第6期第3回東京都福祉のまちづくり推進協議会 議事録
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議事録
1 日時
平成20年1月29日(火曜日)午前10時00分から10時40分
2 場所
東京都庁第二本庁舎31階 特別会議室27
3 次第
開会
議事等
審議事項
福祉のまちづくりの新たなステージに向けて(案)について
閉会
4 出席委員
野村会長、坂巻副会長、高橋部会長、秋山委員、高井委員、平林委員、越智委員、時任委員、川内委員、関委員、山本委員、村川委員、武川委員
5 配布資料
資料1 福祉のまちづくりの新たなステージに向けて(案)
~すべての人が安全、安心、快適に暮らし訪れることができるまちづくり~
資料2 福祉のまちづくりの新たなステージに向けて(案)概要版
資料3 審議経過
○ 東京都福祉のまちづくり推進協議会設置要綱
○ 第6期東京都福祉のまちづくり推進協議会委員名簿
○ 東京都福祉のまちづくり条例『施設整備マニュアル』
6 議事録
開会午前10時00分
○ 宮村福祉保健局生活福祉部副参事(地域福祉担当)
本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻となりましたので、第6期第3回の東京都福祉のまちづくり推進協議会を開催させていただきます。
私は、事務局を担当しております福祉保健局生活福祉部地域福祉担当副参事の宮村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は第6期東京都福祉のまちづくり推進協議会の最後の会議となりますので、開会に先立ちまして安藤福祉保健局長よりごあいさつを申し上げます。
○ 安藤福祉保健局長
おはようございます。福祉保健局長の安藤でございます。一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。
第6期の東京都福祉のまちづくり推進協議会では、前半の平成18年7月に生活者の視点に立ったトイレ整備指針をいただきまして、まちづくりのキーポイントとなりますトイレに着目をいたしました画期的な指針をお示しいただきました。ありがとうございました。後半は、これまでの福祉のまちづくりの課題の整理と今後の方向性につきまして、一昨年の10月から昨年の12月まで、委員の皆様方には大変お忙しい中をご熱心に審議をいただきまして、まことにありがとうございました。感謝申し上げます。
平成7年に東京都福祉のまちづくり条例が制定されましてから、ことしで13年目となります。身体障害者の生活圏の拡大への取組として始まりました福祉のまちづくりにつきましては、この本推進協議会から多くの貴重なご提言をいただきながら、高齢者や子育て世帯、さらには東京で生活をしておりますすべての人々の生活の基盤づくりをユニバーサルデザインの考え方に立って展開される施策となってきたと思っております。
そうした中で、東京都は一昨年の12月に東京の近未来の姿をお示しするために「10年後の東京」という長期構想を策定いたしました。その中で、ユニバーサルデザインのまちづくりを面的に整備することが必要であると認識をしておりまして、都民、企業、行政が連携し、施策を展開していく姿勢を明確にいたしたところでございます。
今後は、オリンピック、パラリンピックなどの国際イベントが開催される場合はもちろんのことでありますが、東京に集い生活する子どもや高齢者の方、障害のある方、外国の方々も含めたすべての人々がこの東京の町を歩き、集い、学び、働き、遊ぶなど自由に快適に過ごすことができるように、洗練された都市東京となるように、私ども福祉保健局も頑張ってまいりたいと思っております。
委員の皆様方には引き続きご指導賜りますようよろしくお願い申し上げます。どうもありがとうございました。
○ 宮村副参事
それでは、本日の委員の出欠状況について報告させていただきます。本日は、水村委員、今井委員、大西委員、海江田委員、広瀬委員、市橋委員、横矢委員、奈良委員、松尾委員、寺尾委員、水流委員、志村委員、石阪委員からご欠席のご連絡をいただいております。
続きまして、お手元の会議資料の確認をさせていただきます。まず、資料1ということで冊子になっております報告案でございます。これは事前に送付させていただきましたものと同じものになってございます。資料2は、報告案の概要版ということで、A3の資料になっております。資料3は、これまでの第6期後期推進協議会、18年10日6日以降の審議経過でございます。それと、番号は振ってございませんけれども、推進協議会の設置要綱、それから推進協議会委員の名簿を配付させていただいております。机上に施設整備マニュアルも置かせていただいております。以上、資料のほうをご確認いただきまして、不足がございましたら事務局にお申し出いただきたいと思います。ございませんでしょうか。
また、本日は傍聴の方がいらっしゃいますので、お知らせいたします。
なお、当協議会の議事録につきましては、東京都のホームページに掲載されまして、インターネットを通じて公開されますので、申し添えさせていただきます。
それでは、会長、よろしくお願いいたします。
○ 野村会長
おはようございます。会長の野村でございます。
本日は、大変お忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。ただいまから第6期第3回福祉のまちづくり推進協議会を開会いたします。
それでは、本日の議事に入らせていただきます。
お手元の資料3をちょっとごらんいただきたいと思います。この資料3は、後期の、一昨年、18年10月6日に第1回の専門部会を開催いたしまして、これにございますように専門部会が5回、それからその後に起草委員会を開催いたしました。その中で、「福祉のまちづくりの新たなステージに向けて」ということで、福祉のまちづくりを取り巻く状況や、あるいは課題を整理いたしました。さらに、今後の方向性を示すために今回の報告書を作成したわけでございます。委員の皆様には、限られた時間の中でございましたけども、大変に熱心にご議論いただきまして、ありがとうございました。
きょうお手元にございます資料1、すなわち報告案ですが、企画起草委員会が作成した案に対して、先月の専門部会でいただいたご意見を反映させたものでございます。事前に皆様のところに郵送させていただきましたので、お目通しをいただいたものというふうに考えております。
なお、今回の報告書でございますけども、次回、すなわち第7期の推進協議会での審議に引き継がせていただきたいと思っております。第7期の推進協議会では、この報告書をもとに条例改正に向けた審議を具体的にさせていただきたいというふうに思っておりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、具体的に事務局のほうから内容についてご説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○ 宮村副参事
それでは、資料の2、第6期東京都福祉のまちづくり推進協議会「福祉のまちづくりの新たなステージに向けて」概要版、こちらのほうで説明をさせていただきたいと思います。
今回の報告は、第1章から第5章で編成されております。
まず、福祉のまちづくりをめぐるさまざまな動向や課題について、第1章で、障害者自立支援法、国のバリアフリーの施策、それから障害者の権利に関する条約など、それぞれの動向をまとめました。本文のほうでは2ページから8ページになります。
また、第2章では、本文では13ページから22ページになりますけれども、福祉のまちづくりの対象の広がり、住宅内部、あるいは小規模建築物等のバリアフリー化が十分進んでいないこと、そのほか移動支援や情報提供の充実の必要性、災害時における環境整備などの課題についてまとめております。また、だれでもトイレや障害者用駐車スペースの利用など、都民の意識向上などの基盤づくり、それから建築物のバリアフリー化における福祉のまちづくり条例と建築物バリアフリー条例との関係整理、こういったような課題をまとめております。
次に、今後の福祉のまちづくりの施策や基盤づくりということで、第3章では、本文のほうは23ページから34ページになります。4つの視点から、ユニバーサルデザインの考え方に立った福祉のまちづくりの推進について、検討の方向性をまとめております。1つ目の生活者の視点に立ったバリアフリー化の推進では、地域に密着した小規模建築物等のバリアフリー化や面的な整備の促進。2つ目は、すべての人の生活への支援ですが、障害者等の就労支援を促進するための環境整備など。また3つ目には、安全、安心に暮らせる地域社会の体制整備として、災害等に備えた避難所等の環境整備など。4つ目といたしまして、すべての人が東京の魅力を楽しめるまちづくりの推進として、ユビキタス技術をはじめとした情報通信技術の活用や案内表示の充実などについてまとめております。
第4章では、本文のほうは35ページから41ページになります。福祉のまちづくりを効果的に進めるためのスパイラルアップの仕組みなどの確立、高齢者や障害者を含めた人々の多様性への理解促進、東京都、区市町村、事業者、都民の責務と役割の3つについて、福祉のまちづくりを進めるための基盤づくりとしてまとめております。
このように第1章から第4章までにおいて、これからの福祉のまちづくりの課題、それから推進策について整理をいたしました。その上で、東京都福祉のまちづくり条例改正の方向性について、次の第5章で整理をしております。本文では42ページから45ページになります。
第5章では、まず、すべての人が安全、安心、快適に暮らし訪れることができるまちづくりを推進するという基本的考え方についてまとめています。また、福祉のまちづくりの今後の役割として、1つ、小規模建築物、既存建築物等のバリアフリー化の推進、2つ、地域における住民参加等による福祉のまちづくりの推進、3つ、福祉のまちづくりの総合的、計画的な推進についてまとめております。
そして最後に、条例改正に向けまして、ユニバーサルデザインの考え方を反映した条例の名称や定義の再検討、小規模建築物等の施設整備の実効性を確保するための方策の検討、利用者の声を反映させ、評価を行い、継続的改善を図るスパイラルアップの仕組みや計画の推進に必要な評価対象、評価方法等について、東京都福祉のまちづくり推進協議会における今後の検討課題としていくことについてまとめております。
なお、本文への添付資料といたしまして、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律及び同法律の基本的枠組みを示した資料1、資料2、また資料3では国際生活機能分類(ICF)を提示いたしました。
説明は以上でございます。
○ 野村会長
ありがとうございました。先ほど申し上げましたように、皆さんにお読みいただいているという前提ではございますが、そのお読みいただいた中で何かご意見、ご希望等があれば一応お聞かせいただきたいというふうに思っております。一応順番に追って初めのほうからいきますけども、特にご意見がなければ次々に進んでまいりますので、その点、よろしくお願いいたします。
最初は、「はじめに」と、それから第1章のところ、要するに1ページから8ページまでのところでお気づきの点がございましたでしょうか。特になければ先に進みますが、また最後で全体にということでやりますので、何かありましたら後でお願いいたします。
それでは次に、第2章、9ページから22ページ、その間でいかがでしょうか。
○ 村川委員
1つ、19ページのグラフのところに、ホームドアと柵が設置されたということで載っていますけど、ホームドアというのは、これはどういうものでしょうか。
○ 野村会長
それは事務局からお答えくださいますか。
○ 宮村副参事
これは鉄道駅のホームを想定していただきたいと思いますけれども、そこのホームにドアをつけて、それが柵状になって道路に沿って、要するにホームから転落を防止できるような対応策でございます。
○ 村川委員
これもああいうふうにきちっと説明をつけてもらったらわかりやすいと思うんですけど、ホームドアだけだったらちょっとわかりにくいかなと思うんですけど。
○ 野村会長
これは具体的にもう既にやったアンケートの内容でございますので、この表の中に入れるのはちょっと難しいんですが、ただ、注釈として必要があれば入れるということで、検討したいと思います。
ただ、ホームドアというのは、ホーム柵と違うということですね。例えば丸ノ内線はホーム柵ですよね、今ね。東京都内にドアがありますか。
○ 野村会長
南北線はドアということで、高い位置まであるという、その違いがございます。よろしいでしょうか。
ほかにいかがでしょうか。
○ 宮村副参事
ただいまのアンケートの内容につきましては、最終的に報告書を冊子としてまとめますときに質問事項等を添えたものを回答もあわせまして添付させていただきますので、今、会長のほうからご説明いただいた内容で補足されることになろうかと思います。
○ 野村会長
よろしくお願いいたします。
○ 越智委員
20ページの情報のバリアフリー化のところなんですけども、最初のところの3行目、「使いやすい機器の開発が求められている」とありますけども、開発だけでなくて、「普及と開発」というふうに変えていただけませんか。
○ 野村会長
わかりました。20ページの(5)情報のバリアフリー化、一番上の丸の3行目、「使いやすい機器の開発」と書いてあるんですが、「開発と普及が求められている」ということでございます。よろしいでしょうか。
それでは、第3章に参ります。3章は23ページから34ページまででございます。
特になければ、第4章に参ります。第4章は35ページから41ページまでです。
それでは、第5章に参ります。第5章は42ページから45ページまでです。あわせて、「おわりに」というところも含めてご議論いただけたらというふうに思います。
○ 川内委員
川内ですが、概要版で一番右下に第5章-3というのがあって、それの2番に「小規模建築物、既存建築物等の施設整備の実効性を確保するための方策の検討」というのがあります。これはとても大事なんですが、この厚い資料1のほうの45ページにはこのことが書いていないんですよね。
それで、43ページ、福祉のまちづくりの今後の役割のところにはそれが書いてあるんですけれども、条例改正に向けた今後の検討課題のところでは、概要版にあるのにこちらの本文にないということがちょっと気になります。
以上です。
○ 野村会長
どうしましょうかね。概要版を直すか、本文を直すかというなんですが。
○ 川内委員
できれば本文を。
○ 野村会長
本文を直すということでいきましょうか。
○ 宮村副参事
45ページの2つ目の丸のところで、1つ、前段は「建築物バリアフリー条例との関係の明確化」というようなことで記載がございます。その後、「このため」ということで、「東京都福祉のまちづくり条例の今後の役割を踏まえて整理するとともに、実効性のある施設整備方策を早急に検討する必要がある」という、ここの中にこの内容が盛り込まれているという表現になっておりました。記述として具体的にこの2つ目の丸のところに「小規模建築物、既存建築物等」というふうに入っておりませんけれども、「実効性のある施設整備方策を早急に検討する」というところで表現されているということでございます。
○ 野村会長
ありがとうございました。
なお、その辺をもう少し調整ができるんだったら調整させていただくということで、ご了解いただきたいと思います。
○ 秋山委員
首都大学東京の秋山と申します。
全体的に見てかなりしっかり書かれているという印象は持っているんですけれども、たまたまユニバーサルということで、もう少し広範囲に問題をとらえるという観点から見ますと、例えば地球環境問題からすると、CO2を1990年代に戻すというようなことをやらないといけない、そして基準年が間もなく来るということだとか、そういった環境問題とユニバーサルデザインの問題はやはりある程度つなげておいたほうがよろしいのかなというのが、これが第1点です。つまり課題でも何でもよろしいんですが、やはり地球環境に対してユニバーサルデザイン、今回のまちづくりを追求するということは、少なくとも一定程度CO2を抑制するなどの方向性をここで言葉として一言でも入れておいたほうがよろしいのかな。これは第1点です。
第2点は、今度は、まちづくりですから、都市全体にかかわるやはり方向性とどう絡むかというお話ですけども、都市問題の中で今一番大きな問題は、東京では被害が少ないかもしれませんが、中心市街地をどうするかというお話がございます。こういったときにバリアフリーと中心市街地の活性化のお話をどうやってつなげていくか、この論点がやはりなかったように思います。これが2つ目のお話です。
3つ目は、東京を一律で語ることはできないんじゃないかというふうに思っていまして、例えば都心3区と周辺10区だとか、それぞれ特徴は違います。さらには多摩地域、昔は多摩格差と呼んでいましたけれども、さらに島嶼地域、こういう地域間格差についてユニバーサルデザインはどうやって取り組むのかというところもあまり書かれていないように思いましたので、こういったところを少し視野に入れるというのがまちづくりの観点では必要なのかなというふうに思っています。これがまちづくりにかかわることです。
それからもう1つは、時代の流れからNPO法人ができ始めたのが1998年以降だと思うんですけれども、それと介護保険制度が2000年以降にいろいろな形で、介護保険のさまざまなものが展開してきたと思うんですけれども、そのときにかなりNPOの大半が高齢者関連とか、あるいは介護保険関連で相当出てきているんですけれども、こういう中間支援組織をどうやって位置づけるかということもやや弱かったように思います。
そういう意味で、将来のベクトルをどうやって書くかといったときに、こういった人々のソフト的な組織の動きと、それからまちづくりの動きと、両方をある意味で視野に置いて、もう少しそのあたりの展望を描き切るといいますか、それが少し必要なように思います。これは数行で済むかもしれませんが、書けばもうちょっと広いかもしれない。つまり福祉の中で閉じないでほしいと。福祉はスペシャルではないんだ。もうちょっと別の言い方をすると、都市部局の人は、高齢者と聞いただけで、おれには関係ないと、そういうことを心の中で感じる。そうすると、施策としてそれが展開できなくなるんですね。ですから、都市とのかかわりを綿密にしていただきたいというのが私のたっての願いでございます。
以上です。
○ 野村会長
いろいろとご意見をいただきましたが、この段階ですべてこれを入れると、書き直すということは、ちょっと不可能に近いんです。ただ、大変貴重なご意見ですので、私は今のご発言をきっちりと次回の検討課題の中に入れていく。要するに次回検討する最初に福祉のまちづくりのとらえ方ということで議論をしていく。例えば、今回の中で書かれていないと思うんですが、ホームレスの問題が実は出されたわけですね。そういうことを考えると、この福祉のまちづくりの範囲がどんどん広がっていく。いわばすべてを入れなければいけない。それでも、この場での議論の限界というのがありますので、その辺の仕分けというか、仕組みづくりを次回の会議の最初のところでちょっと検討していきたいなと。そのときにぜひご意見を入れさせていただきたいというふうに……。
○ 秋山委員
忘れなければ。
○ 野村会長
忘れないように1つ記録をお願いを、私はそういうふうに考えていますが、高橋さん、いかがでしょうか。
○ 高橋委員
専門部会の部会長を務めさせていただきました東洋大学の高橋ですけれども、今、秋山先生のほうからお話があった件について、部分的には、少しなんですけれども、市街地の整備の問題ですとか、それからNPOの問題ですとか、入っているところもありますけれども、本格的な部会での議論をしていなかった部分がありますので、今、会長がおっしゃられたように、幾つかの調整が可能な部分もあるかと思いますけれども、今後の第7期でしょうか、その検討にゆだねなければいけない部分もかなりあるのではないかというふうに思っております。よろしくお願いします。
○ 時任委員
私自身が今はっと気がついたことでございます。何とかの後知恵でありまして、ひょっとしたら載っているのかなとは思いますが、多分落ちている観点だと思いますので、次回以後の検討にぜひ加えていただきたいことは、災害時の問題が都市づくりの中で非常に大切だと。先般、東京都が主催して、新宿と足立で大規模な避難訓練をやっておりました、テレビにも出ておりましたが。あの中で、障害者の誘導とか、高齢者の誘導がどうなっているのかということが検討されております。これはソフトの部分ですが、まちづくりの中でも非常に大事な点だと考えておりますので、もしできれば次回の検討課題の中で、入れるかどうかを含めて、ご検討いただければと思います。
以上です。
○ 野村会長
ありがとうございました。災害時の問題については、お手元の資料の30ページに、ちょっと頭出し、問題の意識としてはあるということで書かせていただいております。30ページから31ページ、32ページにかけてということですので、決して忘れているわけではございません。
○ 時任委員
ありがとうございました。
○ 野村会長
それから、先ほどちょっと言い忘れましたけども、秋山さんが地域によって東京都は随分違うんだと。これは前々回の答申の中に、地域の特性ということで、多摩の部分、区市町村と市部の部分、あるいは島嶼の部分、それぞれ地域の特性に応じたまちづくりをしなさいというようなことは確か書かせていただいていますので、その辺も踏まえて次回にまた検討させていただきたいというふうに思います。
○ 坂巻副会長
委員のそれぞれの思いを上手にまとめて立派な答申をしてくださった事務局、本当にご苦労さまでございました。
今さら、次回の、次の問題点になると思いますが、これを読んでみて、1つは、都市の美観という視点がない。美しい町という、そういう視点がちょっと欠けているんですね。外国なんかへ行きますと、旧市街と新市街を分けて、非常にきれいな町並みになっている。そういう意味では、東京の場合にはばらばらに、ビルはいっぱい建っているけれども、全体の美しさという視点がやや欠けているように思います。その意味では、福祉のまちづくりの1つとして、美観という視点を次期のテーマにちょっと論じていただければなというふうに思います。
この推進協議会のトイレをはじめとしてさまざまな発言が区市町村の積極的なまちづくりに結びついていることは、大変私は高く評価しております。これもこの推進協議会の意見が区市町村の動きを後押ししているのではないかというふうに思いまして、事務局に感謝をしたいと思います。
その一方で、アンケートにもありますけれども、外国人や老人のひとり暮らしに部屋を貸さないというような民間の住宅がまだ半分以上ある。やはりそういう心の問題というものも無視できないわけで、そういった視点を少し強めるような方策みたいなものが次回の議論につながっていけばうれしいなというふうに思います。
以上です。
○ 野村会長
ありがとうございました。一通り多くの方からご意見をいただきましたが、この報告書は基本的には今まで専門部会、あるいは起草委員会等で検討した内容について報告をするということでございます。そこで報告していない部分についてはつけ加えるということはちょっとこの場では難しいということですので、基本的にまず、きょうのご意見を踏まえて、一部修正できることは修正をさせていただく。これは会長と事務局にお任せいただくということで、一応この報告書をお認めいただけるかどうかということを初めに決めさせていただきたいと思います。それで、決めていただいた後に、それでは第7期に何を皆さん方が望むのかということで、ちょっと話を整理させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか、そういうことで。
(「異議なし」の声あり)
○ 野村会長
それでは、今申し上げましたように、本日の資料の1、きょうの意見を踏まえて、一部修正することは会長と事務局にお任せをいただきたい。その上でこの報告書をお認めいただけますでしょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○ 野村会長
それでは、どうもありがとうございました。皆さん方のご協力を感謝いたします。
それでは、まだ予定の時間がございますので、第7期に向けて、先ほど秋山委員、あるいは坂巻委員から幾つかのご希望が出されました。それはもちろん次回の最初のところでやはりきっちりと議論をしておきたい。それからもう1つ、この福祉のまちづくりという、初め、非常に狭いところから出てきた言葉ですが、これがどんどん時代とともに広がってきているわけです。それを今後どういうとらえ方をしたらいいのかということが1つあろうかと思います。それから、次回に向けては、ここにありますように、第5章-3という、要約ですね、資料の2、条例改正ということが一番大きなポイントです。次期の間にこういう問題をぜひ整理をしていきたいというふうに思っています。大きな柱、ありますけれども、現時点でお気づきの点はぜひ率直におっしゃっていただいたほうがいいと。
○ 秋山委員
坂巻先生と関連するんですけれども、景観の問題というのは景観法でかなりいくんですが、それについて、景観法と福祉のまちづくりをどう調整するかという議論はどこかでやらないといけないというと、それにかなり近いところで、歴史的建造物と、それから自然景観、これについてのアクセスをどこまで許容するかという議論が日本ではまだあまり始まっていないと思うんですね。英国などは、イングリッシュ・ヘリテージという史跡保護組織があり、英国の歴史的遺産についてのアクセスについて、例えば建築家と歴史の専門家と障害者の人たちが話し合って1つの方向性を決めているんですけれども、この歴史が日本にないんですね。そして、その仕組みもない。これに対して、そろそろやったらどうかというふうに思っています。
歴史的建造物については、建築史というのが歴史的にかなり早くから立ち上がっていたんですが、土木史は遅くて、過去15年ぐらいやっと出てきたということで、東京都の近代土木遺産だけでも700あるんです。建築遺産はもっとあると思うんですけれども、その中でどうしてもこれは保存、活用しなければならない……。保存と活用というのはポイントで、保存だけだったら簡単なんですが、活用といったところにアクセスの問題が出てきます。これについて、東京都としてそろそろ出していただいたほうがよろしいのかなということを私は感じています。
具体的には、浅草の浅草寺がバリアフリーにしましたけれども、隣にエレベーターを全く同じデザインでつくったんですが、善光寺はそうじゃなくて横のほうにでっかいスロープをつけたと。これは、善光寺は多分失敗作だろうと。これは何も議論していないんじゃないかと私は思っていますので、そういう意味で、間違ったバリアフリーの方法を東京都は展開しないためにも、きちんとした議論を経てやる、そういうプロセスを重視するということをぜひ次期にはやっていただきたいと思います。
以上です。
○ 野村会長
ありがとうございました。
ほかにどうぞご意見をいただきたいと思いますが。
○ 高橋委員
東洋大学の高橋ですけれども、専門部会でもこの間議論できなかったんですけども、昨年度ですかね、18年度の最後に区市町村のいろんなモデル事業の取組についての事例報告会というのがありましたけれども、あれは大変よくて、この報告書の中にも一部そのことについての記述が6ページぐらいにありますけれども、こういうものを区市町村全体に広げていくような方策を今後積極的に、特に行政体だけではなくて、先ほどお話がありましたようにNPOですとか、地区住民ですとか、自治会ですとか、あるいは災害に関してはそれ以外のさまざまな立場の方々が関与していくわけですので、そういった方々とこの福祉のまちづくり、あるいはユニバーサルデザインに基づくまちづくりの共有化を図っていくような、そういう施策の展開がさらに求められていくのではないかという感じがいたしますので、そのあたりも課題の1つとして、これは条例の見直し本体にもかかわってくるかと思いますけれども、ひとつよろしくお願いしたいというふうに思います。
○ 野村会長
ありがとうございました。なかなかそれぞれの区市町村でいい取組をされておられます。そういうことをできるだけ多くの区市町村に広めていきたいというふうに私も思います。
いかがでしょうか。特にご意見がないようですので、一応、会長としての役割を終えまして、マイクを事務局にお返しをいたします。
○ 宮村副参事
貴重なご意見、いろいろとありがとうございました。
本日の第6期第3回の東京都福祉のまちづくり推進協議会は、これをもちまして閉会とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
閉会午前10時40分