第10期東京都福祉のまちづくり推進協議会 第3回専門部会

更新日

1 日時

平成27年7月6日 月曜日 午後4時30分から6時30分まで

2 開催場所

東京都庁第一本庁舎25階 115会議室

3 会議次第

1 開 会

2 議 事
(1)「心のバリアフリーに向けた取組の強化」及び「様々な障害特性等に配慮したバリアフリーの推進」意見具申(案)について
(2)その他

3 閉 会

4 出席委員

高橋部会長  川内委員   中野委員    今井委員
稲垣委員    堀江委員   二井田委員   伊藤委員
高野委員    市橋委員   越智委員    笹川委員
斉藤委員    永田委員   横矢委員    高橋委員
田村委員    野中委員   塚本委員

5 会議資料

【資料】

第10期東京都福祉のまちづくり推進協議会 第3回専門部会 会議次第(PDF:129KB)

資料1 意見具申(案)(PDF:826KB)

資料2 意見具申 骨子(案)についての修正及び意見(PDF:337KB)

資料3 学校におけるユニバーサルデザイン等に関する取組(PDF:395KB)

資料4 ユニバーサルデザインに関する情報サイトのご案内(PDF:861KB)

【参考資料】

(1) 第10期東京都福祉のまちづくり推進協議会専門部会委員名簿(PDF:324KB)

(2) 東京都福祉のまちづくり推進計画

6 議事録

(午後4時30分 開会)
○森田福祉のまちづくり担当課長 それでは、定刻になりましたので、これより第10期福祉のまちづくり推進協議会、第3回専門部会を開催いたします。私は、事務局を務めます、福祉のまちづくり担当課長森田と申します。よろしくお願いいたします。
 最初に、本日の委員の出欠状況について、ご報告いたします。
 ご欠席の連絡をいただいておりましたのは、中島委員と岡村委員です。また、段原委員につきましても、ご都合がつかないということですが、本日は日本民営鉄道協会から万寿様に出席いただいています。それから、到着が遅れていますのは川内委員、中野委員、稲垣委員、田村委員です。
 続きまして、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。
 まず、本日の次第、その横に座席表をつけています。次第の下、A4の縦、ホチキス留めのもので、資料1、意見具申(案)。こちらは、事前に皆様に送付しているものと同じです。続きまして、A4の横、ホチキス留めのもので、資料2、意見具申骨子(案)についての修正及び意見。前回の第2回専門部会で委員の皆様からいただきました意見や、第2回の専門部会の後に委員の方から意見を踏まえて、骨子の(案)から修正したところを掲載しています。続きまして、A3の横1枚、資料3、学校におけるユニバーサルデザイン等に関する取組です。そして、A4縦、ホチキス留めのもので、資料4、ユニバーサルデザインに関する情報サイトのご案内。続きまして、参考配付資料です。まず、委員の名簿、それから、冊子で、東京都福祉のまちづくり推進計画。会議終了後、回収しますので、よろしくお願いいたします。また、第2回専門部会の議事録と福祉保健局の広報紙の5月分から6月分を、ご参考までに配付しています。揃っていないものがありましたら、事務局のほうにお申しつけください。
 なお、当会議の議事録ですが、東京都のホームページにも掲載され、インターネットを通じて公開されますので、申し添えさせていただきます。
 また、本日は傍聴の方がいらっしゃいますので、お知らせいたします。
 それでは、これ以降の議事の進行につきましては、高橋部会長にお願いしたいと思います。部会長、よろしくお願いいたします。
○高橋部会長 皆さん、こんにちは。東洋大学の高橋です。
 それでは、第10期の第3回専門部会を始めたいと思います。
 きょうの予定では、18時30分までということになっていますので、何とぞご協力をよろしくお願いをしたいと思います。
 議題は2点ほどありますが、主として、これからの意見具申のための「心のバリアフリーに向けた取組の強化」及び「様々な障害特性等に配慮したバリアフリーの推進」意見具申(案)ということになります。
 数カ月前になりますけど、1月の第2回専門部会で皆様からご意見を伺いまして、骨子(案)について、色々と検討をさせていただいたところです。本日は、後ほどまた日程等のご説明がありますけれども、秋口に向けた意見具申への方向性について、皆さんの忌憚のないご意見をいただき内容を詰めていきたいと思いますので、よろしくご協力をお願いしたいと思います。
 それでは、早速議事に入りたいと思いますけれども、最初にこれからの流れを説明していただきたいと思います。
○森田福祉のまちづくり担当課長 それでは、本日の会議次第をご覧ください。会議次第の下に、今後の予定を書いています。まず、こちらのほうから説明をさせていただきます。
 意見具申(案)ですが、本日のご議論で出された意見のほか、21日までを期限として、本日ご欠席の委員も含め皆様からのご意見を集めさせていただこうと思っています。それらを踏まえて、修正いたします。そして、もう一度、専門部会を開催して、修正(案)の確認をしていただき、専門部会として意見具申(案)を決定したいと思っています。その上で、最終的に推進協議会に諮りたいと考えています。
 今後の会議日程ですが、先日、皆様のご予定を確認させていただきました。本来ならば、全員の方にご出席いただきたいところですが、残念ながら、皆様揃うところがありませんでしたので、大変申しわけありませんが、出席者が一番多い日時ということで、第4回専門部会を9月3日午後1時30分から、第2回の推進協議会を10月1日の午後2時から、それぞれ開催いたします。開催の通知につきましては、場所が決まり次第、お送りいたしますが、ご予定に入れていただきたいと思います。今後についての説明は以上になります。
○高橋部会長 ありがとうございました。
 今、ご説明ありましたけども、今お手元の議事次第の一番下に書かれていますが、専門部会につきましては、本日の会議と合わせて2回ということになります。次回につきましては、最終確になりますので、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 このスケジュールにつきましては、よろしいでしょうか。皆様の日程調整をさせていただきましたけども、何人かの方は、欠席ということになるかもしれませんがご容赦いただきたいと思います。ただし、先ほど課長から説明がありましたけども、意見等については、さらにお聞きすることになっていますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 早速ですけども、最初の意見具申(案)についての説明を課長のほうからお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○森田福祉のまちづくり担当課長 それでは、議事に関連する資料を説明いたします。
 進め方ですが、議事の(1)の意見具申につきましては、資料1から資料3までのところで、まず資料の説明のみ行います。その後、議論については、情報バリアフリー、心のバリアフリー、二つに分けて集中して行っていただければと思います。まず資料3までのところについて、説明させていただきます。
 お手元、今、資料1の意見具申(案)ですが、委員の皆様にも事前に送っています。ボリュームもありますので、全て説明すると時間もなくなってしまいますので、資料のほうは簡単な説明にとどめさせていただきます。また、資料2になりますが、横判の資料で、骨子(案)についての修正及び意見というもので、前回ご議論いただいた意見を、資料1の意見具申(案)のどこに反映しているのかを一覧にしています。ですので、資料2を見ながら、資料1を少し参照しながら説明をさせていただきます。
 皆様、資料2を最初にご覧ください。資料2の1ページの最初の項目ですが、片仮名語について指摘をいただきました。ここについては全般的に調整をし、言いかえができないものについては、注釈をつける、あるいは説明を加えるということで対応しています。
 それから、次の項目から資料1の意見具申(案)を同時に開いてください、意見具申骨子のときには、この1ページの「はじめに」とか、あと2ページにあります「心のバリアフリーに向けた取組の強化」の1番の、「心のバリアフリーの推進のために」という、前書きはつけていなかったんですが、前回の議論を踏まえまして、前書きをつけています。
 この前書きの資料1の2ページ、3ページで、いろいろ書いていますが、これに関連する意見が、資料2の2段目以降に意見をいただいています。まず、タイトルを変えてもらいたいということで、思いやりの心を醸成するということが目的ではなく、平等・対等な社会参加を実現することが目的にならないといけないという意見をいただきました。3段目では、障害者権利条約とか障害者差別解消法に関連していろいろ意見が出ています。権利条約や差別解消法の立場と、思いやりの心を醸成して社会参加をサポートするという立場とは違うのではないかということとか、それから、権利条約を批准したということで、人々の権利を保障することにより、心のバリアフリーが実現するということを明記すべきだとか、権利条約を批准した時点で、日本は障害者の社会参加の考え方を変えたんだというメッセージを最初に述べるべきだという意見をいただきました。
 2ページになります。思いやり教育ではなくて、障害者が社会参加できる教育、人権教育とか、年齢に応じた教育とか、あとは障害者に対する理解教育だけではなくて、さまざまな意識の問題、対応や技術の問題を述べなきゃいけないというご意見。それから、人権の侵害に当たる行為というものを子供たちにしっかり知ってもらうことが大切であるということ。それから、法的に人権が認められるだけではなくて、理念とか精神を自分の問題として考えて、全ての人が適切なアクションを行うことができるようにする。
 3ページ、「心のバリアフリー」は何を目指す行動であるのか、具体的な行動として捉えたほうがいいということで、さまざまな人が存在していることを知るとか、心を知るとか、日常的にバリアを感じさせられている人がいるということで、人権侵害に相当するものもあり、知らず知らずのうちに、バリアをつくり出している可能性があると。合理的配慮の重要性を知るとか、全ての人が意識を変えて、社会制度を変革していく必要があると。バリアを軽減するための具体的な方法や技術を実践できるようにするというご意見です。それから、意見具申(案)3ページに関連しますが、見えない障害に対して、どうしていいかわからないというのが大きな問題であると。それから、一方通行的な支援ではだめだということで、双方向性ですね。あと、障害者が障害者をお互いに支えていくということも大事といった意見がでております。
 それを踏まえまして、資料1の2ページと3ページのところの前書きとして、資料1の2ページ二つ目の丸のところで、障害者の権利条約と差別解消法、それから社会参加は権利であると。平等に社会参加できないことは差別とされたと。それから、次のところで合理的配慮の話ですとか、また、その次のところでは、こうしたことを知らないと無意識のうちにバリアをつくり出し、人権を侵害している可能性があると。そうしたことを避けるためには、全ての人が意識を変えて、多様性を理解して、具体的な方法・技術に関する知識を正しく習得することが重要だと。
 地域によっては、いろんな取組があるけれど、まだまだ一部の地域にとどまっているということを受けまして、資料13ページ正しい知識や技術を身につけるだけではなくて、それをまちなかで実践することが大事だというのを一つ目の丸に書いています。それから、最後の丸のところで、自然に声をかけ合い、助け合い、支え合えるということで、お互いに支え合うというところを主に意識をして出していきます。
 資料1の意見具申(案)の4ページからは、この前、データとしてはお示ししていますが、現在の状況を少し説明しています。意識調査をまとめていまして、6ページからが現在までの都の主な施策ということで、普及啓発、区市町村のユニバーサルデザイン教育への推進の支援、それから、8ページに国の主な施策・動向を書きまして、9ページで今後に向けた方向性を書いています。
 資料2の4ページで、幾つかいただいていますのが、1の提言のところで、1番上が子供へのユニバーサルデザイン教育の波及になりますが、小学生の教育から、人権教育の多様性を適切に教えるようにしていく必要があると。それから、小学校、中学校、高校における学校教育でやっていく必要があると。それから、障害当事者の意見を聞きながら進めるということも盛り込んでほしいといご意見をいただいています。
 これらを踏まえて、資料1の9ページ、提言の二つ目のところです。学年に応じた内容とする、の後に、障害当事者等の意見を聞きながら策定するということと、あと差別に対する意識を高めること、身近で触れ合うことを通じて相手を尊重しながら接することの大切さなども盛り込んで、人権教育や道徳教育等も踏まえつつ、内容を充実させていくことが重要ということを記載しています。
 あとの流れについては、以前お示ししたのと大体同じで、ユニバーサルデザイン教育については、学校行事の取組は、現状の二つ目のところの丸に書いていますが、まだまだ少ない。ただ、独自にやっている事例もありますという紹介をさせていただいていますが、これを今後もっと広げていくという必要があるのではないかという書き方になっています。
 10ページにつきまして、ユニバーサルデザインワークショップについても、実施しているところでは住民と一緒にまち歩きをしたり、そういった取組が広がっているところですが、これをさらに広げていく必要があるというところです。
 それから、「福祉のまちづくりサポーター」の養成についても、3番ですね、これも同じです。
 11ページのほうに、今、取り組んでいる区市の数が書いていますが、これについても、積極的に今後展開していく必要があるというところです。
 それから、4の接遇向上の研修についても、事業者の中で独自に取り組んでいるところがあるというところで、ただ、例えば商店街ですとか中小事業者に対しましては、区市町村が関与している例があるのですが、まだまだ少ない状況で、これも同様に広げていく必要があるというところです。
 12ページの施設・設備の適正利用について、意見を少しいただいています。資料2の4ページで、下から2段目になりますが、ヘルプマークについて、積極的に支援する啓発をしていくということで、意見具申の提言の一つ目のところでヘルプマークの普及とか、普及啓発に一層取り組んでいく必要があるというような文言を追加しています。
 それから、資料2の最後のところ、障害当事者の参加について、お互いを知る機会が必要というご意見がありましたので、意見具申の至るところで、障害者も参加して、というところを書いています。
 心のバリアフリーで出てきた意見具申については以上になります。前回、心のバリアフリーの議論をさせていただいているときに、学校における取組について情報提供をしてほしいというお話をいただいていましたので、本日、教育庁の方に出席をしていただいています。こちらの意見具申から少し離れた内容になりますが、資料3で、教育庁が今実施している学校に関しての取組についてまとめていますので、説明をさせていただければと思います。
○増渕指導企画課長 教育庁指導部指導企画課長の増渕と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 お手元の資料3、A3判になりますが、学校におけるユニバーサルデザイン等に関する取組ということで、少しお時間をいただいて、説明をさせていただければと思います。
 今もユニバーサルデザイン教育ということでお話がありました。ユニバーサルデザイン教育という用語が適切かどうかはわかりませんが、ユニバーサルデザインに関して理解を深めたり、それを実践に移そうとする態度を育成したり、そういった教育を様々な形で展開をしています。
 資料を御覧ください。まず、学習指導要領の記述というのがございます。学習指導要領というのは、学校教育法や学校教育法施行規則に基づいて、文部科学大臣が公示する教育課程の基準です。全ての学校は、この学習指導要領に基づいて教育課程を編成するものと定められています。この学習指導要領には、それぞれの教科の目標、内容、内容の取り扱いなどが示されています。ここに示されていることについては、全ての学校が必ずやるということになっています。
資料3にユニバーサルデザインに関係する学習指導要領の記述を抜粋してあります。
 小学校では、総則に、「小学校間、幼稚園や保育所、中学校及び特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに、障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などとの交流の機会を設けること」という記載がございます。見ていただくと、その下、中学校のところ、それから右側、高等学校のところですが、小学校、中学校、高等学校、ほとんど同じように示されています。
 さらには、例えば小学校のところ、(生活)とあります。これは生活科という教科で、小学校の1年生と2年生が行います。この生活科のところでも、「身近な幼児や高齢者、障害のある児童生徒などの多様な人々と触れ合うことができるようにする」、こういった記述がございます。
 時間もありませんので、あとは見ていただければと思いますが、様々な教科、それから(特別活動)というのがあります。この(特別活動)というのは、週1回の学級活動の時間ですとか、文化祭や体育祭などの学校行事、生徒会活動や児童会活動、これらを特別活動といいますが、こうした特別活動について、学習指導要領には、高齢者や障害のある方と触れ合うように、といったことが示されています。
 このほかにも、保健体育、家庭科、情報について、学習指導要領に具体的な記述があります。
 本日、教科書を少しお持ちしました。付箋がついてあるところに、ユニバーサルデザインに関する記述がありますので、参考までということで御覧いただければいいかなと思います。
 小学校で言うと、生活科にもありますし、それから、例えば国語の第4学年の単元で、具体的にこのユニバーサルデザインを取り扱った教材、中学校では美術の教科書の中に、日用品や公共施設での工夫などが写真入りで掲載されています。それから、保健体育には、オリンピックとともにパラリンピックについての解説があり、技術家庭の中には、バリアフリー住宅、ユニバーサルデザインの製品などについての記述がございます。
 教科書に書かれていても、指導する教員がきちんと指導しなければ、子供たちは理解できませんので、資料の下の2のところで人権尊重教育推進校の取組例として、少し御紹介をさせていただきました。
 東京都教育委員会では、都内の全ての公立学校のうち50校程度を人権尊重教育推進校として指定し、人権教育について実践を通して研究をしてもらっています。小学校の事例では、生活科での取組として高齢者や障害者の方々と交流を通しながら理解を深めています。都立高等学校では、「奉仕」という教科を全ての学校で行っています。この授業で行う奉仕体験活動の中で、高齢者施設の訪問や、障害のある方を学校に招いての手話の学習などを通して、人々を思いやる心を育成するとともに、ユニバーサルデザインやバリアフリーの社会の実現に向けてどう行動すべきなのかを考えさせています。
 大まかにまとめると、小学校の段階では、特に交流したり体験したりということを通して、バリアフリーやユニバーサルデザインに気づいていく、そして様々な人たちとの交流を通して、実感をもって理解できるようにしていく。それから、中学校では、こういった体験を積み重ねながらも、社会科ですとか家庭科、そういった授業等を通して、その知識をどうやって社会に生かしていくのかを考える取組をしていく。さらには、高等学校に行けば、そういった今までの学習を踏まえて、一体課題は何なのか、その課題解決に向けて、自分たちはどういうふうに取り組んでいけばいいのかを考えさせます。このように発達段階に応じて、こういった指導が行われているという状況です。
 ただ、こういうふうにお話しすると、全ての学校でうまくいっているかのように聞こえるかもしれませんが、先ほど御指摘にもありましたように、これは学校によっても温度差があります。そこで、この人権尊重教育推進校の取組を全体に普及するために研修会を行ったり、右側に「人権教育プログラム」の実践とあるように、東京都教育委員会では、「人権教育プログラム」という冊子を毎年を全ての教員に配布をしています。この中で、人権課題として、障害者ですとか高齢者、その他「東京都の人権施策推進指針」に示されている人権課題について、具体的に授業の場面でどういうふうに取り組んでいけばいいのかという、ガイドになるような、そういった指導資料を作成して、配布しているところです。
 様々、全力で取り組んでいますが、まだまだ至らないところがございますので、ぜひ、いろいろご意見をいただきながら、より一層指導を充実していきたいと考えています。
 簡単ですが、以上です。
○森田福祉のまちづくり担当課長 それでは、説明に戻らせていただきます。
 以上が、心のバリアフリーに関する意見具申に関してのご説明になります。
 それから、情報バリアフリーについても、続けさせていただきます。
 資料2の横判の資料の5ページをご覧いただければと思いますが、こちらもまず1点目は片仮名語について、これは心のバリアフリーでいただいた意見と同様でございます。
 続きまして、情報バリアフリーの理念をまとめるべきだと意見をいただいています。まちにある情報というのは、一部の人にしか使えない情報になっているということをまず明確にするべきだと。
 それから、「パソコンとかスマートフォンとかインターネットにアクセスして」といった記載があるけれども、アクセスできない高齢者とか障害者も多くいるはずなので、そういう人に対する配慮が全体的に欠けているのではないかという指摘がありました。
 それから、音声情報対応では、画一化されて複数の音声がまじり合ってしまって、トータルの音の環境が使えない状態になっていることがある、といったご意見をいただいています。
 これを踏まえまして、意見具申のほうにつきまして、資料113ページからが情報バリアフリーの充実になっています。前回、骨子で示した際、この13ページ、情報バリアフリーの前書きはなかったものですが、ご意見を踏まえて入れています。
 2点目の丸で、まちなかの情報の多くは、健常者を想定して提供されていることから、高齢者や障害者にとっては、入手が難しいこともあるとか、それから、3点目で、情報バリアフリーとは、全ての人が必要な情報を適時、かつ、適切に入手できる状態のことであると。相手方の特性等を踏まえて、その人に合った手段・方法で情報を伝えることが重要だと。それから、その二つ下、下から2番目の丸になりますが、ICTに関して、障害特性によっては、機器の使用が困難な場合もあるとか、あと、それから、こういった技術とか機器を導入した場合であっても、必要とする人に確実に情報が届くように、機器だけに頼らずに、工夫して提供することが重要だというふうに書いています。
 それから、また資料2に戻って恐縮ですが、5ページの一番下のところですが、障害の分け方に関しまして、言語障害プラス記憶障害など、単純に分けられないこともありますよと、そういったご指摘をいただいています。
 それから、6ページにですが、取組を進めるには、当事者団体の意見を必ず聞いてほしい。活用すべきといった意見をいただいています。
 それから、情報保障の捉え方として、人的支援を含めて考えてもらいたい。人の配慮が必要といったご意見もいただいています。
 これを踏まえまして、意見具申(案)の14ページの上のところに、これも前回なかったのですが、丸二つを加えて、1点目の丸については、障害の程度は個人によって差があるほか、複数の障害があるということもあるので、以下でいろいろな例示を出していますが、これは障害特性ごとに画一的に対応すればいいというわけではない、と記載しています。
 二つ目の丸ところで、当事者の意見を聞いて、その人に合った方法となるように、さまざまな媒体・手段を駆使した取組を検討することが求められるということを加えています。
 それから、資料2にまた戻って恐縮ですが、6ページの後半からになりますが、障害特性の用語の精査の話、それから、あと聴覚障害のところで、「聞こえ方が多様」という書き方をしていたんですけども、「コミュニケーション能力が多様」という書き方にしてほしいというご意見をいただいています。
 それから、7ページ、言語障害とか発音障害も情報障害と位置づけて、対応を提起すべきだと。
 それから、自閉的傾向のある人は、具体的な状況説明とか安心感の持てる情報が必要ですと。

 それから、外国人についても、「やさしい日本語」という記述があってもいいのではないかと。
 これを受けまして、意見具申(案)の14ページからの障害特性と必要なの配慮の例ところなんですが、15ページの一番上丸、聴覚障害のところ、人によってコミュニケーション方法は多様である。それから、上から五つ目の丸で発語が円滑にできないため、意思や気持ちを口頭で伝えられない、又は、口頭で伝えるには時間を要することに配慮が必要であるということを書いています。
 それから、あと(3)の必要な配慮の一つ目になりますが、自閉症とか発達障害に関しまして、予期しない出来事に対して敏感なので、具体的に、ゆっくり、わかりやすく状況を説明することが必要だと。
 それから、あと、外国人のところにつきましては、17ページになりますけれども、必要な配慮の2点目のところで、わかりやすい日本語を使うことも有効であるというふうに書いています。
 それから、18ページからは、特にご意見が出ていないので、簡単にご紹介していきますが、現在までの都の主な施策を書かせていただきまして、21ページに、国の主な施策・動向を入れています。
 22ページからが、今後に向けた方向性になっていまして、1番は情報アクセシビリティの確保ということで、ホームページ、印刷物、案内板等について記載をしています。
 次の23ページの2、地域のバリアフリーマップの都内全域への波及については、これも今41区市町村が作成していますが、これを今後広げていく必要があるかと。
 それから、3「情報を効率的に収集できるインターネット環境の整備」ということで、いろんなところにインターネットの情報も分散していると。こういったものを一元化するものが必要ではないかというような流れになっています。
 それから、24ページの4「施設における多様な情報伝達手段の整備促進」については、いろいろ意見を前回いただいたところです。
 資料2に戻って恐縮ですが、7ページの下の二つについて、まずICT機器の整備について、「インターネットを活用した動画通信技術が進んでいるが、活用はまだまだの状態である」などの表現を入れてほしいとのご意見がありました。
 次、情報を受け取る人にきちんと届かないと意味がないと。人の支援とか、人と人とのかかわりが重要であると。
 それから、ユビキタスについては、使いこなせなかったということで、使いこなせない人もいるということをちゃんと覚えていてほしい。
 それから、高齢者もそうですけども、障害者でも、そういった機器に対応できる人もいれば、できない人もいると。
 こういったことを踏まえまして、24ページの意見具申になりますけれど、まず、現状の二つ目の丸で、ICT機器が続々と開発されているけれども、各施設における情報伝達手段の整備は施設管理者の判断に委ねられて、整備が十分進んでいないと。
 それから、次の丸で、情報機器等のハード面の充実だけではなくて、職員等が適切に対応することも重要だと。
 それから、次の丸でも、コミュニケーション支援ボード、筆談器、磁気ループは有効であるけれども、十分に普及が進んでいないと。そればかりか、設置されていても職員が使用方法を知らないこともあるということを書いています。
 それを踏まえて、次の25ページ、提言のところでは、こういった整備を積極的に働きかけていく必要があとか、あとは職員が適切に対応できるための方策をとる必要があるというところです。
 次、5の案内サイトの充実についてです。
 それから、26ページの6は、ベントや会議等における情報保障の充実。
 こちらについては意見をいただいておりまして、資料2の8ページ、手話通訳のところで意見をいただいています。見やすい配置や照明の調整が必要というご意見をいただきまして、26ページのところで、情報保障の充実の提言の二つ目になります。手話通訳を準備する場合に、司会や発表者と通訳者が同時に見えるような配置を工夫し、照明を調整する必要があると。
 それから、あと、災害時の情報提供体制ついても幾つか意見をいただいています。
 まず、災害時の情報については、事前と発生時に分けたほうがいいということとか、ヘルプカードも、普及だけでなく、工夫という言葉も入れたほうがいいというご意見をいただいていまして、意見具申(案)26ページ、提言一つ目で、避難経路、避難場所等について、日ごろから周知を図るということが重要として、27ページの一番上で、要配慮者に対する避難所の情報提供について、平時からの備えも大事だということで、障害特性等に応じた情報伝達手段の整備ですとか、外国人にもわかりやすい表現の準備を計画的に推進していくことが重要と記載しています。
 それから、ヘルプカードについては、一番下のところで、さらなる普及に向けた周知や工夫等が必要であるとしています。
 それから、権利条約等については、いろいろなご意見をいただいていますが、一番冒頭のところで言葉では出てきていますが、法令や条約などをまとめた参考資料の中でも書いています。
 29ページから、まず、福祉のまちづくり条例から始めていますが、31ページに障害者の権利に関する条約と差別解消法について、関連するところを抜粋しています。
 こういった形で、意見具申(案)を現在のところまとめていますが、本日、いろいろご意見をいただければ、それも修正をしていきたいと思いますので、ご議論いただきますようよろしくお願いしたいと思います。
 説明は駆け足で申しわけないですけども、以上です。
○森田福祉のまちづくり担当課長 それでは、説明に戻らせていただきます。
 以上が、心のバリアフリーに関する意見具申に関してのご説明になります。
 それから、情報バリアフリーについても、続けさせていただきます。
 資料2の横判の資料の5ページをご覧いただければと思いますが、こちらもまず1点目は片仮名語について、これは心のバリアフリーでいただいた意見と同様でございます。
 続きまして、情報バリアフリーの理念をまとめるべきだと意見をいただいています。まちにある情報というのは、一部の人にしか使えない情報になっているということをまず明確にするべきだと。
 それから、「パソコンとかスマートフォンとかインターネットにアクセスして」といった記載があるけれども、アクセスできない高齢者とか障害者も多くいるはずなので、そういう人に対する配慮が全体的に欠けているのではないかという指摘がありました。
 それから、音声情報対応では、画一化されて複数の音声がまじり合ってしまって、トータルの音の環境が使えない状態になっていることがある、といったご意見をいただいています。
 これを踏まえまして、意見具申のほうにつきまして、資料113ページからが情報バリアフリーの充実になっています。前回、骨子で示した際、この13ページ、情報バリアフリーの前書きはなかったものですが、ご意見を踏まえて入れています。
 2点目の丸で、まちなかの情報の多くは、健常者を想定して提供されていることから、高齢者や障害者にとっては、入手が難しいこともあるとか、それから、3点目で、情報バリアフリーとは、全ての人が必要な情報を適時、かつ、適切に入手できる状態のことであると。相手方の特性等を踏まえて、その人に合った手段・方法で情報を伝えることが重要だと。それから、その二つ下、下から2番目の丸になりますが、ICTに関して、障害特性によっては、機器の使用が困難な場合もあるとか、あと、それから、こういった技術とか機器を導入した場合であっても、必要とする人に確実に情報が届くように、機器だけに頼らずに、工夫して提供することが重要だというふうに書いています。
 それから、また資料2に戻って恐縮ですが、5ページの一番下のところですが、障害の分け方に関しまして、言語障害プラス記憶障害など、単純に分けられないこともありますよと、そういったご指摘をいただいています。
 それから、6ページにですが、取組を進めるには、当事者団体の意見を必ず聞いてほしい。活用すべきといった意見をいただいています。
 それから、情報保障の捉え方として、人的支援を含めて考えてもらいたい。人の配慮が必要といったご意見もいただいています。
 これを踏まえまして、意見具申(案)の14ページの上のところに、これも前回なかったのですが、丸二つを加えて、1点目の丸については、障害の程度は個人によって差があるほか、複数の障害があるということもあるので、以下でいろいろな例示を出していますが、これは障害特性ごとに画一的に対応すればいいというわけではない、と記載しています。
 二つ目の丸ところで、当事者の意見を聞いて、その人に合った方法となるように、さまざまな媒体・手段を駆使した取組を検討することが求められるということを加えています。
 それから、資料2にまた戻って恐縮ですが、6ページの後半からになりますが、障害特性の用語の精査の話、それから、あと聴覚障害のところで、「聞こえ方が多様」という書き方をしていたんですけども、「コミュニケーション能力が多様」という書き方にしてほしいというご意見をいただいています。
 それから、7ページ、言語障害とか発音障害も情報障害と位置づけて、対応を提起すべきだと。
 それから、自閉的傾向のある人は、具体的な状況説明とか安心感の持てる情報が必要ですと。
 それから、外国人についても、「やさしい日本語」という記述があってもいいのではないかと。
 これを受けまして、意見具申(案)の14ページからの障害特性と必要なの配慮の例ところなんですが、15ページの一番上丸、聴覚障害のところ、人によってコミュニケーション方法は多様である。それから、上から五つ目の丸で発語が円滑にできないため、意思や気持ちを口頭で伝えられない、又は、口頭で伝えるには時間を要することに配慮が必要であるということを書いています。
 それから、あと(3)の必要な配慮の一つ目になりますが、自閉症とか発達障害に関しまして、予期しない出来事に対して敏感なので、具体的に、ゆっくり、わかりやすく状況を説明することが必要だと。
 それから、あと、外国人のところにつきましては、17ページになりますけれども、必要な配慮の2点目のところで、わかりやすい日本語を使うことも有効であるというふうに書いています。
 それから、18ページからは、特にご意見が出ていないので、簡単にご紹介していきますが、現在までの都の主な施策を書かせていただきまして、21ページに、国の主な施策・動向を入れています。
 22ページからが、今後に向けた方向性になっていまして、1番は情報アクセシビリティの確保ということで、ホームページ、印刷物、案内板等について記載をしています。
 次の23ページの2、地域のバリアフリーマップの都内全域への波及については、これも今41区市町村が作成していますが、これを今後広げていく必要があるかと。
 それから、3「情報を効率的に収集できるインターネット環境の整備」ということで、いろんなところにインターネットの情報も分散していると。こういったものを一元化するものが必要ではないかというような流れになっています。
 それから、24ページの4「施設における多様な情報伝達手段の整備促進」については、いろいろ意見を前回いただいたところです。
 資料2に戻って恐縮ですが、7ページの下の二つについて、まずICT機器の整備について、「インターネットを活用した動画通信技術が進んでいるが、活用はまだまだの状態である」などの表現を入れてほしいとのご意見がありました。
 次、情報を受け取る人にきちんと届かないと意味がないと。人の支援とか、人と人とのかかわりが重要であると。
 それから、ユビキタスについては、使いこなせなかったということで、使いこなせない人もいるということをちゃんと覚えていてほしい。
 それから、高齢者もそうですけども、障害者でも、そういった機器に対応できる人もいれば、できない人もいると。
 こういったことを踏まえまして、24ページの意見具申になりますけれど、まず、現状の二つ目の丸で、ICT機器が続々と開発されているけれども、各施設における情報伝達手段の整備は施設管理者の判断に委ねられて、整備が十分進んでいないと。
 それから、次の丸で、情報機器等のハード面の充実だけではなくて、職員等が適切に対応することも重要だと。
 それから、次の丸でも、コミュニケーション支援ボード、筆談器、磁気ループは有効ではあるけれども、十分に普及が進んでいないと。そればかりか、設置されていても職員が使用方法を知らないこともあるということを書いています。
 それを踏まえて、次の25ページ、提言のところでは、こういった整備を積極的に働きかけていく必要があとか、あとは職員が適切に対応できるための方策をとる必要があるというところです。
 次、5の案内サイトの充実についてです。
 それから、26ページの6は、ベントや会議等における情報保障の充実。
 こちらについては意見をいただいておりまして、資料2の8ページ、手話通訳のところで意見をいただいています。見やすい配置や照明の調整が必要というご意見をいただきまして、26ページのところで、情報保障の充実の提言の二つ目になります。手話通訳を準備する場合に、司会や発表者と通訳者が同時に見えるような配置を工夫し、照明を調整する必要があると。
 それから、あと、災害時の情報提供体制ついても幾つか意見をいただいています。
 まず、災害時の情報については、事前と発生時に分けたほうがいいということとか、ヘルプカードも、普及だけでなく、工夫という言葉も入れたほうがいいというご意見をいただいていまして、意見具申(案)26ページ、提言一つ目で、避難経路、避難場所等について、日ごろから周知を図るということが重要として、27ページの一番上で、要配慮者に対する避難所の情報提供について、平時からの備えも大事だということで、障害特性等に応じた情報伝達手段の整備ですとか、外国人にもわかりやすい表現の準備を計画的に推進していくことが重要と記載しています。
 それから、ヘルプカードについては、一番下のところで、さらなる普及に向けた周知や工夫等が必要であるとしています。
 それから、権利条約等については、いろいろなご意見をいただいていますが、一番冒頭のところで言葉では出てきていますが、法令や条約などをまとめた参考資料の中でも書いています。
 29ページから、まず、福祉のまちづくり条例から始めていますが、31ページに障害者の権利に関する条約と差別解消法について、関連するところを抜粋しています。
 こういった形で、意見具申(案)を現在のところまとめていますが、本日、いろいろご意見をいただければ、それも修正をしていきたいと思いますので、ご議論いただきますようよろしくお願いしたいと思います。
 説明は駆け足で申しわけないですけども、以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。
 それでは、資料1、それから意見の対照表になっていますけども、資料2、あわせて、これから皆様方のご意見をお伺いしたいと思いますが、事前に配付はしているとはいえ、完全に読みこなしている人も少ないかもしれませんが、お気づきの点があれば、ご遠慮なくご発言いただきたいと思います。先ほど最初に申し上げましたが、今日具体的なご意見を伺って、さらに追加の意見は21日までにいただき、その後、9月の第4回専門部会においてほぼ確認作業という進め方になりますので、この点をご配慮いただきながらご意見を寄せていただければと思います。
 ただ、ページ数もそれぞれ多いので、ひとまず第1章の部分ですね、ページでいきますと資料112ページまでです。この中に、資料3でご説明をいただきました、学校におけるユニバーサルデザイン等に関する取組も少し絡んでくるところがあります。6ページ、資料3についてのご発言、ご意見、あるいはご提案ですね、最初の段階でひとまずいただきたいと思います。もちろん、後半のところも、学校絡みのところもあるんですが、とりあえず最初の段階で集中的にいただければと思います。よろしくどうぞお願いします。
○中野委員 慶応大学の中野です。
 学校におけるユニバーサルデザインのお話をいただきましたので、その点について、確認をさせていただきたいことがございます。
 今、インクルーシブ教育というふうに国全体がかじ取りをして、差別解消法に基づいてさまざまな制度の改革というのが行われていると思いますすが、先ほど説明していただいた中で、学習指導要領の内容については今後変わっていくというふうに認識していますが、これを実現するためには、現職の教員に対する研修等というのがどう行われるかというのが、非常に重要な事柄の一つになるかなというふうに思っています。障害のある子供たちが、どんどん通常の学校に入ってくるというふうになると、教員養成の段階で、障害のある子供たちに対する教育を受けていない先生方に対して、障害児に対する対応だとか、この差別の問題をどう考えるかということが検討されているかと思うんですが、その現状というのと、それから、そのことについて、ここに記載する必要性があるかどうかということについて、ご意見をいただければと思います。よろしくお願いします。
○高橋部会長 よろしくお願いいたします。
○増渕指導企画課長 教員の研修についてのお尋ねですが、学習指導要領が変わって、新たな課題という側面もあろうかと思いますが、このユニバーサルデザインですとか、障害者や高齢者に差別のない平等な社会というのは、これは今までも同様に大きな課題でした。
 私ども、先ほど人権教育プログラムのお話をさせていただきましたが、毎年、校長、副校長、それから教員対象に研修を行い、人権の研修を行っています。そういった中で、仮に教員養成段階でそういった指導を受けていなかったとしても、その後で、そういう研修を通して、教員の指導の改善を図っています。
 それから、先ほど一部お回ししたかと思いますが、そういう人権教育プログラムは、学校の校内研修でも使えるようにしているので、校内研修を確実にやってもらった上でという、そういった取組は既に行っていますが、そういった意味で言うと、引き続きという形で取り組んでいくべき内容なのかなとは思っています。
○中野委員 まちづくりのほうで、そのことをここに記載しておく必要がないかどうかということについて、お考えを教えていただければと思います。
○森田福祉のまちづくり担当課長 正直、そこまで考えていなかったんですが、我々としても、教育の部署というよりは、福祉のまちづくりの関係のところで、区市町村とは接点を持っていまして、意見具申(案)で書いている「ユニバーサルデザイン教育の学習の支援」につきましては、上のほうでも載っていた補助金を利用し、促進剤になるといいますか、そういったことで、区市町村において、やっているところは、主体的に各学校、取組を広げていこうという形で、区市町村ごとに、そういった取組をし始めているところが出てきているというのは実際あります。それを全区市町村に広げられるといいかなという視点で書いています。そこで、学校単位や教員のところまでを、どこまで書いていくべきかというのは、正直そこまでの意識はなく、独自にそういうのをやっている例があるという紹介に今とどめているという状況ですので、これからご意見を調整させていただきたいとは思います。
○中野委員 せっかく、今のご説明で、もう既に取り組んでおられるということであれば、子供たちへの教育の前に、まず教員に対する研修をしっかりと行っているということを書き込んでいただいて、それをさらに広げていくということを書いておいていただくと、より教育に対する意識というのも高まるのではないかなというふうに思いましたので、ご検討いただければと思います。
 ありがとうございました。
○森田福祉のまちづくり担当課長 わかりました。そういう趣旨でということでしたら、調整させていただきまして、文言のほうもあると思いますので、よろしくお願いします。
○高橋部会長 ほかにありますか。
○笹川委員 私ども、教育委員会が学校教育の課程でどう取り組むかということが、ちょっと余りはっきりしていなかったんですが、先ほどの課長さんのご報告でよくわかりましたが、今後、都内の学校で実施される心のバリアのための取組、できれば年度ごとにどれぐらいの学校が取り組んでいるかということを示していただければ大変ありがたいと思います。
 今回の資料を見ましても、例えばこれは学校教育ではありませんが、サポーターの養成・研修というのがあります。これを見ますと、せいぜい4区ぐらいしかやっていないんですね、都内で。それぐらいに地域の格差というのは大きいわけで、やっぱりやるからには、各自治体がしっかり取り組むような方向でないと、一部がやっているということでは、これはもう全然話にならないと思います。ですから、今後、できる限り年度ごとの結果をはっきり出していただきたいと思います。以上は要望です。
○高橋部会長 ありがとうございました。

○森田福祉のまちづくり担当課長 要望をいただきまして、ありがとうございます。
 今のご要望に関連して、例えばユニバーサルデザイン教育についても、この中の記載では9ページになりますが、26年度は4区となっていますけれども、実はこれは「地域福祉推進区市町村包括補助事業」を活用した案件の件数になっています。これに関連して、どれぐらい区市町村においてこういったものを実施しているのかというのを調査したんですが、こういう補助金を使わなくても、独自に実施している例は中には当然ですけれどもあります。これは福祉のまちづくり部署を通じて、教育部署とかに調査をしていますが、中には、調査がなかなか浸透しない、しかるべきところがちゃんと回答していないとかで、全体を把握するのが難しい状況ではあります。ただ、ここに出している数字につきましては、補助金を使っているという明確な数字ではありますが、実際には、独自の例というのがかなりありまして、そういったところも含めて、我々としても、全体をどうやって把握していくのかとか、課題であると思っています。
 少なくとも学校単位で、例えば何々学校がやっているとかという単位まで把握するのは、かなり難しいかなとは思いますが、今、例がありました例えばまちづくりサポーターとか、どこの区で実施しているのかとか、そういった情報ぐらいは掴んででいきたいと思っていますので、調査の仕方ですとか、区市町村の担当者の意識のさせ方とかは工夫していかないといけないと思っているところです。
○高橋部会長 よろしいでしょうか。増渕さんにお尋ねしたいんですけども、今のことと関連して、学習指導要領の中では、当然やらなきゃいけないということですね。大なり小なり、それぞれの学校でやる。学年は4年生が中心になるかと思いますけど。今のUD教育、名称はともかくとして、バリアフリーですとか、あるいは福祉教育ですとかといったようなことで、これは文科省のほうには、毎年度、区市町村の単位あるいは都道府県単位で事業報告のような形では、やってはいないんですか。。
○増渕指導企画課長 そういう文科省への実施の報告というのは、特にはしていません。ただ、先ほど申し上げましたように、指導要領に基づいて、それから教科書を使っての指導というのは、これは学校として当然やるべきことですので、前年度中に、年間の指導計画を立てる際に、それぞれの教育委員会で、きちっと指導の計画が立てられているか、そういったことは、確認はいたします。
○高橋部会長 先ほどの補助事業に該当しなくても結構主体的にやっているとか、ほかの事業を使いながら実施されているところも、都内には多分たくさんあるんだろうというふうに思います。
 ほかにご発言等、ご意見等ありますでしょうか。
○今井委員 今井です。少しこの資料のわかりやすさを向上させたいと思いますので1点。
 1ページ目にバリアフリーというところが米マーク2であるんですけど、そこに社会的障壁(バリア)というふうに書かれているんですが、社会的障壁という言葉もバリアという言葉も、余り一般の人にはなじみがない言葉だと思いますので、こういう、なじみのない言葉を二つ、つなげるよりもバリアという言葉をこの中で定義してしまい、それを、バリアという言葉を使い続けてはどうかと思います。バリアというものは、ここに書かれている内容を見ると何となくはわかるんですが、具体的にどういうものがあるのか、どういうものをバリアというんだと、具体的にイメージできるような形で、一度、中で定義したほうがいいのではないかと思います。この中にかなりバリアという言葉が出てきていますので。
 あとは、具体的に説明をしていったほうが、全体的にはわかりやすいと思うので、情報のバリアフリーのところでも、ウェブアクセシビリティーであるとか、現時点でも、方法論がしっかり確立しているものについてはそういう語句を使って説明をしていくと、よりわかりやすくなると思います。
○川内委員 東洋大学の川内です。
 今の追加で、社会的障壁(バリア)のバリアというのは、社会的障壁なのか、障壁部分だけなのか。つまり言いかえると、社会的バリアというふうに言いかえられるものなのか、社会的障壁を全部含めてバリアと呼んでいるのか、ちょっと違うと思うんですよね。ですから、明らかにされたほうがいい。例えば社会的障壁をバリアとするんだったら、この意見具申(案)だけの定義ということになるでしょうし、その辺は明らかにされたほうがいいだろうというふうに思います。
 それから、私の質問ですが、9ページですが、いつもこういう具申のものについては疑問が出るんですが、これは具申って、知事に対してというか、都に対して具申するんですよね。ですから、こういう提言というのは、主語としては、「都は」ということがつくんですよね。うなずいていらっしゃるので、そうだと思いますが、例えば9ページの一つ目の星は、都は区市町村の事例をまとめてとかというふうなことになって、これはこれでわかるんですが、例えば二つ目の星は、「プログラムは、学年に応じた内容とするとともに」と、学校現場でのことを言っていると思います。これが果たして都に対する具申なのか。例えば都だったらば、学校でこういうプログラムを進めるように誘導するとか何とか、そういうことなのではないかと思いますし、それは、例えば10ページの真ん中あたりにある星も、一番最初の星は「都は」でいいんですけども、例えば三つ目の「ワークショップ形式をとることにより」というのは、すごく現場の話になりますよね。だから、この辺のところが、主語が書いていないので、すごく曖昧になっているだろうというふうに思っています。以上です。
○高橋部会長 ありがとうございます。
 意見具申の難しい局面はあるんですけども、正直なところ、過半が事務局で皆様のご意見を聞きながら取りまとめているということで、立場上、こういうような書きぶりなど出てくるので、少しまた検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
○永田委員 知的障害者育成会の永田です。
 2点ありますが、一つは、先ほど教育の部分で、私もぜひ教育のことはしっかり記載させていただきたいと思います。市区町村の補助事業ももちろんそうなんでしょうが、もうこれだけしっかり東京都の教育委員会が、こうやって人権教育プログラムというのをやっていらっしゃるということなので、やっぱりそのことを明記していただけたらというふうに思います。
 それから、もう一つは、心のバリアフリーの3ページの最後あたりが、ここ全体を通して、とても前回に比べてわかりやすくなったように思います。特に最後のところで、「助け合い、支え合える社会」ということで、「一体となって」というふうに書いていますが、こういう場合に、障害者とか、当事者は支えてもらうだけではなくて、バリアフリーの社会を一緒になってつくっていくというやっぱり考え方が大事ではないかと思いますので、一体となるというところに、当事者も入れていただけるといいのではないかというふうに思いました。以上です。
○高橋部会長 おっしゃるとおりだというふうに思います。ありがとうございました。
 ほかにありますか。
○二井田委員 東京バス協会の二井田です。
 3ページのところですけれども、丸の二つ目のところになります。声かけを図ることが重要だという点については十分理解できるところですが、この声かけが、一方通行的に、ちょっとこの段落を見ると、健常者のほうから声をかけることが重要であるというふうに読めるのですが、もしそうであれば、高齢者あるいは障害者の方も含めて、双方向で声をかけていくと、こういうことが必要ではないかと思いますので、双方向で行うということであれば、それがより明確になるように記述していただければというふうに思います。それが一点です。
 それと、もう一点が、8ページのところですが、4の(2)の丸の一つ目に、ベビーカー利用に関する協議会というものが設置されて、必要な事項を検討している、丸二つ目に、キャンペーンを実施しているということが書かれていますが、協議会におきましては、丸二つ目にあるように、統一的なベビーカーマークを既に作成されたというふうに思っていますので、検討しているというよりも、26年3月に、このベビーカーマークが策定されたと思いますので、その点を確認して記述していただきたいということと、このキャンペーンにつきましては、バス事業者も一緒にやっていますので、その点をつけ加えていただければと思います。以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。
 今、2点ほどありましたけれども、この双方向についてと、それから最後のベビーカーキャンペーン等について、言葉を少し足したほうがいいかもしれませんね。よろしくお願いします。
○市橋委員 まず前回に比べて、人権の問題とか権利条約を盛り込んで書きかえたということは事務局のご努力を評価したいと思います。その上で、どう表現したらいいか、迷っているのですけど、やっぱりいろいろな人がいるという中に、一つは性同一性障害などの人と、ようする在日外国人、これは外国から来たいということだけじゃなくて、特に日本では強制的に来たという人もいるので、そこら辺も表現を考えながら心のバリアフリーの推進ということが書けたら一歩前進するんじゃないかなと思いますので、これは表現が非常に難しいのはわかっていますので、発言をぜひここにつけていただきたいと思います。
 二つ目として、11ページか、事業者に対するというところを、かなり書いてあるのですけれども、僕の考え方の例として、接客上の研修という、サービスするということだけじゃなくて、同じ金を払えば障害者は権利があるんだという立場をやっぱりもうちょっと明確にしてもいいんじゃないか。接客をうまくやっていけばいいということじゃなくて、やっぱり同じ客として権利をきちっと付与することを事業者は考えていかないといけないんだということまで踏み込む必要があるんじゃないかなと僕は思います。
 ちょっと、時間がないので、2回で言うとよくないな、いいですか、もうちょっと。
○高橋部会長 はい。どうぞ。
ああいうコーヒー屋でお金払って、僕、持ち切れないから席までコーヒー持っていって、きょうみたいにミルクと砂糖を入れてくれる。僕えらいスターバックスに行く、今スターバックスですけど、ドトールでもやってくれる店が多くなって、でも嫌な顔されるからどこも、だから僕ニューヨーク行ったときに、ニューヨークで俺の英語で同じことを頼んだらやってくれたんですよね。自分ですごい英語力があるのかなと思ったんですよ。そうしたらそうじゃないのですね、アメリカで同じ金を払って、権利的にやる。僕みたいな運べない者もコーヒーを飲めるものまでするということは、ADAでは当然の権利になっている。ここの違いというのは意外と大きいと思うんですよね。一人のどんな客でも同じ金を払えばそういう条件を生かなさなきゃいけない、これが合理的配慮ということです。合理的配慮というのは配慮をしてやるんじゃなくて、権利ある人間に合理的にやっていくという心であるということをもう一歩踏み込む必要があるかなと考えて、書き方の工夫、僕も結構2、3日考えたんだけど、知恵がないので、ちょっと知恵を出してみますからお願いしたいと思います。
○高橋部会長 ありがとうございました。
 全体とすると、前回に比べますと、最初の2ページ目についても、平等の社会参加への権利というものを権利条約に基づいて明記しているところであります。その中に含まれるというと含まれるんですけども、特に、今、市橋さんのご体験等も含めての、ここの説明の部分についての書きぶりをどうするか、ちょっと少し検討させていただければと思いますが、ありがとうございます。
 ほかにありますでしょうか。
○野中委員 前もって意見具申(案)を読んでいてちょっと気になったところがあるんですけれど、私も前この場で言ったと思うんですけれど、見えない障害に対して配慮が必要だということがいろんなところに書いてあるんですけど、その下にすぐに積極的に障害のない人がそういう人たちに手を差し伸べるんだというふうにそのすぐ下に書いてあったりするんですけれど、先ほど双方向ということも言われて、その関連なんですけれど、やっぱりわかりにくい障害、明らかに車椅子とか、目の見えない方とかいうんだと手を出しやすいというか、差し出しやすいんですけれども、そうじゃない方たちにどう配慮すればいいのかというのが、その意見具申でよく見えてこないというか、一つの方法としてはヘルプカードなのかなと思うんですけれど、じゃあ実際ヘルプカードってどのくらい活用されているのかなというのが、私も電車なんかに乗ると、優先席とか、バスの中にヘルプカードのマークはあるんですけれど、でもそれを実際に活用している方に余り遭遇したことがないんですけれど、本当にそのとき必要だと思う人がどういうふうに発信していったらいいんだろうかということを効果的な方法を考えないと、見えない障害に対して、何かぼうっと電車に乗っている私たちがどうやって手を出していったら、声をかけていったらいいのかというのがよく具体的にわからないので、そこら辺がもう少しはっきりわかると、もうちょっと何とかしようがあるのかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○高橋部会長 心のバリアフリーの基本中の基本なんですけど、そこのところが大変難しいところがあるかもしれない。私も山手線で何度か見かけはしたことはあります。見えるような形で私が見たときには座ってらっしゃいましたけども、何度か見ました。
 課長、このあたりを、少し全体の文言の調整で済むのかどうかということになりますかね。具体的なことをご意見としてご発言として求めてらっしゃるんですか、野中さん、具体的なこの文章で。
○野中委員 見えない障害に配慮って書いたその下にすぐに、例えば視覚障害の方とか、困っている視覚障害のある人から援助を求めることは困難なので、まず周囲の人から声をかける配慮が必要であると。それは本当に見える形で、あっ、この方は見えないんだなということがわかるんですが、そうじゃない方に対してどうやっていったらいいんだろうというか、それはやっぱりある程度障害を持った方から発信していただかないことにはどうしようもない部分も実際問題としてあるんじゃないかなというふうに思うんですけれど、その発信の仕方をもっと工夫しないと、ヘルプカードを下げているだけでは、いつそれが必要なのかということがはっきり言ってわからない。その方たちに席をかわるとか、そういうことはできたとしても、本当にその人が、今、自分は助けが必要なんだというときに、カードを持っているだけでいいのかというのは、どうなんだろうというふうに思います。
○川内委員 東洋大の川内ですけども、私は車椅子を使ってますけれど、例えば新宿駅に行って、皆さんから声をかけられると、うっとうしくてしようがないわけですよね。だから障害があるかないかが問題なのではなくて、ここは障害とかそういうことで切り取っているからちょっとややこしくなるのかもしれませんけども、よく言うのは、困った様子が見える人には声をかけましょうということだけなことだと思うんですね。だからそれは障害があろうがなかろうがという世界なので、ヘルプカードを持っていたとしても、常に声かけが必要なわけではないわけで、その困ったときに声をかけるというのが実はヨーロッパなんかに行くと非常に向こうは上手なんですよね。だからそういう感覚で読み取る、こういう文章を読む必要があるのかなという感じはします。
○高橋部会長 はい。関連して越智さん、関連してご質問ですか。笹川さんのはちょっと別の件ですか。
○笹川委員 いや、同じ。
○高橋部会長 同じですか。じゃあ笹川さん先にご発言いただきましょう。よろしくお願いいたします。
○笹川委員 確かに双方で声をかけているのは理想的ですが、我々見えない者は、誰がどこにいて何しているか全然わからないんですね。だからこちらから声をかけるということは全く不可能なんです。その辺はやっぱり障害の特性として考えていただければと思います。
○高橋部会長 はい。ありがとうございます。越智さん。
○越智委員 東聴連の越智と申します。実は次のところでお話しようと思っていたんですが、今、委員さんがおっしゃるように見えない障害についてお話ししたいと思います。
 見えない障害ということについて、課題として障害者の当事者が積極的な発信をすることが必要だと思います。見えないということで、真面目に、いろいろなことで隠れてしまう。そういう精神的な心理を持っている人がさらにそういう気持ちをなくして、積極的に発信できる環境をつくることが大切ではないかと思っています。
 そのためにはどうすればいいのかといいますと、障害者を受け入れる社会を目指すことが大切だと思います。一つ気になっていることが、9ページになります、子供のユニバーサルデザインというところなんですが、子供へのユニバーサルデザインですね。先ほどお話にもありましたように、ユニバーサルデザインやバリアフリーについての、ただいま強化をやっているということにお話がありました。でも、障害者のサービスというのは、全ての人にとって便利でいいものであるというものであるとは思いません。逆に言うと、障害者に対する理解というものは、全ての障害者に対する理解。自分と違った部分を受け入れる気持ち、その気持ちが最も大切ではないかと思っています。特別な気持ちを持っているわけではなくて、全ての障害者に対する気持ちを育てられるかどうか。それができるのかどうかということが大事なんだと思います。そのような根本になる部分をしっかりとこの文章に載せていただきたいと思います。その点が今求められているのではないかと思います。できればもし何か起こったときに、障害者を主体的に助けることができるんではないかと思っています。具体的にどうすればいいのかというのをまだ私のほうではまだ具体的にはまだ意見はありませんが、障害者が自発的に発信できる社会をつくっていくことが大切ではないかと思っています。
○高橋部会長 ありがとうございます。最初の野中さんのご発言については、私も障害の有無に基本的にはかかわらないんだろうと思うんですよね。だから、それこそ小さな親切余計なお世話という言葉がありますけれども、どこの判断かというのは、それぞれのご経験がなかなか進んでこないと難しい部分がありますけれども、それから一方では、笹川さんがご発言したように、自分のほうからはどなたにどういうふうに声をかけていいかわからないという部分もあるわけですよね。だから、このあたりのことも含めていかないといけないので、ただ、とても大事なのは、どういう状況に陥っても、今、越智さんがおっしゃってましたけども、いろんな真意を受けとめられるかどうか、自分一人ではなかなかできないかもしれませんけども、そういう受けとめられる、あるいはほかの人のさらに次の手助けを求めるかどうかというようなことも含めて、少し幅広く多様に考えていっていいのではないか。余り自分だけでというふうに思わなくてもいいのではないかという感じがいたしますけれども、ちょっとこれはきょうはディスカッションではないのであれですが、少しまた別な機会をつくらなきゃいけないかもしれませんが。
○市橋委員 やっぱり当事者が要求を言いやすいような社会をつくっていくということが、もう一個の重要じゃないかなと思ったわけです。どういうことかというと、具体的な大きな要求じゃなくて、僕が電車に乗ってどうしても席に座りたいとき、一旦、電車の端から端まで歩くわけです。それでも譲ってくれないと、もう一回引き返すわけです。そうすると誰かが絶対譲ってくれますよ。恥ずかしいけど、やっぱり当事者がそれくらいやらないと。僕もそうゆうことで飯を食っているわけだから、やないといけないと思っているから、そういうやり方だと思っているから。これ、ずうずうしいかなと思うんですが、副次的なところがあるのです。そうやって一人の人が譲ると、ああ、あそこで譲り合っている、僕も譲らなきゃいけない、別の若者が席を譲るわけです。何を言いたいかというと、やっぱりそういう当事者が自分の要求を言って行動していく社会をつくっていくこと、それは単に周りが配慮するとかいうんじゃなくて、お年寄りも僕はもうちょっとずうずうしくなっていただきたいなと思うし、僕の個人的意見ですけど、そういうところで言えば、そういうやっぱり当事者の責任も僕はあるということは明記する必要があるのかなと、僕は野中さんの発言を聞いて思いました。
○高橋部会長 ありがとうございました。斉藤さん、お願いいたします。

○斉藤委員 都精連の斉藤です。
 私は、事務所が都精連の事務所が高田馬場駅から歩いて15分ぐらいなんですけれど、その高田馬場の駅をおりて、よたよたよたよた歩いていたら、男の人に声かけられまして、あなた、手伝ってあげましょうと言われて、何を手伝ってくれるのかと思ったら、荷物をあなたの行き先まで持ってあげると言われて、それで、ちょっと待ってくださいと言われて、何だろうと思ったら、ヘルプマークを出されて、あなたこれをつけてバッグにこれをつけなさいと言われまして、これをつけていたらわかる人はわかるから、必ずこれをつけて歩きなさいというふうにその男の人から指示を受けまして、それでそれを受け取りまして、事務所の玄関まで送ってくれたんですが、で、ありがとうございましたと言いましてお礼を言いました。そうしたら1週間後にその人が訪ねてきたらしいんです。私のいない時間に訪ねてきて、ちゃんとつけてますか、必ずバッグにつけてくださいねと、押されてしまいまして、ちゃんとつけてますかって、あの人はどうしてますかというふうに言われて、それで、あっ、つけなきゃいけないのかなと思って、それでそのときにつけなきゃいけないのかなという気になって、ためらいがあったり、どうしようかという恥ずかしさとか、ためらいとか、これをつけたら自分は必ず何というか障害者だというレッテルみたいなものがあるじゃないですか。だからいいのかいけないのか、恥ずかしいし、それどうしよう、何かこれをつけたら何か自分は障害者のレッテルみたいなものなのかなと、恥ずかしいような、でも助けてほしい気持ちもあるしという、何かすごく自分の中で心の中で葛藤みたいなものが起きちゃいまして、それで結局、そのいただいたヘルプマークは、池田会館という自分の事務所に行くときは大抵つけているんですけれども、きょうはつけなかったんですけど、結構つけたりつけなかったり、何だかまだ心の中でためらいがあって、つけたりつけなかったりしているんですけれども、やはりつけたほうがいいんじゃないかなという気がしました。
 それで、ヘルプマークの推進なんですけれども、都営地下鉄では、よくポスターとか電車の中でも張ってあるんですけれども、ほかの電車、JR、民営鉄道とか、バスとかでは、まだそういうヘルプマークの表示が出てないので、都営地下鉄だけ進んでいるんですけれども、東京都全体、しいては全国に広がっていければいいんじゃないかなというふうに私は希望いたしたいと思います。
 それから、資料1の11ページの事業者における接遇向上研修等の普及促進となっているんですけれども、私は、足が遅いので電車もちょっと、もうすぐちょっと頑張れば間に合うかなと乗れるかなと思う電車でも、あっ、だめかなと思ったら、電車の車掌さんがちょっと5秒ぐらい待っていてくれて、どうぞと言われて、どうもすみませんと言って、ちょんちょんちょんぴょんと乗ってありがとうございますという感じなんです。バスもバスで、接遇に対してはバス会社もすごくサービスというか、サービスとか質とかの向上がすごくよくなっていると思います。とってもバスの車掌さんもすごく親切になってきて、運転も丁寧だし、いいと思うし、うまいと思うし、バスがとまってから席をお立ちくださいというふうに必ずアナウンスも入るし、非常にバスを乗る者として満足しています。
 ただ、どしゃ降りの日にこちらが大変だと思ってタクシーに乗ったときに、タクシーに飛び乗ったときに、ちょっと自分がどしゃ降りでパニック状態だったとき乗ったんで、行き先をうまくいつもならすんなり言えるのに、パニック状態になっていたので、ちょっと何というのかな、とまどっちゃって変なふうに言っちゃったら、それじゃわからないようなことを言われて、怒られちゃってがみがみがみがみ怒られちゃって、それで住所どっち、どうとかこうとかなんてどなられちゃって、何で私がこんなに怒られなきゃいけないんだろうと思って、それでもってちょっと2、3分したら落ちついてうまく言えたんですけれども、タクシーの運転手の人にどしゃ降りの雨の日にどなられて叱られたのは、私が自分がパニック状態だったのが悪いんですけれども、あんなにどなられて、あんなに叱られなくてもいいんじゃないかと思うんですよね。だからバスの運転手さんとか電車の車掌さんたちはすごくいいと思うんですけれども、タクシーの運転手さんの接遇の向上も必要だと思います。以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。ヘルプマークに関しては、技術的な側面もありますけども、2章の部分にもありますので、ちょっと時間の関係もありますので、今いただいたことをベースにしながら、13ページ以降のご意見、ご提案もお受けしたいというふうに思いますので、よろしくどうぞお願いいたします。
○越智委員 越智です。申しわけないですが、この後、6時に退室したいと思いますので、今、お話をさせていただきます。
 書き加えてほしいことがあります。13ページ、下から二つ目の丸、ICTのところです。3行目のところ、必要とする人に確実に情報を届けると書いてあります。確実だけではなくて、迅速にという言葉を入れてほしいと思います。確実に届いてもおくれていたら意味がないので、迅速、もしくは適切なタイミングという言葉を入れていただきたいと思います。
 それからもう一つ、意見なんですが、今後の取組について、東京都がスポンサーになって、障害者とか福祉に対する理解、キャンペーン、CMとか、番組を例えば、東京MXテレビとかで流すのもいいのではないかと思います。4年前の大震災ときもコマーシャルが制限されるときがあって、いろいろ啓発のCMがありましたね。思いやりに関する何かコマーシャルとか、ああいうのがいいかなと思います。あれで思いやりというのを理解した方もたくさんいらっしゃると思います。特に若者が心に感じたことがあったのではないかと思います。そういうコマーシャル、または番組をぜひ東京都がお金を出してやっていただきたいと思います。それも含めてお願いしたいと思います。以上です。
○高橋部会長 ありがとうございます。後半に今ご意見ありましたメディアとマスコミ等について、これ繰り返しやられているんですよね。どんな感じでしょうか、現状は。
○森田福祉のまちづくり担当課長 そうですね。我々はむしろ今ということではないんですけども、今、例えばこころの東京革命ですとか、いろんなところで取組はしていますけれども、あと障害者の理解促進と言えば、電車の中の広告とか、そういったことなんかもやっていますけれども、今、ご指摘のお話は、もっとさらにというような話かなと思います。意見具申の中に具体的に書き込めるかどうかというのは、例えばメディアとかを活用していくことが重要とか、一般論の中では書けるかなと思うんですけれども、ご指摘にあった例えばCMですとか、そういうところについては予算とも関係してくるので、そういったことも必要ということは、ご要望としては承っておきたいと思います。
○高橋部会長 ありがとうございました。予算なんかに絡んできますけども、少なくてもあれですね、意見具申をしたときには、ニュースの材料だけではなくて、少し断続的に構想もメディアをちょっと使っていくとかということも必要かしれませんので、ご検討いただければと思います。
○中野委員 慶応大学の中野です。まず一つは細かいところなんですが、14ページ以降にある色弱とか、色弱者という表現がありますが、ここは正式に色覚異常、もしくはそれに類する言葉に変えたほうがいいんではないかと思いますので、ご検討いただきたいと思います。
 それから、22ページを初めとして、ホームページのことについて書いてある部分があるんですが、提言の星二つ目、具体的には、ホームページ等に音声読み上げ機能や拡大文字機能を付与する云々と書いてあるんですが、この部分はもう少し精査する必要があるかと思います。というのは、スクリーンリーダーという読み上げソフトを使っている人たちもいますので、ホームページにそのものに音声の読み上げ機能をつけることが、必ずしもアクセシブルなるとは限らないということがありますので、ここはちょっと今井委員も含めて、表現の方法を検討させていただいたほうがいいかなと思います。ここに書いてあるとおりがアクセシブルなわけではありませんので、これは逆にアクセシブルではなくなる可能性がありますので、この部分はぜひ検討させていただきたいと思います。
 印刷物のアクセシビリティもそうなんですが、音声コードをつけてというふうに書いてあります。音声コードが適切かどうかというのは非常に疑問があるところがありまして、それより前に、まず点字や拡大文字、それから音声、いわゆるテープですね。そういったものが書かれた後に、もしこの音声コードというのも現時点で必要であると考えるならば入れるということにしていただかないと、この表現だと印刷物に音声コードを入れればアクセシブルになるというふうに理解されてしまって、点字やテープでなく音声コードだけでよいというふうに読まれてしまうとちょっと困るんではないかなというふうに思います。これはほかのところにも音声コードつき資料というような記述がありますので、このあたりは一括してちょっと情報アクセシビリティのあり方ということで、別途詳細を詰めさせていただけるといいかなと思います。
 それと最後、この情報のところで、これは13ページに当たるのかもしれないのですが、公報等のことについて記載が明確にないかなと思っています。選挙の公報だとか、それから自治体が出している公報等をアクセシブルにするということは、これはもう基本の基本だと思います。以前に笹川委員からご指摘もあったと思うんですが、すごくよくできている区とそうでない区がありますので、これはぜひ提言の中に入れていただくことがよいかなと思います。以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。色弱者について、これはカラーUDなんかに聞くと、今、色弱者という言葉に統一してますね。私も直接聞いてないです。
○高橋部会長 ええ。色覚異常とは言わなくて。
○中野委員 色覚異常と言わなくなった。
○高橋部会長 言わないで、色弱者というような表現を使っていますね。直接……
○中野委員 これ人によって違いがありまして、医学的には色覚異常というのが通常の言い方なので、ここはちょっと専門家のご意見も聞いていただいて精査していただければと思います。
○川内委員 カラーUDはCUDが言っているということですか。
○高橋部会長 はい、そうです。
○川内委員 だから民間団体ですよね。
○高橋部会長 じゃあ、ちょっと確認をするということで。
 塚本さん、お願いいたします。
○塚本委員 ページにはありませんけれども、この全体の具申の構成は、現状把握あるいは事例の紹介がまずあって、それで次に、それらにおける課題の認識、問題点抽出という形がとられていて、そして提言という形で解決策、あるいは配慮のあり方と、こういう3段構成に各章、項目がなっています。それで、先ほど主語の問題、9ページのところを提示しながら主語が省かれていてという指摘がございましたけども、私は述語のほうが少し気になっています。今、3段階構成と言いましたけども、その中で特に現状把握あるいは現状認識と提言等のところで、これはページに限りませんけども、必要があるとか、重要であるという、こういう用語がどちらにも、現状にも提言にも出てくるわけですね。私の個人的な言語感覚、文章感覚では、重要であるとか必要であるというのは認識用語、それで提言のほうで同じく重要ではとか必要であるというふうに繰り返すと、これは認識と、それから提言とが何かてれこらてれこらになっているような、そういう文章として私には少なくとも受けとめられるんですね。ではどういうことであったらということなんですけども、少なくとも私は、提言のほうでは必要である。主語が何であっても、必要であるではなくて、すべきである。それから重要である。これは提言のほうに至れば重きを置くとか、主語がちょっとはっきりしないというのが先ほどでもあるんですけども、仮に主語を「東京都は」とか入れたとしても、述語のほうが、認識とそれから提言とがてれこらてれこらなっていることに関してはちょっと違和感があります。
○高橋部会長 はい。全体のことにかかわることのご発言でした。すべきである。多分、一番事務局も一番言われているようなまとめ方かというふうに思いますけども、少し検討させていただきたいと思います。
 要するに、今の塚本さんのご発言では、現状認識も提言も、基本的にレベルというか、何でしょうか、基本的な流れが変わってないのではないかという、そういうようなご指摘かというふうに思います。この辺はとても難しい部分ではありますけれども。事務局、何かありますか、今のご意見に対して。
○森田福祉のまちづくり担当課長 ご指摘の趣旨はよくわかりました。重要であるとか必要である。確かに認識用語でもあるかなとは思うんですけれども、ただ一方で、例えば提言に、推進協議会から東京都に対してこういったことを認識することが重要だという意味で、重要であるとか必要であるという言い方をしていただくこと自体は別に問題はないかなと思ってこういう表現にしているんですけれども、先ほどの主語の話とセットの話になりますので、表現についてはもう一回全体的に見直しをさせていただければと思います。
○高橋部会長 ありがとうございます。
 はい。お願いいたします。
○横矢委員 子どもの危険回避研究所の横矢です。私が気になっていますのは、15、16ページのあたりにあるのが、外見からはわかりにくいと先ほど出てきたところなんですが、肢体不自由の方のところには、外見からはわかりにくいというのが入ってない、それから高齢者のところと、外国人のところにも入ってないんですね。ほかのには全部入っているんですけど、逆にこれが何か入ってないのが何か変な気がしちゃうということがあります。何かここのところがどんな分野にも外見からはわかりにくいというのがあって、その程度の差があるということだけだと思うので、どこか一まとめに言っていただいたほうが、何か一々出てくるのも何となく変な感じがするので、わかりにくいような気がします。自分は多分その中でもかなりわかりにくいほうなので、さっき斉藤さんがおっしゃってましたけど、私はヘルプマークを必ずつけているんですけど、こうやってつけて、斜めがけをしてわかるように歩いているつもりなんですが、それでも電車に座りたいなと思っても、譲ってもらったことは一回ぐらいしかないです。やっぱりかなりつらいんだけどって顔していても、やっぱりなかなかわかってもらえないので、これをどういうふうにわかってもらえるようにすればいいのかなというのが、やっぱり自分としてはすごく気になっているところです。それで考えると、すみません、子どもの関係じゃないんですが、16ページの(5)番の内部障害、難病患者というところがすごくあっさりしているんですが、ここの部分ってすごくいろんなことが本当は含まれていると思うんです。今、膀胱・直腸の話になっているので何となくそういうものなのかなと思いますけど、体の麻痺とか、歩きにくくなっているとか、治療の後でとてもつらいとか、そういうことが割と大きなことがあり得る部分なので、もう少しそこのところで書いていただけると理解が進むのではないかなと思います。以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。そうですね。少し読みますと、ちょっといろいろとお気遣いはしていただいているところはありますけれども、最初の14ページの頭出しあたりでもしっかり書いていくということのほうが望ましいかもしれませんね。それから内部障害もちょっと記述、心臓病の方ですとか、いろんな内部疾患の方がいますから、少し配慮して書き込んでいきましょう。ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○永田委員 知的障害者育成会の永田です。22ページの今後に向けた方向性の目指す将来像のことなんですが、これ事前にいただいたときに、私、ここを読みまして、私自身の情報のバリアフリーの情報というものの捉え方が違うのかどうなのか大分悩んだんですが、実は先ほど来の心のバリアフリーのときに出てきました双方向性とか、それから障害者自身が発信していく努力ですとか、要求を言いやすいというような、そういうことをやはり情報も含めて考えますと、ここの文章ですと送り手だけの内容のような感じがするんですね。受け手にとってそこからまた発信するとか、それからどんなふうに受けとめるとか、その状況を理解し合うとか、そういうことが情報のバリアフリーに含まれるのかどうなのか、逆に教えていただきたいんですが、先ほどの心のバリアフリーとあわせて考えますと、やはりもうちょっと受け手のほうからの発信みたいな部分にこの文章に触れていただいたほうが将来像としてはいいのではないかという気がいたしますが、ちょっとわかりませんが教えてください。
○高橋部会長 ありがとうございます。これはそうですね。やはりちょっと今までずっと21ページまで最初の第1章から踏まえてくると、もう少し幅広い観点で書き込んだほうがよさそうな気もいたします。特に最後の後半のほうに入ってくる文ですので、情報バリアフリーあるいは心のバリアフリーも含めたようなことも必要だと思いますし、今のお話のように、障害者自身が発信するような必要性ですとか、あるいは相互理解とか、そういった部分も含めたような伝達のあり方、受けとめ方、発信の仕方というのが必要な部分かもしれません。ちょっと、少し事務局のほうでもご検討いただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 すみません。川内さんのほうが先に。
○川内委員 東洋大の川内です。22ページの脚注のアクセシビリティの定義ですけれども、情報やサービスなどが、広範な人に利用可能であるという、アクセシビリティという言葉に対象の範囲は多分含まれていない、つまり広範な人というのはアクセシビリティの普通の定義には入らないのではないかと私は思っています。ですから、ここはちょっとここでの定義なのか、先ほどのバリアと同じですけども、ちょっと脚注にこういうふうに書かれると一般的な定義のように思われますけども、そこでは広範な人にというのは多分ないだろうというふうに私は思います。
 それから、これ以降はこの具申(案)ではないですか、ちょっと感想なんですが、先ほど教科書を見させていただいて、ああ、そうなんだなというふうに思いましたけども、私、2冊見ました。その中で車椅子を使う方がいろんなところに出ているんですけども、ただ一例を除いて全部後ろから誰かが押しているんですね。それを見て、ああ、ステレオタイプというか、人の意識というのはこうやってつくられるんだなというふうに思いました。何でこう元気にさっと疾走しているような車椅子はいないのかとか、電動車椅子で動いている人はいないのか、全部後ろから押しているというのは、ちょっと東京都なので、教科書をつくる会社ではないので、ここで言ってもしようがないんですけど、そういう印象を持ちました。以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。このアクセシビリティについては、ここそうですね、ちょっと少し川内さんのご意見も踏まえて修正を図っていきたいというふうに思います。ありがとうございます。
 笹川さん、お願いいたします。
○笹川委員 前回の委員会のときにも申し上げたんですけれども、この情報バリア解消ということで、点字化の問題が出てました。範囲をどこまでにするのかということもまだ明確にお答えいただいてないんですけれども、つい先日、計画課から、ご承知の第4期計画の点字版というのが2セット参りました。1セット、点字本で6冊ですから、もうリュックにでも背負わなきゃ歩けないくらい大量なものですけれども、計画課で出たり、今度、こっちのほうから出たり、どこがどう対応しているのかが全然わからないんです。先ほど中野先生がおっしゃったように、この6冊を必要量だけ点訳をしようとしたら、もう大変な経費になるんですね。その辺を、今後、都が情報バリアの解消ということでどう取り扱っていくのか、この辺はやっぱり明確にしておかないと、先ほど市橋さんがおっしゃった、差別解消法にも当然かかわってきますし、我々としてどうどこで提案していいのかわからない状況です。点訳が不可能であれば、当然音声ということになるわけですけれども、先ほど中野先生が指摘されたように、こんな膨大なものを音声コードで読むなんていうことは全くできません。ですから、やっぱり点字にするか、テープにするか。そういう方向性を出していただかないと、とても対応ができないという状況です。まず、こういった情報バリアの範囲をこの委員会としてどこまでを対象とするのか、その辺はまず明確にしていただかないと、我々としては非常に取り扱いに困るということです。この辺、ちょっとお考えを聞かせていただければと思います。
 すみません。それからもう一つ、毎回点訳をしていただいています。これはもう本当にありがたいんですけれども、点字というのは非常に特有のもので、漢字は全くありません。ですから、いわゆる仮名文字なんですね。ですから、やはり間隔をあけるとか、その辺をきちっとしていただかないと読み取れないんですね。恐らく点訳ソフトを使って点訳しておられると思うんですけども、これはせいぜい80%ぐらいしかできないんですね。この前、東京都のほうに、東京都新障害者福祉センターの建設というのがあるけれども、これはどういうことかと聞いたら、そんな計画全然ありませんと。これは後でいろいろ調べましたら、やはり点訳の問題なんですね。どういう書き方をしているかというと、「とうきょうとしん」そこで間があいて「しんしょうがいしゃふくしせんたー」となっているから、我々仮名文字で呼んで、ああこれは新しいセンターができるんだろうと思ったんですね。ところがそうじゃなくて、そんな計画ありません。「心身障害者福祉センター」ですという回答があってやっとわかったんですよね。それぐらいに点字というのは非常に理解するのに苦慮します。例えば東京都と書くのを「とうきょうみやこ」とソフトは書きますからね。「とうきょうみやこ」というのは何のことか、よくよく考えたら東京都のことだったというふうにかなりやっぱり専門性がいるんですよね。この辺はやっぱり解消していただかないと、せっかくこれだけの量の点訳情報をいただいても、なかなか読みこなすことが大変ですから、この辺も何とか方法を考えていただきたいと思います。すみません。

○高橋部会長 はい。ありがとうございます。ぜひ笹川さんにはちょっとご意見を伺いながらちょっと少し相談させていただきたいというふうに思います。多分、事務局もそのようにお考えではないかというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。範囲も含めてです。
 それでは、少し時間、まだたくさんあると思うんですけども、時間が来てしまっているんですけども、市橋さん、短目にどうぞよろしくお願いします。
○市橋委員 手短に3点あります。一つは16ページか、一番上の発声に係る障害のバリアがある人には、絵やデザインを使えばいいみたいに読めますが、要するに僕みたいな言語障害がある人というのは、僕らが発声したことを、正しくあるいは忍耐強く受け取ってもらいたいというのが一番だと思うので、書き方を変えていただきたいと思います。
 それから、どこへ書いたらいいかなというところで、やっぱり情報の福祉機器、特にITの製品や何かすごくいいんだよという書き方も変えたほうがいいですけれども、福祉機器とか、日常生活用具にどう入れていくかというのは、福祉制度で援助しながら我々に供給していただきたいと。今、障害者にはパソコンは支給されないですね、前は支給されたけど。なぜかといったら貸与されたからということが、障害福祉部の職員や部長がよく知っていると思うんですけれども、そういうところでは、やっぱり福祉機器とか、日常生活用具を補装具として使わせていただきたいと。それからやっぱりそれの開発ということは、障害者用という言い方は変だけど、やっぱり開発する力も入れてもらいたいなということがあって、そこら辺の書き方をやっていいかなって。
 最後に、笹川さんに教えていただければ、中野先生が言われた公共的なものの情報伝達について言われたけど、視覚障害者の場合、公共的じゃないけど、例えば電気製品を買った、その説明書とか、そういう情報が非常にわかりにくいので、例えばどういうことが点訳でやれるから、公的で読んでもらって説明するような機関が欲しいなという要求があれば、それからそういう有益な情報というところから、僕らはなかなかよく言うんですけれども。例えば、視力障害者って、皆さん主婦の方はこっちのスーパーとこっちのスーパーでどっちが安いかというところが比較するんですけども、視力障害者は新聞広告が読めないわけで、どっちに行くほうが安いかという情報が入らないわけですよね。それはよく情報障害だと思って、新聞を全部点訳するというわけじゃないけど、そういう情報障害まであるんだということは、やっぱりまだまだ認識していく必要があるんじゃないかと思います。
○高橋部会長 ありがとうございます。最後の取りまとめで少し残されている課題や、そのようなことに記述しなければいけない部分がありそうですが、範囲、先ほど笹川委員からもお話がありましたけれども、今回取り上げる範囲とかも含めて、皆様方にもう一度ご意見を伺いながら整理をしなければいけないかなと思います。
 まだたくさんあると思いますが、このあたりでこの資料1についてのご発言をストップさせていただきます。できましたら、今日たくさんの重要なご発言をいただいていますので、皆様方には21日までに、さらに再度ご意見を伺う期間がありますが、できれば修正文案といったようなものも含めてご提案をいただけるととてもありがたいと思います。その上で、次回の9月の専門部会までにまとめ、また皆さんに全容を把握できるような、そういうものにしたいと思いますので、この点は事務局とは相談していないんですが、その方向でよろしいでしょうか。
○森田福祉のまちづくり担当課長 ありがとうございます。手順はその方向で構わないと思いますので、よろしくお願いします。
 明日には提出の様式をメールでお送りさせていただきますので、そちらにご意見をいただければと思いますので、21日までに寄せていただきますようよろしくお願いいたします。
○高橋部会長 では、そのようにさせていただきます。範囲や意見の大小、質の問題とかいろいろあると思いますが、お気づきの点がありましたらご意見をお寄せください。その上で事務局と相談しながら精査し、次の文案作成に、意見具申(案)の修正にかかりたいと思います。よろしくどうぞお願いいたします。
 それでは、その他の案件に移りたいと思いますが、事務局のほうよろしくお願いします。
○森田福祉のまちづくり担当課長 時間が大分少なくなっていますので、簡単にご説明いたします。
 資料がもう一つ、資料4、情報提供になりますけれども、ユニバーサルデザインに関する情報サイトのご案内というものをつけています。
 今年の秋ごろの開設を目指して、今、意見具申(案)の中でも出てきていますが、情報サイトがいろいろなところにばらばらになっているものを一元化したものが必要ではないかということで、今、構築することを検討しているところです。現在業者をこれから選定するというところで、イメージが全然これではわからないと思います。今のところ考えているのは、資料真ん中に情報サイトの特徴を3点挙げていますが、一つ目、ユニバーサルデザインに関する情報を一元化すると。それから、二つ目、様々なウェブサイトの情報を集約・体系化して掲載すると。あとそれだけではなくて、三つ目、区市町村とか、事業者、都民が共有できる情報の提供ということで、情報バリアフリーとか心のバリアフリー、様々な取組が広がっているというお話がありましたが、先進的にやっている事例や、具体的な事例をこの中に掲載し、それを見ることによって取り組んでいくとか、そういったツールにも使いたいということで、今のところはこんな感じで考えています。次回、9月の専門部会の時点では業者も決まっていますし、もう少し具体的なイメージができるかなと思いますので、その際にまた情報提供させていただければと思います。
 もう1件、資料はないんですけれども、オリンピック・パラリンピックの基準づくりにつきまして、口頭でご報告させていただきます。
 説明のほうは前回もしていますけれども、現在、オリンピック・パラリンピックに向けまして、国と組織委員会と東京都、三者が共同いたしまして、競技会場ですとか、会場周辺の駅などに適用する基準でありますアクセシビリティガイドラインというものの策定を進めています。以前、委員の皆様にもガイドラインの内容についてご意見を伺わせていただいたと思います。その後の検討状況ですけれども、競技会場の基本設計に必要なハードの基準、例えばエレベーターですとか、観客席ですとか、トイレですとか、そういったものを、今、先行して取りまとめて国際パラリンピック委員会、IPCと言ってますけども、IPCと今協議をしているというふうに聞いています。今年度はその残りの部分ですね。基本設計で必要なハードの部分以外の部分ですね。そちらについては、分野ごとに作業部会を設けて検討する予定になっています。また、昨年度は学識経験者ですとか、障害者団体の関与をかなり限定的にしていたんですけれども、本年度につきましては、作業部会の検討の場に、学識経験者ですとか障害者団体も参加ができるようになったということで、検討体制も大分改善されています。議論は、今月から順次開始することになっておりまして、来年の春ごろをめどに取りまとめると。最終的にはまたIPCの承認を得た後に公開するということで、最終的な公開については、来年、リオのオリンピックがありますけれども、それの後ぐらいではないかというふうに聞いています。
 議論については、今、まだ非公開で実施されていて、皆様に順次中身について情報提供ができなくて非常に申しわけないのですけれども、先ほど説明した、ハードの基準については先行して公表するというふうに聞いていますので、公表されましたら皆様にも情報提供ができると思います。それ以降につきましても、組織委員会などと調整をいたしまして、情報提供をなるべく早くしていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○高橋部会長 ありがとうございました。今の資料関係のご説明ですけど、何かありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、そろそろ時間ですけども、ほかに何か事務連絡等ありますでしょうか。
○森田福祉のまちづくり担当課長 次回につきましては9月の3日に予定しています
こちらのほうは以上です。
○高橋部会長 わかりました。ありがとうございます。
 それでは、きょうは教育庁の指導部の皆さんにもお越しいただきまして、資料等も提供していただき、ありがとうございます。ちょうど今私たちが議論しているテーマは学校教育の現場にも非常に関係している部分が多いものですから、もし次回もぜひお時間をいただいて来ていただければ大変助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、ちょうど時間となりましたので、第3回の専門部会、これで終了させていただきたいと思います。どうもご協力ありがとうございました。
(午後6時33分 閉会)

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