一律に寄宿舎扱いにするというふうな方針も出されているようであります。グループホーム、今、私ども、140寮ほど運営しておりますが、ほとんど一般の古い民家を使いながら進めております。地域にやっぱり生活できるように、そういうことで進めておりますので、その建物がほとんど該当ならないみたいな状況になると、これから多分グループホームの設置が難しくなると思いますので、ぜひその辺の解釈といいますか、運用に当たってはよろしくお願いしたいと思っております。
○ 野村会長
特定行政庁はこれらを寄宿舎にするか、あるいは社会福祉施設にするか、その扱いがかなりまちまちであるということはもう十分知っておりまして、それで、消防庁も全国的に実は調査をかけております。その上で、そこにはグループホーム学会の代表の方であるとか、あるいは厚労省、あるいは国交省、あるいは消防庁の各担当の方が出席されておりますので、その辺の事情は十分お互いに連絡をし合った上で、最終的に法律化にもっていくということで作業を進めておりますので、その点もご了解いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
ほかによろしいでしょうか。
○ 高橋(儀)委員
東洋大学の高橋ですが、今さらですけれども、ちょっとこれは解釈上の問題がありますので、この答申案に疑義を申し上げるということではないんですけども、後で整理をお願いしたいと思いますが、15ページのところに移動等の円滑化経路の(1)のところの2つ目のところに、道又は公園、広場その他の空地から当該利用居室等までという経路があるわけですけれども、これ、建築物の中に書かれている規定になってきますので、公園が入ってきますと、公園の基準なんかも部分的にかかわるのかなと思っておりますけども、この場合の公園とか広場が、ここの整備基準でいうところの公園、後ほどの公園とかと同じ表現なのかどうかと、これが少し規則上丁寧に整理をしておいたほうがいいと思います。こちらの建築物の基準の中では、どこから入っていくのかということを明確にしておく必要があるのではないかと思っています。
それから、これも後でちょっと、きょうは、全体としては、あまり言うと怒られちゃうので言いませんけども、もう一つちょっと気になるのは、58ページの公園の基準です。58、59に絡んできて、これは全体的に傾斜路のこう配、縦断こう配の基準についてなんですが、基本的に、東京都の場合は20分の1というのが、敷地外も含めてA基準の中ではそれをベースに置いていることはわかっているんですけども、例えば公園なんかの場合ですと、この縦断こう配、2のほうの園路というところでは25分の1、それから、傾斜路では20分の1なんですね。たった1%なんですね。こういうのが現実的な問題としてあるのかどうか。先ほどの建築物については、ただし書き規定があって、車いすまでもしだめな場合はいいというような規定が入っているわけですけれども、公園とか、あと、路外駐車場もかかわってくるんですけれども、路外駐車場の傾斜路の設置の部分については、路外駐車場は一番最後ですけれども、そういう記述がないんですね。移動等の円滑化基準、ほとんどそのままをもってきて、こう配だけが20分の1というようなことで、これは今、かなり強化されているところですけれども、この辺のところが適正なのかどうか、これを運用上どうするかというのを、ちょっとこの後のマニュアル等の制作の中で丁寧に記述しておいていただければと思います。以上です。
○ 野村会長
はい、ありがとうございました。公園のほうで何かご発言ございますか。特になければ、そのマニュアルのほうで担当するということでよろしいでしょうか。はい、ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
○ 市橋委員
今回、障害者団体として言えるのは、この前池袋のトイレの例を示させていただいたと思うんですけれども、これがそうでして、このマニュアルをつくった場合、トイレを実際につくったときに、結局は建築上でどこか削っちゃうところがあると思うんですね。この間も言ったとおり、せっかく民間の集合的な食堂街に車いすトイレをつくったんだけど、建築上ちょっと寸法が足りなかったとか、便器の後ろ側の寸法が足りないために使えなくなったということが、マニュアルをつくる場合に、もうちょっとここはポイントなんだよというところをちょっとつくる形で工夫しながらやっていただく。特に便所とか、あるいは道路の面でも、僕、ここ何回か見せていただいて、視覚障害者の方の安全を守るためにはどうしたらいいかということをもうちょっと細かくマニュアルに書いたほうがいいなという意見があるので、そういうところはきちっと相談をしながら、チェックポイントをもうちょっと押さえないと、例えば便所の場合ですと、だれでも来れるという、総合的な面がいいんだというところが強調されるのではなくて、とにかくやっぱり車いすの人が排せつができるようにするというのが一番なんだということを強調するか、これは大分違ってくると思うので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
○ 野村会長
はい。ありがとうございました。ただいまのご意見は、これに基づくマニュアルでやはり強調すべきところ、あるいはわかりにくいところをさらに説明をするようなこと、それから、もう一つあって、でき上がったものをどのように、実際に使ってみてほんとうに使えるか使えないか、評価の問題もあると、この基準というのはさらに生きてくるのではないかと思いましたので、その点は、また、今後の作業のほうでひとつカバーをしていきたいと思います。
それでは、幾つかのご意見をいただきましたが、それを踏まえた上で、この東京都福祉のまちづくり条例に基づく整備基準等改正の考え方(案)について、ご承認いただけますでしょうか。もしいただけるようでしたら、拍手をもってお願いをしたいと思います。
(「異議なし」の声あり)
○ 野村会長
どうもありがとうございました。
それでは、ご承認いただきましたので、この報告書を福祉のまちづくり推進協議会から、知事への意見具申として提出することといたします。
本日は、安藤福祉保健局長が推進協議会の冒頭よりご出席いただいておりますので、局長へ直接お渡ししたいと思います。
(報告書手交)
○ 野村会長
平成21年1月23日、東京都知事 石原慎太郎殿、東京都福祉のまちづくり推進協議会会長 野村歡。東京都福祉のまちづくり条例に基づく整備基準等改正の考え方、意見具申、表記について、本推進協議会として別紙のように意見をまとめましたので、具申いたします。
よろしくお願いいたします。
○ 安藤福祉保健局長
どうもありがとうございました。
ただいま野村会長から、東京都福祉まちづくり条例に基づく整備基準等改正の考え方についてのご意見をちょうだいいたしました。第7期の委員の皆様方には、大変お忙しい中を熱心にご審議をいただきまして、誠にありがとうございました。心から感謝を申し上げます。
東京都福祉のまちづくり条例は、高齢者、障害者への取組を主として、施設整備基準を設定しながら、これまでバリアフリー化を進めてまいりましたけれども、一方、本推進協議会から多くの貴重なご提言をいただきまして、バリアフリーの考え方から一歩進み、高齢者や障害者を含めたすべての人への取組となるように、ユニバーサルデザインの考え方に立ちました施策を展開してきたところでございます。そして、昨年11月には、皆様方からこの取組を一層推進するために、福祉のまちづくり条例の本体の改正についての基本的な考え方をお示しをいただきました。ありがとうございました。現在、2月から開会いたします第1回の都議会定例会に改正すべく準備を進めております。その案文をきょうはお手元にお配りしてございますけれども、これをぜひ議会で通していただいて、本年4月改正を目途に進めていきたいと、こう思っております。
また、本日は、新たな福祉のまちづくり条例に基づきます整備基準等改正の考え方についてもお示しをいただきました。今後はこの意見具申で示されました新たな基準のもとに、ユニバーサルデザインの考え方に立ちました福祉のまちづくりをより一層推進をしてまいりたいと思っております。
前回、条例の基本的な考え方のときにも申し上げましたけれども、今年はいよいよオリンピック、パラリンピック競技大会の東京誘致の年ということで、2月には立候補ファイルがありますけれども、その中でもやはり福祉の視点に立ったまちというのは強調されることになるのではないかなと、こう思っています。そして、この9月に、これもお話ししましたけれども、アジアの障害をお持ちの方々を若い人たちで、東京で1,000人以上集めて、アジアユースパラリンピックをやります。ぜひこういうものをやる立場からも、ユニバーサルデザインに立ったまちづくりというものを一生懸命やっていかなきゃいけないと、こう思っています。各委員の皆様には、今後の審議につきましても、引き続き幅広い視点から活発なご審議をいただきたいと思っております。
私、この後、別の会議で中座をいたしますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
○ 野村会長
これをもちまして、東京都福祉のまちづくり条例に基づく整備基準等改正の考え方に関する審議は終えたいと思います。
ただ、会議はまだ終わりませんので、続きまして、その他の事項として、本日は、第7期、後期の審議テーマにつきまして、事務局からご説明をお願いしたいと思います。後期の期間がいつまでかということを最初に申し上げた、たしか、あと、来年まであったかと思いますので、それを踏まえて資料をご説明いただきたいと思います。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
それでは、お手元の資料3について説明させていただきます。
今、会長からお話がありましたように、第7期の後期の任期ですけれども、平成22年3月26日までとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、資料3のほうをごらんください。後期の審議事項としましては、2つ考えております。まず、審議テーマ1推進計画における評価方向の検討でございます。11月に推進協議会からいただきました意見具申に基づきまして、現在、策定中であります福祉のまちづくり推進計画につきまして、スパイラルアップの仕組みに基づいた評価手法、それから、評価項目等について検討を行っていきます。2つ目のテーマですけれども、身近な店舗等、建築物内部の整備推進策の検討です。身近な地域の店舗等内部について、ユニバーサルデザインの視点から整備を進めるために、ガイドラインの作成やその普及推進策について検討を行っていきます。スケジュールでございますけれども、2つの審議テーマごとに部会を設置いたします。そして、また、必要に応じまして、2つの部会合わせた合同会議も開催したいと思っております。各部会のメンバーにつきましては、今後、野村会長と調整いたしまして、ご報告したいと思います。
下の表をごらんいただきたいんですけれども、まず、直近では4月に第1回の合同部会を開催する予定です。そして、各部会ごとに年3回ほど開催しまして、最終的には22年の1月に推進協で2つの審議テーマを合わせたものを意見具申としていただく予定になっております。合同部会の第2回目のところ、7月ごろ予定ですけれども、推進計画の評価検討としまして、私どもで今もっている、ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり事業というものがありますけれども、それをモデルとして評価を行う予定になっております。以上でございます。
○ 野村会長
ありがとうございました。ただいま後期の審議テーマ2つご説明いただきました。これについて、これからご意見をいただきますが、その前に推進計画そのもの、会議の途中でお示しいただきましたが、これがその後どういう状況になっているのか。その辺についてちょっとご説明いただけないでしょうか。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
推進計画について、現在策定中ですけれども、直近でいいますと、来週の火曜日に庁内で検討委員会を開催いたしますが、計画自体は皆様に、2月の下旬ごろ、まとめたものをパブリックコメントする予定でございまして、2週間ほど行った後、そのいただいたご意見を反映したものを3月末に策定という形で発表したいと考えております。
○ 野村会長
はい。わかりました。それでは、まず、パブリックコメントが出た段階で皆さんに何か連絡をいただけると、とてもいいかなというふうに、まず思います。それを踏まえまして、今、ご説明いただきました審議テーマ1、審議テーマ2について、これからご意見をいただきたいと思います。どなたでもご自由にご発言をください。
○ 今井委員
株式会社ユーディットの今井と申します。
私、国土交通省のほうでも公共建築物の評価の手法を検討する委員に入っておりまして、そちらでも評価が始まっております。それは、実際に地元の方、ユニバーサルデザインの理念に基づいて多様な方をお招きして、実際に歩いていただいて、どのような問題があるかということを見ていらっしゃいます。その結果は、いいものに関してはベストプラクティスとして一般に公開して、こういう方法がありますよということを公開するような方向で動いておりますので、東京都のほうでもそのように評価の結果に基づいてなるべくいい事例があった場合に、みんなで共用できるようなデータベースを構築されると、現場の方が同じ資金を使ってよりいいデザインを提供できるようになるのではないかと思います。そういったように評価の方法とその結果の使い方、一緒に効率よく使っていくようなことを検討されるといいと思います。
○ 野村会長
今、ここの審議テーマ1、推進計画における評価手法の検討と、ここの文面だけからいうと、推進計画そのものの評価をどうするかという話ですが、今の話はもう少し実際の現場でどういう建築物を評価するか。そのことも踏まえて議論をしてほしいと、こういうふうに受け取ってよろしいですね。
○ 野村会長
その点、いかがでしょう。
○ 高橋(儀)委員
東洋大学の高橋ですけれども、全体として、これまでの部会での議論の進め方でもそうだったんですが、前期の6期でもそうだったんですけれども、かなり一つ一つの部会の議題が結構重いんですよね。やろうとするとほんとうにエンドレスということもあって、できれば、これは会長と事務局のご判断かと思いますけれども、あまり力を分散しないで、非常に1も2もそれぞれ事例を出すときに、同じような問題が出てくる可能性があるというような気がいたします。スケジュールを分けて順次やっていくというやり方もあるのではないかと思うのと。
それから、審議テーマ1につきましては、都がこれから出す推進計画、そして、区市町村が既に動いている部分というのはあるかと思いますけれども、そういうものと、やはり先端で動く区市町村がきちっとしていただかなければいけないというようなこともありますから、これの評価もあわせて、あるいはそれとの意見を密に行いながら部会を運営していくような、そういう立て方と。それから、先ほどご紹介があった、都のUDのまちづくりのモデル事業がありますけれども、以前に、6期の最後だったでしょうかね、一度お招きしてお話をお伺いしたりなんかしましたけれども、ああいうものを具体の場でやりながら、ほんとうにこういう評価が可能なのかどうかという、机上の評価の仕組みだけではなくて、実際のところでどこを評価すればいいのかということをよりわかりやすい視点で作業されることを期待したいと思います。
○ 野村会長
ありがとうございました。実は、下にスケジュール表があります。初めは、2つのテーマが前半と後半と分かれていましたが、私が提案をして推進計画、あるいは店舗内部の云々と、2つの委員会が同時にスタートしました。理由は、通常ですと前半はもうちょっと時間が欲しい、大体延びるものなんですよ。そうすると、後半がどんどんしわ寄せになって後半は時間がなくなっちゃうので、それは議論がかえって中途半端になるのではないかということで、実はパラレルで進めたほうがお互いに期間があってできるのではないか。そういうふうに申し上げました。高橋さんのご意見も踏まえて、もう一回ちょっとその辺は練り直させていただきたいと思います。
それから、先進的にもそういう評価手法に手がけておられる、例えば国交省であるとか、あるいは幾つかの市区町村があれば、もちろんそういうところ等のやり方もよく踏まえた上で議論を進めていったほうがいいと私も思います。
それから、もう一つ、モデル事業、あれ、今、幾つあるかということをちょっと皆さんに申し上げて、それをこういうところで実際に発表していただいて、それについて私どもがコメントが言えるような、これも一つの評価だと思いますので、はい。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
まず、1点ご報告なんですけれども、実は、来年度の事業として、区市町村での先進的な福祉のまちづくりの取組を紹介するシンポジウムを開催する予定でございます。その中には都民の方も入っていただきまして、また学識の方も入っていただいて、その取組について評価して、それをよりよいものにしていくといったものです。それで、いいものについては普及啓発していくと考えております。直接この部会とどう関連づけさせるかということは今後検討いたしますが、そういったシンポジウムを開催することも考えておりますので、委員のご意見を踏まえまして検討していきたいと思っています。ありがとうございます。
それから、第2回にこのユニバーサルデザイン福祉まちづくり事業をモデルとして評価を行うということですけれども、この事業は19年度から開催して、今現在6地区やっております。ちょうど19、20と2か年たちまして、かなり取組も進んできていますので、実際にこの7月に開かれる合同部会に関しましては、実際の現場を見て、どれだけ取組が進んでいるか、どういうまだ取組が必要かとかいったものについてもやっていきたいと思っています。
それから、20年度新たに2地区、これから始まりましたので、そういったところについても、19年度のやっている取り組みの評価なり、いいところを20年度行っているところに反映したいというふうに考えております。
○ 野村会長
ほかにいかがでしょうか。
○ 川内委員
東洋大学の川内です。
今、おっしゃったもうちょっとでパブコメがあるというのは、手元に配られている白い冊子、福祉のまちづくり条例の改正及び推進計画策定の基本的考え方の16ページのあるこのフロー図というか、図でいうと、今は庁内検討のところにあるんですよね。それで、ここで書いてある都民とか、関係団体からの意見反映というのが今、おっしゃっているパブコメに当たるわけですね。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
おっしゃるとおりです。
○ 川内委員
はい、わかりました。それで、資料3のほうで一番上の審議テーマ1の書きっぷりがちょっとよくわからないんですが、福祉のまちづくり推進計画の評価手法及び評価項目等について検討を行うというのは、推進計画の一環として行われるであろう評価について手法や項目を検討するのか。福祉まちづくり推進計画そのものを評価する手法、項目なのかというのがちょっとよくわからないんですが。今の事例なんかを紹介してという話だと、前者のような気もするんですね。推進計画の中で行われていく、何か物をつくったりするときに具体的に評価する方法を検討するということなのかなという気もしているんですが、そうすると、この推進計画そのものをどう考えるかというところがどうなるのかなという気もしています。以上です。
○ 野村会長
事務局のほうで何か。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
今のご質問なんですけれども、推進計画に含まれている事業はたくさんありますけれども、その中で重点的な戦略として位置づけられる事業についての評価の仕方ですとか、どういうところにポイントを置いて評価したらいいんだろうかと、そういったものについて検討を行っていくということと、計画全体についてもそれを踏まえて評価をどういうふうにしていくかということで行っていきたいと思っています。
○ 野村会長
皆さん、この文章からその真意がなかなか読み取れないというような印象を受けるんですけれども、言ってみれば、まず、推進計画そのものをどうやってつくっていくのか。そこも実は評価の対象なのか。それから、その中身で決まったものについて、こういう、例えば予算の割り振りであるとか、項目全体のバランスの評価なのか。それから、結果についてそのでき上がったものの結果、それから、具体的に事業が実施された後の評価、いろんなその評価の場面があるんですね。それから、先ほど今井さんからお話があったように、実際に建っている建築物、推進計画と一応別にしてね、実際に建っているいろんな、東京都が絡んでいるいろんな事業があります。そういうものの評価、そういうものを全部ひっくるめてここで考えているんでしょうか、どこかそこから外れるものは、これは手をつけないというところがあるのか、そこをちょっと皆さん方が気になっているんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
まあ、それはこの委員会の中で具体的に決めていくのも一つの手だと思いますが。
○ 川内委員
東洋大学の川内です。
スパイラルアップということなので、推進計画そのものもスパイラルアップすべきだと思うんですね。で、例えば今のバリアフリー新法とか、そういう関係だと、何年後に改正しますとかいうのを最初からもう入れてしまっているというようなことがありますね。ですから、推進計画の中でも、何年ごとに見直しますとか、そういうふうなもので大体、例えばその見直しに向けてタイムスケジュール、例えばスタートして2年目に評価をして、3年目に改正案づくりして、例えば4年目からまた改正のものでやっていきますとかいう、タイムスケジュールも大まかに推進計画の中に入れておかれたらいいんじゃないかなというのが一つあります。
それから、もう一つは、先ほど今井さんがおっしゃったのとかぶるところありますけれども、一つ一つの事業を評価して、それの報告書をつくったりとか、webに出したりとかというだけでは、今、今井さんがどなたにいってもみんなに使えるようにということですから、なかなか皆さんがその情報があるということを知らないということと、それから、その情報をどうやって得ればいいのか、どうやってアクセスすればいいのかというのがわからないことがあるんですね。ですから、この推進計画、あるいはやった事業の評価をどういうふうに活用して、生きた情報として使えるようにするかというシステムのほうも考えるべきだろうと思います。これはこの協議会で考えていくことなんだろうと思いますけれども、テーマとしてお考えいただければと思います。以上です。
○ 野村会長
どうぞ、斉藤さん。
○ 斉藤委員
東京都精神障害者団体連合会の斉藤と申します。
この会議の参加は2回目なんですけれども、すごくたくさん一生懸命、何というか、努力して綿密にね、たくさんすばらしいことをやっていると思うんですけれども、実は、自分の感想として、すごく数字もね、そういうあれがしっかり具体的に出しているんですけど、自分の感想、実感としまして、結構がんじがらめだという、詳細に一生懸命やっているのはわかる。ほんとうに取り組みはほんとうにね、すばらしいものだと思うんですけれども、自分の実際の感想としては、逆にがんじがらめのような気がしているんですね。それで、私は中野区在住なんですけれども、精神障害者のグループホームは、増やしていこうというふうに動いています。それで、中野区内の作業所のほうも、統合するとか、生き残りをどうしようかというところで、でもって、それで、このまちづくりの推進協議会のこういういろんながんじがらめなことによって、逆にブレーキにならないかというところが私としては心配のような気がいたします。
○ 野村会長
大変恐縮ですが、そのがんじがらめの、例えばこういう例という、何か一つ例を挙げていただけないでしょうか。
○ 斉藤委員
例えば、私は、野方グループホーム・サラダの出身なんです。それで、普通のアパートを一生懸命お願いをして、グループホームの部屋を6室借りているんですけれども、そこで火災のあれとか、いろんな基準ができると、そういうふうにすると、グループホームを増やしていこうということが、いろんなこういうまちづくりの推進の、いろんなこうしなければいけない、ああしなければいけないという、そういう基準を満たさないと、そうすると、グループホームとして認可がおりないというふうになったら困るなというところと、あとは、民間の作業所のほうが統合するかもしれないというふうに動いている最中なんです。そしたら、引っ越しをすることになります。そしたら、引っ越しすると、利用者の人数などからいろいろ割り出して、それで、基準を満たさないと作業所として認めない。そこの借りるところは認められないというふうになりましたら、そしたら、そういう作業所の、そういうふうに統合していこうというところがブレーキになって、また、物件探しに手間がかかってなかなか進まなければ困るなというところがあると思うんです。
○ 野村会長
はい。
○ 坂巻副会長
淑徳大学の坂巻です。
今のおっしゃったグループホームの問題って、とても大きなテーマだと私は思っています。例えば先ほど会長のほうから、消防法の改正で10人以上には防火管理責任者を置けというような規定があるようですけれども、今、特にグループホームにという大きな社会の流れがあって、4人以上でできるということになりますとね、ほとんどが小さな民家を借りてやるということになっていますから、そうすると、スプリンクラーをつけろとか、何かというと、そんなんには面倒くさくて貸せないよということにもなりかねないので、そのあたりをどうクリアするかということが一つのテーマだろうと思いますね。
それから、審議テーマの2で、身近な店舗などということになりますと、これは、身近な店舗の経営者の考え方でも随分違ってくるわけで、現実にごちゃごちゃしたほうが物が売れるとか、ガラスの商品の間をすり抜けるようにしたほうが売れるなんて考えて、道路にはみ出して商品を置くような経営者も出てくるだろうと思うので、そのあたりのソフトの部分をどういうふうに経営者なり、そのお店をやっている人に納得させるかという、その部分もちょっと検討の課題にもなってくるんだろうと思いますので、その2つの点、ちょっと注意していただければと思います。以上です。
○ 野村会長
今のような議論は当然消防庁の会議でも行われております。実際の消防側から見ると、やっぱり生活の場面の安全をどうやって担保するか、これ、大変大きな命題で。一方で、グループホームを運営するときには、そういう負担をできるだけ少なくしてほしい。これはもう当然のことです。ただ、何人かの人が集まって生活をすれば、火災が起きたときに被害が大きくなることはもう明らかでございます。これは、皆さん方、毎朝ニュースを見ていると、多くの場合が高齢者、あるいは小さな子供さん、そういう方が犠牲になっていることはもう事実です。だれも火災を出したいとはだれも思ってないにもかかわらず、火災がとても多い。それから、住宅の火災がその中でもとても多い。それで犠牲になるのが高齢者や障害者や小さな子供。そういうデータから言うと、例えば外国の例でいうと、アメリカですけれども、住宅用スプリンクラーをつけたことによって、住宅の火災の死者を半減したという、実はもうデータがはっきりと出ているわけです。そういうところのいろんな情報を集めて、ある程度の、全くしないわけにはいかないと。ある程度のやっぱり規制はすべき。ただ、それをだれがその費用を負担するか。ここが実はグループホームの運営者の一番ネックなところで、厚生労働省がよしきたと言ってね、その2兆円をみんなに配るよりか、そういうところに使ったほうがよっぽどいいじゃないかと、僕らは言うんだけれどもね、なかなかそういうところまでは話が整理できないんですよ。
ただ、何人か逃げることが難しい人たちに対して、集団、共同的に生活する場合には全く関係ないよと、我々、知らないよとは消防署は言えないというのが、実情なのです。その辺でもう大変苦労していることはよくわかっています。その上で、消防庁では会議を進めて、当然厚労省も、国交省も、消防庁も皆さんで議論しているということで、ひとつご理解をいただきたいと思います。
ただ、当然今申し上げましたように、生活上の安全をどうやって守っていくか、そして、安全がなければ安心したさらに快適な生活はできないわけですから、その最低限の安全をどうやって守るか、それの費用負担はどうするかということが一番大きなネックだろうというふうに、私もそこは理解をしているつもりです。
それで、今、副会長からもちょっとお話がありましたように、私は、この審議テーマの2についてちょっと話を移しますが、身近な店舗等というふうにありますが、これは実は、先ほど意見具申をしました小規模建築物ということをかなり意識をしているだろうと思います。そういうことからいうと、あそこで言った、例えばガソリンスタンドであるとか、あるいはコンビニエンスストアであるとか、スーパーマーケットとか、そういうことはありますが、私は、できたら診療所だとか、医院であるとか、そういう医療施設に対する配慮ということをぜひそういういい事例を見つけて、それを世の中に広めていくことはできないかなと思います。
それはなぜかというと、皆さん、朝、お医者さんの前を通ると、高齢者が朝早くから順番待ちで前に並んでいると。それで、その施設に入ると、手すりも十分ないし、スリッパに履きかえなくちゃいけないしという、そういういろんな使いにくい診療所、医院があります。そういうところをぜひターゲットに入れてこの作業が進められたらなというふうに、私は個人的に思っております。
どうぞ、まだ時間がございますので、どうぞ。
○ 岩田委員
岩田です。
資料3の審議及びスケジュールの予定の中のユニバーサルデザイン福祉のまちづくり事業について、各地区から実績報告を行い、というところがあるんですが、これについてもう一度教えてほしいんですけれども、例えば平成19年度から21年度の事業というのは、いただいている福祉のまちづくり新たなステージに向けての70ページに載っている、これが今やっていることというふうに解釈してよろしいんですよね。これを見ていますと、例えばこの事業と東京都のかかわりをちょっとお聞きしたいんですが、この事業というのは、例えば東京都が何らかの予算を出して、そして、市区町村がそれを実施して、例えばこの期間に中間報告をしたりとか、あるいはその報告の方法ですよね。写真に撮って送るとか、今、こういう状況であるとか、そういうことをやっているのかとか、その辺のことをちょっと詳しく教えていただきたいんです。
○ 野村会長
お願いできますか。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
それでは、ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり事業について、ちょっとご説明させていただきます。
これにつきましては、各区市町村が地域を指定しまして、例えば住民の方や、商店街の方、事業者の方等と協議会等を持ちまして、まちづくりをどう進めていくかということを話し合って、計画を立てていただきます。例えば一番初めの例、豊島区で池袋西口ということで出ていますけれども、池袋西口のこの指定した地域をどういうふうにしていくかと。計画を立てていただいたものを、東京都に対してプレゼンテーションしていただきまして、それに対していいものに対して、東京都としてその地区を指定して補助をしていくということで、補助基準額としましては、1年間に最大2億円のその2分の1なんですけれども、それを3年間ということで、最大で3億円まで補助するという事業でございます。
1年ごとに、これが19年度から始まっている各地区でございますけれども、19年度実際1年間計画どおりにどれだけ進んだのかとか、そういったものは実績報告をしていただきまして、それについてちゃんとこちらでも確認するといった形です。これらのもう今、6地区動いていますので、この事業につきまして、予定としては、実際に2か年たってどれだけ進んでいるかとか、ほんとうに効果があるのかどうか、取り組みについて実際に現場を見て評価していきたいなというふうに考えております。
○ 野村会長
よろしいでしょうか。東京都は補助を一部しますが、2分の1ですから、それぞれの市区町村が相当お金を用意しておかなくちゃいけないわけで、そういう意味で、当初私はもっとたくさん手が挙がるのかなと思ったんですが、それがなかなかうまく思うには進んでないというのが私の実感です。
ほかにいかがですか。はい、どうぞ。
○ 田中委員
知的障害者育成会田中でございますが、これまでの福祉のまちづくり推進モデル事業を見ますと、ソフトの部分もありつつ、ハードと一体になってまちをよくしていこうというふうなことがうかがわれるんですけれども、特に知的障害者の今の団体で、親の会中心になってSOSカードといいますか、迷子になったときに、そのカードを持って何かあったら警察に連絡するとか、社協が救うとかというような形で社協を中心にそういうネットワークを組んだり、あるいはパンフレットをつくって商店街に配ったり、それから、防災訓練のときに、特にグループホームなんかを訪れてもらったり、そういうソフトの部分のまちづくりという部分があるんですが、そういう部分は、ある意味では、この福祉のまちづくり推進モデル事業のいう範疇に入らないのか、あるいはそれと何か一つハードとくっつける形ならば、こういう位置づけになっていくのか。その辺のことについて、特に心のバリアの部分が大きく影響してくるんですけれども、私ども団体としては、そこを何とか突破しようということでいろんな運動を積み上げているものですから、ご意見をいただけたらと思っておりますが。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
この事業の名前のとおり、ユニバーサルデザインがついていますけれども、ハード整備だけではなくて、ソフト的な取り組みについても一緒に行っていただくということがこの事業の大きなポイントです。それぞれハード整備だけじゃなくて、ソフト的な取り組みをどんなことをするかと。そういったものを含めて計画をつくっていただいて、それを評価するという形をとっています。例えばここにあるのが、一番いい事例といいますと、69ページをちょっと見ていただきたいんですけれども、2つ目の世田谷区なんですけれども、世田谷区で松陰神社通り商店街及び区役所周辺の地域について、これ、私もちょっと見に行ったんですけれども、商店街の沿道に公共的なトイレや休憩所を設置すると、ハード的なものもしているんですけれども、○の3つ目、音声案内装置というものを導入しています。これはどういうものかといいますと、商店街の、例えばこういうセールをやっていますとか、そういった情報を視覚障害者の方向けに発するために、普通のAMラジオで情報が入手できるような音声案内装置を各店舗に幾つか設置しておりまして、そこの店舗の近く、半径何メートル以内の近寄りますと、その情報がAMラジオを通して入っていくというような情報のバリアフリーについても施策として入っています。
このような形で、この事業は、ハード整備、いわゆる段差解消ですとか、ブロックを敷くだけではなくて、ソフト的な取り組みについても重視しておりますので、両方含めてこのまちづくりで取り組んでいっていただきたいと思っています。
○ 野村会長
よろしいでしょうか。ほかに、大体ご意見出ましたでしょうか。はい、どうぞ。
○ 市橋委員
評価の面では、こういう東京都からいただける資料なんかも、確かに、こういう委員会なんかに出すと、やっぱり先進的な例が出ますよね。そして、障害者の仲間が日々こうやっていると、あそこが悪い、ここが悪いとやっぱり今でもなっちゃうわけです。そして、どっちかじゃなくて、僕は、東京都がこのまちづくり推進協議会を続けて、リーダー的な役割をしていくことが、最も必要だと思うんです。
それから、障害者の仲間が前進したことに確信を持てるように働きかけていくことをどうやったらいいかというのが、僕は一つの課題としていかないといけないんじゃないか。そして、一つ一つの不便なところを克服していくことを十分に受けとめられるということを何とかしていただきたいと思います。障害者はあそこ悪い、ここ悪い、あそこも悪いという言い方で、僕は歯がゆい思いをしているんですね。そこら辺のところを近づけてくると、東京都がシンポジウムをやる場合でも、何となくシンポジウムをやったら、いいところがシンポジウムで話されて、舞台の上から、あんなことをやっていたけれど、理解がそこじゃないようなものをチェックするきっかけとしていい機会だと思います。
それは、僕の言葉が不自由でも僕は言えると思うんです。僕の事例で申しわけないですけど、僕も、きょうここへ来るときに、京王線の満員電車に乗ってきたわけですけど、ほんとうにここ10年、15年、何が変わったかというと、僕が立っていると席を譲ってくれる人というのが多くなったのは事実です。まさにきょうも座らせていただいてここまで来れたということで、これが15年前から比べると随分座れることが多くなった。片一方、この間あった事件なんですけれども、テロやなんかが多いので、不審な人、不審物を見つけたら駅員に通告してくださいということがあったんです。それで、僕もちょっと調子が悪くてよだれがすごく垂れて、そうして手が震えていたら、あるおばさんが駅におりて、駅員に僕に指を指してこうやっているんですよ。そのときドアが閉まっちゃったので、事なきを得たんですけど、そのおばさんは、僕のことを不審な人として駅員に通告したというとっても嫌な思いをしたわけです。
そうすると、その辺をどうやっていくかというのをとっても大事で、こういう経験というのは、ニューヨークのテロが起こってから、何人かが経験しているんですよね。ですから、まちづくり計画、そこら辺のところも、心のバリアフリーが、一方で席を譲ってくれるからよくなっただけじゃなくて、やっぱり肝心な人の心をどう埋めていくかということも考えていかなきゃならないなと思います。
○ 野村会長
はい、わかりました。最近、私も席を譲られるようになりまして、時々複雑な思いをするのですが。まあ、それはともかくとしまして、福祉のまちづくりはもう、市橋さん、今おっしゃられたように、昔に比べればもう相当に進んできて、ただ、進めば進むと逆に新たな問題が出てきたということも事実だと思います。そういうことを踏まえながら、そして、いろんな事例は、いい事例だけではなくて、悪い事例でどこが悪かったのかということを書いたほうが、ほんとうは私は意味があるような気がします。そういう意味で、これからその審議を進めていく中で、いい例、悪い例、それで、その悪い例から学ぶことのほうが実は大変多いものですから、そういうことを踏まえた、ちょっと変わったアウトプットができればなというふうに私個人は考えています。具体的にどうなるかわかりませんけれども、今のお話、大変ありがとうございました。
○ 川内委員
東洋大学の川内です。
いろいろなモデル事業とかというふうなことをここで言うと、ユニバーサルデザイン福祉のまちづくり事業とかをやるという、そこにハードとか、情報とかいろいろあるというお話でしたけども、結局それは何のためにやるんだろうかというと、やっぱり最後というか、ほんとうの究極の問題は人材育成なんじゃないかという感じがするんですね。人がどのくらいそれで育つかということなので、この推進計画のところでも、やはりいろいろなことをやっている後ろに、人を育てるんだという意図を必ず持ってやっていくということは入れ込んでいただきたいなとは思います。以上です。
○ 野村会長
ありがとうございます。どうぞ。
○ 今井委員
人を育てるということで、川内先生のコメントにも関係するのですけれども、先ほどの市橋先生のおっしゃられたことというのは、多様な人を知らないまま育ってしまったという、それはとっても不幸なことだと思うんですね。それは今まで別々に教育がされていたり、あるいは会う機会がなかったということで、そういった意味でより多く人に会って交流するというのも、ユニバーサルデザインを育てるのに非常に重要なことで、これから国際化して世界に出ていく上で、子供たちにとって非常に重要なことだと思うので、そういう教育、人を育てるという点についても検討をよろしくお願いします。
○ 坂巻副会長
淑徳大学の坂巻ですが、あのね、福祉まちづくりの範疇に入るかどうかわからないんですが、アクセスの問題というのは非常に大きなテーマ。私、岩手県の過疎のまちでちょっと施設を運営しているんですけれども、例えばバスの本数がどんどん減っていく、タクシーも来ないということになりますとね、実際に建物に整備したってそこに行けないというケースがいっぱいあるんですね。東京の場合には、あまりそのアクセスの問題というのは、厚労省も霞が関にいるからいつでも地下鉄があるし、乗れるようになっているし、バリアフリーになっているんだからどこで行けるだろうと言うんですけれども、東京の場合、多摩とか、ああいうところに行くと、バスの本数がどんどん減ったり、外へ出たくても出られないというケースがあるんじゃないかなと思うんですが、そういうときにコミュニティバスを普及するとか、いろんな形でそれをカバーするような施策というのも、福祉のまちづくりの範疇に当然入ってきていいんじゃないかと思うんですが、東京都の場合、そのあたりどういうふうに考えておられるのか、ちょっと伺えればと思います。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
今、委員がおっしゃった問題についても福祉のまちづくりの大きな課題の一つだと思っています。やはり施設単体の整備を進めるだけじゃなくて、その施設と施設を結ぶ経路、その移動についても含めて一体的に整備するということが必要だと思います。
今、先生がおっしゃった地域に、多摩地域なんか特にそうですね。バスの本数が少なかったり、それに関しましては、例えば今、コミュニティバスというものがそれぞれ区市町村で運行しておりますけれども、それに対して都も支援しておりますので、そういった施設と施設を結ぶ移動経路、移動円滑化についても、福祉のまちづくりの一つとして推進していきたいと考えております。
○ 野村会長
今回のこのテーマには、今は挙がっておりませんけれども、移動支援というものはとても大きな問題ですので、これをテーマに入れられるかどうかと、これもちょっと事務局と相談をさせていただきたいと思います。
○ 仲島委員
整備基準をまとめる上で、皆さんからいろんな意見が出まして、ただ、その中で盛り込まれた要素というのはごく一部だと思うんですね。それで、実際、例えば法にするのはちょっとそぐわないような部分があって盛り込めなかった要素もたくさんあると思うんですが。その法制化するにはそぐわないような部分も、今後このガイドラインとか、ハンドブック等の中で表現していっていただければなと思います。例えばエレベータードアの開閉の時間の延長などについて、私は設計をやっていましたので、費用が一銭もかからないでできるんじゃないかというようなことはですね。ただ、なかなかそういうオペレーションといいますか、ソフト的なことは条例なり、法律に盛り込みにくいのかなということで、仕方ないと思っていますが、ただ、やっぱり設計や、事業者がやるにはやぶさかじゃないけど、気がつかないというような要素もたくさんあるんじゃないかなと思います。
私も、不自由な身体になって、世の中にはこんなに渡り切れない信号がたくさんあるんだというのは、なってみて初めて気がついたわけなんですが、確かに歩行者のことだけを考えると、交通渋滞のもとになる場合もありますが、その辺は割合を変えずに調整もできますし、その辺を今後ガイドラインなどの中で表現していただければと思っております。以上です。
○ 野村会長
ありがとうございました。よろしいでしょうか。それでは……。どうぞ。
○ 松本委員
すいません。松本です。
私は、地域包括支援センターというところで高齢者の方のケアマネジャーをしているんですけれども、やはり最近認知症の高齢者の方がとても多くなってきまして、ひとりでお出かけされて帰れなくなる方がとても多いんですね。先ほど知的障害者の方のSOSカードというのを聞いて、すごくいいなと思ったんですけども、そういうことがまだ事例として──事例というか、私の近くではそういう代表的ないい事例というのが挙がってこなかったりして、そのまんま警察に頼ったりとかしている状態で、地域の方とかにも、認知症の方がこれだけいるんですとか、こういう方がいたら教えてくださいとか、そういう情報をどうやって流していいかというのも、ちょっとわからないような状態でやっているので、その辺も少しかかわっていただければと思います。
○ 坂巻副会長
ちょっと今の関連で、地方の中ではね、ガソリンスタンドだとか、コンビニとか、そういうところに声かけて、消防署とか、見かけたら連絡してくださいというシステムをつくっているところもないことないんですけども、一番の問題は、個人情報の保護法の問題で、なかなか地域にこういう人がいますということが言えない部分がたくさんあるんで、そのあたり福祉のまちづくりを考えるときに、個人情報保護法との関係というのをきっちり整理をやっぱりする必要があるだろうと思うんですね。今、実際に地域でひとり暮らしのお年寄りのところにボランティアが何かしたいから、何人いるか名簿くださいと言うと、自治体はまず出しませんから。そうなると、いざというとき、どうしようもないわけで、そこのところを、やっぱり私も実際にこういう仕事をしてて一番ひっかかるのはそこなんですね。個人情報を言っちゃいけないという原則があって、全部それで切ってしまうと、助け合いなんてできるわけがない。そのあたりをきっちりここでもって整理して、東京都はこういうふうに考えるんだということを出していく必要があるんじゃないかなという気がするので、これからちょっとそういうテーマで議論ができればなというふうに願っています。以上です。
○ 野村会長
ありがとうございました。ほかによろしい……。はい、どうぞ。
○ 斉藤委員
先ほどの意見に沿った意見なんですけれども、逆にね、障害者にこうしてあげよう、ああしてあげようと思って一生懸命勧めたりする。でも、本人はそれをね、ありがたいと思って利用したり、受けたりする人もいます。だけども、そのサービスをこうしてあげようと思っていることが、本人がほんとうに望んでいるかどうかというのはまた別物だと思うんですね。逆に本人がそれを望んでない場合、本人が望んでいないけども、だけども、職員、スタッフ側が一生懸命ああしてあげようとぐいぐい押しつけてくる。だけども、本人はそれがね、端から見ていると、いいこと、いいことをしている、ありがたいと、いいんじゃないかと思っても、本人がもしそれを望んでいなかったら、ただの押しつけになってしまうという場合もあるんですね。そこのところがね、ちょっとどうしたものかと。
○ 野村会長
はい、わかりました。実際にまちを歩いているときに、自分はひとりでも行動できるのに、実は、周りの人が強引に助けてくれちゃうようなことも多分あるのだろうと思います。きょう、いろいろと皆さん方からお話をいただきまして、それを踏まえて、後期の課題に取り組んでいきたいと思います。
それから、先ほど坂巻さんがおっしゃられたことにちょっと関連して、実は、私、つい最近、立川市に大山自治会って団地がありまして、ここの自治会にちょっといろいろヒアリング行ったんですね。1,200世帯、3,000人おられる。700人が高齢者で、約200人がひとり暮らしという。そこは自治会の加入率、全員につき400円納める。でも、生活のあらゆることをサポートしているんです。子供を緊急に預かってほしいとか、それから、ひとり暮らしの人をみんなで見守っているとか、それから、もちろん徘回の問題も含めて、とてもすばらしい自治会があるんです。そういうように地域で取り組んでいる、そういう活動もありますので、そういうようなこともやはりこういうような事例の中にね、やはり一つの福祉のまちづくりとしてすばらしい活動だと思いましたので、ちょっと目を向けながらね、いろんな事例が挙がってくると、都内にもいろいろといい事例があるのかなと思いました。
それを踏まえて、きょうのお話、今、審議テーマ1、2というのがありますけれども、今、移動の支援というものが一つ出てきた。これをどうするか、ちょっと事務局とご相談させていただいて、4月までちょっと間がありますけれども、事務局とちょっと調整させていただきたいと思います。
大体時間になりましたけれども、きょうはこんなことでよろしいでしょうか。何か事務局のほうから、一つ、はい、どうぞ。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
それでは、今、席上に配付してあります、こちらですね。条例の改正案についてというところをごらんいただきたいんですけれども、今、条例改正の手続をしておりますが、現在の状況について、ご報告させていただけたらと思います。
まず、この専門部会でもいろいろご意見が出た条例の名称についてですが、11月に皆様からいただいた意見具申におきましても、新たな条例の名称に福祉のまちづくりという言葉が引き続きふさわしいかどうかについて、検討するようにというご意見をいただきまして、それを踏まえて、東京都としても検討いたしました結果ですけれども、新しく改正する条例は、これまでの条例の考え方を全く異なるものに変えるものではありません。これまでの条例をさらに発展させていくもの。現行条例より対象や取り組みを広げて、福祉のまちづくりの取り組みをより一層進めるためのものであるということで、名称変更はせずに、条例や条文の前文にユニバーサルデザインの理念を反映していきたいということにしております。
そこで、今回皆様には、参考という形で、文言調整を行っている段階のものです。参考として条文の全体像と、それから、1枚目にA3で大きく前文について、これは現行の条例に載っている前文と、それから、新しく改正する条例の前文を比較で載せております。ちょっとごらんいただきたいと思うんですけれども、新しい条例のこの改正案のほうにつきましては、ユニバーサルデザインの理念を反映して、かつこれまで委員の皆様方からいただいた福祉のまちづくりに対する思いを反映して作成したものでございます。よろしくお願いいたします。
○ 野村会長
ちょっと読んでくださいますか。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
はい。それでは、読ませていただきます。
東京は、安全で快適な都市機能と豊かな自然を併せ持つ、日本の首都として発展を続けている。
私たちは、東京で生活するすべての人の基本的人権が尊重され、自由に行動し、社会参加できる「やさしいまち東京」の実現に向けて、これまで不断の努力を積み重ねてきた。
本格的な少子高齢社会が到来するなか、東京が世界に開かれた国際都市としてさらなる発展を続けるには、東京に集うすべての人がありのままに、自らの意思で暮らし、社会参加でき、自己実現が図れる、そうした社会の実現に向け、ユニバーサルデザインの理念に立ったまちづくりを進めることが必要である。
私たち都民の願いは、誰もが住みなれた地域に住み続け、働き、学び、遊ぶことができる一人ひとりの生活を支援する仕組みが地域で整い、社会のあらゆる分野に他者を思いやる心が行きわたったまちを築くことである。
福祉のまちづくりとは、そのような東京を現実のものとするための物心両面にわたる絶え間ない活動の集積である。
今、これまでの成果を未来につなぐとともに、新たな目標に向かってさらに一歩踏み出すことは、後世に対する私たちの責務である。
私たちは、ユニバーサルデザインの理念の下、東京を高齢者、障害者、子ども、外国人などを含めたすべての人にとって、住みやすい、訪れやすいまちへと、発展させることをここに宣言し、この条例を制定する。
以上です。
○ 野村会長
ご意見、いかがでしょうか。こういう前文も大事です。それから、今、国会で問題になっている附則というのも、実はさらに大事なことになっているんですが、何かご意見があれば、ぜひおっしゃっていただきたいと思います。はい、どうぞ。
○ 高橋(儀)委員
すいません。前文を飛び越して、次のページになっちゃいますけど。参考についている条例の部分で、第2条の第3項福祉のまちづくりの定義の部分ですけれども、最後の言葉がちょっと気になります。措置という言葉を使われていますので、これは活動という言葉にするか、ちょっとご検討いただければと思いますけれども、全体の流れにそぐわないかなという感じがいたします。
○ 野村会長
措置という言葉は、いろんな解釈があると思いますけれども、私どもがよく考えているのは、行政上の一種の処分であるというような言い方もされているんですよね、確かに。そういう意味で、こういうかたい言葉はなるべく使わないで表現をしていただきたい、そういう趣旨でよろしいですか。ご検討いただければ。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
はい、検討いたします。
○ 野村会長
よろしいでしょうか。
それでは、この推進協議会としては、一応了解をしたということにさせてください。
ほかにありませんでしたらば、これで閉会をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○ 花本副参事(地域福祉担当)
ありがとうございました。
○ 野村会長
それでは、本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。