第12期第1回福祉のまちづくり推進協議会

更新日

1 日時

平成30年11月1日(木曜日) 午後3時から午後5時まで

2 開催場所

東京都庁第一本庁舎42階「特別会議室A」

3 会議次第

1 開会

2 委員紹介

3 福祉保健局長挨拶

4 会長選任等

5 議事
(1) 建築物バリアフリー条例における宿泊施設の考え方(案)について
(2) 東京都福祉のまちづくり推進計画の構成案について
(3) その他

6 閉会

4 出席委員

高橋委員 大部委員 川内委員 星加委員
岡村委員 庄司委員 滝澤委員 二井田委員
上田委員 市橋委員 越智委員 吉田委員
菊地委員 永田委員 市東委員 柴崎委員
織田委員 大倉委員 松井委員 奈良委員

5 会議資料

【資料】

第12期第1回東京都福祉のまちづくり推進協議会 会議次第(PDF:60KB)

資料1 建築物バリアフリー条例における宿泊施設の考え方(案)について(PDF:315KB)

資料1-2 宿泊施設のバリアフリー化に向けた都の新たな取組(PDF:177KB)

資料1-3 宿泊施設の客室に係る東京都福祉のまちづくり条例「施設整備マニュアル」改正案(PDF:499KB)

資料2 東京都福祉のまちづくり推進計画の構成案(たたき台)(PDF:265KB)

【参考資料】

参考資料(1) 東京都福祉のまちづくり条例(PDF:264KB)

参考資料(2) 東京都福祉のまちづくり推進協議会設置要綱(PDF:129KB)

参考資料(3) 第12期福祉のまちづくり推進協議会委員名簿(PDF:189KB)

参考資料(4) 第12期東京都福祉のまちづくり推進協議会幹事・推進本部幹事会名簿(PDF:128KB)

参考資料(5) 東京都福祉のまちづくり推進計画改定の基本的考え方(意見具申の概要)(PDF:386KB)

参考資料 東京都「心のバリアフリー」サポート企業を募集します(PDF:7,889KB)

6 議事録

(午後 3時00分 開会)
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは、定刻となりましたので始めさせていただきます。
 本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 第12期第1回東京都福祉のまちづくり推進協議会を開催させていただきます。
 私は事務局を担当させていただきます東京都福祉保健局生活福祉部福祉のまちづくり担当課長の池田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。以後、着座にて失礼させていただきます。
 まず最初に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。
 まず、本日の次第がございまして、次第の横には座席表がございます。次第の下ですが、A4縦、ホチキスどめのもので資料1、建築物バリアフリー条例における宿泊施設の考え方(案)について。次にA4横で資料1-2、宿泊施設のバリアフリー化に向けた都の新たな取組、次にA4横で資料1-3、宿泊施設の客室に係る東京都福祉のまちづくり条例「施設整備マニュアル」改正案、次にA4縦でホチキスどめのもので、資料2、東京都福祉のまちづくり推進計画の構成案(たたき台)。
 その下に参考配付資料としまして、A4横でホチキスどめのもので、参考資料(1)東京都福祉のまちづくり条例、A4横でホチキスどめのもので、参考資料(2)東京都福祉のまちづくり推進協議会設置要綱、A4縦で参考資料(3)第12期東京都福祉のまちづくり推進協議会委員名簿、A4横で参考資料(4)東京都福祉のまちづくり推進協議会幹事・推進本部幹事会名簿、A4横で参考資料(5)東京都福祉のまちづくり推進計画改定の基本的考え方(意見具申の概要)、A4縦、カラー刷りで参考資料としまして、東京都「心のバリアフリー」サポート企業のチラシ、最後にA4縦、ホチキスどめのもので委員提出資料となってございます。
 また、次第には書いてございませんが、冊子で東京都福祉のまちづくり推進計画(平成26年度から平成30年度)、同じく冊子で東京都福祉のまちづくり推進計画改定の基本的考え方意見具申(平成30年6月)、同じく冊子で東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル、同じく冊子で区市町村・事業者のための心のバリアフリー及び情報バリアフリーガイドライン、最後に心のバリアフリーの実践に向けたハンドブック、以上の資料をお配りしております。
 なお、最後の5点の資料につきましては、会議終了後、事務局で回収させていただきますので、机上に置いていただくようお願いいたします。
 また、委員の皆様方には福祉保健局広報誌、月間「福祉保健」の7月号から10月号までを参考までに配付させていただいております。
 そろっていないものがございましたら事務局にお申しつけください。
 また、委員の皆様方には知事からの委嘱状を机上に置かせていただいておりますので、ご確認をお願いします。

続きまして、定足数の確認でございます。お手元の参考資料(3)第12期委員名簿の29名のうち本日は19名の委員の方にご参加いただいておりますので、参考資料(2)東京都福祉のまちづくり推進協議会設置要綱第4にある定足数であります委員の半数以上を満たしております。
 それでは、第1回の協議会でございますので、ご出席いただいている委員の皆様を名簿の順番にご紹介させていただきます。
 東洋大学ライフデザイン学部教授の高橋儀平委員でございます。
○高橋委員 東洋大学の高橋です。どうぞよろしくお願いします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 日本女子大学人間社会学部助教の大部委員でございます。
○大部委員 日本女子大学の大部と申します。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 東洋大学ライフデザイン学部教授の川内委員でございます。
○川内委員 川内です。よろしくお願いします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター准教授の星加委員でございます。
○星加委員 東京大学の星加でございます。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 首都大学東京都市環境学部准教授の岡村委員でございます。
○岡村委員 首都大学准教授の岡村と申します。よろしくお願いします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の庄司委員でございます。
○庄司委員 国際大学の庄司です。どうぞよろしくお願いします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 日本民営鉄道協会運輸調整部長の滝澤委員でございます。
○滝澤委員 滝澤でございます。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 東日本旅客鉄道株式会社山崎委員の代理で塩ノ谷様でございます。
○塩ノ谷様(山崎委員代理) 山崎の代理の塩ノ谷と申します。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 東京商工会議所地域振興部長の上田委員でございます。
○上田委員 上田でございます。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 日本ホテル協会、岩佐委員の代理で橋本様でございます。
○橋本様(岩佐委員代理) 代理で参りました橋本です。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 障害者と家族の生活と権利を守る都民連絡会会長の市橋委員でございます。

○市橋委員 市橋です。よろしくお願いします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 東京都聴覚障害者連盟事務局長の越智委員でございます。
○越智委員 越智です。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 東京都盲人福祉協会副会長の吉田委員でございます。
○吉田委員 東京都盲人福祉協会の吉田です。前任の笹川に引き続きまして、吉田がこれからお世話になります。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 東京都精神障害者団体連合会事務局長の菊地委員でございます。
○菊地委員 東京都精神障害者団体連合会の菊地と申します。よろしくお願いします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 東京都手をつなぐ育成会副理事長の永田委員でございます。
○永田委員 永田と申します。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 東京都民生児童委員連合会副会長の市東委員でございます。
○市東委員 市東と申します。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 東京都老人クラブ連合会副会長の柴崎委員でございます。
○柴崎委員 柴崎です。どうぞよろしくお願いします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 WheeLog代表理事の織田委員でございます。
○織田委員 織田と申します。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 都民公募委員の大倉委員でございます。
○大倉委員 大倉と申します。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 同じく公募委員の松井委員でございます。
○松井委員 松井でございます。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課田仲委員の代理で加藤様でございます。
○加藤様(田仲委員代理) 田仲の代理で参りました加藤でございます。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 国土交通省総合政策局安心生活政策課長の奈良委員でございます。
○奈良委員 奈良でございます。よろしくお願いします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 また大島委員、稲垣委員、二井田委員、伊藤委員、淡野委員、前川委員、加藤委員につきましては、本日ご都合がつかず、ご欠席のご連絡をいただいております。

続きまして、東京都の出席者をご紹介させていただきます。
 内藤福祉保健局長でございます。
○内藤福祉保健局長 内藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 坂本生活福祉部長でございます。
○坂本生活福祉部長 坂本でございます。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 また、福祉のまちづくりに関しましては、関係局の課長が福祉保健局の兼務課長に任命されております。本日出席している課長をご紹介申し上げます。
 建設局道路管理部水飼安全施設課長でございます。
○水飼安全施設課長 水飼と申します。
○池田福祉のまちづくり担当課長 建設局公園緑地部菅原公園建設課長でございます。
○菅原公園建設課長 菅原と申します。よろしくお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 事務局職員の紹介は以上でございます。
 なお、本協議会の運営を補佐するため、関係各局の部長級職員で構成する幹事会を置いております。幹事につきましては、お手元の参考資料(4)をもちまして、紹介にかえさせていただきます。
 本日は傍聴の方がいらっしゃいますのでお知らせいたします。
 また、当協議会の議事録は東京都ホームページに掲載され、インターネットを通じて公開されますので、申し添えさせていただきます。
 また、当会議では視覚や聴覚に障害のある委員もおりますので、ご発言の際は、最初にお名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。
 なお、ご発言の際は卓上のマイクスイッチを押してからご発言いただければと存じます。
 では、議事に入ります前に福祉保健局長の内藤よりご挨拶を申し上げます。
○内藤福祉保健局長 改めまして、東京都福祉保健局長の内藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。着座にてお話しさせていただきます。
 第12期東京都福祉のまちづくり推進協議会の発足に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと存じます。
 まずは、委員の皆様におかれましては、ご多忙の中、委員就任にご快諾をいただきまして心から御礼申し上げます。今後、2年間にわたりまして、福祉のまちづくりについてご審議いただくことになります。ご協力の程、よろしくお願いいたします。
 東京都では、平成7年に福祉のまちづくり条例を制定し、条例に基づく審議機関として本協議会が設置されております。この間、本協議会からは福祉のまちづくりに関する様々な施策につきまして、多くの貴重なご提言をいただきながら、都として、ハード、ソフトの両面から取組を推進してまいりました。都内の公共施設や交通機関等のバリアフリー化は着実に進んできております。さらに東京2020大会を契機により一層推進が期待されているものと存じております。
 前期協議会では、これまでの福祉のまちづくりの進展を踏まえた、より望ましい整備の方向性について、意見具申をいただき、これを踏まえまして、車椅子使用者が観覧しやすいサイトラインの配慮に関する整備基準の改正や施設整備マニュアルの見直しを進めまして、着実にレベルアップを図っているところでございます。
 また、福祉のまちづくりにおける様々な施策を総合的かつ計画的に推進していくための福祉のまちづくり推進計画、これは条例に基づく計画でございますが、現在の推進計画は平成30年度まで、今年度までを計画期間としておりまして、次の推進計画に向けました基本的考え方につきましても意見具申をいただいたところでございます。
 今期の推進協議会では、平成31年度からの新たな福祉のまちづくり推進計画につきまして、2020年と、その先も見据えながらご審議いただくこととなってございます。
 委員の皆様には様々な視点から活発なご審議をいただきますよう、何とぞよろしくお願いしたいと存じます。
 甚だ簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
○池田福祉のまちづくり担当課長 続きまして、会長の選任に入らせていただきます。会長の選任は、参考資料(2)の設置要綱第2の1によりまして、委員の互選によることとされておりますので、委員の皆様からご意見を賜りたいと存じます。
○岡村委員 首都大学東京の岡村です。前期の第11期においても会長を務められ、意見具申の取りまとめにご尽力された東洋大学の高橋儀平委員に引き続き会長をお願いするのがいいのではないかというふうに思います。いかがでしょうか。
(異議なし)
○池田福祉のまちづくり担当課長 ただいま岡村委員より高橋儀平委員というご推薦がございまして、異議なしというご発言をいただきました。
 ご承認をいただきましたので、高橋儀平委員に第12期福祉のまちづくり推進協議会の会長をお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、早速ではございますが、高橋会長から一言ご挨拶をいただきたいと存じます。
○高橋会長 ただいま岡村委員からご推薦いただきました、東洋大学ライフデザイン学部の高橋儀平と申します。前期の11期に引き続きまして、12期の会長をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 先程、局長のほうからもご挨拶がありましたけれども、もう間もなく1年半弱で東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。それも見据えた推進計画ということで、前期のときに31年度以降からの活動について、この協議会で具申をさせていただいたところです。様々な課題は東京都でもあるんですけれども、全国の中では頑張っているほうなんですが、私たちから見ますと、あるいは都民の皆様方からしても、まだまだ幾つかの要望があるかもしれません。それにつきましても今期の中で皆さん方の英知をいただきながら、活発な議論でいい方向に進めさせていただければと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○池田福祉のまちづくり担当課長 どうもありがとうございました。
 それでは、これより先の進行は高橋会長にお願いいたします。
○高橋会長 それでは早速ですけれども、東洋大学、高橋のほうから進行を進めさせていただきたいと思います。
 最初に、副会長の選任ということがあります。こちらのほうは、お手元の参考資料(2)になりますけれども、推進協議会の設置要綱がありますが、この第2の第3項に、会長に事故があるときはあらかじめ会長の指名する委員がその職務を代理するとあります。こちらについて、私のほうで指名させていただきたいと思います。よろしくお願いをしたいと思います。
 提案ですけれども、今日、実は欠席なんですけれども、私、建築の領域になりますけれども、交通計画分野の日本大学の稲垣委員に副会長をお願いしたいと思いますが、皆様いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)
○高橋会長 だめだとは、なかなか言いにくいかもしれません。それでは、皆さんのご賛同を得ましたので、稲垣委員に事務局のほうからもお伝えいただければというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは次に、第12期の最初の第1回の会議ということですので、本日、新たに委員に加わっていただきました学識経験者の方も多数いらっしゃいますので、日頃の研究につきまして、簡単にここで、ご挨拶も兼ねて4名の方々にその取組状況についてお話をいただきたいと思っております。
 最初に大部委員のほうからひとつよろしくお願いをしたいと思います。
○大部委員 日本女子大学の大部と申します。改めましてどうぞよろしくお願いいたします。
 参考資料、大部委員提供資料というものがA4、1枚でございますので、そちらを御覧になりながらお聞きいただければと思います。
 今、私、日本女子大学の社会福祉学科というところで勤務をしておりますが、まだ、こちらの大学では2年目ということで、総体的には若手の部類に入ります。研究内容としましては、資料にも書いてございますが、薬局をフィールドにしています。病気になったり、それから障害のある方でも、多くの方が通うのが薬局であって、さらには健康を、直接的に治療をするということだけではなくて、健康を維持したり、また、よりよくしていくというような役目も今後は薬局が担っていくということで、厚生労働省のほうからも方向性が示されているところです。私としましては、単にお薬をもらうではなくて、薬局の中でいろんな人との対話を通じて健康増進が図れればということで、そういった研究をしています。
 ということで、私自身は社会福祉の領域なんですけれども、たくさんの薬剤師さんたちと日々連携をしながら研究をしている部分がございますし、あと当事者の視点としましては、具体的な薬局を活用するというところにも着目しているというような部分がありますから、今後の期待することとしまして、大きく2点を挙げさせていただいております。
 1点としては、私自身が多分野で共同して、その価値を体感しているということもあるんですけれども、たくさんのいい意見がこの場では出てくるかと思いますので、それを実現する上で、実行に移すときにも、多様な、多職種連携といったものを視点に入れながら、より具体的にかつ効率的に進められればというのが私の意見です。
 もう一点としましては、意見具申をちょっと拝見しまして、生活場面がもう少し想像ができるような中身であると誰もが読みやすい、より身近に感じられるようなものになるのではないかなというふうに思っております。
 簡単ではございますが、以上になります。
○高橋会長 ありがとうございました。多職種、そちらのほうにつきまして、これまでの協議会の中でも、ひょっとすると抜けていたかもしれません。それから二つ目、早速、意見具申についての注文が入ってまいりましたけれども、皆さんで、また今後、議論させていただきたいと思います。
 それでは、後程、また若干質疑の時間がとれるかしれませんけれども、そのときにお願いをしたいと思います。
 続きまして、星加委員、お願いいたします。
○星加委員 東京大学の星加と申します。改めまして、よろしくお願いいたします。
 私は、専門は社会学でして、中でも障害学、disability studiesの理論研究をもともとはやってきた人間です。近年、現在所属しているところが、東京大学の教育学研究科の中にあるバリアフリー教育開発研究センターという、とても一度では覚えられないような名前のセンターがございまして、10年程前に設立されたんですが、そこで教員をしている関係でバリアフリーとか障害理解とか、あるいは、より広く、多様性理解といったことをどのように社会の中に普及させていくのか、理解、啓発をしていくのかというような観点からプログラム開発であるとか、ワークショップの開発であるとか、そうしたことも同時に今、仕事として行っているということになります。
 この福祉のまちづくり推進協議会の中では、主に心のバリアフリーに関することをきちんとやれというふうに前任の慶応大学の中野先生からお達しをいただきまして、そうした役割でかかわらせていただくのかなというふうに考えているところです。
 心のバリアフリーというテーマは、もう皆さんご承知のことと思いますけれども、東京都を初め、日本各地でもう20年ぐらい前から、1990年代から取り組まれてきているテーマではあるわけですが、実は近年、それがリバイバルというか、改めて注目をされて、2020年に向けての政府が策定した「ユニバーサルデザイン2020行動計画」において、その二つの柱の一つとして心のバリアフリーというのは位置づけられたということで、ここ二、三年、特に取組が精力的に進んでいるということかと思いますけれども、しかし20年前、1990年代から行われてきた東京都さんも積極的に推進してこられたと思いますけれども、そこで目指されてきた心のバリアフリーの理念とか、内実というものと、2020年に向けて進められようとしている心のバリアフリーの取組というのは、似て非なるものというと言い過ぎかもしれませんけれども、かなり質的に異なるものではないかというふうに考えています。
 そのポイントが、障害の社会モデル、これがこの障害学、disability studiesという分野の中で新しく提起されて、今や国際的な共通のコンセンサスになっている障害についての、あるいは障害と社会との関係についての捉え方ということになりますけれども、この理解をきちんと出発点にする社会意識の変化、あるいは理解の促進というものが、極めて重要なポイントとして位置づけられたという点において、従来のものとはかなり違っている。
 ところが、私もいろいろ国の施策、あるいは経済界を巻き込んだ取組などに今かかわっていますけれども、やはり、そうしたエッセンス、理念の部分の変化、転換というものがきちんと現場におりていっていない。現場では、やはり旧来型の心のバリアフリーの取組になっているということを数多く目の当たりにしていまして、そうしたことを東京都さんが先頭に立って、新しいモデルへの転換というものを実現していけるとよいのかなと思っていますので、そうした観点から、この委員会、協議会では発言等をさせていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○高橋会長 どうも星加さん、ありがとうございました。障害と社会の関係性の捉え方ということが新たに加わっているということで、もう一度改めて、私たちの意見具申の中でもたびたび書かせていただいておりますけれども、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、3人目で庄司委員、お願いします。
○庄司委員 国際大学の庄司と申します。私もグローバル・コミュニケーション・センターという、非常に長ったらしい所属になります。私は研究と様々な実践活動等を両輪として、情報通信分野の研究実践に取り組んでおります。
 お手元の資料にありますように、大きく三つの観点で自己紹介をしたいと思います。
 一つ目は、情報社会や情報通信政策の研究をしています。携帯の使い方とか、ソーシャルメディアの使い方とか、世界中で同じことが広がっていても地域や文化によって細かいところの使い方というのは違うんです。そういった社会の多様性ということに注目をして、社会がどう変化していくのかということを研究したりしています。
 それから実践活動としては、インターネットユーザー協会という、ユーザーを代表する団体の理事ですとか、あるいは情報通信学会の常務理事というのを務めたりしています。
 それから、これが私自身の中核的な柱になりますけれども、地域情報化などについての研究をしています。地域社会をうまく運営していくために情報通信、ITがどう活用できるのかということが私の関心の中心でして、今風に言えば、スマートシティですとか、オープンデータ、オープンガバメントとか、公共財としてのデータをどうみんなでうまく活用していくのかとか、そういったことについての研究、実践などに取り組んでいます。
 その関連では、政府の内閣官房のオープンデータ伝道師というのを拝命しております。それから、総務省の地域情報化アドバイザーということで、様々な自治体の情報化のお手伝いをしています。
 それから三つ目、少し今までの話と毛色が変わるんですけれども、認知症の人に優しいまちづくりの研究ということをしています。これは私が地域社会の運営に非常に関心を持っているということで、どちらかというと巻き込まれて、ここまで来ましたという研究テーマなんですが、認知症の方に優しい地域社会というのは、恐らく、いろんな方に優しい地域社会だろうということで、またそういった認知症の方々が、これから病院とか介護施設とかではなく、街で生活していくようになるという中では、恐らくこれまでそういったテーマに携わってきた人ではない、我々一般の人たちができることを考えて取り組んでいく必要があるだろうということで、全然、門外漢ではあるんですけれども、ITで、あるいはデータの力でできることは何だろうかといったことについて、研究したり、そうした一般社団法人の理事として、有志の方々や必ずしもこういったテーマにこれまでなじんでこなかった企業の方々と一緒に考えていく団体を運営しています。
 今後、期待することです。少子高齢化で人口減少していく社会でもヒト・モノ・カネ、、情報をうまく活用していくことで、今あるものをうまく生かしていくとか、そういったこともできると思います。そうして、地域の課題をうまく解決していけるような社会にしていきたいというふうに考えて政策研究に取り組んでいます。どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋会長 庄司さん、どうもありがとうございました。
 それでは、最後になりますけれども、織田委員、お願いいたします。
○織田委員 皆さん、こんにちは。織田友理子と申します。一般社団法人WheeLogの代表をしております。私のこれまでの取組として、3点ございます。
 一つ目は、私は遠位型ミオパチーという手足の先の筋肉から衰えていって、やがて寝たきりになるという病気です。この病気は22歳のときに診断されたのですが、当時は国の難病にも入っていませんでした。また、治療法も全く無く、治療薬に繋がる研究成果が出ても日本に数百名しかいない病気ということで、製薬会社は見向きもしませんでした。でも、患者会活動を通して一般の方々に理解を促すことで状況を変えてきました。二つ目として、その患者会活動を通して、私は国内外を講演活動で回りました。皆様から見えないとは思うのですが、今私は車椅子に乗っています。車椅子で中途障害者のために、初めはどうやって飛行機に乗るのかとか、新幹線に乗るのかとか、わからないことだらけでした。でも、それを日本はすごくバリアフリーが進んでいて、いろいろな支援策があるということを知り、車椅子になったからといって、どこにも行けないわけじゃないんだなということがわかりました。そこで、YouTubeで「車椅子ウォーカー」という動画配信チャンネルでいろいろな情報を配信し始めました。これまでに国内外200本以上の動画を配信していて、合計の再生回数は280万回を超えました。世界中の方に見ていただいていて、情報を届けることによって、車椅子の人たちの世界を変えられると信じています。
 また、三つ目として、みんなでつくるバリアフリーマップWheeLog!というアプリも開発、運営しております。これは車椅子でどこに行けるかという情報を集めて、皆さんでシェアしています。トイレとかエレベーターとかホテルとか、いろいろな情報をユーザーが投稿するアプリです。5,000人以上のユーザーによって、32,000枚以上の写真などが投稿されています。これも、やはり情報が集まれば、世界を変えていけると信じていて、バリアフリー情報を集めることで、車椅子ユーザーがもっともっと外に出ていける世の中をつくりたいという思いで運営しております。
 この3つの取組を通じて、今回、私が委員にさせていただき、私にできることは何だろうと考えると、やはり国内外を回って感じることをお話しさせていただければと思っています。その一つとして、東京、日本は、海外よりずっと進んでいると思う点があります。特にトイレです。どこの国へ行っても、トイレを探すのが大変です。私の場合は異性介助、夫の介助が必要なので余計に大変です。男女どちらも入れる多目的トイレは日本が一番多いですね。アメリカより全然多いです。そういったファシリティ、施設とか設備とか、日本が誇れる面がたくさんあって、世界一のバリアフリー先進都市とはみなさん控え目ですから言えないとは思いますが、東京はその可能性を秘めている都市だと思っています。東京都の場合は、背もたれがあるトイレを設置するとか、あとは介助用ベッドを設置するとか、いろいろな面で、軽度の障害者だけではなく重度の面でも支援策をどんどん入れていっていただいていると思います。今回は、私がこうして委員にさせていただいたことは光栄に思いますし、私は飲んだり食べたりも自分でできなくて、全てにおいて介助が必要ですけれども、重度障害者としてのいろいろな意見を提案させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○高橋会長 どうもありがとうございました。今、4人の方に、また、いろいろと時間があるときにたくさんの方にご発言いただきますけれども、ひとまず4人の方にご発言いただきました。

若干、ご質問等、あるいはご意見、コメントでも結構ですけれども、4人の方へのご意見がありましたらお願いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。最初なので、なかなか言いにくいかもしれませんけれども、そのうちにまた少しずつ、2年間でどこまで仲良くなれるかちょっとわかりませんけれども、仲良くなる方向で議論を活発に進めていきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは時間の関係もありますので、次の本題のほうに移らさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、お手元の会議次第に沿いまして、最初の5の(1)になりますけれども、建築物バリアフリー条例における宿泊施設の考え方についてということで、まず事務局のほうからご説明をお願いしたいと思います。
○池田福祉のまちづくり担当課長 事務局の池田です。まず最初に建築物バリアフリー条例における宿泊施設の考え方につきまして都市整備局から、続きまして宿泊施設のバリアフリー化に向けた都の新たな取組につきまして政策企画局から、最後に施設整備マニュアルの改正案につきまして福祉保健局から続けてご説明させていただきたいと存じます。
 それでは、まず最初に都市整備局からの説明をお願いいたします。
○鈴木建築企画課長代理 都市整備局市街地建築部建築企画課で課長代理をしております鈴木と申します。条例の部分につきましては、私のほうから説明をさせていただきます。着座にて説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは皆様、資料1を御覧ください。都市整備局は10月19日、先月の19日でございますが、「高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例」、いわゆる建築物バリアフリー条例におけます宿泊施設の規定整備の考え方について取りまとめをいたしました。この取りまとめに関し、都民の皆様のご意見を募集しているところでございます。
 この資料にはございませんが、宿泊施設は、これまでバリアフリー法施行令にて、総客室数が50室以上の宿泊施設に対し、車椅子使用者用客室を1室以上整備することが義務づけられてきました。ことしの10月19日にこの政令が改正され、総客室数の1室から今度は1%以上、車椅子使用者用客室の整備が義務づけられております。この改正も踏まえまして、都市整備局といたしまして、今後の超高齢化社会の進展等を見据え、宿泊施設の一般客室について、段差の解消や出口の幅などについて、最低限の基準ではございますが、この基準を設け、より多くの人が利用できる宿泊施設の整備を推進していくことといたしました。
 整備対象用途でございます。2番の部分を御覧ください。整備対象用途は、旅館及びホテルでございます。その整備対象規模におきましては、床面積の合計が1,000平米以上の新築、増築、改築、または用途変更するホテル、旅館に対し規制をかけます。改修等、今現在建っているホテルについては、この規制はかからないということになります。
 整備する規定でございます。3-1を御覧ください。各客室までの経路でございます。ホテル、旅館に入る道からそれぞれの客室に至る経路におきまして、その経路のうち1以上でございますが、段差を設けないことを義務づけたいと思っております。
 3-2でございます。今度は客室の中でございます。客室の中の基準、(1)客室の出入口の幅でございますが、80センチ以上の間隔を確保していただきたい。
 (2)客室内の便所及び浴室等の出入口の幅については70センチ以上、この70センチ以上につきまして、委員の皆様から事前に質問を預かっております。国土交通省さんが出されております設計標準におきまして、浴室、トイレの部分におきましても80センチ以上が望ましいとされている。今回、この東京都都市整備局が出した70センチについていかがなのですかというご質問につきまして、設計標準では、確かに原則として80センチ以上という規定がございますが、やむを得ず80センチが確保できない場合は、浴室、トイレにおきましては、70センチ以上とすることという項目も記載がされております。都市整備局といたしましては、最低基準をここでは基準化したいということから、70センチ以上を記載しております。
 (3)でございます。客室内の階段、または段を設けないこと。先程、経路の部分でも言いましたけれども、客室に入ってからも段、または段差を設けないこと。
 (4)客室の出入口からベッドに至るまで、または便所、浴室等の部分までについて、その経路の幅も70センチ確保すること。
 以上、3-1、3-2、あわせて5点を私どもといたしましては考え方としてまとめました。
 意見の募集期間でございますが、今月19日まで意見募集期間とさせていただいております。皆様から多くの意見をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 条例については以上でございます。
○本木政策担当課長 政策企画局の政策担当課長の本木と申します。よろしくお願いいたします。
 今、条例の件、説明がございましたけれども、今回の条例の改正案にあわせまして、宿泊施設のバリアフリーに関する庁内の取組、いろいろさせていただいております。複数局をまたがるという観点から、私ども政策企画局のほうからまとめて説明をさせていきたいと思います。よろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。
 資料1-2を一緒に御覧ください。
 今、説明がありました条例改正でございますけれども、平成31年、来年の9月に着工する宿泊施設に適用されるということになってまいります。冒頭からも2020オリンピック・パラリンピック大会というような視点がございますけれども、そういった視点で見た場合には、今回の条例改正そのものの効果というのは、2020大会に直接寄与することは難しいのではないかなというふうに考えておりまして、今回の条例はどちらかというと大会のレガシーという形で後世に引き継いでいけるものだというふうに考えております。
 2020大会に対応していくためには、今回規定をしております新しい条例の基準を使いまして、今ある既存の一般客室のバリアフリー化に関する改修を促していくことですとか、車椅子を使用されております肢体障害の方はもちろんのこと、視覚、他の障害の方ですとか、高齢者の方にも対応できる客室の整備の推進が重要というふうに東京都では考えております。
 資料の真ん中のほうをちょっと見ていただきたいんですけれども、そのため、今回の条例では通路幅のハード面といった寸法等々の規定しかないんですけれども、客室のさらなるレベルアップといたしまして、右側に書いてございます東京都の福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルというものを条例公布後に改定をいたしまして、一般客室の整備ですとか、手すりなど、備品等の整備に関する規定をさせていただきたいというふうに考えております。こちらのほうは、後程また福祉保健局のほうからご説明をさせていただきます。
 また、資料の真ん中ですね、誘導というところに書いてございますけれども、既に車椅子使用者用客室の整備に関しましては、産業労働局のほうで補助というか、補助金のほうの設定がございますけれども、一般客室につきましても2020大会に向けて補助を拡充していくというような形で民間事業者の皆様の取組について支援をしていきたいというふうに考えております。
 さらに一番下段のほう、二つ箱がございますけれども、今回の考え方をまとめるに当たりまして、本協議会の委員の皆様をはじめといたしまして、様々な方にヒアリングをさせていただいております。そういった中で出てきた声としては、バリアフリーの客室をホテル側では持っているんですけれども、ホームページにちょっと掲載をしていないような施設が少しあるなというようなこと。あとは従業員の対応力ですか、そういったところに不安というか、課題をお持ちだというようなお声もお伺いしておりまして、資料の左の下ですね、情報発信というところがございますけれども、バリアフリー情報の発信の促進ですとか、下の右側の機運醸成・普及啓発ということで、事業者を対象にしたセミナーですとか、そういったものを実施して、様々なこういったいろいろな施策を複合的に進めながらバリアフリー化を促進していきたいというふうに考えております。
 簡単ではございますが、説明は以上でございます。
○池田福祉のまちづくり担当課長 それでは事務局の池田です。続きまして、私のほうから資料1-3、宿泊施設の客室に係る東京都福祉のまちづくり条例「施設整備マニュアル」の改正の主な内容について、ご説明させていただきます。
 施設整備マニュアルは委員の皆様の机上に置かせていただいております、この黄色いちょっと分厚い電話帳のような冊子でございますが、こちらは整備基準の詳しい解説の他、より高い水準の整備内容である望ましい整備の説明が記載されたものでございます。
 今回の改正では、東京2020大会に向けて策定されましたアクセシビリティガイドラインですとか、国の設計標準の見直しを踏まえまして、望ましい整備の内容をより一層充実させることといたしております。
 本日の資料は、既に第11期の協議会においてご審議いただいた内容でございますが、委員の改選ですとか、ただいま説明がありましたバリアフリー条例のパブリックコメントが実施されることに伴いまして、改めてご説明させていただいた上でご意見をいただければと存じます。
 まず、この資料1-3の見方でございますが、最初に凡例がございます。黒丸が遵守基準となる整備基準に関する内容、白丸が努力義務となる整備基準に関する内容、二重丸が望ましい整備に関する内容です。
 表の左から2番目にページとございますが、これが黄色いマニュアルの該当ページになりまして、右に行きますと改正項目、新旧とございまして、旧が現行の内容で、それを新の内容に改めるものですが、旧がバーとなっている項目につきましては、現行には記載がなく、新たに盛り込む内容でございます。
 一番右側の出典につきましては、改正元となった出典先を表示してあります。
 それでは、項目が大分多くなっておりますので、主な部分について取り上げてご説明させていただきます。
 1番は、国の高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令の改正に伴いまして、現行が50室以上の場合は車椅子使用者用客室を1以上設置する遵守義務を1%以上とするものです。
 2番から5番までが、客室の出入口という新しい項目を設けまして、その関連の整備を追加することといたします。
 次に、7番から10番で、構造という項目を新設しまして、スイッチや操作パネル類、また次の8番で家具及び仕上げ、9番で窓及びガラス戸といった内容の整備を追加いたします。
 2ページをお開きください。
 続きまして、11番から15番までが既存客室の改善・改修という項目を新設し、既存客室について、車椅子使用者などが利用しやすい客室への改修の推進をいたします。
 11番と12番が、車椅子使用者用客室の改修、13番から15番が一般客室への改修についてとなります。
 特に13番において、一般客室の改修・改善に当たっては、高齢者、障害者等が利用できるように環境を整えることが重要で、改修・改善での対応が著しく困難な場合には、備品の貸し出しや人的対応など、ソフト面での対応の充実を図ることも重要と追記いたします。
 また、16番からソフト面の工夫という項目を新設いたします。その関連で17番になりますが、障害者等が車椅子使用者用客室等を円滑に利用できるよう、ホームページ等により事前の情報提供を行うこととして、具体的な内容としましては、車椅子使用者用客室の有無、出入口の幅、客室内の通路等の寸法、客室内の整備等の配置や大きさがわかる平面図や写真などの情報としております。
 また、18番では、聴覚障害者の方への連絡を行えるよう、振動等で受信できる装置等の貸し出し等を行うことを追記いたしております。
 簡単でございますが、以上がマニュアルの主な改正内容案でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋会長 ご説明ありがとうございました。
 それでは、この三つの資料につきまして、意見交換を行いたいというふうに思います。質問等、どうぞ遠慮なくお願いをしたいと思います。
 資料1、資料1-2、それから1-3がありますが、どちらの資料でも結構ですので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、所属とお名前をおっしゃっていただいて、ご発言いただきたいと思います。
○川内委員 東洋大学の川内です。ご報告ありがとうございました。
 資料1-2のバリアフリー化に向けた都の新たな取組というところで、ご説明いただいた方もおっしゃっていましたけれども、私もハードの整備というのは、もうオリパラには間に合わないというふうに思っています。レガシーというふうにおっしゃいましたけれども、今一つ、ただ一つ間に合うのは、情報提供だろうというふうに思っています。
 という点では、この資料1-2の下側、情報発信で都のポータルサイトや、宿泊施設HPの内容充実というのは極めて重要で、例えばハードが不十分であっても、ハードが不十分かどうかさえわからないということが問題なわけですね。今は東横インを初めとするような、ビジネスホテルで全国ネットのものについては、割と統合されたサイトに行くとアクセシビリティを知ることが以前に比べると容易になりました。ただ、各地にぼつぼつとあるような独立したホテルですね、そういうものについては、アクセシビリティが整備されているのかどうかをホームページで探すことがとても大変で、深掘り、深掘りしていってやっと見つかったとかというようなことがあって、ある駅周辺に泊まろうと思って、その周辺にあるホテルのどれが泊まれるんだというのを探し始めると、ものすごい労力が要るんですね。ですから、ここで見える化ということをおっしゃっていますけれども、それについては、資料1-3の17番にその情報提供についての詳細があって、これはこれで非常にいいものだろうというふうに思う、内容としてはいいと思うんですけれども、では、これがどういうサイトに載っているのかというと、やはりウエブアクセシビリティということがきちんと確保されたサイトに載せないと、幾ら情報があっても使えない人が出てくるということがあります。
 それから、先程申しましたように、現在できる、オリパラまでに間に合うことが、この情報であるならば、これは望ましい取組でいいのかという気持ちがあります。それで、私の個人的な望みとしては、資料1-2の上の段で、ハードの整備に誘導というのがあります。であるならば、少なくとも、この情報提供に対して何らかの誘導というのが都のほうでできないかということをちょっとご検討いただきたいということを申し上げたいと思います。以上です。
○高橋会長 ありがとうございました。では、政策企画局、すみませんが、今の川内委員のご発言に対して何かございましたらお願いいたします。
○本木政策担当課長 委員がおっしゃるように情報発信のほうが非常に重要だなというふうに考えておりまして、今、私どもで都市整備局さんを中心に各ホテルそれぞれに回って、営業をかけているというか、情報発信のあり方ですとか、あとは今どういうような対応を従業員の方がされているんですかというのを一軒一軒回って、情報をいただいております。
 やはり情報をいかに外に出していくかということが、重要というふうに考えておりまして、一つ今ちょっと考えているのが福祉保健局さんでUDナビというようなサイトがございまして、そこに宿泊施設というのが掲載をされております。そこも、なかなか今、まだちょっと探しにくいような状況にもなっておりますけれども、そういったものを少し整備をしたりするようなことも考えながら、いかに情報がうまく使いたい方に伝わって、ご自分の状況に合わせた宿泊施設をご自分の手で選べるというようなところに持っていけないかというのを関係各局で今ちょっと議論しているというところでございます。
 以上でございます。
○高橋会長 はい、ありがとうございました。他にご発言等ございますでしょうか。市橋委員、お願いします。
○市橋委員 まず質問をいたします。1,000平米以上のホテルというのは、個々に違いはあるんですけれども、大体、何部屋ぐらい、普通の平均的なビジネスホテルだと何部屋ぐらいかお答えいただきたいと。
 それから2番目に、僕はこの部分がひっかかっているというのが、かなり説明していただいたけれども、なぜ80センチを70センチでやったか。建築上、これによって何かあるのかどうかとか、そこをお答えいただきたいと思います。
○高橋会長 お願いいたします。
○鈴木建築企画課長代理 まず、1,000平米でございますが、客室の大きさによってまちまちでございますが、おおよそでございますが、30部屋から40部屋ぐらいで約1,000平米に近くなるのかなと思っております。
 2番目のご質問で、浴室、便所の80センチというものを70センチにした理由でございますが、車椅子のJIS規格でもございます車椅子の幅が70センチ以下にしなさいというのがJIS規格で決められているもの考慮いたしましたことと、旅館業法に基づきまして、ホテルの最低面積9平米以上ということが旅館業法で決められております。その9平米でもおさまるような、もう一つ、先程言いました車椅子の最低基準も入れるような、そのようなことを検討いたしまして、70センチという寸法を出させていただきました。
○市橋委員 いいですか。
○高橋会長 どうぞ。
○市橋委員 これは僕なんかは素人なので、建築上できるのかどうかというのは、ちょっとわからないので、川内さんに少し教わりたいと思いますが。ホテルの場合は、特にシングルの場合は一人だけで部屋に入ってしまうわけです。そういうところが、非常にやはり、差がわずか10センチ、されど10センチというのがあるので、これはちょっと車椅子の基準より広くならなければいけないわけで、ちょっとこれは考えものではないかなと思います。
 二つ目に、東京2020大会に間に合わない部分が多いということで、情報発信が大事だと思いますが、条例改正案についてはちょっと細かく見て、19日まで間に合うように意見を言いたいと思います。次に、設備などの規格等を統一できないかということです。例えば、便所のボタン、これもホテルによってまちまちですよね。あるいは、トイレットペーパーの位置、あるいは視力障害者の方から言えば、シャンプーとリンスとボディシャンプーの位置。ある程度の基準を設けなければいけない。東京のホテルでは、こういう基準を、僕らも意見を言いますから、そういうのを設けたりというのは、海外のお客様からしてもいいのではないか。それぞれのホテルが特徴を出したい部分はあるかもしれないが、便所のボタンの位置などは統一しても差しさわりないと思います。例えばリンスかボディシャンプーが位置は同じで、内容を変えてもらえればいいわけで、そういう意味で、ちょっとそこらのところは、僕らが協議をして、すると、2020のお客様を迎えるに当たって、非常にいいんじゃないかと思います。
 3点目として、これは及ばないと思いますけれども、意見としては、東京都の条例ですから、いいですけど、僕ら、非常にやっぱり観光地に行って、仲間が観光地に行こうと思うと、本当に泊まれるところが少ないですね。特に熱海なんて行くと、ほとんどないわけです。例えば、東京都ではそういうところを充実させるとか、あるいは発信をするとかやって、僕ら車椅子の仲間が自由に入れる露天風呂なんてということで、発信していけるような、そんな役目も今回の改正で設ける必要があるのではないかなと思います。
○高橋会長 ありがとうございました。
 設備の配置等なんかありますけれども、鈴木さんのほうでコメントありますか。これは条例の整備基準なんかにもかかわってくる部分があるかと思いますが、望ましい水準ですね。とても重要な部分ですね。実際に入れても、今のボタンのスイッチだとかあるし、それから、様々な備品関係が手に届かないという声は結構ありますので、そういうことについてのきめ細かなマニュアルはつくる必要があるというふうに思いますけれども。

○鈴木建築企画課長代理 そうですね。建築物のバリアフリー条例ということで、建築物のハード面に対する基準ということで私どもとしては基準を設けております。ただ、市橋委員からのご意見も非常に重要だとは思っておりますので、福祉保健局さんとかと調整をいたしまして、検討をしていきたいと思います。ありがとうございました。
○市橋委員 ちょっといいですか。
 政策企画局がかかわっていただいているので、例えばホテルだけってわけではないですが、そういう意味では、調整をして、そこら辺のちょっとレベルが上がっていくということでやっていきましょうよ。
○本木政策担当課長 ご意見ありがとうございます。バリアフリーについては、5局でチームをつくって、いろいろ検討しておりますので、ハードは都市整備局さんであったり、福祉保健局さん、あと産業労働局さん、あとオリパラ準備局さんも入って、みんなで一緒にいろいろ議論していますので、いただいたご意見を参考に、よりよいものをつくっていきたいなというふうに考えております。ありがとうございます。
○高橋会長 ありがとうございました。
 他にございますでしょうか。どうぞ、永田委員、お願いします。その後、越智委員。
 では、永田委員、先に。
○永田委員 手をつなぐ育成会の永田と申します。知的障害者の団体でございます。
 2020には間に合わないということで、大会のレガシーということで承りました。
 川内委員からも情報提供、発信こそ間に合うというふうにお話がございましたけれども、あわせて、やっぱりハードが不十分でも、ソフト面の工夫でということをもう少し強く、ソフト面の対応はまだ間に合うのではないかと思いますので、そこをもう少し強調していただけたらというふうに思いました。
 マニュアルの改正でも、ソフト面の工夫を新設していただいたことは、本当にありがたく存じます。
 資料1-2のところで、やはりその従業員の対応力とか、ソフト面での対応ということをもう少しここの中で明記していただけるとありがたいと思いました。
 それから、あわせて1-3のほうの資料の改正案なんですけれども、17の一番下のところですが、スタッフによる対応の有無や対応する内容及び受付方法ということで、東京は差別解消法の条例の中で合理的配慮は義務というふうにうたっている中で、スタッフによる対応がないということをこういうところで書いていいのかしらと、ちょっと思った次第です。やっぱり対応があって当然という前提でなくてはいけませんので、ここの対応の有無というところは少し訂正していただけたほうがいいと思いました。
 以上です。
○高橋会長 ありがとうございます。
 後程、またまとめてお願いいたします。
 越智委員、お願いいたします。
○越智委員 東京都聴覚障害者連盟の越智と申します。
 意見の前に、先程4人の新しい委員の方のご挨拶をいただきました。これらを伺いまして、思ったことをちょっとお話ししたいと思います。
 この福祉のまちづくりの委員会が始まったのが平成7年です。その以前に準備段階からかかわらせていただきましたけれども、最初の頃はハード中心で、ソフトの情報保障だとか、心のバリアフリーという部分についてはどちらかというと軽く見られておりました。その中でいろいろな意見を申し上げてきましたけれども、私の力不足もあったのか、なかなか取り上げてもらうことができませんでした。
 そういう面もありましたけれども、最近になりまして、心のバリアフリーですとか、情報バリアフリーですとか、そういったものが充実されてきまして、ことしからの第5期障害者計画では、ハードとソフトの両輪というふうな形にまでなりました。
 そういう中で、今、4名の方からソフト面についても非常に先駆的な取組をやっておられているということで、非常にそのお話を伺いまして、今後そういう面でもっともっと充実した話し合いができるのではないかなというふうに期待をしております。よろしくお願いいたします。
 それから、意見なんですけれども、まず、1-2につきまして言おうと思っていたんですが、今、永田委員から先に言われてしまいましたので、それは省きます。
 1-3についてですが、具体的なところでお話ししたいと思います。団体の立場で申し上げますと、ヒアリングをいただきまして、基本的な部分につきましてはお話をさせていただきましたけれども、細かいところでちょっと何か現実に合わないかなというところがございます。
 例えば、1-3の中の6番ですね。字幕放送について書かれておりますが、以前は聴覚障害者というふうに書かれていたんですが、聴覚障害者だけではなくて、高齢者の中にも有効であるということで、聴覚障害者という言葉は省かれたというのはいいんですが、実情を言いますと、どちらかといいますとテレビに字幕の機能はあっても、それを使えないというところが多いんですね。なぜかといいますとリモコンが問題なんです。
 大きなホテルの場合には、テレビは市販のものですけれども、館内放送などの都合もありまして、リモコンが独自のリモコンを使われていることが多いですね。そのリモコンには字幕という機能が入っていないということがほとんどです。ですので、受付に行って字幕をつけてほしいというふうに申し上げても、その方法がないということで使えない、つけられないということがよくあります。そういう意味で、テレビだけに機能がありましても使えないということになります。
 そのあたりをきちんとできるような文章ですね。例えば、「表示が可能なものにする」の後に、「設定がすぐできるようにする」などの内容を少し加えていただけるといいかなというふうに思います。
 少し経験から申し上げますと、先日、熱海の温泉に行きました。バリアフリーで有名なホテルで、天皇陛下が視察に来られたというようなところです。受付に行きまして、「聞こえない」ということを申し上げまして、しばらくすると部屋に案内をされました。既に字幕がついていたんですね、そこには。そのときにはついていたんです。受付から連絡がいって、もうすぐに私が行ったときには、もう字幕が最初から出ているような状況でした。そういう配慮をいただいたことをとてもうれしく思いました。そういうソフト部分はとてもいい面だと思います。
 それから、3ページ目になりますが、頭のところなんですけれども、聞こえない立場でお客様はドアのノックが聞こえません。スタッフが来てもわからない。何かが起こってもわからないという状況のところで入れていただいたということがあります。
 実際に振動の、振動等というふうに書かれておりますが、振動が必要なのは寝ているときですよね。起きているときは、どちらかというと光のほうが効果的です。振動というのは限定的なものになります。光のほうが効果が高いので、その辺も光に変えたほうがいいのではないかと思います。
 それから、もう一つがFAX等の貸し出しについてですが、今はFAXというのは、ほとんど使えなくなってきていますね。使わなくなってきています。携帯でのメール、またパソコンのメール、文字メールというものが多くなっておりますので、ほとんどメールということになっています。今、若い方の中にはFAXを持っていないという聴覚障害者も増えています。なので機械の貸し出し、情報通信機器の貸し出しというふうに書き替えたほうがいいのかなというふうに思います。
 以上です。
○高橋会長 ありがとうございました。
 それでは、織田委員のお話を聞いてから、事務局のほうにお話をいただきます。よろしくお願いします。
○織田委員 資料1-3の「施設設備マニュアル」改正案なんですが、2ページ目の望ましい取組の17番のところで、ソフト面の工夫というところにぜひ入れていただきたい点がございます。
 ホテルなどの施設の情報は、もちろんすごく重要なんですけれども、それにプラス、もし可能でしたら、周辺の最寄りの駅までのバリアフリー情報を入れていただけたら、うれしいです。
 例えば、近くの駅の何番出口のどこしかエレベーターがなくて、そこからしか、そのホテルに行けないという場面がたくさんあると思うんですが、ホテルの方々などは、周辺施設設備などについて、バリアフリー情報を全くご存じないことが多いです。なので、そこまで一人ひとりに求めるのは難しいかもしれませんが、ホームページなどの情報提供の場面で、こちらのホテルの一番最短のバリアフリールートは、こちらになりますというような情報を少しでも入れておいていただければ、ありがたいなと思いました。
 以上です。
○高橋会長 ありがとうございました。
 たくさんのご意見をいただきましたけれども。では、どうぞ。
○松井委員 公募委員の松井と申します。よろしくお願いいたします。
 二つありまして、一つ目は、先程の意見もあったんですが、この資料1-2のところに、説明では「スタッフの対応」などというふうにおっしゃっていたんですけれども、文言としては入っていなかったので、ぜひソフト面ということで一言入れていただけるとうれしいなという点です。
 そして、もう1点目なんですが、これは私の勝手な意見かもしれないのですが、昨今、障害者という「害」は、「害」という漢字を書かない傾向がとても高くなっているように思うんですね。平仮名で対応しているところがとても増えているので、もしかしたらそちらのほうがよろしいのではないかなというふうに思いますので、ご検討いただけるとうれしいです。
 以上の2点です。
○高橋会長 ありがとうございました。
 それでは、今、4人の方からご発言いただきましたけれども、事務局のほうで、すぐ全部解決できるものではないかもしれませんが、ご意見に対するご発言をお願いしたいと思います。
○池田福祉のまちづくり担当課長 事務局の池田です。
 多数のご質問、ありがとうございます。
 まず、永田委員からご指摘ございましたスタッフの対応の有無という表現につきましては、ご意見を踏まえまして、検討していきたいと考えております。
 越智委員からご意見いただきましたテレビのリモコンの課題ですとか、振動等の等の中に、実は越智委員のおっしゃっていた光とかフラッシュとか、そういったものを想定していたんですが、表現がわかりにくいということもございますので、表現を検討させていただきたいと思っております。
 あと、織田委員からご意見いただきましたホテルまでのバリアフリールートについても、情報発信の望ましい整備に追加してはどうかとご意見いただいておりますので、こちらのほうも検討していきたいというふうに考えております。
 最後に、障害の「害」についてですが、都としましては、国の法令に合わせているというところがございまして、そういった観点から漢字を使わせていただいております。ご指摘ありがとうございます。
○高橋会長 ありがとうございました。
 他にございますでしょうか。岡村委員、お願いします。
 ごめんなさい。ちょっと今のご発言、じゃあ越智委員、お願いいたします。
○越智委員 先程の障害の「害」という漢字についてなんですが、実は福祉のまちづくりですとか、他の会議でも、大分前、以前最初のころに意見が、そういう話がありました。
 その中で、国に合わせるという意見もあったんですけれども、それは関係ない、都なりに進めていいんじゃないかという考え方で、その前提であえてわざわざ「害」という漢字を使おうというふうに話がまとまったかと思います。
 問題が残っているということで認識をするという意味で、あえて「害」という漢字を使おうというふうにまとまったかと思います。
 そういう状況です。
○高橋会長 ちょっとその点につきまして、ちょっと経過を障害者計画関係でも議論されたかというふうに思いますけれども、後程、またご紹介いただければと思います。
 それでは、岡村委員。
○岡村委員 首都大の岡村です。
 ちょっと確認ですけど、ここでいう宿泊施設というのは、民泊は入りますか。旅館業法の宿泊施設だけですか。
 というのも、1,000平米、結構大きいとは思うんですけど、最近の民泊って、例えば10階建てでマンション丸ごと民泊みたいなものもあると思うんですが、そういったものも含めての話かどうか。
○鈴木建築企画課長代理 ありがとうございます。
 旅館業法に基づくホテル、旅館ということで縛っておりますので、民泊は入っていません。
○岡村委員 わかりました。このマニュアルのほうの442ページに、その他これらに類する施設というのがあるんですけど、それでもないということですね。わかりました。
○高橋会長 川内委員、じゃあ、先にこちらで。こっちでいいですか。
○川内委員 先程の「害」の字ですけども、これは星加さんが専門ではありますが、障害の社会モデルという観点から検討していくと、漢字の「害」ということに、一応、障害学のほうではなっているんですね。ですから、それについて詳しい説明が欲しいというものでしたら、会議後においでください。説明します。
○高橋会長 じゃあ、お願いします。
○大部委員 日本女子大学の大部です。
 2点お伺いしたいんですけれども、1点目は先程からお話に上がっています、資料1-3の17番ですとか、あと越智委員から少しお話もあったテレビのリモコンの件なんかも含まれるかなとは思うんですけれども、既存の、別にバリアフリーを目的として置いているわけではない部分も含めた施設設備の維持状況ですとか、いわゆるメンテナンスについては、このマニュアルに含まれるのでしょうか。
 といいますのも、以前に少しだけ沖縄の観光に関するバリアフリーの資料を読んでいたことがあったんですけれども、また、当事者の方からお話を伺う機会もあったんですが、その中で冷蔵庫って結構どこでもありますよね、客室の中に。冷蔵庫があると思って、冷蔵をしなければいけない液体の薬を持って、その人は宿泊をしたんですけれども、ちょっと温度が低過ぎて、液体から個体に凍ってしまったというようなことがあったりしたんです。
 特にバリアフリーにかかるような設備ではないんですけれども、そういった部分というのは、写真で見せられても整備状況がわからないですし、他の面でも、例えば室内の温度、ことしの日本の夏は非常に暑かったわけですけれども、室内のエアコンがありますだけだと、ちょっと温度管理がどれぐらいできるのかといったところはちょっとわかりづらい部分もあって、特に難病の方ですとか、内部障害の方で体温調節の難しい方というのは多くいらっしゃるわけですけれども、そういった方々も含めてメンテナンスというところが気にかかりました。それが1点目です。
 2点目は、皆さんから意見を募集しているということであったんですけれども、これ、どのように告知等はされているんでしょうか。私も事前に少し資料をデータで頂戴したときに、ホームページも拝見したんですけれども、どのようにこれが都民の皆さんの目にとまるのかという点が気になりました。
 以上です。
○高橋会長 ありがとうございました。
 2点程ありましたけれども、メンテナンスの関係ですね。情報の周知ですので、これはマニュアル等のほうで書き加えてありますか。ちょっと確認し切れていませんけど。
○池田福祉のまちづくり担当課長 基本的にこのマニュアルのつくりが、条例の基準に対する解説書みたいなイメージですので、それに付随するようなメンテナンスとかに関しましては、書いてある部分もあるかと存じますが、機器等の内容に応じて記載することとなると思います。
○高橋会長 何らかの形で、先程幾つかありますけれども、情報の周知の関係でコラムですとかいろんな方法がありますので、できる限りユーザーにとっても、事業者にとっても使いやすいものが必要かと思います。
 それから、鈴木さんのほうでよろしいでしょうか。
○鈴木建築企画課長代理 意見募集の告知につきましては、10月19日から意見募集を開始したんですけども、同日の知事の記者会見におきまして、意見募集を開始しますということを告知させていただきました。
 もう1点、都市整備局のホームページ上で紹介をしております。
○高橋会長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。川内委員。
○川内委員 東洋大学の川内です。
 ちょっと今の話とは違いますが、先程市橋さんが資料1について、ドア幅が70センチということについての疑義を、疑義というかなされたわけですけども、車椅子のJISの寸法が70センチ。日本のバリアフリー法なんかも、幅70センチ、長さ120センチということを最大限として、一応計画していますね。ですから、理論上は70センチで通るわけですけれども、この資料1の2ページ目の平面図を見ますと、室内の経路は70センチをとりなさいということになると。
 これは、以前私が見せていただいたときに、お風呂、トイレのドアの開きが逆だよというふうなことを申し上げたと思いますが、それにしても通路が70センチで、それからドアに70センチというと、車椅子で回転して入れません。
 それから、もう一つは1ページ目の3-2の(3)に段差についての除外規定があって、浴室のところは段差が許容されているんですね。つまり、市橋さんがこの図面とか資料を見るときに、車椅子で便器の前まで行けるというふうにお考えだとしたら、そういう想定ではないということです。
 車椅子で、そもそも入り口に通過できるように、この狭い幅で通過しようとすると、出入口に対して直角に入らないといけないですけどね、それは無理なんですね、室内の通路は。だからこれが使えるのは、はって入れる人ぐらいの腕力がある方か、それから車椅子を使っているけども、つかまり立ちぐらいはできて、歩いて入れる人というふうな想定のものだという程度にお考えいただいたほうがいいと思います。
 以上です。
○高橋会長 ありがとうございます。
 市橋さん。
○市橋委員 市橋です。川内さんが言われたとおり、これでは無理なんじゃないかなというので、ちょっと、これを整備基準にしちゃうと、すごい怖いかなという感じはします。だから、特に電動車椅子なんていうのは、不可能に近いんじゃないかと思いますので、これは考えていただきたいということ。
 もう一つ、今日の議論を聞きながら、ハード面の整備基準を、もうちょっと僕らの意見を聞いてやっていかなきゃいけないと思いました。また、ソフト面がいろいろな面で出てきますから、そこら辺はもうちょっとこういう委員会とか、広い委員会でやって、2020を契機によりレベルアップできるようなものをつくれないのかなと思っています。
 例えば、フロントで僕の言語障害だというのがわからないので、受付ができないときがだってあったんですね。それと、怖い思いをしたのは、10年ぐらい前ですけれども、ある地方に行ったとき、ホテルで全然受け付けてくれないので、路頭に迷って野宿する以外ないかなと思いました。最終的には、小さな旅館が受け付けてくれたので、やっと、泊まれましたが。ある程度そこはいろいろな障害者がいるということをやっぱり知らせていくことが重要かなと、皆さんの意見を聞いて思いましたので、まずはそういうことをやっていきましょうよ。
○高橋会長 ご意見ありがとうございました。
 鈴木さん、バリアフリー法の1%の基準の部分と、それから、ここの一般客室での割合事項、これについて、もう一度説明しておいたほうがよろしいのではないかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○鈴木建築企画課長代理 わかりました。
 国土交通省さんのほうのバリアフリー法施行令で定められている車椅子使用者用客室というものがございます。

車椅子使用者用客室というのは、部屋の中に入って、車椅子が転回もできるスペースを確保しなければいけないとか、トイレの中、または浴室の中に手すりを設けられて、その手すりを使われて浴室に入られたり、トイレに入られたりすることが可能な部屋ということが決められてございます。
 その部屋が、今までは50室に対して1室あればいいという基準でございましたけれども、10月19日の政令改正が行われて、総客室数の1%以上という形の義務づけになりました。
 1%という考え方でございますが、総客室で100を割りますと端数が出ると思います。その端数は上乗せになります。ですので、101室あれば2室、1.0幾つという端数は切り上げになりますので、2室確保しなければいけないという政令の改正が行われております。
 国土交通省さんのほうで車椅子使用者用客室を定められたそれ以外の一般客室にて、東京都の都市整備局といたしましては、この最低基準ではございますが、バリアフリーの基準を設けたいという考えをいたしました。
 以上でございます。
○高橋会長 そこのところをしっかり押さえて上で、この参考に出てくるような、今、ご説明して、パブリックコメントがかかっていますけども、これが適正なのかどうか。一般客室をバリアフリーの、この場合はバリアフリー条例での決め方ということになりますけれども、70センチがいいかどうかとか、あるいは、こういうユニット系のバスですけども、それが適正かどうか。こちらのほうはパブリックコメントに書かれていますので、今日は全部議論し切れないかというふうに思いますけれども、また皆様方からのご意見も、ぜひ都市整備局のほうにお寄せいただければというふうに思います。よろしくどうぞお願いいたします。
 それでは、次の議題のほうに入りたいと思いますが、よろしいでしょうかね。
 それでは、二つ目の東京都福祉のまちづくり推進計画の構成案について、ご説明をお願いいたします。
○池田福祉のまちづくり担当課長 事務局の池田です。私のほうから議事(2)東京都福祉のまちづくり推進計画の構成案について、ご説明させていただきます。
 まず初めに、委員の交代等もございましたので計画改定に関するこれまでの経緯を簡単にご説明させていただきます。
 本年6月に第11期協議会から東京都福祉のまちづくり推進計画改定の基本的考え方につきまして、意見具申をいただきました。
 資料につきましては、参考資料5が意見具申の概要。白い冊子が意見具申の本文となってございます。
 この意見具申を踏まえまして、6月末に都庁の関係各局の企画部門の課長級を主なメンバーとします東京都福祉のまちづくり推進計画策定検討委員会を開催しまして、計画改定に向けた基本的考え方や事業などについて、共通認識を持ったところでございます。
 その後、各局のそれぞれの事業所管部門と次期推進計画に位置づける事業等につきまして、現在も引き続き調整を進めているところでございます。
 また、計画の改定に当たりまして、高橋会長、川内委員、稲垣委員にご協力いただきまして、8月と9月の2回に推進計画の改定に関するワーキンググループを開催しまして、計画に盛り込むべき内容やコラム案につきまして、ご意見をいただいたところでございます。
 それでは、資料2、東京都福祉のまちづくり推進計画の構成案(たたき台)を御覧ください。
 第11期協議会においてご審議いただきました、意見具申としていただいた内容を踏まえておりますので、重複する部分がございますが、全体をご説明させていただきます。
 全体の構成としましては、第1、福祉のまちづくり推進計画の基本的考え方。第2、都におけるバリアフリーをめぐる現状。2ページになりますが、第3、福祉のまちづくりの分野別施策。3ページになりますが、第4、計画事業の展開という形になってございます。
 1ページにお戻りいただきまして、第1、福祉のまちづくり推進計画の基本的考え方を御覧ください。
 1、計画の位置付けでございますが、本計画は福祉のまちづくり条例第7条に基づく計画として位置づけられ、年齢、性別、国籍、個人の能力等にかかわらず、全ての人が安全で安心して、かつ、快適に暮らし、訪れることができるユニバーサルデザインの理念に基づいたまちづくりを進めるため、総合的かつ計画的な施策の推進を図るための基本計画として策定しております。
 次期推進計画の計画期間は平成31年度から35年度までの5年間としております。
 2、計画の目標についてですが、意見具申を踏まえまして、「誰もが自由に、自分の意志で円滑に移動し、必要な情報を入手しながら、あらゆる場所で活動に参加し、共に楽しむことができる社会」を目指すこととしております。
 計画を進める上でのポイントとしては、1点目、福祉のまちづくりで目指すべき社会像を共有し、2点目としまして、高齢者や障害者等の当事者参加と意見の反映、3点目としまして、都民、事業者、行政等が一体となった取組の推進としております。
 3の計画の推進体制についてでございますが、福祉のまちづくりを推進するためには、都民、事業者、行政が一体となって推進することが重要でございまして、これまでも取り組んできたところでございます。
 今後とも、都、区市町村、事業者及び都民など、地域社会の様々な活動主体の皆様方のご理解とご協力のもと、一体となって推進することとしております。
 4、計画の進行管理としては、スパイラルアップの仕組みによる進行管理を位置づけます。スパイラルアップとは、検証や定期的な評価を行い、それに基づき新たな施策を講じることでございまして、検証や評価に当たっては、高齢者や障害者等が参加して意見を聴取し、反映させるための仕組みづくりが必要であると意見具申でも提言をいただいているところでございます。
 第2に、都におけるバリアフリーをめぐる現状です。
 こちらでは、福祉のまちづくりに関連するバリアフリーの現状につきまして、掲載する予定でございまして、6月の白い冊子の意見具申に掲載している内容を整理しまして、1、社会的背景、2、我が国の動向、3、世論調査等の考察という構成で、資料にお示ししている内容を中心に記載し、データの時点更新を行ってまいります。
 2ページをお開きください。
 第3、福祉のまちづくりの分野別施策についてです。分野別施策につきましては、五つの柱を立てて、分野別施策の柱とその内容について順番にご説明させていただきますが、あわせて、それぞれの分野別施策の内容をわかりやすく伝えるため、幾つかのトピックを取り上げて、コラムとして掲載する予定としております。
 まず初めに、1、誰もが円滑に移動できるよう交通機関や道路等のバリアフリーのさらなる推進ですが、全ての人が安全で快適に移動できるよう地域住民と連携しながら、面的・一体的な整備を推進するなど、交通機関や道路等のバリアフリーのさらなる推進を図ってまいります。
 具体的な取組としては、交通機関や道路及び面的なバリアフリーの整備をそれぞれ推進することとしております。
 次に、2、全ての人が快適に利用できる施設や環境の整備についてです。全ての人が安全で安心して暮らし、訪れることができるよう建築物のバリアフリー化をより一層進めるとともに、高齢者や障害者等の当事者参加の取組により、利用者の視点に立った施設や環境の整備を進めていきます。
 具体的な取組については、建築物や公園等におけるバリアフリー化の推進、公共住宅の整備、民間住宅の整備促進に取り組むこととしております。
 3、様々な障害特性や外国人等に配慮した情報バリアフリーの推進です。誰もが必要な情報を適切な時期に容易に入手できるよう情報の入手が困難な人にとってもわかりやすい様々な手段による情報提供を推進してまいります。
 具体的な取組につきましては、障害者・外国人等への情報提供体制の整備、ホームページによる情報提供の内容充実を図ることとしております。
 3ページをお開きください。
 4、災害時・緊急時に備えた安全・安心のまちづくりの推進です。災害時・緊急時に高齢者や障害者等の要配慮者の安全を確保するため、事前の備えや発災後の応急対策、避難所におけるバリアフリー化等の取組を推進してまいります。また、日常生活の中での事故の防止や、安全教育等の理解促進などの取組などについて、安全対策を推進してまいります。
 具体的な取組につきましては、災害への備え及び対応、日常生活における事故防止に取り組んでまいります。
 続きまして、5、都民の理解促進と実践に向けた心のバリアフリーの推進です。誰もが円滑に移動し、様々な活動を楽しめるまちづくりを進めるため、全ての人が平等に参加できる社会や環境について考え、必要な行動を続ける心のバリアフリーを推進してまいります。
 具体的な取組につきましては、普及啓発やユニバーサルデザイン教育の充実、社会参加支援に取り組んでまいります。
 最後に、第4、計画事業の展開につきましては、計画改定後に計画事業として位置づける都庁内の事業を掲載する予定でございますが、冒頭に申し上げましたとおり、現在各局と調整中でございますので、今後、お示ししていきたいと考えております。
 構成案についてのご説明は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋会長 ご説明、ありがとうございました。
 現在、推進計画の調整中ということになりますけれども、11期の後半に、少し方針案を出させていただきましたけども、その後、今ご説明がありましたけれども、私、高橋、それから川内委員、それから稲垣委員が起草委員的な感じでチェックみたいな形で指名されまして、2回程参加させていただきました。
 そこで、現在、ここに今構成案が出ておりますけれども、一つ一つの言葉の表現とかそういったようなことについては、これからまた再度、専門部会になりますか、そちらのほうでも協議する形になると思いますけれども。全体的に、前期のときに2回程意見具申をさせていただきまして、ハード面、情報面、それから、それらをソフト、ハードの一体的なものということで、今お手元に白いものがありますけれども、それを踏まえながら、推進計画の案をつくっているということになります。
 前期と大きく違うのは、ここにも1ページの第2にありますけども、やはり2013年の9月に2020大会が招致されたという、前回の平成26年のときも直前だったんですが、最後に少し入れ込みましたけれども、本格的にそれらを踏まえた動向ですとか、あるいは差別解消法の施行ですとか、そういったようなものですね。法の改正も一部入ってきていますけれども、そういうようなものについての本格的な推進計画の作成は、今期が初めてという形になります。そのあたりを、これからさらに細かなものが現在各部局と調整中だろうというふうに推測されます。
 今日のところは、この全体の構成案について、皆様方から少し、さらにこれまでの方もいらっしゃいますし、継続の方、それから初めてこの構成案を御覧になった方もたくさんいらっしゃるというふうに思いますので、何かそれぞれの思いつきでも結構ですのでありましたら、ご発言いただければと思います。
 菊地委員、お願いいたします。
○菊地委員 東京都精神障害者団体連合会、菊地と申します。
 私たち、精神保健という分野ですので、なかなかハード面の提言に関して、具体的なことが申し上げかねておったんですが、こちらのたたき台、推進計画の構成案についての意見ということですので、主に、ここの5番目の、第3番目、福祉のまちづくりの分野別施策の5番目の都民の理解促進と実践に向けた心のバリアフリーの推進というところに絞って、意見を申し上げます。
 ご承知のとおり、今の世の中、物すごい勢いで高齢化社会に向かって突き進んでいるわけですけれども、ただ、その進み方が世の中の効率化というものに関する万能、効率化万能の思想というものが、なかなか両立しがたい状況に今なってきているというふうに認識しております。
 というのは、企業等におきまして、障害者とか高齢者を切り捨てるというリストラというか、そういう思想はまだまだ厳しく残っておりまして、津久井やまゆり園というところで知的障害者が19人殺される。あと、多数のけがをした人も出たという事件がありましたけれども、この事件で出てきた問題点というのが、結局、世の中の考え方の背景にある、働かざる者食うべからずの思想というか、別の言葉で言うと優生社会という世の中の考え方に基づいて、犯人はやったにすぎないと言っておりますし、事実、あれだけの凶悪な事件になったんですが、背景にあるのは、そういう世の中の効率化万能の思想であるということで、極めて扱い方が難しい事件だと思います。
 その中で、東京都はご承知のとおり、精神障害者に関してはマル障という精神障害部門以外の医療費が無料になるという制度を東京都で導入していただきましたので、これに関してはとてもありがたいと、精神障害者を代表して感謝を述べたいと思います。
 ただ、まだまだ、それは導入されましたけれども、1級、等級1級だけなんですね。人数的にもまだ適用されている人数は少ないという状況です。
 このような状況の中におきましては、やはり、そういう効率化万能という世の中の考え方に関して、こういう福祉分野のほうでそうじゃないよということを発信していく重要な役割がこの福祉保健局の部分にはあると思いますし、我々会議の参加メンバーにもあると思います。
 世の中の、何が何でも効率化なんだというような考え方に関しては、いやいや、そうでもないよと。知的障害の人が世の中にちゃんと働きかけて、みんなに大切な存在として認識されているんだというようなこと、そういうことをあの事件を背景に、強力に発信していかなければいけないと思いますし、そういう高齢者や障害者を切り捨てていく社会じゃなくて、みんなでともに生きる共生社会というものを目指すんだという、そういう危機的な意識というのが、この構成案は余りにも平和的過ぎまして、なかなか、そういう例えば優生思想に対して戦うとか、そういうイメージがなかなか見えてこないものですから、もう少し危機感を持ったような文案で私の考えとしてはしていただきたい。
 非常に待ったなしの状況で高齢化というのが進んでおりまして、単なる高齢化じゃないんですよ。効率化に基づく障害者の切り捨ても含んだ高齢化ですから。それに関しては、やはり共生化社会を対峙するということよりも、共生社会をつくっていくこと、そのものが戦いなんだという位置づけに考え方を持っていかなければ、なかなか世の中に対抗していけないと思います。
 いつも私が申し上げていることを、もう一つ申し述べておきますと、アメリカ等でも導入が検討されたベーシックインカムという、これは都だけのもちろん問題じゃなくて、国の基本的な考え方の問題なんですが、実際、本当に取り入れているところもあるんですね、アメリカのアラスカとか。実際にベーシックインカムを取り入れているところがあります。
 ちなみにベーシックインカムというのは、全ての人々に平等に行政のほうで収入は保障するという制度なんですね。これは障害者にとって、実際に北欧でベーシックインカムを実行したところ、障害者がそれを盾にとって遊んでしまったということはなくて、やはりそのベーシックインカムをもとに非常にその上で働いて、さらなる収入を目指して、収入が安定することによって、高齢者や障害者の生活が安定していったと、非常にこのベーシックインカムはよい方向性の実例が示されております。そういうことによって障害者が遊んだなんていうことではないんですね。
 ですので、これもマル障というのも、基本的にはそういう考え方に基づいた考え方だと思うんですね。これをもう一つ進めて、ぜひ東京都のほうでベーシックインカムという考え方を推進していく方向に旗を振っていければと思います。
 私のほうからの意見は以上です。どうも。
○高橋会長 どうもありがとうございました。ご意見としてお伺いしておきたいと思います。ありがとうございます。
 他にございますでしょうか。
 星加委員、お願いいたします。
○星加委員 東京大学の星加です。
 私も心のバリアフリーに関するところだったので、今、発言をさせていただきます。
 具体的な施策のあり方に関しては、今後、検討する機会があるということでしたので、そのときに、またお話をさせていただければと思いますが、ちょっと見出しの細かい文言といえば文言でもあるんですが、少し確認をさせていただければと思います。
 この5番のところの見出しが、「都民の理解促進と実践に向けた心のバリアフリーの推進」というふうに書かれています。
 ぱっと見、東京都の取組ですから、「都民の」と書かれているのは不自然でないようにも思えるのですが、1ページの第1の基本的考え方の、2番の計画の目標の留意すべき3点のポイントというところを見ると、その3番のところに、「都民、事業者、行政等が一体となった取組の推進」と書かれています。ここでは、「都民」というのを一つのアクターとして分けて記述されているわけですね。そうすると、これとあわせて読みますと、事業者や行政は心のバリアフリーを推進しなくてよいのかというようにも見えます。私の実感としてはむしろ逆で都民も必要ですけれども、まずは行政と事業者が必要ではないかと思っている部分もありますので、こうした見出しの文言になっていることに何か理由があれば教えていただきたいということと、特になければ、限定しない形にしたらいかがかということをご意見として申し上げたいと思います。
○高橋会長 ご意見ありがとうございました。
 こちらのほうは事務局いかがでしょうか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 ご意見ありがとうございます。
 星加先生がおっしゃるとおり都民に限定したわけではないので、ちょっと誤解を生む表現だと思いますので、表現のほうは工夫していきたいというふうに考えております。ありがとうございます。
○高橋会長 それでは、そのようにお願いをしたいと思います。
 他にございますでしょうか。その後、先にどうぞ。
○大部委員 日本女子大学の大部です。
 すみません。資料2を通して読ませていただいたときに、少しちょっと違和感があったのが、3番に突如「外国人等」というのが出てくる部分でして、もともと全体を通しては、高齢者や障害者等の「等」の中に外国人が入っていたのかなというふうに、最初は読んだんですけれども、ちょっと私の中でしっくりこないのが、この外国人等に当たる方々に何らかの意見聴取ですとか、ここにいらっしゃる皆さんと同じように当事者として参加したり、意見を反映させる機会があるのかなという素朴な疑問です。
○高橋会長 ありがとうございました。
 ここの点いかがでしょうか。
○池田福祉のまちづくり担当課長 ご意見ありがとうございます。
 本推進計画は、最後、条例と同じようにパブリックコメントをかけますので、そのときには、外国人も含めた皆様から幅広くご意見をいただきたいというふうに考えておるところでございます。
○高橋会長 よろしいでしょうか。
 外国人に伝わるような言語の問題とかいろいろ出てくるかというふうに思います。よろしくお願いします。
 庄司委員。
○庄司委員 私のほうからは、第3の3ですね。すみません、国際大学の庄司です。
 第3の3、様々な障害特性や外国人等に配慮した情報バリアフリーの推進というところについて、一言コメントしたいと思います。
 先程の議論の、資料1-3のホームページ等により事前の情報提供を行うという議論のところでも、少しそのような話があったんですけれども、情報がホームページに載っていたとしても、どこにあるのかわからない。あるいは載っていたとしても使いにくいとか、情報を発信するだけだと、実際本当に使えるのかという問題がまだ残ってしまうというのが、最近の情報通信分野の課題認識です。
 ですので、この2ページの情報バリアフリーの推進というところも、情報提供体制とか、情報提供の内容充実というふうに、何か発信すればいいみたいなふうに捉えられかねないような考え方ではなく、情報を扱いやすいとか、情報提供じゃなくて情報活用体制とかというような考え方に転換できると、いろんな障害をお持ちの方にもより過ごしやすい環境がつくれるんではないかなというふうに思いますので、この部分については、そういった考え方で今後議論できるといいなというふうに思います。
 以上です。

○高橋会長 ありがとうございます。検討させていただきたいと思います。
 それでは市東さん、お願いいたします。
○市東委員 民生児童委員をしております市東と申します。
 3ページの4番で、災害時・緊急時に備えた安全・安心のまちづくりのところで、コラムのほうに入れていただきたいことがあります。私どもも災害時の緊急に対する支援をするための活動もしていますけれども、今、避難所マニュアルが小学校・中学校で策定されており、そこで障害の方たちに対しての場所をちゃんとつくるべきだということも言われていますので、その事項も入れていただければと思っております。いかがでしょうか。
○高橋会長 ありがとうございます。
 避難所では特に知的あるいは発達障害の方々の課題が非常に多くありますので、ぜひ載せていければというふうに思います。ありがとうございました。
 では、越智委員さん。どうぞ。
○越智委員 東京都聴覚障害者連盟の越智です。
 今までは情報保障ですとか、情報バリアフリーについて、意見を申し上げてまいりましたけれども、今後は一歩進みまして、言語としての手話のあり方についても審議していただければと思っています。
 ご存じのように、言語としての言葉というのか、独自の言葉を持っている障害者というのは聴覚障害者だけですね。それにつきまして、単に情報保障というだけで終わるんではなくて、それを言語としての認識を進めるというあり方について、国も手話言語法を今進めているんですけれども、また、それぞれの地域でも手話言語条例が制定されています。都内でも3月に江戸川区、それから7月に荒川区で手話言語条例が制定されました。他の地域でも陳情が採択されたり、いろいろな動きがあります。
 10月から始まりました差別解消条例の中でも、言語としての手話の普及促進というものが入っております。それらも含めて、行政にも、施策にも言語としての手話というものを課題として入れていただければなと思います。
○高橋会長 ありがとうございました。
 こちらにつきましても、既に何度も繰り返し越智委員からも出ておりますので、この後の計画策定について、少し調整もお願いできればというふうに思います。すぐには解決できない部分も確かにあるのではないかというふうに思います。よろしくどうぞお願いいたします。
 川内委員、お願いいたします。
○川内委員 東洋大学の川内です。
 2ページの1番で公共交通の推進ということがあって、2ページの2番が施設や環境、建築が中心の記述があります。
 それで1番の内容が旅客施設等を中心とした地区等における面的・一体的な整備を推進、これはバリアフリー法の中にある基本構想ということを想定されて書かれているんだろうと。
 基本構想というのはスタートしてから結構な時間がたちますけれども、なかなかうまく進んでいない。それは策定数が伸び悩んでいるということが一つなんですけども、それとは別に道路や交通機関を幾らよくしても、その道路や交通機関に沿った建築物がよくならないという、ここの1番と2番の項目が独立してしまって、両者の連携がないというのが一つ大きな問題なんですね。
 ですから、交通機関はちょっと置いておきますが、道路、いわゆる基本的には歩道ですけども、歩道の整備というのは行政主導でやれるわけです。ただ、その歩道に面した建築物というのは私的なものですから、その建築物の建築主がこれに同意しない限り、歩道は幾ら歩けるようにしても、建築物に入れないという状況がある。これが今の基本構想の大きな問題になっているわけですね。
 ですから、少なくとも現実にはどうなるか何とも言えませんが、文言として、あるいは文章をつくる意識の上で、1と2をどうやって連携させて面的な整備を実のあるものにするか。歩道は歩けるけど中に入れないねではなくて、人々は歩道を歩くのが目的ではなくて、歩道沿いの建物に入って買い物するなり目的を達成することが重要なわけですね。ですから、そこのところをちょっと意識を持ちながら、具体的な文言を考えていっていただきたいというふうに思います。
 以上です。
○高橋会長 ご指摘ありがとうございました。
 第3節を設けるというやり方もあるかもしれませんけども、それぞれ相互に記述していくという方法もあるかもしれませんので、ご検討をひとつよろしくお願いしたいと思います。
 市橋委員、お願いいたします。
○市橋委員 川内委員がすごくいいことを言って、僕も地域推進計画がないんじゃないかと言おうと思ったんです。
 そういうところで、なぜというのが、何回もかかわってきて、地域推進計画をつくる考え方が本当に主体的にないと、非常に輪切りになっちゃうというところが、僕が警戒するところです。
○高橋会長 ありがとうございました。
 他にございますでしょうか。どうぞ。
○松井委員 公募委員の松井でございます。
 5番の心のバリアフリーの推進のコラムのところに、もし可能であれば入れていただきたいと思うことがあります。
 もっともっと誰もがというところで、どうしてもこれだけだと年齢層が低い人だったり、近い存在の方がなかなか近いものに感じられないので、せっかくユニバーサルデザイン教育の充実というのが入っているので、その教育のすばらしい実例だったり、あるいは小学生向けのいろんなものを差し出されているので、それに対する反応だったり、そういうところのもっと身近な部分を入れていただけるとうれしいなと思います。ご検討をお願いいたします。
○高橋会長 ありがとうございました。
 それでは、まだいろいろとたくさんあるかと思いますが、ちょっと予定の時間もありますので、なお、また、今日の大きな議題としては二つですけれども、これらについてのご発言を積み残したという方もいらっしゃるかと思いますけども、そちらのほうについては、随時と言っちゃっていいんでしょうかね。適宜、事務局のほうに寄せていただきながら、さらに皆様方の頭の中での整理をしていただければというふうに思いますので、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、時間の関係もありますので、その他のほうに参りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 まず、その他の1点について、私のほうから説明させていただきたいと思いますけれども、これまで福祉のまちづくり推進協議会の中に専門部会を置かせていただきまして、そこで専門的な議論を、集中的な議論を積み重ねてきたという経緯がございます。今期の12期でも専門部会を設置したいということを事務局のほうからお伝え聞いておりますので、皆さんのご了承を得て、その設置をさせていただきたいと思います。
 推進協議会からの委員につきましては、また後程事務局のほうからご連絡がいくかと思います。
 それから、専門部会の代表につきまして、代表と言うんでしょうか、会長と言うんでしょうか、専門部会の会長につきまして、前期に引き続きまして、私のほうで務めさせていただきたいと思いますけれども、そちらのほうはよろしいでしょうか。
(異議なし)
○高橋会長 ありがとうございます。それでは、そのように進めさせていただきたいと思います。
 その他の案件につきましては、池田さんのほうにお願いしたいと思います。
○池田福祉のまちづくり担当課長 事務局の池田です。
 本日はご活発なご議論をありがとうございました。
 事務連絡といたしまして、次の専門部会の日程について、ご報告させていただきます。第1回専門部会につきましては、12月17日月曜日の午後3時から、開催場所は都庁第一本庁舎42階特別会議室B、この会議室のお隣になります、を予定しております。開催通知は後日送付させていただきます。
 また、冒頭申し上げましたとおり、机上に置かせていただきました資料につきまして、冊子類のものにつきましては、そのまま置いていただくようお願いいたします。
 なお、この冊子類につきましては、今期初めて協議会の委員になられた先生方には先日郵送させていただきましたが、継続委員の方でご希望がございましたら、再度お送りさせていただきますので、事務局までご連絡ください。
 事務局からは以上です。
○高橋会長 どうもありがとうございました。
 これで第12期の第1回の推進協議会を終了させていただきたいと思いますけども、特に、この機会にご発言しておきたいという方がいらっしゃいますでしょうか、それぞれ追加で。よろしいでしょうか。皆さん、大丈夫でしょうかね。
 では、時間もちょうど予定の時間になりましたので、これで第1回の福祉のまちづくり推進協議会を終了させていただきたいと思います。
 どうも、今日も本当に活発なご発言をいただきまして、ありがとうございました。感謝申し上げたいと思います。終わりにしたいと思います。お疲れさまでした。
(午後5時00分 閉会)

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