第6期東京都福祉のまちづくり推進協議会(後期)第6回専門部会 議事録
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議事録
1 日時
平成19年12月26日(水曜日)午後1時00分から
2 場所
東京都庁第一本庁舎33階 特別会議室S6
3 次第
開会
議事等
審議事項 意見具申(案)の検討について
閉会
4 出席委員
野村会長、坂巻副会長、秋山委員、水村委員、今井委員、大西委員、海江田委員、広瀬委員、市橋委員、越智委員、時任委員、川内委員、関委員、松尾委員、山本委員、村川委員
5 配布資料
資料1-1 福祉のまちづくりの新たなステージに向けて(案)
資料1-2 福祉のまちづくりの新たなステージに向けて(案)概要2枚
○ 東京都福祉のまちづくり条例『施設整備マニュアル』
○ 第6期東京都福祉のまちづくり推進協議会委員及び専門部会委員名簿
6 議事録
開会午後1時00分
○ 宮村福祉保健局生活福祉部副参事(地域福祉担当)
本日は、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。定刻となりましたので、後期第6回専門部会を開催させていただきます。
専門部会の議事進行につきましては、高橋部会長にお願いしているところでございますけれども、お身内にご不幸があったということでございまして、本日ご欠席になられるというご連絡をいただきました。つきましては、福祉のまちづくり推進協議会の野村会長に進行をお願いしたいと存じますが、ご了承いただけますでしょうか。
ありがとうございます。それでは、野村会長、恐縮でございますけれども、この後の進行をよろしくお願いいたします。
○ 野村会長
本日は、暮れのお忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます。今お話がありましたように、高橋部会長が急遽ご欠席ということですので、私が本日の会議を進めていきたいと思います。
それでは、ただいまから第6期福祉のまちづくり推進協議会(後期)の専門部会を開会いたします。
最初に、本日の出欠状況と配付資料のご説明を事務局からお願いしたいと思います。
○ 宮村副参事
本日の委員の出欠状況でございますが、高橋部会長のほか、平林委員、高井委員、横矢委員、奈良委員からご欠席というご連絡をいただいております。それ以外にまだお越しになっていない委員もいらっしゃいますけれども、間もなくお越しになると思います。
次に、配付資料の確認をさせていただきます。本日の資料は5点ございます。まず会議次第でございます。それから、第6期東京都福祉のまちづくり推進協議会委員名簿。それと、資料1-1、冊子になっている福祉のまちづくりの新たなステージに向けて(案)というものでございます。資料1-2マル1、A3判の資料でございます。次に、資料1-2マル2、こちらもA3判の資料になってございます。
そのほか、冊子を配付させていただいております。1つは、第56回東京都社会福祉大会における知事感謝状受賞者の紹介という冊子でございます。もう1つは、建築物のバリアフリー化を進めるためにというものでございます。あと、机上に施設整備マニュアルを配付させていただいております。
そろっていないものがございましたら、事務局にお申しつけください。
○ 野村会長
よろしいでしょうか。
それでは、これから始めますが、きょうの会議は、高齢者、障害がある方、そして小さなお子さんも参加しておられますので、ひとつよろしくお願いいたします。
きょうは、お手元の資料1-1、あるいは1-2でまとめたもの、これは7月に第5回の専門部会を開催した後に、企画起草委員会を3回開催いたしまして、それまでの専門部会の議論を踏まえて、意見具申案という形でまとめたものが資料1-1でございます。また、それの全体のマップといいますか、まとめたものが資料1-2マル1と書いてありますので、この2つを使っていただいてご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○ 宮村副参事
それでは、説明させていただきます。お手元の資料1-2マル2でございますが、これは資料1-1を項目だけ整理させていただいたものでございます。「はじめに」から「おわりに」まで、章ごとに項目だけを整理させていただいたものです。こちらも参考にしていただきながら、説明を聞いていただければと思います。
今回、意見具申(案)としてまとめていただきましたものを、資料1-2を使って総括的にお話ししながら、各ページ等のご案内をさせていただきたいと思います。
まず、この推進協議会では、「福祉のまちづくりの新たなステージに向けて」ということで、「すべての人が、安全、安心、快適に暮らし訪れることができるまちづくり」ということをテーマに掲げながら、内容の検討をしていただいたところでございます。ユニバーサルデザインの考え方に立った福祉のまちづくりを東京都は進めているわけですけれども、それをさらに進めていく上での課題を整理して、「10年後の東京」に向けて、東京都福祉のまちづくり条例が目指すべき方向性を取りまとめたものでございます。
資料1-2マル2をごらんいただきたいと思いますが、まず第1章で、これまでの東京都における福祉のまちづくりについて整理をいたしました。福祉のまちづくりの条例制定から推進協議会における審議経過、この審議経過につきましては、21世紀の福祉のまちづくりビジョン以降の経過についてまとめさせていただいております。それらを受けまして、東京都におけます福祉のまちづくりの推進策、これまで取り組んできた内容についてまとめております。そして、国等の動き、障害者自立支援法をはじめとする国の動き、権利条約の動き、また国際生活機能分類の考え方といったようなことをまとめております。
第2章では、21世紀における福祉のまちづくりの課題をまとめております。まず、東京都を取り巻く状況の変化ということで、東京都における人口動向、また外国人居住者や観光客のことについて触れております。そして、福祉のまちづくりを進めるための課題として、(1)の福祉のまちづくりの対象から(8)のバリアフリー新法及び建築物バリアフリー条例との関係まで、それぞれ住宅のバリアフリー化等、事項を起こして課題を整理しております。
第1章と第2章を総括的にまとめますと、資料1-2マル1をごらんいただきたいと思いますが、福祉のまちづくりの課題として、まず社会状況の変化をめぐる課題として、1つはバリアフリー新法や東京都建築物バリアフリー条例と福祉のまちづくり条例との関係を整理する必要がある。2つ目には、障害者自立支援法、障害者の権利に関する条約の批准に向けた国内法の整備とこれらへの対応ということが課題になっていると考え、まとめさせていただいております。
2番目として、福祉のまちづくりの施策を推進していく上での課題ということで、4点ほどまとめさせていただきました。1番目が福祉のまちづくりの対象の拡大、2番目が福祉のまちづくりの取組領域の拡大、3番目に小規模建築物等のバリアフリー化への対応、4番目が都民や事業者の福祉のまちづくりへの意識醸成、こういった項目で整理をさせていただいております。
次に、資料1-2マル2を見ていただきまして、第3章は、そうした課題に対してどのような取組をしていくのかという視点からまとめているところでございます。それぞれの施策というところに注目してまとめております。1番が生活者の視点に立ったバリアフリー化の推進、これについては(1)、(2)、(3)とありますように、小規模建築物等のバリアフリー化、あるいは面的な整備について触れさせていただいております。
2番目といたしまして、すべての人の生活への支援という視点から、住宅のバリアフリー化から高齢者や障害者等の就労支援の促進まで、3項目まとめさせていただいております。
3番目に、安全、安心に暮らせる地域社会の体制整備ということで、日常における事故やけがなどの防止策と災害への備えということで整理いたしました。
4番目が、すべての人が東京の魅力を楽しめるまちづくりの推進ということで、わかりやすく、入手しやすい情報システムとか、文化施設等をすべての人が楽しめるように整備促進していくことなどをまとめさせていただいております。
施策につきましては、資料1-1の24ページから34ページのところに、それぞれの項目について詳しい内容を説明させていただきました。
次に、資料1-2マル2の第4章というところを説明させていただきます。これは、課題に対する対応策として、施策を進めるのとあわせて、基盤づくりが重要であるという視点から、第4章ということで、福祉のまちづくりを進めるための基盤づくりについてまとめさせていただきました。
1つ目には、福祉のまちづくりを効果的に進める仕組みの確立ということで、スパイラルアップの仕組みづくり、参画意識の醸成、また事業者の自主的な取組を促す奨励策の強化といった項目でまとめさせていただいております。
2番目に、高齢者や障害者等を含めた人々の多様性への理解促進ということで、高齢者や障害者等への理解促進と、外国人をはじめとするすべての訪問者への対応という2つにまとめさせていただいております。
3番目といたしまして、東京都、区市町村、事業者、都民の責務と役割ということで、(1)から(5)まで、それぞれの責務、役割といったものを整理させていただいております。
これらにつきましては、資料1-2マル1では真ん中に、「10年後の東京」に向けた施策の方向性ということで整理をいたしました。まず、福祉のまちづくりの基本的考え方ということでは、ユニバーサルデザインの考え方に立った福祉のまちづくりを基本として、すべての人が、安全、安心、快適に暮らし訪れることができるまちづくりを推進していく。
2番目に、その実現のためということで、生活者の視点に立った建築物のバリアフリー化、すべての人の生活への支援、安全、安心に暮らせる地域社会の体制整備、すべての人が東京の魅力を楽しめるまちづくり。
また、基盤づくりということで、3番目では、住民参加や利用者の声を反映したスパイラルアップの仕組みの確立、事業者や都民の参画意識を醸成する体験学習、あるいはシンポジウム、アドバイザーの派遣といったようなことを挙げております。それから、総合的な施策推進を図るための全庁的な福祉のまちづくり推進計画の策定などということでまとめております。
これらにつきましては、資料1-1の35ページから41ページにかけて述べさせていただいております。
次に、資料1-2マル2をもう一度見ていただきたいのですが、第5章ということで、これまで整理してきたことをまとめまして、東京都福祉のまちづくり条例改正の方向性ということで整理いたしました。1番目に福祉のまちづくりの基本的考え方、2番目に福祉のまちづくりの今後の役割、これについては3項目に整理をしております。小規模建築物、既存建築物等のバリアフリー化の推進、2番目が地域における住民参加等による福祉のまちづくりの推進、3番目が福祉のまちづくりの総合的、計画的な推進というものでございます。
さらに、条例改正に向けて今後検討していく課題についてもまとめております。資料1-2マル1では、一番右側のほうに整理をいたしまして、今申し上げました福祉のまちづくり条例改正の方向性と条例改正に向けた今後の検討課題ということで整理をさせていただいております。
今後の予定といたしましては、平成20年1月29日、第6期第3回推進協議会において意見具申を行いまして、2月以降、第7期推進協議会を設置いたしまして、条例改正に向けた今後の検討課題について審議をしてまいりたいと考えております。なお、条例改正につきましては平成21年度を予定しております。
雑駁ですが、説明は以上でございます。
○ 野村会長
ありがとうございました。一番最後の今後の予定ですが、1月29日には全体の会議がございますので、ぜひご予定いただきたいと思います。
それでは、これから審議をしたいと思います。約1時間ちょっとありますが、本日が意見具申の提言に向けての最後の委員会となりますので、積極的にご発言をお願いしたいと思います。
初めに、今ご説明いただいた資料1-2マル1、マル2で、全体の構成をお話しいただきました。これについてのご意見をいただき、ある程度それが終わった段階で資料1-1の提言案について細かく見ていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
A3の2枚のペーパー、資料1-2マル1、マル2、これについて何かご質問、ご意見ありますでしょうか。ここから入りたいと思います。これは全体の構成を示しております。あまり個々の問題ということではなくて、これからの福祉のまちづくりの新たなステージに向かってという大きなくくりといいますか、考え方を示したとご理解いただきたいと思います。
よろしいでしょうか。特になければ、また後で全体のお話をしたいと思います。
それでは、お手元にございます資料1-1、福祉のまちづくりの新たなステージに向けてと副題がついておりますが、これについてお話をしていきたいと思います。
1ページ目に「はじめに」というのがございます。これについて何かご意見ございますでしょうか。
それでは、その次にページが入っていない形で目次がありますが、これは先ほどごらんいただいたということにしまして、第1章が2ページから9ページ目まであります。ここについてご意見があればお伺いしたいと思います。
○ 川内委員
3点ほどあります。まず3ページの一番下の脚注ですが、ユニバーサルデザインのところで2点あります。1つは国籍というのがあるんですけれども、国籍が違っても特にニーズが違うということではなくて、むしろ差別ということからすると、人種というほうがいいのではないかと思っています。これは、ほかのある市の同じような会議で調べてみたんですが、国の定義では国籍というのはないんです。世田谷区あたりが国籍ということを入れてきているんですが、どこから入ったのかよくわからないということだったんですが、人種のほうがいいんじゃないかなと思っています。
それから、同じこの定義で1行目、「はじめからできるだけ多くの人が利用可能なように」と言っています。同じような定義が43ページに実はありまして、43ページの定義は上から5行目、「すべての人にとって」と言っているんです。つまり、「できるだけ多くの人」と「すべての人に」というのは、細かく言うと違うと思います。ですから、個人的には、すべての人にとって可能な限り最大限にという言い方のほうがいいんじゃないかなと思っています。それが1つです。
2つ目は、6ページの脚注にユビキタスの説明があるんですが、ここの文脈としての説明としてはいいんですが、ユビキタスそのものの説明にはなっていないというか、ユビキタスそのものの説明があって、ここではそのうちのこういうことを言うという書き方でないと、誤解を生むのではないかと思いました。
それから、7ページですが、四角の中です。新法における新たなポイントというので、対象者、身体障害者に限定せず、すべての障害者であることを明確にしたというのがあるんですけれども、障害者等の中にはもうちょっと幅広い意味を入れようということが言われているわけです。それから、高齢者ということもありますので、対象者と見出しをつけるのであれば、障害のある方のことだけを書くのではなくて、もっと幅広い対象だよということを書くべきではないかと思います。
それから2つ目、対象施設ですが、「建築物、公共交通機関に加え、道路」云々とありますが、旧交通バリアフリー法から引き継いだものとして、車両とか飛行機そのものの機材とか、そのようなものがあります。これは公共交通機関に入るのかどうか、疑問があるというか、そのあたりの表現をもう少し工夫していただければと思います。
それから、同じ四角の中の下から3行目、基本構想で、住民参加による協議会制度が法定化されたと。確かに法定化はされたんですが、別に協議会を設置しなければならないではなくて、設置することができると書いてあるわけで、これを法定化とぱっと書かれると、どこでも自動的に協議会がつくれるんだと思えるような感じがして、できるという意味合いを入れていただけないかなと思います。
以上です。
○ 野村会長
ありがとうございました。3ページ目の「年齢、性別、国籍」と書いてありますが、私も実は国籍という文字を見たことがあるんです。これは現法に戻って解釈する。現法では何と書いてあるんですか。
○ 川内委員
現法というのが何かわかりませんが、国が何年だったかにつくったユニバーサルデザインの定義というのがあります。そこでは国籍とは書いていなかったようです。この間、秋山さんも一緒でしたね。
○ 秋山委員
僕のほうで。アメリカの公民権法にさかのぼると思うんですけれども、人種という言葉はあるんですが、ナショナリティーはなかったと思います。
○ 野村会長
それでは、これはもう少し精査をするということで、その後のすべての人ができる限りというのは、そのような解釈を添えてもらえればと思います。
6ページのユビキタスも、一般的なユビキタスの定義、ここではこういう意味で使っているということにしたいと思います。
最後は、7ページでおっしゃったこともそうですが、公共交通機関というところは、括弧して車両等を含むということで。
○ 川内委員
はい。
○ 野村会長
一番下は、基本構想策定の協議会を設置したときはということでどうでしょうか。設置したときは当事者参加を義務づけているという解釈で。これも条文をもう一回読み直して、書き直すということにしたいと思います。
○ 今井委員
私も、川内先生からご説明があったんですけれども、ユビキタス技術の説明のところをもう少ししたほうがいいかなという気がしました。ここは1つに絞るのではなくて、ユビキタス技術そのものの説明というのが必要であると思います。次世代の情報基盤一般のことを指していると。今回の事業で実施した内容というものを別個説明するために、この文を使うのがわかりやすいかと思います。
○ 野村会長
ありがとうございました。
○ 秋山委員
1ページからのこれまでの東京都における福祉のまちづくりということで、総括がしていないんです。具体的に申し上げると、公共交通のバリアフリーの推進で、ここまで来たけど、こういう問題点を残して、課題の次のところで書かれるのかもしれませんが、こういう点が不足していたというところが書かれていないんです。例えば5ページのところに、地域における移動手段の確保のことについては、移動困難者等の調査などが日本では行われずに対策だけが行われているんです。対策も場当たり的で総合的ではない。したがって、ナショナル・トラベル・サーベイ、イギリスのように移動困難者をちゃんととらえることを東京都が率先してやるべきであるというような総括が欲しいです。
2つ目は7ページのところで、バリアフリー新法における新たなポイントがあるんですが、新法で依然問題というか、課題となっていることも書いてもいいんじゃないかと思うんです。例えば新法では、特に東京、首都圏の郊外部の都市、あるいは周辺部の都市で顕著な自転車問題があると思うんですが、自転車問題に対して、今回の交通バリアフリー法はあまり取り上げていないんです。自転車問題がどれだけ障害者の道路空間を埋め尽くしたり、建築空間を埋め尽くしたりしているかというのは、はかり知れない量だと思うんです。これに対する対応策を都としてはしっかり言うべきだろうと思うんです。そういうことを見逃して、耳ざわりのいい言葉がずっと流れていくということが果たしていいものかどうか。そのあたりが依然また次の課題として残されていくというところに、むしろ大きな問題があるように私は思えるんです。
したがって、この文書全体としては本当にそつなく書かれていて、いいものだと思うんですが、やはり行間に見る現実の問題を、東京都として少しでもこのあたりを改善していこうという姿勢を出していただけたら、もっと助かるなと。確かに福祉の領域でそれを出すのは無理かもしれませんが、むしろ交通だとか都市のほうに積極的にやっていただくという意味でも、1行だけでも書いておいていただくことによって、他の部局にぜひやってくださいということが言える可能性を持っていますので、その辺を工夫していただけたらと思います。
以上です。
○ 野村会長
ご意見の趣旨はもっともなんですが、この流れの中でなかなか書きにくいので、もし書くとしたら、第2章の2の福祉のまちづくりを進めるための課題というのがありますから、その課題の前振りに、今のご趣旨を反映して加筆をするということでいかがでしょうか。
○ 秋山委員
はい。
○ 野村会長
ほかにいかがでしょうか。
○ 坂巻副会長
今ごろになってこんなことを言うのは申しわけないと思うし、また、これにふさわしいかどうかわからないんですが、福祉のまちづくりと言いながら、ホームレスだとかワーキングプアとか、今の社会が抱えている現状についてはほとんど触れていないんです。福祉のまちづくりと言いながら、新宿とか何かにホームレスがごろごろしている。そういう人たちに対する視点というのはここには全く書かれていないんです。分野が違うと言われればそれで納得できるんですが、例えば13ページにはまちづくりの対象を日常生活または社会生活に制限を受けるものをいうと定義してあるわけで、そうした人たちの対策を抜きにして福祉のまちづくりがあり得るのかどうか。そのあたり、ご意見というか、見解を伺いたいなと思うんです。
○ 野村会長
どの方にということですね。
○ 坂巻副会長
範疇が違うと言えば違うかもしれませんが。
○ 宮村副参事
先生のご指摘の点は、本当に広くまちづくりということを考えていけば、含まれる問題だと思います。ただ、今回の意見具申に向けての課題を整理する過程の中では、ホームレスの対策等については福祉の観点から別の組織で取組をしている。それから、区市町村を交えての取組をしているということもあって、また、時限立法の見直しの時期にもあるというようなこともありまして、今回、これを考える上では、そこは線を引いて整理をさせていただいております。
ただ、問題点として、公園等のホームレスの住居のない人たちの問題というのは、特に私ども福祉保健局としては大きな課題としてとらえておりますので、今のような点については、また次の機会で、もっと広い視点で考えていくということで検討してみたいと思います。今回は、プロセスの中で検討してこなかったという経緯がございます。
○ 坂巻副会長
それでよくわかるんですが、今まで言ってこなかったのが悪いんだけど、福祉のまちづくりという中に、実際にそう言いながら、町を歩けばそういう現実が見える。それに対して別の部局でやっているからと言っていいのだろうかという疑問がちょっとあったものですから、ぜひ次の機会に何か触れていただければと思います。
以上です。
○ 野村会長
今のご発言は記録にとどめていただいて、今後、この協議会でどういう形でその問題にアプローチできるか、その辺のことを検討したいと思います。
○ 市橋委員
坂巻先生に関連づけて言ったらかえってよくないのかもしれないけど、発言もさせていただいたと思うんですけど、福祉のまちづくり、狭い意味でも駅にエレベーターがついたとか、そういうまちづくりというのは、障害者仲間からしても目覚ましく発展してきたということは認めざるを得ないところなんです。認めざるを得ないけど、では東京が住みやすくなったかというと、そうではないということが言えると思うんです。福祉の制度面というのは、前進面もあれば後退面もあるということは確かだし、そういう意味では、6ページの自立支援法の書き方も、何となく靴の上からかくような書き方で、いっそのこと書かないほうがいいんじゃないかなと僕は思うぐらいで、何でこんなところに書くのかなと思うんです。
何を言いたいかというと、福祉のまちづくりを進めていくときに、一般的な言い方をさせていただくと、自立支援法も含めて福祉の制度面と、いわゆるまちづくりと、かみ合っていかないと住みやすい町とは言えない。むしろ、今までは割合制度面は進んできたけど、町としては非常に住みにくかった。もう一個書いてほしいのは、我々が運動の中で、エレベーターとか、ビルを建てるときにスロープをつけなければいけないような状態に持っていった反面、進んでいかない、あるいは続いていかない、そこのアンバランスがまだまだあるんだよということは、全体の総括として書いていく必要があるんじゃないか。書かないなら書かないで、ハード面の福祉ということで書くか、あるいは情報なんかも含めて今の公共という現状をどう書くか。そこら辺ははっきりしたほうがいい。ちょっとあいまいなところがあるのかなと。だから、坂巻先生みたいな意見が出て、ホームレスはどうなんだというところになっちゃうのではないかと思います。
○ 野村会長
ありがとうございました。先ほど6ページのところに、障害者自立支援法云々というお話で、書かないほうがいいんじゃないかというお話がありましたが、これを入れたほうがいいと言ったのは実は私なんです。私が申し上げたのは、7ページの一番上に書いてある、障害者が地域へ戻るということ、就労を促進するということ、これのためには町の整備というのが欠かせないんだと。そのことをきっちり書いてくださいと申し上げたんですが、7ページ上の1行、2行では、その意図が伝わりにくいということがあるかもしれません。そういうことで、ちょっと工夫をさせていただきたいと思います。
それから、先ほど秋山さんのご意見を第2章の課題の前に入れるということがありましたが、今、市橋さんのお話をお聞きしながら、9ページの最後になりますか、要するに第1章のまとめということで、そういう問題がまだまだいっぱいあるんだというような書き方もあろうかと思いますので、その辺の書き分けは後で事務局と相談させていただけないでしょうか。
○ 市橋委員
そこに、障害者団体とか都民のアクションがあったというところを入れていただきたいと思います。運動があったということで。
○ 野村会長
いかがでしょうか。実は山はもう少し後のほうにありそうなので、議論を先に進めさせていただきたいと思います。
それでは、恐縮ですが、第2章、10ページから23ページ目まで、第2章、21世紀における福祉のまちづくりの課題ということで記されております。ここのところについてご意見をお伺いしたいと思います。
○ 川内委員
22ページに安全、安心なまちづくりというのがあります。最初の○の一番最後に、「施策を通して推進していくことが重要である」ということが書いてあります。これは、ここを例に挙げただけで、基本的な話だと思うんですけれども、いろいろ考えていくと、例えば安全、安心のまちづくりのところだと、震災対策条例とか地域防災計画というものがあります。その後で、「福祉のまちづくりでは、特に、高齢者や障害者等の災害時要援護者に対する災害等への備えや生活を」云々と書いてあって、これは震災対策条例と福祉のまちづくりを分けなくちゃいけないという意味が――これはずっと議論された話なんですけども、震災対策条例の中に災害時の要援護者に対してこうするとか、地域防災計画の中にもそういうことをするとか、そのような書き方のほうがわかりやすいのではないか。
それに関連して、例えば44ページに、福祉のまちづくり推進計画がほかのいろいろな領域とどういう関連を持つかというのが書いてあります。これはこれでいいんですけれども、むしろ推進計画そのものはこういうことをやるんだとしても、一つ一つの個別の対策というのは、観光とか教育とか労働とか、それぞれの条例なり計画の中で、こういう方々にはこういう対応をするんだということを書くべきではないかと私は思っているんです。その点から見ると、22ページの書き方、あるいはこの周辺の書き方は、書いただけというか、具体的にどうするのかというのが見えてこないという気がしています。
以上です。
○ 野村会長
そのことについて何か、ほかの方、いかがでしょうか。いろいろな部局でいろいろな施策をやっている。それがお互いに連携し合うということが一番重要なのではないかと思うんです。特にハードの問題だけが書いてありますが、災害が発生したときにはもう1つソフトといいますか、システムといいますか、住民の協力体制だとか、そういうこともとても重要になるので、ハードだけに限らず、ソフトの問題も少し加えていただくこと。それから、いろいろな事業計画をそれぞれで担当すると、実際起こった災害というのはたった1つなのに、全部見なくてはいけないというのはとても大変なので、連携がとれるような仕組みづくりというか、そういうことが私は重要なのではないかというふうにお話を聞いていたんですが、事務局では何かお考えがありますでしょうか。
○ 宮村副参事
なかなか文章で表現することの難しさもありまして、特に震災対策条例とか地域防災計画は大変広範囲にわたっているんです。そういう計画について、どこまでこの中で述べていくかというときに、それだけを語るのにもページが非常にたくさんいってしまうのかなという中で、書き方の1つとして、たくさんある中で福祉のまちづくりを考えていく上では、特に要援護者に対する問題に着目する必要があるだろう。これだけをやるという意味で書いているわけではなくて、たくさんある問題の中で、特にここの点については強調しておく必要があるのではないか。そういう認識のもとに記載をさせていただきました。
そういう意味では、そのことが十分伝わり切れていないところがあるかもしれません。ページ数があまり膨大になっても、他の分野とのバランスということを考えても、その部分だけに広範にページを割くということは避けたほうがいいのかなというような試行錯誤の中で、文章としてまとめた内容です。趣旨としてはそういう理解をしております。
連携のところも、あらわし方だと思うんですけれども、やはりその必要性は基本的に認識しておりますので、そこらを含めてもう少し表現方法を工夫してみたいと思います。
○ 野村会長
他部局の行っておられる事業について、あまり細かくここで取り上げるということになると、確かにおっしゃるようにページがどんどん割けなくなってしまいますし、読みにくくなるということも1つあるんです。そういう意味で、もしできるならば、例えばここに書いてあることはほかの部局のどういう事業と関係があるという、最後のほうに整理をしたようなことがあると、もうちょっと全体が見やすいのかなと、今お話を聞いていて思ったんです。
○ 秋山委員
災害については、福祉部局できちんとした研究レポートをつくって、どういう観点でどういう内容をどの程度福祉部局として対応するかということを一度ちゃんと考えないと、なかなか書けないと思うんです。来年度以降でもよろしいですから、一度どこかでやっていただけないでしょうか。
○ 野村会長
かなりいいレポートを持っているんですよ。
○ 秋山委員
そうですか。全然見ていないんですけど。
○ 野村会長
かなりちゃんとしたレポートがあるわけですから、そういうレポートがあるということと、それがどこでやっているかということを書いていれば、今のような話は全部整理されるような気がするんです。それが見えなくて、みんな自分の分野はよくわかるんだけど、ちょっと部局が変わるとわからないということがありますので。
○ 水村委員
今の議論と若干重なってくる部分があると思うんですけれども、第2章の2の(1)から(8)なんですが、あまりにも縦割りというか、細切れというか、先ほど連携というお話もあったんですけれども、こういった課題が包括されてのまちづくりということが読み取りにくい気がするんです。私は従来、福祉のまちづくりで一番不満を抱えている部分が、うまく説明できないんですが、近隣住区的な視点というか、人が自分の家があって、そこから例えば保育施設とか教育施設を利用する。あるいは公共交通機関を利用するために最寄りの駅に行く、就労の場に行くという、住宅を中心とした面的な広がりをどのように計画していくかという都市計画的な側面になると思うんですけれども、それにあまり執着していないというのが私自身の不満だったんです。
第1章の中にも面的整備の推進というのがあるんですけれども、どちらかというと線としてつないでいくというような部分が主なもので、唯一、前回のとうきょうトイレのときに、トイレの適正配置という議論があって、地域の中にトイレをどう点在させていくかという視点があったんです。今回、とうきょうトイレは1章の2の(2)の記述に限ってしまって、適正に人にとって必要なものを地域の中に分散させていくという視点がまたなくなってしまったと感じるんです。
災害の問題に関しましても、災害時要援護者のために福祉避難所という制度がありますけれども、もし自分自身が要援護者で、自分の家から行ける範囲に福祉避難所があればいいと思うんですけれども、必ずしも今の東京都の町の現状だと、そうとは限らないんだと思うんです。やはり通常の避難所に行かざるを得ないというような側面も出てくると思います。面的に人が暮らしやすい町、家がどこにあって、生活の中で使う施設はどこであって、それは交通とどう連携していくのかというあたりのことを、課題のところでもう少し位置づけていただけるといいんじゃないかと感じました。
以上です。
○ 野村会長
生活者として地域で活動するためには、どうしてもいろいろな事業がネットワークされていなければいけないという意味で、秋山さんのご意見と……。
○ 秋山委員
第2章の最後のところで、3として総合的なまちづくりの推進というのを1つつけ加えておいてもよろしいんじゃないですか。そこには、コミュニティーづくりだとか、総合的なインフラづくりを書けばよろしいと思います。
ちょっと別の点で気になった点がございます。数値的なことですけれども、いろいろ図表が出てくるんですが、サンプル数が書いていないとか、例えば14、15ページのモニターの調査、Nイコール幾つとか書いておいたほうがよろしいと思います。
16ページにNイコールというところが4万幾らあると思うんですが、これが母集団だと思うんです。その下の入居制限の対象者、母数となっているんですが、これもそれの中の母集団のことを意味しているんですか。それともサンプリングした状態なのか、よくわからないということ。
それから、17ページの下に備考が書いてあるんですけれども、総数が書いてあるんですが、本当は総数のうち何らかのバリアフリー設備があるものと、総数のうちバリアフリー設備がないものの合計値が書いてあると、合計が100%になるんじゃないか。100%のつくり方が違うかなという気がしました。
そういう意味で、図表についてもう少し丁寧に書かれたらどうでしょうかということです。
○ 野村会長
確かにおっしゃるように、図表は引用するときにもとのデータをもうちょっと読み込んで扱うということでお願いします。
○ 坂巻副会長
また災害に戻るんですけれども、例えば31ページに災害に備えた取組と書いてありまして、個人情報の保護に配慮しながらも、行政として日常的に情報の把握に努めるとともに、町会、自治会などの地域住民が取り組むことが望まれると書いてあるんです。しかし、実際に今ネックになっているのは、地域住民や自治会などが災害のときの要援護者を知りたいと行政に言っても、行政がそれをオープンにしない。要するに、そういうものは個人情報だからだめだといってオープンにしないんですね。そうすると、自主的に取り組もうと思っても取り組めない現実が、個人情報保護法の過剰な産物であるんですね。そこのところを破らないと、災害のときの所在の把握といったって、現実には動かない。そのあたり、せっかく災害の問題をとらえるならば、行政として把握に努めて、あとは自主的に取り組めといっても、行政がオープンにしないと取組ようがないんですが、そのあたり、何かうまい表現はないんでしょうか。
○ 野村会長
大変恐縮ですが、31ページは章が違いますので、後で話をさせてください。それまでにご準備をしていただきたいと思います。
○ 坂巻副会長
すみません。
○ 川内委員
22ページの安全、安心なまちづくりに戻りますが、先ほどのご説明で、震災対策条例とか地域防災計画というのがある。その中で、特に福祉のまちづくりでは要援護者に対することを考えていきたいということなんですが、その次の○には一番最後に、「各段階により必要な体制づくりや支援が求められる」と書いてあります。どうもこの文章を読んでいてよくわからなかったのは、主語がないんです。各段階により必要な体制づくりや支援をする、支援の体制をつくるのは、あるいは計画をつくるのはどこなのかということ。それが上に戻っていって、1つ目の○で、福祉のまちづくりでは要援護者に対するどうのこうのと書いてあります。この福祉のまちづくりではというのは、福祉保健局としてはこの部分を担いますよという意味なんでしょうか。ほかにも主語のないところがたくさんあるんですけど、よくわからないので、少しご説明ください。
○ 宮村副参事
各行政のそれぞれの部門でいろいろな計画をつくっておりますので、基本的にはそういう部門で、例えば災害の問題であれば地域防災計画を担当している、東京都の場合ですと総務局になるわけですけれども、そういうところで計画をつくるときに、こういった視点を取り入れてやっていただきたいということで、ここには記載をしております。そういう意味では、かなり広範囲に、いろいろな分野について書き込みをしてございますけれども、それらを全部福祉保健局でやるということではないので、そこらあたりが踏ん切りが悪いといいましょうか、なかなかずばりと踏み込めないところがありまして、どうしても主語が抜けていたりというご指摘のところに当たろうかと思います。
○ 川内委員
このように理解していいですか。例えば2行目の「福祉のまちづくりでは」と書いてあるのは、福祉のまちづくりに関する部分としては要援護者のことだという意味でいいですか。
○ 宮村副参事
はい、そのとおりでございます。
○ 川内委員
では、そのように書かれたらいいんじゃないかと思います。
○ 野村会長
我々が論文を書くときには主語、述語がはっきりしていないとだめなんですが、行政ではよくこういう不特定多数を意識したような書き方があるんです。ですから、「求められる」というのは文法上あり得ないんですけれども、今、結構使ってしまっていますね。
○ 秋山委員
もう1つ聞いていいですか。災害時要援護者に対する災害等への備えというのは、一体何をどう想定するのか、非常に難しいと思うんです。恐らく防災をやるときに、事前にどこまで踏み込んでやれるかによって、被害を縮小できるという部分と、もうしようがなくて、事故が起きてしまった後、頑張るというのと2つあると思うんです。備えというのは、住宅の安全化とかいろいろあると思うんですが、どういうことを備えるかというのをもう少し具体的に書かないと何もわからないですね。
○ 市橋委員
そういう意味では、さっき野村先生が言われたように、防災とかそういうのはほかの面できちんと書いてあるので、どうもこういう文章を見ると、まるでパズルみたいにちょこっとつけないといけないような雰囲気があるんです。しかも、それが大きくなったり、小さくなったりする。防災というのは、書けば本当に1つの論文ぐらい書かないといけないもので、ここはどこかに任せるぐらいのことを書いて、結論としては、条例改正の方向性を見つつだから、条例にどう加えるかといったら、ますます大変なことになるので、そこら辺の書き方をしないと、本当にパズルみたいなことになっていっては、かえって今みたいな議論になっちゃう気がするので、そこら辺は工夫したほうがいいと思います。例えば3番目の○で「けがの防止や防犯など」、防犯は一体どうやるのといったら、大変な問題になるので、これは書き方を工夫したほうがいいんじゃないかと思います。
ちょっと戻って、障害者の数が載っていましたよね。11ページです。何を言いたいかというと、せっかくICFが前の章に書いてあるのに、ここで障害者の数がふえたの減ったの書くと、障害の範囲を狭く見ちゃう傾向があるので、ここも書き方を工夫していただきたい。前の章でせっかく障害の範囲を広げて物を考えようと言っているわけですから。
○ 野村会長
このように解釈していいですか。11ページには身体障害者、知的障害者、12ページに精神障害者があるんですが、それ以外に発達障害者であるとか、難病であるとか、いろいろな方がおられるわけです。そういうことについてももう少し言及をしたほうが……。
○ 市橋委員
言及というか、障害の範囲を広げて……。12ページの表の下の○に、もっと障害の範囲を広げてみたいな書き方をしたほうがいいんじゃないかと思います。
○ 坂巻副会長
今の意見に関連するんですが、身体障害者の半数近くは高齢者ですよね。ですから、私ども、どうしても身体障害者というと若い人をイメージするけれども、現実に高齢化がどんどん進めば、身体障害者の半数以上は60歳以上の高齢者が占めている。そういう意味では、高齢者と障害者というのは別の存在ではないんですね。そういうことを文章につけ加えていただくと、身体障害者の問題もこれから年寄りになる我々の問題だとわかるので、説明につけ加えていただければと思います。
○ 野村会長
いろいろとご意見が出ましたが、まずは22ページの安全、安心のまちづくりの書きぶりをもう一回検討させていただきたいと思います。
それから、先ほど坂巻委員から出てきた各段階の必要な体制づくりの支援ということで、個人情報云々の話がありました。この辺については、そういう面もあるんですが、一方で、各地でいろいろな取組が行われているんです。そういう取組を囲みで事例的に出すというのも1つの方法だと思います。ただ、いいものが東京都にあるかどうか、それはわかりません。全国の防災のまちづくりの審査をやっていますので、そういう情報はいっぱい持っていますけれども、東京都であるかどうか、そこはわかりませんが、いいものがあるのではないかと思いますので、工夫をさせていただきたいと思います。
時間の関係で、先に行ってよろしいでしょうか。大事なのは、第3章で時間をもう少しかけたいと思っています。
○ 越智委員
2章でお話しさせていただきます。久しぶりですので、あいさつをさせていただきたいと思います。10年ぐらい委員をやってまいりました。ずっと私が担当するのもどうかと思いまして、職員改正を機会に新しい委員にかわってもらうつもりでしたが、新しい委員の都合で、私がきょう戻ってまいりました。よろしくお願いします。
ちょっとブランクがありますので、状況がつかめていないところがありますが、メールで送っていただいたものに目を通しましたが、細かいところまで読み込んでいませんので、的外れな質問かもしれませんが、ご了承いただけますか。すみません。
1つ目ですが、10ページのところで、東京の状況に関してというところですが、ちょっと含めたほうがいいかなと思うところがあります。1つが、東京の場合は住んでいる人よりも仕事として通っている人が多いということがあると思います。その中に障害者も高齢者もいると思います。そういうことに対しても考えておかなければならない部分として、加えておかなければいけないのではないかと思います。
もう1つが、これは含めていいかどうかわかりませんが、東京の場合は、東京で生まれ育った人よりも都外から来ている人が多いのではないかと思います。私自身も福岡で生まれ育って、大学の関係で東京にまいりました。そういう方も多いのではないかと思います。そういうことを考えますと、実家がある、親戚との関係などで問題もいろいろ起きてくるのではないかと思われます。例を言いますと、手話通訳ということで、実家が福岡、手話通訳を使いたくても使えないという状況があります。ことしの6月に私の祖母が100歳になりました。お祝いの集まりがありましたが、手話通訳の手配ができなくて参加するのをあきらめたという経緯があります。地方とのかかわりという部分でも、どうかわかりませんが、今後含めていければいいのではないか。今後の課題として検討していただければと思います。
○ 野村会長
ありがとうございます。都民という考え方、この辺を改めて居住者だけではなくて勤務者であるとか、地方との、越智さんがおっしゃられたようなことも含めて、このまちづくりの対象となる人をどのように考えるかということでの一石だろうと思います。ありがとうございました。
先に行ってよろしいでしょうか。第3章、24ページ、ユニバーサルデザインの考え方に立った福祉のまちづくりの推進ということがあります。これは34ページまで、ちょっと長いのですが、どうぞご自由にご意見をいただきたいと思います。
○ 今井委員
28ページの子供と子育て家庭を支援する取組の強化の部分なんですけれども、ハードの面については具体的によく書かれていると思うんですが、今一番深刻な問題はソフトの面だと思うんです。地域との関係の構築ですとか、人と人との関係のつくり方、いじめや自殺にも関係してくるんですが、そういった面に対してどういう考え方を持って、どうやって改善していこうかということがもう少し書かれていると、今の問題を解決しようという姿勢が見えるかなと思いました。また、それはハードをどうやって使っていこうと思っているかという考え方を示すことでもありますので、展望として何か具体的に、イメージのできるようなストーリーがあってもいいかなと思いました。お願いします。
○ 野村会長
事務局のほうで、今のお話を受けてくださいますか。検討をお願いします。
○ 宮村副参事
この辺も含んで書きたいと思っていますので、表現を工夫したいと思っております。
○ 野村会長
それでは、先ほど坂巻委員から出されました31ページ、災害に備えた取組ということで、福祉関係者も自主的に取り組むことが望まれるという、この自主的ということが結構いろんな個人情報云々でネックがあって難しいのではないかということです。どうぞ事務局のほうで。
○ 筒井地域福祉推進課長
先ほど坂巻副会長のご意見、ごもっともな部分でございます。先ほど野村会長からもお話がありましたように、近年、町会とか自治会、あるいは民生委員さんたちの災害関係での自主的な取組がかなり広がってきているんです。そういう中で、要援護者のリストであったり、そういう情報がなかなか行政から伝わってこない。そこが自主的な活動のネックになっているんだという話、これは我々も数多く伺っているところでございます。この間、東京都からも区市町村向けに通知も出しておりますし、厚労省も局長名の通知で、例えば災害時の要援護者に対する情報提供については、行政側も十分配慮して地域住民と協力を図るような取組をしなさいという形で出しております。確かにこの部分、自主的に取り組むことが望まれるというよりも、地域住民や民生・児童委員などの福祉関係者との情報の共有化も課題であるといった表現のほうがふさわしいかなと考えております。
○ 野村会長
ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
○ 川内委員
24ページに小規模建築物のバリアフリー化があります。その次に既存建築物のバリアフリー化の促進というのがあって、既存建築物の一番最後に、ハードだけではなくて、従業員等の人的な対応、サービス提供の工夫等によって施設利用を可能にすることも重要であるというようなことが書いてあって、これはこれでとてもいい適切な表現だと思うんです。
その上の小規模建築物というのは、下に既存があるので、多分新築を想定されていると思うんですが、新築であっても小規模の場合は、例えば奥行きがあまりないお店なんかにスロープをつけても困るわけで、やはり人的対応というのがとても重要になってくると思うんです。それに関しては、小規模の一番下のあたりに、小規模建築物の実態を考慮した整備方法や最低限の整備を担保する方策の検討というのがありますけれども、整備という言葉だと、なかなか人的対応も含めた考えがにじんで出てこないような気がするんです。もっと具体的に言うと、個別具体的にそれぞれのケースで、どのレベルの整備をして、どのレベルを人のサポートにお願いするとか、そのようなことを決めていかなくちゃいけないんですけども、個別具体的な対応というのが現在の建築指導のフレームの中では多分できないと思うんです。そうすると、それをどうするのかとか、こんな人的対応のやり方がありますよということを事業者に教えてあげて、柔軟に応用できるようにするとか、そのようなことが少し書いてあるといいなと思います。
以上です。
○ 野村会長
ありがとうございます。それは多分書き込めるのではないかと思います。
ほかにいかがでしょうか。
○ 秋山委員
34ページの交通機関の利用の円滑化と移動支援システムの1つ目のパラグラフですけれども、これの2行目ぐらいで、「交通事業者は施設や車両等の整備に加え」まではいいんですが、その後が本当にこういう状況なのか。「研修等で従業員による利用者への対応能力の向上を進める取組についても検討していく必要がある」。ほとんどの交通事業者は現在やっているんですね。やっていて、その問題が不十分なので、もう少し前に進めようという状況なので、状況認識が間違っているんじゃないか。だから、これは対応能力の向上を進める取組はやっているけれど、さらに向上を図るという書き方だったらいいと思うんです。
そういう意味で、東京都として新しいプログラムを展開したらどうかというのが、移動支援プログラムの1つとして、ユージンというアメリカの都市の例なんですが、新宿駅みたいな大規模なところについてはトランジットホストみたいな人を置いて、乗りかえだとか案内だとかを、障害者の雇用にもつながると思うんです。午前5時間、午後5時間ぐらい、障害者の人を雇用して案内をするようなやり方を、新宿駅ぐらいで実験的にやったらどうか。これが1つの提案です。
もう1つの提案は、バスバディという言い方をするんですけれども、高齢ドライバーがかなり危なくなってきております。高齢ドライバーの人が自動車からバスに転換するための方策を導くとか、そういうことをやるべきだろうと思いますし、知的障害者の人たちが、例えば一般のバスに乗れないところを、一般のバスに乗れるようにトレーニングをするということも、プログラムとしてはぜひ展開していただいたらどうか。そういう意味で、今まで公共交通についてなかなか乗りにくかったり、乗りかえが難しかったり、そういう人たちを総合的に対応する窓口が、まさに福祉がやるべきセクションなんですけれども、東京都はそこのあたりをぜひ戦略的にやっていただけたらと思います。これのモデルは、アメリカのプロジェクトアクションの教育プログラムの中に、あちこちでやっておりますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
以上です。
○ 野村会長
その辺がどこまで書き込めるか、秋山さんに細かく聞いてから書き込む工夫をさせていただけないでしょうか。新宿駅でやる前に都営交通でやってほしいなと思いますけどね。
ほかにいかがでしょうか。
○ 川内委員
33ページの脚注のピクトグラムですが、「不特定多数の人々に対して情報を伝えるためにデザインされた図記号(絵文字)」と書いてありまして、私が今、正確な定義を持っていないので何とも言えないのですが、「図記号(絵文字)」という書き方がいいのかなというのが1つ。それから、ピクトというのは、不特定多数の人々に対して情報を伝えるためにというそもそもの目的があったのかどうかというのがちょっと疑問なんですね。ですから、これは私も調べてみますが、調べて正確に書くようにしましょうということ。
以上です。
○ 水村委員
先ほど話題に上がりました災害の関連で今思い出したんですけれども、災害に備えた取組というところで、たしか東京都内は板橋区などが実施していると思うんですが、要援護者の対象となる方を含めた避難訓練、防災訓練などを行っている自治体もあります。備えというのはプレパレーションなんですけれども、防災教育とか避難訓練とか、その辺から視野に入れて再考されるといいのではないかと思いました。
以上です。
○ 坂巻副会長
ついでに関連して、31ページの下から3行目に、「近くにいる人は応急措置を施すことができる医療隊を要請する」と書いてあるんですが、私、ちょっと勉強不足で、医療隊というのがどこにどういう形であるのかわからないんです。これは一般的に通用する言葉なんでしょうか。これはどういう組織なんですか。東京都にこういう組織があるんですか。
○ 宮村副参事
医療隊という名称で組織があるかと言われますと、正確にあらわしていないかと思います。ただ、災害発生時にそういった救護をする医療チームが編成されて対応するということがありますので、そういうことを指して医療隊という言葉で表現させていただいていると思いますので、それについては正確な言葉について調べた上で記載していきたいと思います。医療隊というような言葉で使っているかどうかも含めて、再度調べていきたいと思います。
○ 野村会長
このように書くと、実態がないとなかなか問題になりますので、実態がなければ形容詞的な表現で。
○ 秋山委員
ピクトグラムの定義がわかりました。ピクトグラムとは、言葉にかわって意味を理解することのできる記号。学習しなくても、だれにでもすぐにわかる。別名、図記号とか絵文字、グラフィカルシンボル。特徴だけ述べておきます。一見してその表現内容を理解できる。2つ目が、遠方から視認性にすぐれている。スペースを節約できるというのが特徴です。その結果、視力の低下した高齢者とか移動制約者、外国人などにも理解できる情報伝達手段、これが特徴です。
○ 野村会長
また改めて事務局でお調べいただきたいと思います。
○ 筒井地域福祉推進課長
先ほど31ページの医療隊の部分ですけれども、私も用語として医療隊という言葉がうちの局で使っているのか、後で確認したいと思います。いわゆる災害時の救急医療班といいますか、医療救護班といいますか、これは都内の救急医療機関を中心にそういうチームを組んでいるという実態はございます。名称はこれでよろしいかということについては、確認をさせていただきたいと思います。
○ 野村会長
よろしくお願いします。
よろしいでしょうか。
○ 越智委員
災害について私からも少しお話ししたいと思います。災害対策についての取組で、最終的に命を救うのは一人一人の日常の備えだと思います。これは障害者、健常者、関係なく同じだと思いますが、例えば家具が倒れないようについたてをつけるとか、いざというときのために、非常時のための対策、例えば笛を持ち歩く。私自身も携帯につけて笛を持ち歩いています。うるさいかもしれませんが、ちょっと試してみます。(笛を吹く)こんな音です。これを持ち歩くことによって、自分の命を救うことができると思います。一般の災害についても、聴覚障害者の場合、情報も足りないこともあって、十分な情報がないままというところもあります。その部分での情報障害者も含めて聴覚障害者に対する心構えのための啓発も含めていったほうがいいのではないかと思います。
次に33ページなんですが、情報面で困難を抱える人に対する支援というところで、次の1行目、「必要な情報が十分に手に入らない」というところがありますが、内容的ではなくて、情報が手に入っても時期を逸した場合は役に立たないことも多いです。それもありますので、必要な情報が適切な時期にというような言葉を入れたほうがいいと思います。
○ 野村会長
ありがとうございました。よくわかりました。
○ 市橋委員
25ページの店舗内部のバリアフリー化のところで、僕は改めて感じたんですけれども、障害者団体なんかにいると、バリアフリー化後、こういう店舗ができてから改造しそうな傾向でこの前まで見ていたわけです。ところが、だれでもトイレの指針が出て、だれでもトイレの指針を商店街の会長や地域の障害者団体に持っていったら、それいいじゃないかというような話が出て、今、話をまとめたやつがあるんです。
何を言いたいかというと、今までは売り場面積が減っちゃうとか、そういうところだったんですが、やはり障害者と高齢者と店舗が同じ方向に向き合えるということを少し入れると、条例化に関してもかなり前進できるところがあるんじゃないか。そういうところでは、幾つかの店をつくりかえたり、あるいはトイレを精いっぱい広げた、そういう傾向が出てきているところも、促進していこうというところが、今、必要じゃないかと思っています。
それから、28ページですけれども、具体的に書けば、都営アパートが障害者にとって便利、都営アパートをもっと建てろということを言いたいんだけど、どの委員会に行っても、これを直接書くわけにはいかないみたいなので。だけど、やはり公営住宅の責務は重いというところはどこかに入れておいてもらいたい。集合住宅、公営住宅の責務というのはあるし、歴史的に見たって、車いす住宅が民間の住宅を引っ張っていったのは事実であるから、責務は重いぐらいは書いておいてほしい。数をふやすというのも書いていただければ、みんなに褒められるんだけど、そうはいかなくても責務ぐらいは書いていただきたいと思います。
○ 野村会長
25ページの店舗内部のバリアフリー化ということで、これは海江田さんのところでご尽力いただいて、最近、ファミリーレストランであるとか、コンビニエンスストアで、随分トイレがオープンになってきていますよね。そういう表示がなされているということで、私はとても評価をさせていただいているんです。ただ、同じ目線というところは必ずしも十分でないと思いますので、そういう意味で、もう少し書きぶりを工夫させていただきたいと思います。
それから、都営住宅のことについては私も十分理解しているつもりですが、これが世の中に出るときに、いろいろな行政の中での調整ということがあると伺っていますので、改めてどこまで書けるかということを検討させてください。私も十分わかっています。
○ 市橋委員
できたら苦笑いぐらいで、ここを記録にとどめてください。そうしないとみんなに怒られるから。
○ 今井委員
33ページの上から2つ目のパラグラフで、ユビキタス技術の活用などを働きかけていくことも重要であるとなっているんですけれども、実際に都民の手にいいものが届くということが大事だと思うんです。都として例えば下の売店で推奨するものを具体的に使って試してできるようなこととか、最終的に書くか書かないかは別として検討していただけるといいと思います。
○ 野村会長
ありがとうございました。
それでは、先に進ませていただきます。第4章、福祉のまちづくりを進めるための基盤づくりということで、36ページから41ページまでです。
○ 川内委員
44ページの図です。推進計画については、先ほど申し上げたように、それぞれの観光だとか教育だとか労働だとかという計画とどうリンクするかということが重要と申しましたので、そのあたりがもう少し書き込んであったら、この図でも見たときにわかるようにしていただけたらと思います。
それから、44ページの下から2つ目の○、条例改正の今後の検討課題のところで、一番最後に、条例の名称やその趣旨を反映した定義が検討される必要があるということがありまして、既に条例の名称や趣旨を反映した定義は検討されて、今の福祉のまちづくり条例になっているわけですから、これをもう一度考えましょうということなので、再検討される必要があると書いていただけたらと思います。
以上です。
○ 野村会長
ありがとうございました。最後の条例の名称やその趣旨を反映したというのは、東京都の整備局の条例の話と保健福祉局の条例の話を指しておられるんですよね。違いますか。
○ 宮村副参事
そうです。
○ 野村会長
その辺の整理をもう少しきっちりしておこうという趣旨だろうと思います。その趣旨がこれでは伝わらないということもありますので。
前半のご意見は、確かに上の図を少し工夫していただいて、意見を踏まえて補足をしたいと思います。
ほかにいかがでしょうか。
○ 越智委員
川内さんのお話に続きますが、私も総合的な進め方を考えるのはいいと思います。といいますのは、今回、自立支援法を受けていろんな問題が起きています。その1つが手話通訳なんですが、東京都レベルの手話通訳派遣の事業がなくなり、区市町村だけになりました。仕方ないかなと思っていますが、いろんな問題が起きている。あるところでは通訳がいないとか、派遣ができないとかという問題が起きています。これは福祉局だけの問題ではなくて、いろいろかかわってきます。
1つに、病院の通訳の問題があります。ふだん医療を受ける場合は地域の通訳をお願いすればいいのですが、緊急の場合の通訳をどうするか。例えば都立病院の通訳、もう地域に頼む時間がない場合、どうするかという問題があります。そういった問題は、福祉局の問題というよりも病院の問題、また警察の問題でもあります。部署もそれぞれかかわってきます。今までは東京都手話通訳派遣協会という派遣センターがかかえていました。でも、自立支援法を受け、その派遣事業がなくなったために、カバーできるところがなくなりました。いろいろな問題が起きています。それも含めて、総合的に考えていかなければならないと感じています。
ただ、問題は何かというと、部署の予算化なんです。今から突然、病院とか警察に手話通訳の予算をどうしてほしいといっても、それはできません。それも含めて具体的に進める方法をもうちょっと組み込めないのか。予算化をするような文章を盛り込めないのか。
ほかにも災害面でも、最近わかってきたんですが、今までは総務局の防災課、私たち聴覚障害者に対する防災計画をお願いしてきました。先日の交渉でわかったことなんですが、実際は幾つかに分かれています。例えば災害時の災害ボランティアの派遣とか、調整するのは生活文化スポーツ局。また、避難所では福祉局。それぞれのところで総合的な支援はできません。そういうことがわかってきました。だから、きちんとできるように、具体的に整理してもらえればと思います。
○ 野村会長
今、越智さんのお話を聞いていて、私は10月、関西のある大学の附属病院に行ったんです。附属病院は館内の案内をすべて委託業務に出しているんですが、その委託業務を受けている会社の社員が自発的に手話を勉強して、そこの病院に来て勤務をしているんです。やはりこれがある意味では本当の姿ではないかと思うんです。でも、そんなことを理想的に言ってもしようがないんですが、そういう事例は町の中にあるんです。そういうことで、行政に言ったからやるとかいうレベルでないところに、自発的な取組が重要なのではないかと思います。そんなことを踏まえながら、ちょっと文章化をしていただくといいんだなと、感想ですが、思いました。ありがとうございました。
○ 水村委員
4章の2なんですけれども、37ページ、高齢者や障害者等を含めた人々の多様性への理解促進という項です。多様性という言葉を取り上げながら、(1)の本文内は、基本的には身体障害を持っている方と高齢者ということで、やはり全般的に反映させるのが難しいのはよくわかるんですが、知的障害者の方とか精神障害の方に対する配慮が全般的に欠けてしまっている気がいたします。そういう意味では、多様性という言葉を使用しておりますので、そういった問題を取り上げていただきたい。
あわせて、ちょっと前に戻っちゃうんですけれども、同じことで、第3章の2の住宅のバリアフリー化の促進のところでも、例えば知的障害の方が地域生活を送るためのグループホームの問題とか、精神障害の方が自立支援法のもと、地域生活に移行していかなければいけない中で、地域で受け皿がないとか、そういった問題もあると思います。今までになかった視点である部分で、なかなか反映させにくい部分もあるとは思うんですけれども、ぜひ多様性ということで、いろいろな障害を持っている方のことをきめ細かく拾い上げていただきたいと思いました。
以上です。
○ 野村会長
現在は、障害者という言葉の中には身体障害者だけではなくて、知的障害者、あるいは精神障害者が含まれるという解釈で使うわけです。ただし、ほかの方がお読みになったとき、なかなかそこまでは気が回らないということで、最初のところにそういうことを書いておく。ただ、水村さんがご指摘されたことはそれだけではなくて、発達障害者であるとか、多様性と言うからには、それ以外の人たちのことを少し触れておいたほうがいいのではないかと感じました。そのことでよろしいですか。
○ 水村委員
はい。
○ 今井委員
先ほど越智さんがおっしゃっていた手話通訳の問題なんですけれども、手話だけに限ったことではありませんで、外国人の問題として取り扱うべきだと思います。大手の企業では必要なサービスだと考えていまして、技術的に解決しようと、テレビ会議システムを店頭に置きまして、集中的に情報提供、通訳を提供できるようにしております。それは手話通訳ももちろん、中国語、韓国語といったように、中央に置いておくことによって、急なときでも対応できて、少ない人数でいいサービスを提供しようという取組がございますので、そういうことも検討しますと、予算的にも取りやすいのではないかと思います。
○ 野村会長
ありがとうございました。
そろそろ時間ですが、言い忘れたこと、あるいは追加でご意見があれば、あと10分ぐらい何とかなりそうですので。
○ 時任委員
必ずしも福祉のまちづくりの委員会の課題ではないのかもしれませんが、先ほどの越智さんのお話につけ加えて、申し上げておきたいことがあります。私ども、自立支援法によって移動支援を受けます。移動支援は、65歳までは通院した場合に病院の中の移動も支援していただけます。ところが、65歳になった途端に介護保険の移動介助に変わります。そうすると、介護保険では医療機関の入り口までで打ち切られます。出てきてから、また医療機関から自宅までの移動介助はしてもらえる。医療機関の中は医療機関が案内するということに多分なるのでしょうけれども、そんなゆとりは、一般の医療機関には全くありません。我々は介助なしに医療機関の中を移動しなければならない。そうすると、私どもが衝突してけがをすることももちろんありますが、ほかの患者さんに衝突したり、弱い方が大変多いわけですから、ほかの患者さんを転倒させて加害者になるおそれがある。こういう矛盾を、介護保険と自立支援法という2つの法律のはざまに含んでいる。このことを申し上げておきたかったんです。
以上です。
○ 野村会長
移動支援のことについては、それに加えて有償運送の問題もあって、それぞれの法律がそれぞれの枠の中であるために、はざまがあるんですね。これを全体的にシステムとしてとらえていくことが非常に重要だと思います。そういう意味で、先ほど秋山さんが第2章の3につけ加えてくださいという項目がありましたけれども、そんなところで、地域で生活する人が本当に安全で安心して生活できるという意味では、法律のはざまを埋めていくということですね。それから、地域全体で支えていくということ、そんな考え方をもう少し表面に出すということでいかがでしょうか。
○ 秋山委員
今の時任さんがおっしゃった問題は、介護保険でも支援費でも、それを追求していって解決できる問題ではないと私は考えています。したがって、別の手当をやらないと無理だろう。これこそ市町村の出番ではないか。つまり、病院の案内のシステムをうまくやる方策を仕組みとしてつくっていく。そういう努力をやることが福祉のまちづくりのこれからの大きな一歩だろうと思うんです。
以上です。
○ 坂巻副会長
最初に戻っちゃうんですが、10ページのところにこれからの東京都の人口動向と書いてあるんですが、越智さんも触れておられましたけど、東京都の特色というのは夜間人口と昼間人口が随分違うんです。都外に住んでいて東京に日中通っておられる方がかなりの数いると思うんです。そういう方たちも対象にしなくていいのか。東京都民というと、都に住居を持っている人だけなのか。災害のまちづくりのことに絡んで言えば、例えば災害に遭った人たちが一斉に埼玉とか千葉に帰るというときに、恐らく大混乱が起きると思うんです。そういう意味では、昼間人口に対する考え方というのも、東京都の人口動向を入れるならば、特色として触れておいたほうがいいのではないか。これからの課題だと思いますけども、そんな感じがしたので申し上げます。
○ 野村会長
そういう意味で、ここでは特に取り上げていませんけれども、都民という言葉の定義ですよね。私は昔、川崎の審議会でレポートを書いたことがあるんですが、埼玉県民が神奈川県に行くときに東京都を通るわけです。通過する人をどのように考えるかとか、いろいろな解釈があるんです。このレポートにどこまで書き込むかは別として、都民という考え方はだんだん広くなっていくのかなと思います。
○ 市橋委員
そういう意味では、今、坂巻先生が言われたところで、例えばノンステップバス、あれが東京都で助成を受けたのでも埼玉県に走っていく例もあるわけです。ですから、バリアフリーで電車に乗ったんだけど、ほかの県に行った駅ではバリアフリーではなかったという例なんか、僕らが困っている例は幾らでもあるわけです。何を言いたいかというと、ほかの県、地域、もっと広い意味の関東圏と言ったらいいのか、僕はわからないけど、そこら辺の連携もまちづくりはやっていかないと間に合わないのではないかということが1つです。
2つ目は、36ページの都民参加というところでは、1つ目の○のところ、障害者団体の責務が大きいぐらいは書き加えていただいて、自分らの問題だというのではなくて、広いところでとらえる必要がある。ここが必要ではないかと思います。
3番目に、どこで書いたらいいのかわからないんだけど、39ページあたりかなと思っているんですけど、仲間から言われることは、車いすトイレをつくると、やはり民間の人たちが、車いすトイレの左側にすぐに洗面器を置いてしまうというのが今でもあるんだよというところがあるんです。そういう意味では、そこに置かないようにすると書くのではなくて、我々がやってきた合格点みたいなものは、事業者とか建築者は配慮をして、そこの合格点を把握してもらうということはどこかに入れてもらいたいと思います。
○ 野村会長
一番最後にディテールの話が出てまいりましたけれども、今回のレポートではあまり細かいことについては触れていないんです。ただ、非常に重要なことですから、それはいずれ条例で、例えばマニュアルをつくるときに今言ったような意見を反映させていくということで、ぜひ記録だけはとどめてほしいと思います。
○ 市橋委員
細かいところを書けというよりは、合格点というか、ここをきちんと把握するということを書いてくださいと。
○ 野村会長
よろしいでしょうか。
きょうもたくさんのご意見をいただきましたけれども、皆さん方からいただいたご意見は、高橋専門部会長、きょうお休みですが、それから坂巻副会長、私とで一回調整させていただいて、1月29日、推進協議会の全体会がありますが、そこに提出するということでご了解いただけますでしょうか。その作業は鋭意進めてまいりたいと思います。ご了解いただけましたら、すぐその作業に入りたいと思います。よろしいでしょうか。
それでは、きょうの日程について私は終わりましたので、事務局から今後の予定についてお願いします。
○ 宮村副参事
ご審議ありがとうございました。
それでは、今後の日程でございますけれども、第6期最後の東京都福祉のまちづくり推進協議会を1月29日の午前10時から開催させていただきたいと思います。正式な通知につきましては、年明け早々にお送りさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上をもちまして閉会といたします。ありがとうございました。
閉会午後2時50分