第12期東京都福祉のまちづくり推進協議会 第1回専門部会
- 更新日
1 日時
平成30年12月17日(月曜日) 午後3時から5時まで
2 開催場所
東京都庁第一本庁舎42階 特別会議室B
3 会議次第
1 開会
2 議事
(1)東京都福祉のまちづくり推進計画の素案について
(2)建築物バリアフリー条例改正に伴う「施設整備マニュアル」改訂案(一般客室)について
(3)その他
3 閉会
4 出席委員
高橋委員 大島委員 大部委員 川内委員
星加委員 岡村委員 庄司委員 稲垣委員
滝澤委員 二井田委員 伊藤委員 市橋委員
越智委員 吉田委員 菊地委員 永田委員
柴崎委員 大倉委員 松井委員
5 会議資料
【資料】
第12期第1回東京都福祉のまちづくり推進協議会 会議次第(Word:41KB)
資料1 東京都福祉のまちづくり推進計画(素案)(平成31年度~平成35年度)(Word:1,481KB)
資料2 建築物バリアフリー条例改正に伴う「施設整備マニュアル」改訂案(一般客室)(Word:18KB)
【参考資料】
参考資料 東京都福祉のまちづくり推進協議会専門部会委員名簿(Excel:37KB)
6 議事録
(午後3時03分 開会)
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは、定刻となりましたので始めさせていただきます。
本日は、お忙しい中、ご出席いただきありがとうございます。これより第12期東京都福祉のまちづくり推進協議会第1回専門部会を開催させていただきます。
事務局を担当いたします福祉保健局生活福祉部福祉のまちづくり担当課長の池田です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日の出欠状況についてご報告させていただきます。
本日は19名の委員の皆様にご出席いただいております。山崎委員、上田委員、岩佐委員、市東委員、織田委員につきましては、ご都合によりご欠席の連絡をいただいております。なお、山崎委員の代理で岡本様、上田委員の代理で小島様にご出席いただいております。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。
まず、本日の次第がありまして、次第の横には座席表がございます。次第の下に、A4縦で、ホッチキスどめのもので東京都福祉のまちづくり推進計画(素案)。次にA4縦で建築物バリアフリー条例改正に伴う「施設整備マニュアル」改訂案(一般客室)。その下に、参考資料としましてA4横で参考資料、東京都福祉のまちづくり推進協議会専門部会委員名簿。また、次第には書いてございませんが、冊子で東京都福祉のまちづくり推進計画(平成26年度~平成30年度)。同じく冊子で、東京都福祉のまちづくり推進計画改定の基本的な考え方意見具申(平成30年6月)。同じく冊子で、東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル。同じく冊子で、区市町村・事業者のための心のバリアフリー及び情報バリアフリーのガイドライン。同じく冊子で、心のバリアフリーの実践に向けたハンドブック。以上の資料をお配りしております。
なお、最後の5点、冊子状のものにつきましては、会議終了後、事務局で回収しますので、机上に置いていただくようお願いいたします。
最後に、11月1日に開催されました第1回推進協議会の議事録と、福祉保健局広報誌「月刊福祉保健」の11月号・12月号をお配りしております。
なお、当会議は公開となっており、会議の議事録は東京都ホームページに掲載され、インターネットを通じて公開されますので、申し添えさせていただきます。
また、本日は傍聴の方もいらっしゃっておりますので、お知らせいたします。
なお、当会議は、視覚や聴覚に障害のある委員もおりますので、ご発言の際は最初にお名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。
それでは、これ以降の議事進行につきましては、高橋部会長にお願いしたいと思います。高橋部会長、よろしくお願いいたします。
○高橋部会長 皆さん、こんにちは。東洋大学の高橋儀平です。どうぞよろしくお願いいたします。
第12期の第1回の専門部会になります。11月に第1回推進協議会で第11期の意見具申を踏まえた福祉のまちづくり推進計画のたたき台、構成について皆様方からご意見等をいただきました。今日は、それらを踏まえまして、素案の本体について議論をする場になります。この後、今日の専門部会を踏まえて、年明け以降にパブリックコメントを実施しますので、今日はいろいろな角度からご意見を伺えればというふうに思っております。
それから、二つ目は、建築物バリアフリー条例改正に伴う「施設整備マニュアル」の改訂案についてのご説明があります。
それでは、早速ですけれども、最初の議事(1)の東京都福祉のまちづくり推進計画の素案について、事務局のほうからご説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 事務局の池田です。それでは、議事(1)東京都福祉のまちづくり推進計画の素案につきましてご説明をさせていただきます。
前回の協議会で委員の皆様に構成案についてご審議いただいたご意見を踏まえまして、庁内関係各局と調整を図ったものでございます。
資料1を1枚おめくりいただきまして、まず目次となっております。目次をご覧ください。全部で章としては四つの章となっております。
第1章は福祉のまちづくり推進計画の基本的考え方ですが、こちらは前回の協議会でご審議いただいた内容となっておりますので、説明は割愛させていただきます。
第2章は都におけるバリアフリーをめぐる現状ということで、意見具申に掲載させていただきました社会的背景や国の動向として、(1)障害者権利条約の批准に伴う障害者差別解消法の施行や、(2)として、東京2020大会を契機とした共生社会の実現に向けて国のユニバーサルデザイン2020行動計画の策定、(3)としまして、東京2020大会に向けたバリアフリーやアクセシビリティに関する指針となるアクセシビリティ・ガイドラインの策定、(4)としまして、国のいわゆるバリアフリー法や建築設計標準等の改正、旅客施設やガイドライン等の改正の動向を記載しております。3としまして、こちらも意見具申に掲載させていただいている内容と同様ですが、東京都福祉保健局基礎調査等の結果に関する部分につきまして、抜粋して掲載させていただいております。
第3章の福祉のまちづくりの分野別施策からが具体的な計画の内容となっておりますので、後程詳細にご説明させていただきます。
第4章として、計画事業の展開となりまして、こちらは東京都の個別の具体的な計画につきまして掲載する予定でございますが、現在、庁内調整中でございますので、また別途、皆様にお知らせしていきたいというふうに考えております。
最後に用語解説、それぞれのトピックとなるコラムについては、原稿の執筆を現在お願いしているところでございます。
それでは、具体的な内容につきまして、19ページをお開きください。19ページ、第3章、福祉のまちづくりの分野別施策につきましてご説明させていただきます。
五つの視点ごとに、「現状」、「課題」、「今後の取組の方向性」を記載しておりますが、現状と課題につきましては、これまでも何度かご議論いただいております6月の意見具申の内容を踏まえておりますので、今後の方向性を中心にご説明させていただきます。
1番目、「誰もが円滑に移動できる交通機関や道路等のバリアフリーの更なる推進」です。
枠で囲っている部分について、概要を説明しております。ここでは、交通機関や道路等の移動のバリアフリー化について、三つに分けて記載しております。
(1)番目として、交通機関におけるバリアフリー化の推進です。
現状としましては、都内の鉄道駅については、エレベーター設置による段差解消等、誰でも使いやすいトイレ、点字ブロック、ホームドア等のバリアフリー化の整備が進んでいるところでございます。また、バス車両におきましてもノンステップ化、ユニバーサルデザインタクシーの車両が普及しつつありまして、都内のバリアフリー化は全国の整備率と比べて進展しているところでございます。
しかしながら、課題といたしましては、19ページの一番下の白丸になりますが、施設整備などのハード面の対策に加えまして、接遇等を含めたソフト面の対策など、ハードとソフトの一体的な取組を推進する必要があります。20ページをお開きください。20ページの一つ目の白丸になります。これまでの1ルート確保を進め、今後はさらに最短化や複数化、乗り継ぎルートの整備の課題もございます。また、三つ目の白丸では、複数の事業者が乗り入れるターミナル駅での案内サイン等の情報の連続性、同じくホームドアの整備ですとか、四つ目、五つ目の丸では、都営のバスではノンステップ化が100%となっておりますので、引き続き民営バスのノンステップ化の促進ですとか、観光バス、空港リムジンバスなど、ユニバーサルデザインタクシーの推進についても記載されているところでございます。
これらを踏まえまして、今後の取組の方向性としまして、20ページの一番下の白丸や21ページの一つ目の白丸になりますが、エレベーターやホームドア、多機能トイレ等の整備や移動等円滑化経路の最短化・複数化に向けた鉄道事業者や区市町村への支援、働きかけ、整備を促進してまいります。二つ目の白丸にありますが、新宿駅では新宿ターミナル協議会を関係者間で立ち上げて、表示内容やデザインを統一した案内サインの整備などに取組、ターミナル駅における案内サインの共通化指針を策定するなど、他の主要ターミナル駅においても、地元区市町村などが中心となって同様の取組を進めていくこととしております。続きまして、四つ目の白丸になります。都営バスでは、バスの車内の後方の通路段差解消をしましたフルフラットバスを国内で初めて導入することですとか、都心と臨海地域とを結ぶBRT(バス高速輸送システム)では、あらゆる方々がスムーズに乗り降りできるような停留施設を整備するなど、バリアフリーに配慮した計画とすることとしております。続きまして、22ページをお開きください。22ページでは、観光バス等における乗降用リフト付車両の導入支援ですとか、ユニバーサルデザインタクシーの普及に向けた車両導入補助を行ってまいります。
続きまして、(2)道路におけるバリアフリー化の推進でございます。
現状としましては、都道等における歩道の段差解消、勾配の改善、視覚障害者誘導用ブロックの設置、面的・一体的な道路のバリアフリー化、道路の無電柱化、広域的な道路ネットワークの充実、道路と鉄道の立体交差を推進するとともに、交通事故防止として、高齢者・視覚障害者等用信号機、エスコートゾーンの整備も着実に進んでいるところでございます。
課題としましては、東京2020大会の競技大会会場周辺や駅、公共施設、福祉施設などを結ぶ道路のバリアフリー化を引き続き進めるとともに、今後は、より利用者目線に立った取組を進める必要を課題として提起しております。
これに対します今後の取組の方向性としましては、歩道や地下歩道の整備、横断歩道橋等の撤去等の検討、またはスロープ・エレベーターの整備、特に道路の中でも公共施設や病院、オリパラ競技会場周辺とを結ぶ都道につきまして、重点的にバリアフリー化を進め、また、障害者団体等とも意見交換を行いながら、より利用者目線に立った取組を進めてまいります。三つ目、四つ目の白丸では、道路の無電柱化、一番下の白丸では、信号機関係で歩行者感応式、視覚障害者用、ゆとりシグナル等の整備を、バリアフリー基本構想の重点整備地区や、高齢者や障害者等の利用者が多い場所を優先的に整備していくこととしております。
続きまして、24ページをお開きください。(3)面的なバリアフリー整備です。
こちらはバリアフリー法に基づく区市町村が策定するマスタープランや基本構想、市街地再開発事業や土地区画整理事業など、基盤整備による支援に対する面的整備を進めております。
25ページに移りますが、課題としましては、こういったバリアフリー基本構想に基づく面的・一体的なバリアフリー化をより一層推進する必要があるとしております。
今後の取組の方向性としましては、バリアフリー基本構想策定経費の補助や技術的助言を行うことで、区市町村の取組を促していくことと、都が行う市街地再開発事業等におきましても、基本構想や福祉のまちづくり条例に基づく整備等を推進していくことと記載しております。
続きまして、26ページをお開きください。2番、「全ての人が快適に利用できる施設や環境の整備」です。
ここでは、当事者参加の取組により、利用者の視点に立って快適に利用できる施設や環境の整備について、三つに分けて記載しております。
(1)建築物等におけるバリアフリー化の推進です。
現状につきましては、建築物バリアフリー条例及び福祉のまちづくり条例に基づきまして、建築物のバリアフリー化が一定程度進んでいるところでございます。
次に課題でございますが、一つ目の白丸で、平等な社会参加の機会を確保するための施設や環境の整備の重要性を課題として提起し、二つ目の白丸で、これまではなかった劇場や競技場等のサイトラインに配慮した客席の整備ですとか、一番下の白丸で、当事者参加の施設整備の推進を課題提起されております。27ページの一番下の白丸では、ハード面での対応が難しい場合でのソフト面での合理的配慮の提供の必要性や、次の白丸では、宿泊施設等のバリアフリー化を含めた観光関連の環境整備も重要と記載しております。
今後の取組の方向性としましては、福祉のまちづくり条例に基づく適合証制度の活用、二つ目の白丸として、住民参加の点検による施設のバリアフリー化の区市町村への支援。一番下の白丸では、前回の協議会でパブコメのご説明をさせていただきました、建築物バリアフリー条例における一般客室の整備基準の制定など、より多くの人が利用できる宿泊環境を整えていきます。また、宿泊施設のバリアフリー化の支援も行っていくこととしております。
続きまして、28ページをお開きください。(2)公園等におけるバリアフリー化の推進です。
現状としまして、公園では、各法令に基づきまして、園路の移動円滑化や誰もが使いやすいトイレなど、ユニバーサルデザインを基本とした整備が進んでいるところでございます。
課題としましては、よりわかりやすい案内表示や、公園までの経路も含めた環境整備を進めることが重要と記載しております。
今後の取組の方向性としまして、一つ目の白丸で、都立公園については、園路等の段差解消、スロープの設置等の整備の推進や、一番下の白丸では、自然公園におけるユニバーサルデザインの視点を取り入れた登山道やサイン類、トイレの整備、多言語表記等に取り組んでいくことが記載されております。
続きまして、29ページをご覧ください。(3)公共住宅の整備・民間住宅の整備促進です。
現状としまして、二つ目の白丸ですが、公共住宅や民間住宅において、ハード面のバリアフリー化のほか、福祉サービスと連携し、高齢者や子育て世帯が安全で安心して暮らせる住環境の整備が進んでおります。
課題としましては、既存ストックの有効活用の視点に立ちまして、引き続き、高齢者の住まいを取り巻く課題解決に向けまして、施策を推進していく必要があると記載されております。
今後の取組の方向性としましては、都営住宅の建てかえや改修に当たっては、手すりやエレベーターの設置、玄関ドアノブのレバーハンドルへの交換など、バリアフリー化を推進するとともに、用地の有効活用を図り、区市町村と連携し、高齢者施設など地域に必要な福祉施設の整備の推進や福祉部門等との連携を強化することとしています。
30ページをお開きください。3、「様々な障害特性や外国人等に配慮した情報バリアフリーの推進」です。
ここでは、情報の入手が困難な人にとってもわかりやすい、様々な手段による情報提供の推進について記載しております。
現状としまして、視覚障害者や聴覚障害者に対するコミュニケーション支援、点字や音声、文字や手話、多言語表記などの様々な手段による情報提供や、提供する内容の充実に取り組むとともに、ピクトグラムといった絵文字や多言語で表記した観光案内標識の設置などに取り組んでおります。現状としましては、三つ目の白丸になりますが、ICTなども活用しながらの情報提供や情報内容の充実、バリアフリーマップでの情報発信、ピクトグラムや多言語を用いた案内標識等の統一等の課題を提起されております。
今後の取組の方向性としましては、情報を得ることが困難な人に対しまして、点字を初め、音声、文字の拡大、色彩、手話、筆記、インターネット、IT機器等による多様な情報伝達方法により情報提供を進め、社会参加を促進することとしております。
32ページをお開きください。一つ目と二つ目の白丸が視覚障害者向けの情報提供で、納税通知書や水道使用量の請求書などへの音声コードの添付や、都営地下鉄駅構内での音声案内装置の設置の推進などをしてまいります。三つ目、四つ目の丸が、聴覚障害者向けの情報提供で、手話のできる都民の育成や、字幕入りDVDの作成等です。五つ目の白丸は、重度視覚障害者を初めとした方々へのコミュニケーション支援や移動支援のための取組。六つ目の白丸は、乳幼児連れの方向けの授乳やおむつがえ等ができるスペースである「赤ちゃん・ふらっと」の整備拡大。一番下の白丸が、東京に居住する外国人向けの情報提供や観光案内情報の提供体制の充実を行ってまいります。
続きまして、34ページをお開きください。4、「災害時・緊急時に備えた安全・安心のまちづくりの推進」です。
ここでは災害に対する事前の備えや発災後の応急対策、避難所におけるバリアフリー化等の取組、日常生活での安全対策の推進について記載をしております。
現状でございますが、都はこれまで、福祉避難所となる社会福祉施設等における耐震診断・耐震改修に要する費用の補助、要配慮者の支援体制の整備やヘルプカードの作成などで区市町村を支援するなど、災害時・緊急時に備えた取組を進めてきております。
課題としましては、三つ目の白丸となりますが、災害時における要配慮者の安全対策や個別支援計画策定等による、区市町村による要配慮者対策の強化が必要としております。
今後の取組の方向性としましては、災害時の要援護者対策に実際に取り組む区市町村の支援としまして、一つ目の白丸では、消防職員が個別に自宅を訪問して、様々な助言・指導を行う。二つ目の白丸では、社会福祉施設の耐震化や、障害者が災害時に必要な支援を周りに求められるようにヘルプカードの普及促進。一番下の白丸では、災害時における様々な指針に基づく要支援者名簿の作成や福祉避難所の指定確保などについて、引き続き支援をしてまいります。
37ページをお開きください。5、「都民等の理解促進と実践に向けた心のバリアフリーの推進」です。
ここでは全ての人が平等に参加できる社会や環境について考え、必要な行動を続ける心のバリアフリーの推進について記載しております。
現状としましては、都はこれまで、心のバリアフリーに向けた冊子やポスターコンクールの実施など、様々な普及啓発に取り組むとともに、区市町村への補助や事業者向けの取組を進めてきております。また、平成30年10月に施行されました差別解消条例では、合理的配慮の提供も義務づけられております。38ページをお開きください。一つ目の白丸になりますが、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を平成30年10月に制定しております。
課題としましては、一つ目の丸で、障害の社会モデルの視点でバリアを理解し、全ての人が平等に参加できる社会や環境について考え、必要な行動を続けることが必要とし、三つ目の白丸で、区市町村や事業者とも連携しながら、心のバリアフリーを効果的に推進することが重要と記載しております。また、東京2020大会を契機に、オリンピック憲章の理念を都民全体に浸透させることが重要ともされております。さらに、施設や設備の適正利用に向けた普及啓発を進めていくことが必要とも提起されております。
今後の取組の方向性としましては、39ページをご覧ください。差別解消条例の理解促進に向けた普及啓発や、人権尊重の理念が一層浸透するよう、普及啓発等を総合的に実施してまいります。40ページをお開きください。一つ目の白丸で、区市町村が実施するユニバーサルデザイン教育や、地域住民向けのワークショップなどの取組に対する都の支援ですとか、心のバリアフリーに主体的に取り組む企業等と連携し、心のバリアフリーに対する社会的機運の醸成を図る取組、また、施設利用の適正化に向けた取組を実施してまいります。
以上、雑駁で、駆け足で申し訳ございませんが、今回、まとめた計画の概要となっております。
ここにはまだ入っておりませんが、今後、わかりやすいレイアウト、コラム等を具体的に追加してまいります。
また、素案につきまして、事前に委員の方から幾つか質問をいただいておりまして、口頭で申し訳ありませんが、幾つか触れさせていただきたいと思います。
該当ページとしまして、20ページをお開きください。20ページ、21ページあたりで、新宿ターミナル協議会の取組について記載しておりますが、質問事項としましては、表示内容やデザインの統一について、新宿駅が先駆けて整備し、他の地域も関係者間で協議し整備を進めるとのことですが、新宿駅の表示内容やデザインの方法を都全体で統一を図るということでしょうかというご質問をいただいております。
先ほども触れさせていただきましたが、新宿駅では、交通事業者や施設管理者等で構成する協議会におきまして、案内サインのルールを定め、関係者間で表示内容やデザインを統一した案内サインの整備を行っております。この取組を他のターミナル駅にも拡大しておりまして、渋谷駅や池袋駅でも新宿駅と同様に、関係者間で構成する協議会を立ち上げまして、駅ごとに、その特性を踏まえた案内サインのルールを定め、関係者間で表示内容やデザインを統一した案内サインの整備に取り組んでいるところでございます。
なお、各駅での取組に当たりましては、都が策定しましたターミナル駅における案内サイン共通化指針を活用しまして、異なる駅と駅との間でもルールの基本的な部分は共有化し、統一感のある、わかりやすい案内サインとなるように整備を進めているところでございます。
もう一つ、道路におけるバリアフリー化の推進についてご質問がありましたので、こちらにつきましては、所管の課長よりご説明させていただきます。
○水飼建設局道路管理部安全施設課長 それでは、道路におけるバリアフリー化の推進ということで、道路につきましては、世論調査の中で、道路についてバリアを感じる箇所というのが7割ぐらいの人があるというような記載がこの中でございます。一方で、この冊子で言うと22ページをご覧いただきたいと思うんですが、道路のほう、各種整備していると、進展しているという表現もあるということで、この辺の世論調査の回答の認識と、それから都で整備を進めているというところに、少しギャップというか、差があるのではないかと、この辺、どのように考えているかというご質問がございました。
こちらにつきまして、簡単にご説明させていただきますと、まず、道路というのは、日々利用するものでございますので、日常、最も身近に感じる施設ということになるかと思います。一方で、今、バリアフリー化を道路で進めているということなんですが、都道については、およそですね、昨年度末、平成30年3月時点で、およそ380キロ近くのバリアフリー化を都道、進めているという形になります。
一方で、先ほど7割ぐらい、道路についてバリアを感じるということについてなんですけれども、これは例えば都道だけで今現在2,200キロあります。かなり駅周辺とか、そういった主要な部分については、先ほどのとおり約380キロぐらい整備しているということなんですが、都道全体、2,200キロから見ると、まだまだ足りていないという部分。それから、実は道路というと国道と区市町村道、都道以外の道路が多くて、区市町村道については、都内だけで2万2,000キロぐらいあるんですね。ですので、東京全体を見ると、2万2,000キロぐらいの区市町村道があって、都道というのはあくまで2,200キロ、ざっくり割合で言えば9対1ぐらいの割合で区市町村道のほうが多いと。日々生活されている方々は、やっぱり都道か区市町道かという境をなく当然ご利用いただいているということで言えば、都道を積極的に進めて、今後、引き続きやっていくんですが、全体の母数からしたときに、なかなか追いついていないところがあると。そういったことかなというふうに認識してございます。
以上です。
○池田福祉のまちづくり担当課長 説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋部会長 ご説明ありがとうございました。
それでは、主要な修正部分について、今、池田課長からお話がありましたけれども、それらも含めて皆様方の忌憚のないご発言をいただければというふうに思います。提案等も含めてお受けしたいと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
それでは、菊地さん、お願いいたします。
○菊地委員 東京都精神障害者団体連合会の事務局長の菊地と申します。
今回の素案につきましては、文章的にはどこをつついても問題ないんですよ、確かに。ただ、私どもが指摘するのは、文章上のつつくという感覚ではなくて、なぜ障害者の差別が生じてくるのかという観点が、こういうような文章の中に欠落していると私は思うわけですよ。
それはどういうことかというと、繰り返し私はこの会議で話していますが、津久井やまゆり園の事件のことなんです。それはどういうことかというと、津久井やまゆり園の犯人は、どういうことを犯行について言ったかというと、優生思想というものについて、この世の中は優生思想というものに基づいて構成されていると。優生思想というのはどういうことかというと、働かざる者は食うべからずという効率至上主義の考え方なんですね。これは資本市場である以上避けられないんですが、そういう効率が全てであるという考え方が差別を生み出してきて、効率が余りよくない障害者というのは除外されるということになるわけです。そういう基本的な、なぜ差別が生じてくるのかという観点が、この文章からは見えてこない。
というのは、具体的にはどういうことかというと、共生社会をつくりましょうということを言っているわけですけど、その方法として、そういう共生社会という考え方を普及啓発していけばいいんだと。みんなに知らせていけば成り立つんだということを言っているわけですが、これは残念ながらそういうことではないんですね。というのはなぜかというと、今言ったように、世の中というのは実際的に支配しているのは効率至上主義です。至上主義、働かざる者食うべからずという社会なんですから、その社会に対して対抗していくという、そういう文言が全然見えないわけですよ。
ですので、こういううたい文句だけの文章をつくっても、実際の差別が生じている現場に対して説得するということではなくて、そういう考え方を克服していくという視点がないと、やっぱりこういうような素案というのは、ちょっと平板な感じがしてしようがないわけですね。
ですので、やっぱりこういう共生社会というのをつくるということは闘いなんですね。そういう日常的に世の中を支配している効率万能主義という、優生思想に対する闘いであるという、そういう視点というのがやっぱりないと、単に世の中は平和、もともと平和であるみたいな、そういうような文章の論理性なんですよ。そうじゃないからね。だから、そういう意味での、もう少し現実、差別が生じているということの現実の認識の仕方が、まだ緊急性に乏しいというか、何で津久井やまゆり園であれほどの事件が起きたかということの検証というか、まだできていないんじゃないかと、私はそういう気がしてしようがないんですね。ですので、その辺のところをわきまえた、緊急性というか、もう少し、単なる平和万能みたいな、そんな感じじゃなくて、現場はもう少し緊急性があるんだということを認識した文章というものが欲しいと思います。
以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。
菊地さん、例えば第1章から第4章までありますけれども、このあたり、特にそういう、今も単純にある面ではルーチン的な推進計画になっているのではないかというご指摘だというふうに思いますけども、例えば今、菊地さんがおっしゃっている差別が発生している理由、あるいはそれをなくしていくために、実際に例えばこういうところを強調したほうがいいのではないかという、もしあれば、後程でもいいですけども、ご指摘あるいはご提案をいただけると、大変、事務局も検討しやすいのではないかというふうに思います。
○菊地委員 具体的には、37ページにおいては、都民等の理解促進と実践に向けた心のバリアフリーの推進という、この文言になってくると思うんですね。ここで「誰もが円滑に移動し、様々な活動を楽しめるまちづくりを進めるため、全ての人が平等に参加できる社会や環境について考え、必要な行動を続ける心のバリアフリーを推進していきます」と。この文章だと、そういった、現実にそういう津久井やまゆり園が発生したという背景が考慮されていないという感じがするんですね。ですので、例えば私がこういう文章を考えるとすると、「世の中の効率至上主義に対抗して共生社会を実現するために、全ての人々の人権が尊重される社会というものが望まれる」みたいな文章になると思うんですね。ですので、優生思想主義、優生思想とかという言葉をこういうふうに出してくるのはちょっと抵抗があるとしたら、効率至上主義ということを出してもいいし、それに対抗するという言葉をここに盛り込むということですね。それが必要ではないかと思われます。
以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。
37ページになりますけども、このあたりで、今のご指摘がありますけども、まだまだ社会の中あるいは都民の中に差別や偏見があるというようなことのニュアンスが伝わるようなことについては、書き込めるのではないかというふうに思いますので、ちょっと事務局のほうでもご検討いただければというふうに思います。
ありがとうございました。
ほかにございますか。
○川内委員 今のでご提案なんですけども、12ページにユニバーサルデザイン2020の行動計画の抜粋があって、これが冒頭に「過去において、障害のある人が受けてきた差別、虐待、隔離、暴力、特別視は共生社会においてはあってはならないものである。また、障害のある人はかわいそうであり、一方的に助けられるべき存在といったステレオタイプの理解も誤りである」というふうなことがいろいろ書いてあって、それで基本的人権を享有していくとか、それから障害者という区切りのなくなる社会というようなことを言っているんですね。私は、これを例えば今菊地さんが提案された37ページに、「2020行動計画の趣旨を踏まえ」とか、そういうふうなことで関連づけると、今、効率至上主義という言葉はないですけれども、菊地さんがおっしゃったことのかなりの部分はカバーできるのではないかなというふうに思いました。一つの提案です。
それから、ちょっとマイクをいただいているのですみませんが、私のほうからの意見ですが、20ページの下から二つ目にユニバーサルデザインタクシー車両の導入を支援するというのがあります。ご存じのように社会問題化し始めていますが、ユニバーサルデザインタクシーで乗車拒否が起きている。タクシーの構造そのものが問題なんですけども、私の提案としては、「ユニバーサルデザインタクシー車両の導入と円滑な利用を支援する」というふうに書き加えていただけないかなというのが一つあります。
それから、21ページで、一番上の丸ですが、大規模な駅における複数化の整備というのがあります。これは具体的な大規模な駅ってどのくらいなんだと。例えば10万人とかというようなのが出ていますけれども、それは示せないのかなというのがあります。大規模というのは、Aさんは大規模と言うし、Bさんは大規模じゃないと言うと、ちょっと押し問答みたいになるかなという感じがします。
それから、その下に都営地下鉄が書いてあるんですけれども、ここでは移動等円滑化経路の複数化ということについて検討していくということが書いてあるんですけども、上の民鉄については、複数化と乗り継ぎ経路のバリアフリー化ということを言っているんですね。それがなぜ都営になると乗り継ぎ経路がなくなったのかということが一つ。それから、上では、民鉄については、バリアフリー化の整備を行うよう、鉄道事業者や区市町村へ「働きかける」というふうに言っているんですけれども、都営については、「検討していきます」というふうに、ちょっと腰が引けているかなという感じがしているので、その辺の表現が何とかならないかということ。
それから、23ページですけれども、一番下に信号機のことなんかが書いてあります。信号機が今物すごく複雑になっていまして、音が出るのとか、夜間は押しボタンとか、延長とか、いろいろあって、しかもスイッチの形式がばらばらなんですね。最近だと、もうタッチすればいいのもあるし、ぽちっと押すのもあるし、それから、一番ひどいのは、押しても、ぽちっと押した感覚がない、クリック感のない信号機があって、この間、視覚障害のある方、押したつもりなんだけど、全然反応していないとかというようなこともありました。ですから、形式を統一するというのはやはりとても重要で、様々なこういうスイッチ類があるとしても、信号機ごとにばらばらというのは非常に困るなというふうに思います。
それから、25ページですが、下から二つ目の丸で、これは小さなことですけども、市街地再開発事業と土地区画整理事業を、これは施行なんですか、施工なんですか。行うが工事の工なのか行うなのかで意味が違うと思いますが、間違えた字ではないかなという感じがしています。
それから、29ページですが、課題というところの最初に既存ストックの有効活用とかというようなことがあったんですが、今度のバリアフリー法で、公共交通機関についてはバリアフリー情報の提供ということが言われているんですけれども、実は住宅というのは障害のある方にとってはとてもハードルが高くて見つけにくいんですね。これは都が主導すべきなのかどうかはありませんけども、最も求められているのは、もちろん数が圧倒的に少ないということもあるんですけども、バリアフリーな住宅の情報というのを何とかして提供してもらえないかなというのがあります。この辺が、情報提供ということがどこかに入らないかなという感じがしています。
それから、最後ですけれども、これはお願いですけれども、38ページの一番上の丸、東京都がオリンピック憲章にうたわれる理念の実現を目指す条例を30年10月に制定しましたというふうに書いてありますが、すみません、ここに条例の名称を書いていただきたいということ。
以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。
現段階で答えられにくいところなんかもあるかもしれませんけども、たくさんのご意見をいただきました。全部で、ばらつきますけども、8点ほどあったかというふうに思います。
じゃあ、市橋委員のご意見も踏まえた上で、事務局のほうで、ちょっと回答できる範囲でお願いをしたいと思いますが、市橋さん、お願いいたします。
○市橋委員 まず、ちょっと伺います。これからのスケジュールは、今日の会議が終わったら、パブリックコメントをやって本決まりになるということで認識していいんでしょうか。ちょっとそれだけ教えてください。今後のスケジュール、もう一度再確認で。
○高橋部会長 最終確定はしていないかと思いますが、先にスケジュールについての御質問、お答えいただけますか。池田さん、お願いします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 今後のスケジュール、最後でお話ししようかと思っていたんですが、1月から2月にかけてパブコメをしたいと思いますので、計画ものは1カ月間パブコメをしなきゃいけないという都庁のルールがございまして、それを踏まえまして、意見を集約し、3月末にこの計画を公表していきたいというふうに考えております。
○高橋部会長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
○市橋委員 今回の推進計画の期間には、オリンピック・パラリンピックが開催される。オリンピックに何もかも合わせるということではないけど、パラリンピックで言えば、国際基準に適合しなければならない。オリンピック・パラリンピックの開催を契機として、バリアフリーの東京をつくっていこうという決意があったら、ここは特別な意味があるんじゃないかと。そういう意味では、オリンピック・パラリンピックというのは、何もメダルの数で争うということではなくて、ここにも書いてあるとおり、人権と平和の問題が前面に出た問題で、さっき菊地委員も言われたように、そういう意味では、人権とか平和を表わすために、じゃあ、まちづくりをどうやっていこうか、こういうことをするから、障害者の権利条約も含めた、そういう意味では、僕はもうちょっと高らかにうたってもいいんじゃないかなと、読んで、まず感じました。それが1点です。
それから、二つ目は細かいことになりますけど、この前オリ・パラ局と話していてちょっと心配になったのは、メイン会場である国立競技場の周りの駅のバリアフリー整備が非常に遅れているんじゃないかと思うんです。なので、もうちょっと具体的に、どこの駅をいつまでに整備するという目標をやっぱり計画に書いていく必要があるんじゃないかなと思うんです。
それから、三つ目は福祉のまちづくり推進計画の意見具申は前期の第11期の委員からの意見を取りまとめたものであって、協議会が作成したもので総論的なことを言っていることが多い。今回の計画は、東京都が策定するものなので、やっぱり東京都の責務というのは、もうちょっと具体的に、例えば予算的に、あるいは国との関係で、そういう意味では、オリンピック関連もありますので、どう進めていくかというところを具体的に書く必要が僕はあるのではないかと思うんです。そういう意味では、細かいところは、もう一回、僕らも確認しますけれどもパブコメの中で意見を言ったほうがいいかなと思います。最後に何点か言います。
一つは、さっきの質問にあった新宿のサインの問題ですけど、新宿ターミナル協議会が案内サインの点検をしたときに僕も加わらせていただいたんですが、非常に、新宿だけでもサインがまちまちなんですよね。だけど、オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たって、都内全域で、サインを標準化し、統一化をしていかなきゃいけない問題だと思うので、そこら辺は、急いで整備しなければならない。
それから、ちょっと細かい問題で、さっき住宅の問題が出たんですけれども、やっぱり僕は公的な住宅が少ないのではないかと思うんです。例えばオリンピック・パラリンピックの選手村の跡地なんかを民間のディベロッパーが整備するのではなく、都営住宅でやっていく、せっかくバリアフリーの住宅を建てていくのだからそのほうがいいんじゃないかと思うんです。
最後に、災害の問題が、ここにもありますが、僕はこの間も言ったんですけど、災害の問題というのは、この計画に書いちゃいけないとまではいいませんが、ここに少しだけ記載して自己満足をしてはいけないと思うんです。というのは、まちづくりの関係だけに限定して書くのか、総合的な防災対策・避難対策を書くのか、この計画では非常に曖昧な書き方をしています。そういう意味では、僕は、前々から言ったとおり、避難弱者総合対策みたいな名前で、そういうものをつくっていかないと、何となく刺身のつまみたいな、また福祉のまちづくり推進計画に少しだけ書いて、個別避難計画をつくっていきましょうみたいなことが書いてありますけれども、非常に、そこだけじゃ済まない問題がいっぱいあるわけですね。例えば、僕が住んでいる市では、個別避難計画は、まだ対象者の6%しかつくられていないと。僕が住んでいる市が非常に遅れていると言うわけではなくて他の区市町村もあまり進んでいないはずです。そういう状態のまま、作りましょうと書くんじゃなくて、やっぱりこれはまちづくりの問題ではなくて、総合的に災害弱者に特化した計画を作る必要があるんじゃないかなと思います。
○高橋部会長 ありがとうございました。
意見具申の段階からちょっと先に進んだ、実施計画にかかわるようなご意見、あるいはご提案等もありましたので、本推進計画を策定した先を見据えたような計画なのかどうかということが問われているのではないかというふうに思いますが、池田さんのほうで、今、川内委員、そして市橋委員のほうからご質問があった件について、ご回答できる範囲でお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
先に菊地委員さんのご発言にも関係するご提案が川内委員のほうからも、何ページだったでしょうかね、UD2020行動計画についての書きぶりを持ってきてもいいのではないかというご指摘、ご意見、37ページへの導入の仕方についてのご提案なんかもありましたけれども、いかがでしょうか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは、一括してご説明、ご回答をさせていただければと思います。
まず最初に、21ページのところの大規模な駅の複数化の規模感ですとか、都営地下鉄駅の検討とかというご質問があったかと思いますが、所管局のほうとも調整させていただきまして、ご回答をさせていただければと思います。
21ページの最初の白丸が、補助をすることで整備の促進を図っていくというところで、主に民鉄に関しましては、区市町村とか鉄道事業者への補助という形で東京都が行っておりますので、こういった表現になっておりまして、二つ目の都営地下鉄は、検討していきますというのは、実施主体でございますので、ちょっと後退しているように思えるかもしれませんが、そういった書き分けをしているところでございます。
続きまして、20ページのユニバーサルタクシーの乗車拒否の問題につきましては、先生ご指摘のとおり、円滑な利用の支援ということで、そういった文言も追記させていただきたいというふうに考えております。
続きまして、23ページの一番下の、信号機のスイッチの形式がばらばらで、統一すべきというところでございますが、警視庁の所管になるかと思いますので、警視庁のほうにもご意見としてお伝えさせていただきたいというふうに思っております。
続きまして、25ページの土地区画整理事業の施行とする際は、という漢字の問題でございますが、一応、漢字としては、今までのもので、これで大丈夫だと思いますが、施行というか、実施するかというふうに、わかりやすい表現に変えていきたいというふうに考えております。
続きまして、29ページの公営住宅等のバリアフリーな住宅の情報提供等ということ、どこかに入らないかというところで、こちらにつきましても、住宅所管の部署と検討を進めていきたいというふうに考えております。
市橋委員のオリパラ会場周辺の駅の整備を具体的にというところでございますが、今後、第4章で、計画事業の展開というところの中で、これまでもあったんですけども、特にオリパラ競技大会会場周辺の整備というところで、具体的な駅名を挙げて掲載しておりますので、今後、そちらのほうで具体的な駅名等を公表できるかというふうに考えております。
市橋委員の公営住宅が少ないですとか、あと災害につきましても、災害の所管の部署と意見交換をいたしたいというふうに考えております。
菊地委員の、人権ですとか、2020行動計画ですとか、そういった観点をというところのご指摘があったかと思いますが、私の説明が足りなかったかと思うんですけど、前回の計画と比べまして、かなりそちらのほうは意識して書かせていただいておりまして、例えば10ページの我が国の動向とかにおきましても、障害者の権利条約の批准のことですとか、UD2020行動計画の策定ですとか、アクセシビリティ・ガイドラインの作成とか、そういったところにも必ず人権尊重の観点、公平・尊厳・機能性とか、そういった考え方も示しつつ、第5の心のバリアフリーの推進におきましても、初めてここで人権というところにもターゲットを当てて記載をさせていただいたというふうに考えているところでございます。
38ページ、39ページの中でも、いかなる種類の差別も許さないというオリンピック憲章ですとか、そういった差別に対する記載のほうも書かせていただいているところでございます。
ちょっと雑駁でございますが、以上でございます。
○高橋部会長 ありがとうございました。
ほかにご質問等ございますでしょうか。
稲垣委員、お願いします。
○稲垣委員 日本大学の稲垣です。どうぞよろしくお願いいたします。
まず20ページのところで、車椅子使用者等が利用しやすく、環境性能にもすぐれたユニバーサルデザインタクシーの車両の導入を支援するというふうに書いているんですが、これはどういうふうに理解するのかということで、今あるUDタクシーは、車椅子使用者等が利用しやすいという前提があって、それをどんどん導入するのを支援していきますというふうに言いたいのか、もしくは、今はかくかくしかじかいろんな議論がなされていて、必ずしも非常に使いやすいとは言えない現状があって、それを、いわば車両工学のほうで、今すごく切磋琢磨しておられていて、日進月歩で車両開発、多分これからどんどん行われていくと。そういう車両開発の状況をきちんと見据えながら、都のほうはそれを支えていくと同時に、車両を受け入れる側の、例えば駅前広場であるだとか、そういうハード整備みたいなことも、開発状況を見据えながら進めていくというふうに理解すべきなのか。
僕は後者だと思うのですが、ちょっと読み方によっては、「今、UDタクシーは非常に使いやすいですよ、それを推進していくことを支援します」というようなふうにも読み取れるわけです。
今、実際にUDタクシーについては現場でいろんな問題が提起されていますので、先ほど私が申し上げた後者のほうの、これからの計画の中で、車両開発のほうも進んでいくと同時に、それを見据えながら都が何をしていくのかといったようなニュアンスの表現を盛り込んだほうがいいのではないか。当事者の方々は、UDタクシーに関するこの箇所を確認される可能性が非常に高いです、都はこれから何をしようとしているのかというのをですね。ここはきちんと正確を期して宣言されたほうがいいんじゃないかなと思います。
21ページ目ですけれども、先ほど市橋委員からもありましたが、ターミナル駅での乗り継ぎの円滑性のためのサインの話。私は今、立川でお手伝いをさせていただいております。
サインの議論をしている中で、陥りやすい罠がですね、何か個別のデザインをつくりましょうというのが先走ってしまっていて、それを計画的にどういうふうに配置するのかとかという話が後回しにされてしまうことです。そもそもサインは何のために使うのかというと、乗り継ぎの場合だったら、ある鉄道事業者の駅から別の鉄道事業者の駅まで円滑に乗り継ぐことが目的ですと。それを達成するために、サインをどんなふうに計画するのかという計画論がまずあって、その計画を達成するためにどんなデザインが必要なのかという議論をしないといけないわけです。なのですが、何か見やすい個別のデザインのルールだけを先に決めてしまって、それを実際掲載していって、当事者が参加してチェックすると、「これ、見にくいな」とかなって、結局ルールをもう一回見直すなんていうようなことが起きたりするわけですね。見直しによって段階的に更新していくことはもちろん重要なことですが、サインの面的な計画論がなくてはならない。
なので、ここでは表示内容やデザインの統一ということだけが書かれているんですけれども、そうではなくて、それを乗り継ぎをする人の視点に立って、どんなふうに計画していって、それをきちんと担保するためのデザインは何なのかというような話を総合的に書き下さないといけないのかなと思います。
それと同時に、ここのサインのところは、都がこれからどうするのかというのが見えないです。結構、関係者間で協議するとか、地元区市が中心となるというようなところがあるんですけれども、果たしてこれから2020まで、そして2020の先、一体このサインの計画に関して都がどのようにかかわっていくのかということは明記したほうがいいのかなというふうに思います。
次、23ページ目になるんですけれども、「今後の取組の方向性」の一つ目のところに、2行目ですね。横断歩道橋等の撤去というのがあるんですけれども、どのような意図があって、横断歩道橋の撤去がここに書かれているのかというのが気になりました。
確かに老朽化が進んでいて、維持更新どうするのかとか、つくり直すんだったら撤去して、横断歩道をつくるというようないろんな議論があるんですけれども、これが高齢者、障害者等の人たちの、快適な歩行・移動に一体何の関係があるのかなというのが気になったので、子供たちの通学路という観点からすると撤去しないでほしいという意見もありますので、それがちょっと気になった次第です。
そして、今、いろんなところで、区役所であったり、市役所の大規模な建てかえであったりだとか、改修というのが行われていますね。ちょっとした福祉施設とか公共施設ではなくて、区役所とか市役所のレベルで大規模に建てかえをしていくというようなことが、これから結構出てくると思いますね、時期的に。そういうときに、例えば板橋区役所さんとかは結構考えられて、すごく英知を結集していろいろ計画をされていると。
各区市町村の中で新しいUDの理念に基づいて、こういうメーンとなる庁舎の建てかえみたいな話がある中で、都としてそういう情報をまとめると何かおもしろい。これはちょっとすみません。都の役目なのかどうかわかりませんけども、それを横断的に何か共有できるようなものがあるといいのかなという気がしました。
そして、次、最後なんですけども、心のバリアフリーの全体的な記述はすごく丁寧に書かれていて、いろんな角度から攻めていく、心のバリアフリー推進に向かって頑張っていきますという宣言がなされていて、具体性もあるのかなと思うんですが、これをどのように評価するのかというところの視点が、やっぱり重要になってくると思います。なので、心のバリアフリーの推進をどんどんやっていくんだけども、それの進捗状況のモニタリングであるだとか、あとは、それを受けた事業者の方々の意識とか、組織のトップの方々、上層部の方々の意識がどのように変わるのかとか、それによって都民がどんな便益をこうむるのかとか、そういう効果評価というか、やったものの政策への再フィードバック、PDCAのもう一回Pに戻っていくところをどのように考えるのかというところも、やっぱり議論しないといけないと思うんですね。やりっ放しではなくて。
交通安全をやっていますけど、交通安全もソフト施策って、何かいろいろやったはいいんだけれども、結局それがどのようにフィードバックされているのかというのがわかりにくいところがあるので、事例集をつくるというだけじゃなくて、どういうふうに有機的にPDCAを回すのかという話のニュアンスも入ったほうがいいのかなというふうに思いました。
早口ですみませんでした。以上でございます。
○高橋部会長 ありがとうございました。
それでは、大きく4点ほどいただきました。担当部局のほうに関連してくるものがあるかと思いますけれどもいかがでしょうか。
○越智委員 すみません。越智ですけども。
○高橋部会長 じゃあ、すみませんけど、今の意見に関連することだけを、今、稲垣委員とあわせて事務局のほうにちょっとコメントいただければというふうに思いますので、よろしくお願いします。先にこちらのほうをお願いしたいと思います。
○越智委員 東聴連の越智です。
コメントの前に、ちょっと場所のお願いがあるんですけれども、司会から離れているところだと、進行状況がつかめず、発言のタイミングがなかなかつかめませんので、なるべく司会の近くだとありがたいです。
何か言おうと思って手を挙げようと思っても、なかなか手を挙げることができませんでしたので、ご協力をお願いいたします。
今、ちょうど稲垣先生のおっしゃったタイミング、内容とも関連がありますので、意見を申し上げたいと思います。
私ごとで恐縮なんですけれども、実は先週、ちょっとした手術で、先週いっぱい入院をして手術を受けました。そこで感じたんですけれども、やっぱり最終的に大切なのはソフト面。特に個々の理解です。そこの部分ではないかと思います。
大した手術ではありませんでしたが、全身麻酔で手術を受けました。前もって聞こえない立場を伝え、ご配慮はいただきました。
例えば、病室でも文字の写るテレビをわざわざ用意していただきましたし、手術の際も、専用のボードみたいなものがあり、それを使って説明をしてもらいました。病室でも筆談ボードは用意してもらいました。
それはよかったんですけれども、対応する人がやはりまちまちだったんですね。きちっと活用してくれるスタッフもいれば、ほとんど書いてくれない理解のないスタッフもいました。
例えば、ある先生が、朝早くに病室に回診に来ていただいて、「聞こえません。書いてください」と言っても書いてくれません。繰り返し言って、やっと書いてもらいました。それも一言だけでした。状況が全然わかりませんでした。
その後、別の先生と一緒に来て、その別の先生が、一緒に来た先生が一生懸命筆談している様子を書いてくれなかった先生が見て、「へえへえ、ほおほお」と見ていました。その次の診察の際には、丁寧には書いてくれました。ただ、それもやり方が最初はわからなかっただけなんですね。
例えば、用意はあったとしても、それが使いこなせなければ、理解がなければ意味がありません。その点をきちんとやっていかないと、中途半端になるのではないかと感じました。
ですから、先ほどおっしゃった、何と言いましょうか、そこで終わりではなくて、もっともっとよくしていく施策、ユニバーサルデザインといえば、スパイラルアップのような考え方でソフト面も考えていく必要があるのではないかと思います。その部分を盛り込められればいいかと思いました。
具体的に、例えば情報保障の部分です。
31ページの真ん中あたり、情報バリアフリー。そこの部分で、例えば「情報提供はコミュニケーションの方法を用意することが重要です」という文言があります。ここは用意するだけでなく、「用意し活用することが大切です」というふうにすればいいと思います。この文章だけでは不十分ではないかと思います。ここの部分には、もう少し工夫の余地があると思います。
ちょっと話はそれますけれども、手を挙げるタイミングがわからなかったので、今、申し上げたいと思います。32ページです。
同じく真ん中のあたりに、東京2020のことで、「手話のできる都民の育成」というふうな文言がありますが、以前より繰り返し申し上げていますが、それだけではなく、東京の差別解消条例も、そこでも定められていますように、言語としての手話の利用促進というのも入れてほしいと思います。
これは単に手話の理解だけではなく、言語、つまり手話だけではありませんね。自分の使っている言語とは違う言語、そこに対応できるというそういう人たちを育てていくという部分もあるのではないかと思います。それも含めて、言語としての手話などの利用促進というふうに入れてもらえればと思います。
以上です。ご検討願います。
○高橋部会長 ありがとうございました。
それでは、稲垣委員のご発言の中でも、4点ほど大きく分けるとありました。今、越智委員さんとの関係でも少しつながっている部分がありますけれども、回答できる範囲で現在の見解について、お示ししていただけますでしょうか。
UDタクシー絡みの話もしておりましたけれども、これは多分、少し整理をさせていただいて、次のターミナル、これも先ほど来とかかわっているんですが、計画的な配置といったようなことについてもちゃんと記述してほしいという、そういうご指摘だというふうに思います。
そのほか歩道橋の部分についてとかありましたけれども。
○池田福祉のまちづくり担当課長 20ページのUDタクシーは、車両と乗り場がセットではないかというご指摘だと思います。
先ほどの川内委員とのご発言も踏まえまして、円滑な利用ですとか、そういった文言を加えていくということと、所管の局とも調整させていただきたいというふうに思っております。
次の案内サインの件なんですけども、ターミナル駅における案内サイン共通化指針、都市整備局が作成しているものでありまして、先ほど先生がおっしゃっておりましたターミナルの構造に適した駅の構造を分析した上で、歩行者の動線に配慮して適切にサインを配置するとか、そういったトータルのことも書かれておりますので、もうちょっと表現方法を工夫していきたいというふうに考えております。
あと、区役所との大規模改修等につきましては、ちょっと今、手持ちの回答がございませんので、また別途個別に対応させていただきたいというふうに思っております。
あと、歩道橋の撤去につきましては、道路の所管課長よりお願いします。
○水飼建設局道路管理部安全施設課長 建設局安全施設課長の水飼と申します。よろしくお願いします。
先ほど稲垣先生からご指摘ございました横断歩道橋の撤去、これはどういう意味だということなんですけれども、今、東京都、今現在、590橋ぐらい横断歩道橋を管理しております。
一方で、この20年間で100橋ぐらい撤去しております。今現在、やはりこちらのご意見、川内先生からもいただいて記載させていただいているところなんですけれども、やはり使いにくい部分があるということで、それはやっぱり例えば横断歩道のほうがやっぱりいいということで、あるいは、どうしても残す場合には、例えばスロープとかエレベーター、そういったものをつける必要があると、そういった趣旨でございます。
東京都では、今、横断歩道橋を撤去する際に、幾つかの基準といいますか、考え方を持っております。これは歩道橋に隣接して、例えば横断歩道がある場合、それから利用者が12時間で200人未満とかなり少ないような場合、それから一方で、通学路指定がない場合、先ほどご意見もございましたとおり、当然、小学生の通学路指定がされている場合というのはご利用がありますので、そういった指定がない場合、こういった幾つかの要件がございまして、かつ地元の合意形成が図れた場合という形ですので、そういった場合に撤去していくと、そういった趣旨でございます。
以上です。
○高橋部会長 ありがとうございます。
それから、越智委員さんにも関係して、PDCAサイクルについてのフィードバックの話、これは重要なところだと思いますので、Aがある箇所もありますけども、それを少しもうちょっと踏み込んだ評価の問題、これは具体的なやり方についてはこの後の話になっていくかというふうに思いますけども、少し書き込んだほうがよろしいのではないかというご指摘があったかというふうに思います。
あと、越智委員さん、今のも含めて、もしあれば。
○池田福祉のまちづくり担当課長 越智委員からありました言語としての手話というところの記載でございますが、こちらも障害者施策推進部の所管となりますので、調整させていただきたいというふうに考えております。
以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
それでは、ほかに。
○永田委員 東京都手をつなぐ育成会の永田でございます。
5の心のバリアフリーの推進のところに関係することで、一つ意見を申し上げます。
先ほど来、人権ということが出ておりまして、そういうことと関係するかと思いますけれども、「今後の取組の方向性」、38ページ以降の部分で、ここ全体の中で、子供たち、今後の担い手である子供たちへの教育といいますか、そういうことの記載が40ページの最初の丸の4行だけなんですね。とても子供たちの教育って大事だと思うんですけれども、全体の中ではとてもちょっと記載として弱いのではないかという気がいたします。
この中でも、体験活動などを通してということで、体験も大切ですけれども、子供たちが「自分たちはこっちの人」というか、そういうふうなニュアンスを感じるんですね。
東京都の教育委員会でも、人権教育の推進をしっかり行うというふうになっているかと思います。その中では、差別や偏見を自分自身の問題として意識するって、そういうふうな取組だと思います。やはりそういうような記載、子供たちにやっぱり差別とか偏見を自分たちのこととして捉えて向き合うというような、そういう記述といいますか、何かもう一歩踏み込んで、子供たちとその人権教育ということを強く書いていただけると、これからの東京の担い手が変わっていくかしらというところでお願いしたいと思います。
以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。
40ページの上段、4行でしょうかね。それについてのご指摘がありました。
一般的に、このような記述がされることが多いんですけれども、やはり体験活動ですとか、あるいは交流教育ですとかとなりますので、もう一歩踏み込んだ、この価値観や体験を共有するということはどういうことなのかということも含めた記述を求めているご発言かというふうに思います。
庄司さんですね。
○庄司委員 国際大学の庄司です。
ICTの立場から参加しておりますが、まずは今の心のバリアフリーのところについて。何人かの方がおっしゃっているように、確かに書きぶりは弱いなと感じます。
それは恐らく、さっき評価指標みたいな話もありましたけども、何をするのかというところの書きぶりが多分弱いんだと思います。普及啓発とか、連携とか、そういうタイプのアクションが多いんですね。
例えば、交通安全を進めましょうというときにも、普及啓発をやるわけですけど、それだけじゃなくて、例えば「東京都は法定速度を遵守します」とか、「東京都と仕事をする人には徹底的に求めます」というアクションもありうるわけですね。ですので、恐らく心のバリアフリーについても、教育とか普及啓発とか以外に、アクションに落とせるものがあるのではないかと思います。というのが一つ目です。
それから、私の本来の専門のほうでいきますと、30ページですね。情報バリアフリーのところです。
30ページの情報バリアフリーの取組例という四角の囲み、それから31ページから32ページにかけての「今後の取組の方向性」の部分です。ITの力を使って、編集加工しやすい情報の発信、あるいは編集、加工することが許諾された情報の発信、一言で言えばオープンデータということになりますけれども、全ていろいろな交通事業者などが、様々な形式での情報発信をするというのは非常に難しいので、支援をする方や当事者の方がデジタル形式のデータから読み上げたりとか、拡大したりとか、あるいは外国語に変換したりとかができる情報の発信の仕方ということを1項目加えることになるのかもしれませんけれども、お願いします。
特にということで、ここに関しては、P21ですね。情報バリアフリー全般ではなく、特に交通関係についてですけれども、バリアフリールートですとか、いろんなサインを整備するとありますが、これもその場だけでユニバーサルな情報発信をするのではなく、あらかじめ調べることを考えると、これもデジタルな形式で使いやすいデータ、あるいは使うことが許諾されたデータ、情報というのを発信していく必要があると思います。
公共交通のデータ活用に関しては、今、どこをバスが走っているかとか、事業者さんが、今、売っているデータをどこまで出していいのかどうかという問題がちょっとあって非常に難しいんですけども、バリアフリーのルートなどに関しては、それで儲けるという話ではないと思うので、先行して積極的に使いやすいデータの提供を進めていただければと思います。
最後、もう一つだけ、26ページの一番下の項目ですけれども、当事者参加の施設整備を推進する必要がありますというふうにあります。
この当事者参加というのは非常に大事なことで、この会議自体もそうですけれども、この観点は、この建築物におけるバリアフリーについてだけではなくて、恐らく全体にかけるべき概念ではないかなというふうに思います。
以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。
それでは、お答えできる範囲でも構いませんので、3点ほどありましたので、よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 順番が順不同になってしまいますが、庄司先生の、今、当事者参加の全体への視点というところでございますが、私の説明が不十分だったかと思いますが、3ページのところで、もちろん全体の目標を目指すために、真ん中のところに高齢者や障害者等の当事者参加の意見の反映ということで、先生がおっしゃるとおり、全ての施策において当事者参加は必須だというふうに考えているところでございます。
あと、オープンデータ化の取組につきましては、都としましては、私どもは今年度から都内の公共施設と、鉄道駅のだれでもトイレのオープンデータ化の事業を進めておりまして、東京都としましてもできるものからオープンデータ化を進めているところではございます。
あと、永田委員の子供の教育につきましては、ちょっと教育庁と調整させていただきながら、書きぶりについて検討していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○高橋部会長 ありがとうございました。
時間がちょっと少し予定よりオーバーしているところなんですけれども、ほかにございますでしょうか。
岡村さん、それから星加さんで最後にさせていただいて、まだ意見は多少は大丈夫ですよね、後からいただいても。
○岡村委員 首都大学東京の岡村です。
ちょっと全体、計画書としての見せ方みたいな話をお話ししたいと思うんですけど、先ほどPDCAのお話もあったとおり、基本的に骨格としては平成30年度までのものと変わっていませんよね、五つの項目というのは。ですので、前回のものでどこまで達成して、そこから政策として、どういうふうに課題として捉えているのかという、何かそこの書き方が各項目弱いかなと思っていて、今現在行われている課題とか、社会的な背景とかは非常にうまく書かれていると思うんですけど、5年間やった結果、何が課題なのかというそこが何かうまく出ていないかな。それに基づいて、多分次の計画が出てくると思うので、何かそこの接続性が、せっかく同じ項目で前回と視点を合わせているはずなので、そこの連続性も少し意識していただくと、一般の都民の方がどこまでこれを隅から隅まで見るかわかりませんけど、接続性という意味で少し配慮していただくといいかなというのが一つです。
もう一つは、1章、2章の話になってしまうんですけど、役割、各主体の役割みたいなものがありますよね。都民とか事業者とかが書いてありますけど、大事なのはやっぱり実際の計画者とか、技術者とか、その方が当たり前のようにユニバーサルデザインのことを考えられるような状況になっていれば、いろんなものがスムーズに進むと思うんですけど、そこは人材の教育とか育成とかというのが必要だと思うので、少し主体、役割のところに、もしかしたら事業者の中に含めてお考えなのかもしれないんですけど、少し専門家とか、技術者とか、計画者とか、そういうのを入れていただくといいのかなという気がしました。
○高橋部会長 それぞれ重要なご指摘、ありがとうございました。
これまでの経過を、意見具申の中では少し入っているところですけども、こちらのほうにも少し見えるような形で、記述をお願いしたいというふうに思っています。
関連する資料が同時にいろいろと公開されてくる形になりますので、そういうような情報提供もあるかというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、役割の部分ですね。専門家、技術者といったようなところも、主として庁内の関係各部局の方々がこれを実際に執行していく、実行していくという形になると思いますけども、そちらの方々にも、先ほどの心のバリアフリーではありませんけれども、そういったようなことも含めて周知できるようにお願いしたいというふうに思います。
では、星加さん、お願いいたします。
○星加委員 星加です。
ごく簡単に3点だけ、コメントさせていただきます。
心のバリアフリーに関して、先ほど来、学校教育の重要性の話が出ているんですが、学校教育を充実させるために決定的に重要なのは、教員に対する教育、研修で、この部分についても、何らかの形で明記をしていただければありがたいかなというのが1点目です。
それから、2点目に関して、心のバリアフリーに関するその効果の検証に関して、幾つかご意見出ておりましたが、その点、非常に重要であるということを前提とした上で、ただ、この効果検証のところ、心のバリアフリー、心の問題に関するアウトプットというもの、あるいは、その変化というものを、どういうふうに確認するかということについては、手法の開発も含めて極めておくれているところで、それは研究レベルでもそうだということを反映して、こうした行政の取組においてもそうなんだろうと思うんですね。
その点については、研究も含めた取組が必要なんだと思うんですが、それと同時に、既にやられているプログラム、それはこれまで都がつくっているものも含めてですけれども、その質に関するモニタリングとか検証とかという観点が弱いというのが、この心のバリアフリーの領域のもう一つというか、手前の部分での問題点かなと思ってまして、これは、この推進計画の中に書き込むべきことかどうかはともかくとして、今後、具体的に書かれる第4章のところの展開のところの中で、具体的な取組として書かれてもよいことかもしれないんですが、様々な取組がなされることを後押ししていくということは書かれているんだけれども、どういう内容の取組なのかということによって、この領域は非常に副作用というか、逆効果になることも極めて多いので、特に、そのユニバーサルデザイン2020行動計画以降のパラダイムに対応した、きちんとした内容のものがなされているかどうかということに関するモニタリングというものをきちんと働かせるという観点を、何らかのレベルで明確化したほうがよいだろうと思います。
それから、3点目、これは細かいことなんですが、情報バリアフリーに関するところで、ちょっとほかの部分との書き方の相違というか、少しずれが感じたところがあって、というのは、対象者の書きぶりとして、情報の入手が困難な人とか、情報を得ることが困難な人というような書き方がなされているのですが、これは何もその視覚障害者、聴覚障害者、外国人というのが一般論として情報入手が困難なわけではなくて、現在の一般的な情報の伝達の仕方とか、コミュニケーションの仕方では困難だということだと思うので、それをどう書くかはともかくなんですが、その個人モデル的な書き方にならないように留意されるとよいかなと思いました。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。
1点目の教員に対する研修について、こちらのほうも少し調整をしていただければというふうに思います。
それから、先ほど稲垣委員のほうからもご指摘ありましたけども、効果検証の部分ですね、そして、情報のバリアフリーについての個人だけに資すらないという、これは大原則になりますけれども、情報のあり方の問題、提供の仕方の問題、捉え方の問題についてよろしくお願いしたいと思いますが、何かよろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、ちょっと時間の関係もありますので、次の議題に移りたいと思いますけども、この素案計画につきましては、これからはまとめの段階に入ってまいりますが、あと、あれでしょうかね、この後の皆さん方の意見については、追加の意見については、1週間程度可能ですか。
それでは、前回と同様になりますけれども、1週間程度、追加の意見を事務局のほうにお寄せいただきまして、その段階で、また提出していただいた方々とのやりとりも少しは入るかもしれませんし、場合によっては入らないかもしれませんけれども、なるべく、できる限り趣旨を酌み取りながら、最終的に事務局と私のほうで整理をさせていただいて、公表の手前に皆さん方にまた送ることになるかというふうに思いますけれども、そのように進めさせていただければというふうに思いますが、よろしいでしょうか。
事務局はよろしいでしょうか、そういうことで。
それでは、そのように進めさせていただきたいと思いますので、ご了解いただければと思います。
では、もう一つですね、建築物バリアフリー条例改正に伴う「施設整備マニュアル」の改訂案(一般客室)についてということで、まず、担当部局のほうからご説明をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
○高橋建築企画課長 お世話になっております。都市整備局で建築企画課長をやっております高橋と申します。私のほうから説明させていただきます。座って失礼させていただきます。
資料につきましては、資料2になります。
建築物バリアフリー条例改正に伴う「施設整備マニュアル」改訂案(一般客室)と、今日の日付が入っているものでございます。
こちらにつきましては、概要のところにございますように、宿泊施設の車椅子使用者用客室を除く、一般客室につきまして、今は「建築物バリアフリー条例」、以下「条例」と申しますけれども、改正をいろいろと検討しているところでございます。
10月の19日に、その考え方をお示しさせていただきまして、1カ月間ほどパブリックコメントを実施し、今はその検討の中身を詰めているところでございます。
あわせて、もう一個、国交省のほうで、「ホテル又は旅館における高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準の改正に関する検討会」、こちら「検討会」と申しますけれども、が今、進められてございます。そこの検討状況とか、私どもが今検討している条例改正の内容も踏まえまして、施設整備マニュアルにも同様の改訂、同様の基準を記載していくということを検討してございます。
その下に、整備基準の解説と望ましい整備と書いてございます。凡例のほうにございますが、●が遵守基準になってございます。◎が望ましい整備となってございます。
この前に、当然、基準といたしまして、私どもで考える条例の中身が来るんですけれども、その条例の中身の解説という位置づけでございます。
一つ目、段差というところ、段差については設けないことという形での条例改正を今は予定してございますけれども、そこの中身の解説で、●の中ですが、施設内に階段又は段差を設けないと。ただし、同一客室内において複数の階がある場合、メゾネットタイプの場合とかですね、あとは、こう配1/12を超えず幅70cm以上の傾斜路を併設する場合又は浴室の内側に防水上必要な最低限の高低差を設ける場合、これについてはこの限りでないというような記載を設けたいと思ってございます。
経路につきましては、客室の入口から一のベッド、便所及び浴室等までの経路の幅 は、最低限70cmを確保するということを記載してございます。
それに加えて、望ましい整備といたしまして、上の段差を補完するものとして、浴室の内側に設ける防水上必要な段差は、2cm以下とするということを書いてございます。
もう一つ、経路でございます。こちらは概要のほうで申しましたが、国交省のほうの検討会の中でも議論されているところでございますので、そこと考え方を合わせるという観点から、便所及び浴室等の出入口の前は、車椅子使用者が直進でき、かつ、直角に曲がれるよう100cm以上とするというような、国のガイドラインと考え方を合わせるというような記述を、望ましい整備として書かせていただければというふうに思ってございます。
説明は以上でございます。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。
1点だけ、入口についてはたしかパブコメは入っていたかと思いますけど、この整備基準の解説の中からは除かれるんですか。
○高橋建築企画課長 入口につきましては、基準のほうで明確に出入口としては有効幅は80cm以上という形で書いてございますので、あえて解説をつけてないということでございます。
○高橋部会長 解説は不要という意味ですね。
はい、わかりました。はい、ありがとうございます。それも含めた条例改正に伴う施設整備マニュアルの改訂案ということです。
皆様方からのご意見等をお願いをしたいと思いますが。
○川内委員 東洋大学の川内です。
まず、全体像が把握できてないので、誠に申し訳ないんですが、これの適用範囲、つまり、全客室にこれが適用されるのか、あるいは、その全客室の何%のものにこれが適用されるのかというようなことについて、ちょっとご説明いただきたいというのが1点。
それから、もう一つは、ここで上の望ましいではないほうですけれども、幅70cmということを通路にしても、それから、スロープについても書いてあるんですけれども、この施設整備マニュアル、この皆さんのところにある分厚いやつですね、あれでは、その車椅子の基本寸法として、幅が70cm、長さ120cmということを書いてあるんですね。つまり、幅が70cmの車椅子を想定して、この整備マニュアルというのはつくられてきている。それに幅70cmの通路だと、私たちはハンドリムを持って通過するんですけど、ハンドリムの指が挟まる。つまり、70cmの通路に70cmの車椅子というのは無理があるんですね。だから、その寸法が非常に何でこんなのが出てきたのかなというのがあります。
出入口が80cmであるならば、通過に80cm要るという認識だから出入口が80cmだと思うんですね。それが、なぜここが70cmになるのかなというのが疑問です。
それから、望ましい整備ですけれども、これは国のほうだというふうにおっしゃいましたが、車椅子使用者が直進でき、かつ、直角に曲がれるようにと書いてあります。100cmで直角に曲がれる車椅子というのは、かなり限定されてくるかなという感じがしています。
ですから、これで望ましい整備なのかというのは、ちょっと愕然とする感じがします。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。
この点についていかがでしょうか。
はい、高橋さん、お願いいたします。
○高橋建築企画課長 ご質問をありがとうございます。
1点目の適用範囲でございますが、すみません、説明が不足してございましたが、今回の条例改正におきましては、床面積が1,000平方メートル以上の新築、増築、改築、そして用途変更をするホテル、または旅館ということを考えてございます。ですので、既存のものは対象ではなくて、今後、造っていくもの、改築していくものが対象ということでございまして、全ての一般客室が対象になります。
2件目が、幅が70cmの考え方でございます。こちらについては、今、川内先生からいただいたようなご意見もいただいてございます。
車椅子の今回70cmを計画するに当たりまして、いろいろ国内の車椅子メーカーにもヒアリングをさせていただきまして、通常の一般的な車椅子であると、基本的には幅65cm以下というのがほとんどというふうに聞いてございます。
65cm以上は特注品という形も含めて、65cmであれば、横のハンドリムも含めて、最低限の基準としては、そこでいけるだろうというような判断をしたところでございます。
当然、この望ましい基準にございますように、ホテル側の計画の中で、より快適な空間であり、余裕のある空間づくりというのは進めていただきたいとは思ってございますけれども、今回、一般客室全てのものに対応する基準をつくるということもありまして、非常に小さい客室も含めて、最低限の70cmというところを今回決めたところでございます。
出入口の80cmにつきましては、国のほうの出入口の基準が80cmとなっているところもございまして、そちらに合わせたのと、大きな荷物等を持って入られるということも含めて、80cmというようにしたところでございます。
3点目の100cmというところの話でございますけれども、ご指摘のように、いろんな車椅子のタイプがあることは承知してございます。先生からも一言ございましたけれども、国のほうで一つの数値としての100cmという数字が出てきてましたので、そこと考え方を合わせるという観点も含めまして、100cmという数値をとらせていただいたというところでございます。
以上でございます。
○川内委員 はい、ありがとうございます。
施設整備マニュアルですね、どれもですけども、こういうものというのは最低基準を定めてますよね。そうですよね。施設整備マニュアルとか法律とかというのは、最低基準を定めています。
そこで基本寸法70cmということをとっているのに、さらに、今、実態は65cmだからというふうにおっしゃるんだったら、なぜ、施設整備マニュアルも65cmで語ってないんですか。
施設整備マニュアルが70cmで語っているならば、それに合わせるように、ホテルのこの通路も、車椅子、70cm幅の車椅子は行動できるようにということを想定して考えるのが、何ですか、その寸法の共通性という意味で、皆さんがそれならば理解しやすいですけども、ホテルのだけは65cmで考えますというのは、とてもおかしな論法だろうというふうに思います。
それから、直角に曲がれるというやつが100cm、これは国のほうだというふうにおっしゃいましたが、望ましい整備ですよ。望ましい整備で、本当に曲がれるかどうかわからない、曲がれる人はすごく限定された寸法で100cm、国がそうだからというのでは、都の志は何なんだろうかというふうに私は思います。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。
いかがでございましょうか。
○高橋建築企画課長 私どもの条例は確かに最低基準です。これは建築基準法の関係条例、関係規定になりますので、今回の私どもの条例の基準をクリアしない限りは、建築確認申請が通らないというようなものになります。
一方、施設整備マニュアルの望ましい基準は、こちらは最低基準ではなくて、より望ましいというような考え方の基準でございます。まず1点目、ここはちょっとすみません、確認をさせていただければと思います。
あと、車椅子の幅の70cmというところは、先ほど申しましたけども、国内メーカーのほうの65cmというのが一つあってございますけれども、JIS基準としての70cmというのもございますので、やっぱり数値的な根拠をとるための70cmと、あとは、これを最低限の基準として建築確認申請と連動させたいというところの思いでございます。設計標準では、より広くとってもらいたいということは当然あるんですけれども、もう、すべからく全ての一般客室に適用させるということもあって、今回は最低基準という形での70cmとさせていただいたところでございます。
○川内委員 望ましい整備について、私、最低基準と申し上げたのではなくて、70cmのほうが最低基準という意味で申し上げたわけですから、その点についてはちょっとそごがあるかなということがあります。
それで、それはそれとして置いておいて、先ほどから申し上げているように、同じ都がつくっている施設整備マニュアルと、今回のバリアフリー法改正に伴う施設整備マニュアルで、基準とする車椅子の寸法が違うというのは、明らかにおかしい。しかも、今回の適用が新築、増築、改築などで全ての客室ということで、全ての客室に対して、既存の客室に適用されるものではないというふうにおっしゃいました。だったらば、なぜこんなに低いレベルで適用されようとするのかというのが私には理解できない。
今、ご説明いただきましたけども、申し訳ないけれど、私はおっしゃったことが理解できてないです。おっしゃっていることの正当性というか、それが私には理解できていません。
以上です。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。
私のほうからでもですね、今、ここに書かれていない整備基準の中に、まず今の基準になっているので解説に入っていないという、80cm以上の出入口ですね。それから、バスルーム、浴室のほうがたしか70cm以上ということになっていますけれども、ここの経路の中で、入口と70cm、浴室の70cm、通常の車椅子ですと、住宅なんかでもそうですが、頑張って91cmぐらいであるとすると、頑張れば75~76cmぐらいとれるんですけれども、それでもいっぱいいっぱいなわけですよね、直角に曲がるとなると。
ここでもバスルームがあって、たしか、パブコメのときに図が、モデルがあったと思いますけれども、入口が通常に考えれば80cmがとれているのであれば、通路はもう無理をしなくても80cmは確保しないといけないし、それから、ドアの枠が入ってくれば90cmでも楽々に入ってくるのが普通だと思うんですが、少しこの辺のところが、経路の算出の仕方がちょっとどういう意図なのかというのが、もう少し丁寧に説明してこないと、この整備マニュアルに書くのはちょっと難しいのではないかという感じがいたします。
これはちょっと会長というよりは個人的な見解なんですけれども。
○市橋委員 やっぱり現実的には、海外の身体の大きな人や電動車いすなど大きな車いすを使用している人もいるわけなので、そういうことも考えると、この70cmというのは通れる人が限られてくる。この一般客室の数値基準というのは、かなり大きな重みがあるということは受けとめていただいていただきたい。この基準では、僕も川内委員と同様に納得できません。
○高橋部会長 はい。なかなか両方を一致させるというのは難しいかもしれませんけども、高橋さん、何かありますか。最終的には都の判断になるかと思いますが、ご意見ということなので。
○高橋建築企画課長 いろいろご意見いただきまして、ありがとうございます。
ご存じのように今回は宿泊事業者、ホテル事業者に規制をかける中身になってございますので、まさに、より利用しやすいという観点と、宿泊事業者への規制との関係の中でのバランスをどうとるかというところが、一つの肝かというふうに思ってございます。
今般、いろいろとより広いスペック、より広い部屋、より広い空間というところは、皆様方がお望みだということは十分承知してございますけれども、ここの中で今回全ての部屋に対しての規制をかけるということでございます。
例えば、今、旅館業法の最低限の部屋、9平方メートルの部屋がございますけれども、9平方メートルの部屋で、いわゆる端のほうになってくるともう柱型が出てくるような部屋もございまして、そこでも最低限70cmだけは最低限確保してもらおうというような観点からの最低限度70cmということもございます。
全て70cmで整備しなさいという話ではなくて、70cm以上という形で書いてございます。
あわせて、いわゆる浴室のところでございますけれども、ホテル、ビジネスホテル系はほとんどが今はユニットバスでございます。ユニットバスの既製品で70cmの扉というのは基本的にありませんので、こちらにつきましても、今回の私どもの条例改正の考え方の中で、ユニットバスメーカーさんにも何度もお話をさせていただいて、何とか最低限70cmとれるような幅の扉の開発をできないだろうかということをお願いしているところでございます。
おのおのいろんな関係者の方たちとお話をさせていただきながら、より使いやすい形にするにはどうしたらいいかということも含めて、ご意見を本日いただきましたので、そこも含めて、私のほうとしてはバランスを見ながら、最終的には条例改正の動きを進めていきたいと思っているところでございます。
○高橋部会長 はい、ありがとうございます。
はい、短目に……。
○川内委員 短目にということで。このホテル改正というのは、現在、そのインバウンドがすごく増えていて、海外からのお客さんということは当然視野に入れなくてはいけないですけども、海外に行ってみてください。65cmの車椅子なんていうのはめったにないですよ。それだけは申し上げておきます。
ですから、この70cm以上とれたから、これがバリアフリーの部屋ですとか何とか言われたら、海外の旅行者からは、それはおかしいという話、当然出ると。視野が余りにも狭過ぎる、日本国内は65cmだから、それでいいだろうというのは、ちょっと考え方が違うんではないかということを申し上げて終わります。
○高橋建築企画課長 これをもって、私ども胸を張ってバリアフリーだというふうには、当然申し上げられないと思っています。より多くの方が少しでも今よりも使いやすい部屋にしていくということで、ホテル側がよりハイスペックを求めることには問題ないと思います。
あと、これとはほかに国の政令改正で、釈迦に説法でございますけども、今般、50室以上の1室というものが総客室の1%という形になってございます。本来、そういう部屋を使わなきゃいけない方たち、そういう部屋を使いたいという方たちが部屋を利用できるように、今は一般客室でもご利用できる方は、少しでもバリアフリー化をすることによって、そっちの部屋を使っていただいて、本来、車椅子客室を使わなきゃいけない方たちに、ちゃんとその部屋がうまく回るように、そういった趣旨も含めて、一般客室のバリアフリー化に向けた取組を進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○高橋部会長 国の法改正の中で、1%といういわゆる車椅子用客室が11月から増えています。それを補う形なんですけれども、どうもちょっとそこからは距離が少しあるので、今日のような議論になっているのかというふうには思います。
○市橋委員 確認ですが、この会議で了解するということではないですよね。単なる説明があったということですよね。そこを確認しないと、了解するということでは、納得できない。
○高橋部会長 それは高橋課長ももちろん承知しているかと。ここは別に了解する場ではないと思います。
○高橋建築企画課長 いろんなご意見があることは知ってます。
○高橋部会長 よろしいでしょうか。
今の課長のお話の9平米というのは、9平米の中にバスルームが入ってくることはまずないので、そのあたりもうちょっと現実的な視野の中で新しい施設であるということと、それから、やはり東京都のバリアフリー客室として日本全国に発信するというためには、海外的にもそうですけども、もうちょい枠を確保しておかないと、ちょっとおかしいのではないかというのは率直に感じるところです。
時間の関係もありますので、少しこの議論については、これで議事を終了させていただきたいと思いますが、それでは、その他の案件になりますけども、事務局のほうから今後のスケジュール等についてのご指示いただけますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 はい、事務局の池田です。
先ほど、スケジュールについては簡単にご説明させていただきましたが、1月から2月にかけまして、東京都のホームページで都民の方々から広くご意見を募集するということで、パブリックコメントを実施する予定でございます。
本日いただきましたご意見につきましては、関係各局との調整が必要な場合もございますので、委員の皆様には適宜情報提供をさせていただきながら、高橋会長とも調整を進めていただきたいというふうに考えております。
その後、印刷作業に入りまして、3月末の完成及びプレス発表を予定しております。
今後の予定については以上となります。
○高橋部会長 はい、ありがとうございました。きょうもたくさんのご発言をいただきました。計画について、さらに事務局、私どもで詰めなければいけない部分がありますが、それにつきましては作業を進めさせていただきたいと思います。
それから、先ほど申し上げましたけれども、1週間以内にですね、年度内にあらかたを決めておかなければいけませんので、ご協力いただきながら、さらに追加のご発言なりご意見がありましたら、お願いをしたいと思います。
最後に、坂本部長から一言ご挨拶等をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
○坂本生活福祉部長 皆様、本日は長時間にわたりまして、熱心なご議論いただきまして、誠にありがとうございます。
ただいまいただいたお話でございますが、記載については、会長ともお話をさせていただきながら、見直しを検討していきたいと考えております。都としても、よりよい計画をつくっていきたいと考えておりますが、皆様の全ての御意見を盛り込むというのは難しい部分もありますが、できる限りの努力はしてまいりたいと考えております。
また、施設整備マニュアルの改訂につきましても、多くの御意見をいただきましてありがとうございます。今回の条例の見直しにつきましても、ここまで様々な議論がございまして、都としてもやっとここまでたどり着いたというところでございます。だからといって、お話にありましたように、全て十分だと考えているわけではございませんが、条例の改正経過について、都市整備局の対応もここまでまとめるのも正直大変なところもあったのは事実でございます。
一方、これが到達点だと思っているわけではないので、今お話しいただきました議論も含めまして、また、引き続き都の内部で議論していきたいと考えております。
本日は、長時間にわたりましてご議論いただきまして、誠にありがとうございました。今後は年度末に向けまして、また皆様から様々なご意見をいただきながら進めていきたいと考えております。引き続き、よろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。
(午後5時03分 閉会)