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第8期東京都福祉のまちづくり推進協議会 第9回専門部会 議事録

1 日時

平成24年3月22日 木曜日 午前9時31分から午前10時21分

2 開催場所

東京都庁第一本庁舎33階 特別会議室S6

3 会議次第

開会 
 議事等
  審議事項
(1)東京都福祉のまちづくり推進計画の都民参加による事業評価について
(2)震災を踏まえた福祉のまちづくりについて
(3)その他
閉会

4 出席委員

高橋部会長 川内委員 中野委員 今井委員 小林(圭)委員 平林委員       
市橋委員 越智委員 斉藤委員 小西委員 横矢委員 西久保委員       
小池委員 野崎委員 荒井委員 水村委員

5 配布資料

資料1  都民参加による事業の点検・評価について(報告書)(案)       
資料2  今後の福祉のまちづくりについて(案)
~東日本大震災を踏まえて~ 
(推進協議会意見交換報告)
参考資料  東京都福祉のまちづくり推進計画の評価の基本的考え方              
      (意見具申 平成22年2月発行)

6 議事録

開会 午前9時31分

○事務局(三浦福祉保健局生活福祉部福祉のまちづくり担当課長)
 定刻を過ぎましたので、専門部会を開催させていただきます。
 本日はお忙しい中、専門部会にお集まりいただき、ありがとうございます。
 第8期福祉のまちづくり推進協議会第9回専門部会を開催させていただきます。
 初めに本日の委員出欠状況について報告します。本日は、坂巻委員、窪田委員、吉田委員、高橋正人委員、木村委員、岡部委員、小林文雄委員の欠席連絡をいただいています。
 続いて、会議資料の確認をさせていただきます。資料1は「都民参加による事業の点検・評価について(報告書)(案)」、資料2は「今後の福祉のまちづくりについて~東日本大震災を踏まえて~推進協議会意見交換報告(案)」、参考資料として「東京都福祉のまちづくり推進計画の評価の基本的考え方(第7期平成22年2月の意見具申)」をつけています。
 なお、今回この後に推進協議会が続けてあります。そのとき使用する資料をあらかじめ机上に封筒入りでつけています。これはその推進協議会のときに用いる予定です。
 では、これ以降の議事進行については、高橋部会長にお願いしたいと思います。高橋部会長、よろしくお願いします。

○高橋部会長
 東洋大学の高橋です、どうぞよろしくお願いします。
 第8期第9回専門部会ということで、今期の専門部会としては最終になります。これまで2年間にわたって専門部会を開催してきましたが、今の説明にあった大きな2つの議題について最終審議の後、推進協議会に諮りたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
 それでは事務局から審議事項の、(1)、(2)、あわせての説明でよろしくお願いします。

○事務局
 それでは、審議事項(1)、(2)、あわせての資料説明をします。
 これらまとめについては、前回第8回のとき、案として提示したので、第8回以降の修正経過を中心に説明します。
 まず、1番目審議事項「東京都福祉のまちづくり推進計画の都民参加による事業の点検・評価」について、この事業評価は、既に4事業の評価を実施して、報告書案までまとめています。今回、提示するに当たり何点か加筆修正を行ったので、その経緯について簡単に説明します。資料「都民参加による事業の点検・評価について(報告書)(案)」を参照しながら説明します。
 今回、報告書冒頭に、「はじめに」を追記しています。経緯としてこの評価ワーキンググループの評価が、どのような経緯で始まりまとめていったものか、また、事業評価の言葉が庁内のさまざまな評価でも使われている言葉でもあるので、評価ワーキングで行っている点検・評価ということが、どういう目的でやっているか、これまでのワーキンググループでも認識している部分ですが、この「はじめに」というところで明示しました。
 また、ページをめくって2ページの「これまでの経緯」です。この箇所については、冒頭の1つ、2つの段落と、後部の下2つのパラグラフを上下に追記しています。これは、この評価自体が7期意見具申を踏まえて始まったもので、その前提として、そもそも福祉のまちづくり推進計画の進行管理が都民視点を入れて適宜改善しながら行っていく、スパイラルアップの仕組みによって、進行管理を行うという考え方になっています。それを前提に7期が始まり、8期の評価の実践に至っているという流れを踏まえて書いています。
 後段については、これも7期意見具申に記載しているが、今回行っている都民参加による評価とあわせて行政、こちら都内部で行っている評価、さらに今年度福祉保健基礎調査を世論調査として実施しているが、これが結果でもあるので、あわせて次期の推進計画策定に向けた検討、評価手法につなげていくといったくだりをつけています。
 また後段、後半の中身部分については特には変えてないですが、「はじめに」という今回の評価の位置づけと整合性をとる部分、言い回しとしてわかりやすくできる部分は、微修正を加えています。ただ、評価・提言そのものについては、既にまとめているもので特に手は入れていません。
 以上が、都民参加による事業の点検・評価について(報告書)(案)の修正加筆部分の説明です。
 続いて、審議事項(2)「震災を踏まえた福祉のまちづくりについて」、こちらの修正部分につき説明します。こちらは前回以降、経緯があるので、そこにふれながら説明をします。報告書としては、この「今後の震災を踏まえた福祉のまちづくり」について、この意見交換報告(案)を参照しながら説明します。
 まず、この意見交換の報告については、前回2月16日(案)として提示しました。その際会議において、意見を聞く期間を設けるという話がありました。それを受けて2月16日に、開催後1週間、意見を出していただく期間を設けました。それほど多くはないですが出た意見、2月16日に出た意見というのを反映する形をとっています。
 また、その後庁内関係局の、主に内容にかかわる部署等に対する意見照会を踏まえて、3月上旬ですが、第1週に委員及び庁内関係部署に対し最終確認の意味も込めて案を提示しています。その後、微修正等ありましたが、最終的には手元にある報告書の内容でまとめています。
これについても修正箇所を逐一この場では説明しませんが、主に変えたところを中心に説明します。
 この報告書(案)3ページをご覧ください。前回の専門部会において、震災の対応に必要な配慮については、意見としての時間軸、発生前、発生時、発生後という段階に応じて分類をしたほうがわかりやすいという意見がありました。そこで事務局でまとめ方について検討してそれぞれが広範で、時間軸がこの時点でと切れにくいものから、時系列表をつけて時間軸を意識して、必要な配慮だということが見えるようなものとして提示しました。
 ただこれについては、なかなか時間をここからここまでとはちょっと切りにくいものから、意識としては主に発生段階の早急な対応が必要とか、発生後の長い期間の対応が必要ということを意識してきたが、あくまでこの棒線の幅は、このぐらいの期間で配慮が必要な目安として見せています。ですので、この期間で区切るという意味ではなくて、大体このような時間の幅で対応が必要なものとみて、つけさせてもらいました。
 また、その他表現上で言いかえを行ったほうがわかりやすい文章や意見についても趣旨は変えずに、言い回しでもって修正した部分が何カ所かあります。
 ただ、基本的に内容そのもの、これもかつて2月で(案)として提示したので、大きく変えた箇所はありません。表現上の言い回しの修正にとどめています。
 まず、震災を踏まえた福祉のまちづくりについての意見報告書の修正点については以上です。
 今回、この2つの報告をもって、最終案として提示させていただければと思っています。一旦説明については終わらせてもらいます。

○部会長
 前回までの意見交換会を踏まえて、最終的にまず「都民参加による事業の点検・評価について」、こちらは、いま説明ありましたが、2年間にわたってワーキングを中心に点検活動、それから評価案の作成、そして専門部会での審議ということでやってきたかと思います。最終調整については、ワーキングの部会長である川内委員、それから私も確認をしながら取りまとめたものです。
 ここについては、これまでの専門部会あるいはワーキングの中でも、その評価の意義、あり方、あるいは方法、これからの推進計画にどんなふうに役に立てていくのかということが主として議論されてきたかと思います。今回は、これまでの2年間の評価については、手元にあるように、たくさんのそれぞれの事業があるわけですけれども、福祉のまちづくり部門が所管をしているものを中心として行ってきた経緯があります。
 皆様からご意見、ご感想等がありましたら、お願いをしたいと思いますが、いかがですか。

○川内委員
 評価ワーキングを運営した東洋大学の川内です。
 この都民参加による事業の点検・評価についての報告書は、評価ワーキングの中でもいろいろと表現や内容を検討してきました。
 この場でもそれについてご承認いただいたわけですが、最後に都庁内での調整で、幾つかその表現について問題点があったとのことで修正があったと聞いています。
 いろいろと小さいものはあるけれども、例えば1ページ「はじめに」では、下から6行目「対象とした個別事業の必要性や継続性を求めるものではなく」と書いてあります。
 これは評価した事業について、評価委員会で、この事業を継続するとしたらどうすればいいかという質問事項があって、それに対し、改善して継続すべきであるとの意見を出しました。
 それはもし継続するならばという前提のもとでの質問で、ここではそれによって来年度の予算編成とか、その事業を継続するかどうかが、評価委員会の意見で左右されるのはおかしいとの話が出たみたいです。
 それは確かに、こちらとしてそこまでの権限はないということで、了承しました。ここで「必要性や継続性を求めるものではなく」と念を押されたのは、そこまで書かなくてもという気もするが、これは内部調整のいろいろな大変なところがあったと思って、一応私としては了承しました。
 これはなぜ申し上げているかというと、評価委員会メンバーの方、あるいは協議会メンバーの方が今まで全然聞いていない話です。ですから、一通りその説明はしておかないと了承ということにならないだろうと思って、やっています。
 それから、もう一つは8ページです。「今後の方向性」のところで、上から5つ目には「評価結果及び提言が、事業の進め方にどのように活用されるか明確でなかったところは、今後の評価活動で留意すべき点である」と書いてあります。
 これは、評価活動をしていくその評価結果が、どのようにこれから活用されるということが、評価しながら私たちもよくわからなかったところがあったので、それについて書いたわけですが、もう一つ、詳しい文言は思い浮かびませんが、評価を受けた事業の主体が、その評価結果を受けとめて、どのように対応したらいいということを書いたところがあります。これについては、それぞれの事業主体に対して拘束するものになってくるので、これについてもそこまで書くというのは適切ではないという話があったみたいで、これも了承しました。
 ですから、このワーキングあるいは協議会の権限の境界が、どこまであるのかという議論と思いますが、本来スパイラルアップという考え方ならば、評価したものが、直接評価されたその事業のスパイラルアップにもつながらなくてはいけませんし、それから、ほかの事業に展開していくことも重要になるわけです。ですから、そのことについて、1つの事業に対してどのように受けとめて今後やるべきということを細かく書くよりは、1ページ、下から4行目あたりから「その事業のありようを点検・評価することを通じて効果的な取組手法を発見し、他の事業への活用を波及させていくことを目的としている」というように、このスパイラルアップの2つの目的である1つは当面の事業の問題、それからいかに応用してほかの事業に波及させていくかという2つの問題については、この「はじめに」のところで書いたというか、入れてあるので、8ページのほうは削除ということで同意したところがあります。主要なところはこのくらいです。
 そういうところで、私としては正直言うと万々歳で了承したわけではないのですが、庁内の調整というか、この協議会が独自あるいは評価ワーキングが独自で好きなことをやれるという状況でもないだろうということで、了承したという事情があります。
 以上です。

○部会長
 事務局が言いにくいことを、川内委員からお話をしていただきました。
 いま、川内委員がおっしゃったところは、私も全く同じ場所について川内委員とは一緒ではなかったですが、事務局と詰めました。最終的には事務局に最終案を委ねて、同じ箇所について、私も「はじめに」についても一旦削除の提案をさせていただきました。やはりこれはいま、川内委員がいわれたように、この事業評価をやる、最初に7期から8期にかけてやって、7期最終提案で事業評価をしていこうとの積極的な意見を皆さんからいただいたわけなので、これをもとにこの専門部会、あるいは評価ワーキングの中での議論をしてきました。
 現実にはさまざまな壁があって、ほんとうはそれを乗り越えていかなければいけないのですが、川内委員がいわれたように、万々歳ではないですが、とにかく先に進めていくということが私たちの部会としての主眼でもありますので、それについて、今日の報告書になった形になります。
 この件について、よろしいでしょうか。
 それでは続いて、もう一つの震災を踏まえた今後の福祉のまちづくりのあり方についての報告書について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 前回、先ほど説明がありましたが、3ページで時系列的に説明をしておくことが、わかりやすいのではないかというご指摘をたくさんの方からいただいています。現実に作業をしていると、なかなか切れない部分が非常に多いわけです。そのようなこともあって、全体の各項目がすべての次元につながっていくものにはなっていて、もう少し前回までの報告案に比べるとわかりやすくなっているかと思います。
 それからこの6月22日以降、繰り返した意見交換の中でもすべて出てきたわけではないので、あくまでもこの部会の中で、緊急に議論をした中で出てきたということなので、部会以外の方がご覧になったときには、これも抜けているじゃないか、あれも抜けているじゃないかというようなご意見も多分あると思います。その辺も、こちらでも説明できるようにしておきたいと思います。
 もし、皆さんから特にございましたら、意見、感想でも結構なので、お話しいただければと思います。いかがでしょうか。市橋委員、何か言いたそうな感じがしますが、大丈夫ですか。

○市橋委員
 川内委員が感想を全部言い切ったので、僕からすると川内委員が言われたように、あれも足りない、これも足りないについてはやはり「はじめに」にも書いてあるとおり、これからが重要ということが書いているし、そこについては、この報告書は一部だということを我々が踏まえておかないと、完全なものは書けないことは、今の時点では言えるかもしれない。
 そういう意味では、我々が災害計画をつくったという努力した結果がこういうところで、見ているほうは足りない部分があるということを踏まえて僕らもやったほうがいいのかなと思います。
 ただ、2つだけ言うと、1つは前回も言ったように、これは僕らでやってこっちのほうから行けばどうやって追っかけてくるか、6月ごろに個々の実践の方向性が出るみたいなので、そこでは一筆書いて大きくまとめられて対策を練る、そういうところは6月くらいまでにはまとめていただきたいなということが1つです。
 2つ目に、3.11が1年ということで、うちの地域でも去年の3.11を語ろうというところで、小さな形ですけれども懇談会みたいなものを設けました。確かに去年1年、3月11日の思い出の数を、ここへ聞き込むか、どのようにしたのか、私は帰るときに4時間以上かかったとか、そういう話は出ますけれど、やっぱりもう薄れて過去になったという話も出たわけです。あるいは障害者だから、もう東北の状態を見るのもつらいけど、じっと見るよりほかしようがないという意見が出始めています。
 何を言いたいかというと、都民1人1人があなたの3.11の経験がほんとうは貴重でありテレビで見るだけじゃなくて、その経験、思いなんかを都民参加によって、東京都として本当に大切だから、みんなの力で防災計画をつくっていくこと、計画をすぐにやる必要があるのではないかと。
 そのために、これは一字一句使ってもらいたいということをやはりやっていけば、あれが足りない、これが足りないといった『ウォーリーをさがせ』じゃないけど間違い探しをするのではなくて、ここは一石を投じたということにすれば、この活用が意義あるのではないかという意味で高橋部会長はじめ努力してまとめたものを、多く広げていく必要があるのではないかなと思います。

○西久保委員
 いろいろ出させていただいて、いつも考えることは、自分の地域に帰ったときにこれをどう反映させていくかということで、いつも思っているけれども、日野の場合ふれあいホールというのを23億円かけてつくりました。その中で、ここに書いてあるようなことを生かしていただきました。すべてのトイレを洋式の便所にする、だれでもトイレもつくると。それから、あと段差をなくすという配慮。
 もう一つは、その地下に震災に備えて大きな防火用の貯水池をつくること。さらに備蓄倉庫も完全につくるということで、ゆりかごから墓場までの人が来るのに、このワーキンググループの結果を活かしました。
 さらにもう一つは、この3.11を踏まえてどうするかということで、私は日野ですが、そばに立川断層がありまして、それが過去に600年に1度ぐらいいろいろあるわけです。そこでいろいろ考えますが、そのときにこの資料が非常に参考になると思い、これを福祉に配るかどうかということ。
 それから、先ほどもお話がありましたが、日常生活の中でどう対応していくかということが大事ではないかと思いますが、私は老人会の立場で申し上げますと、元気な高齢者が、元気でない高齢者の面倒を対等の立場で見ていくようにしました。一応、都のほうの1,800万の補助金をもらいまして、友愛チームというのをつくってみようかなと。日野の場合に31チームありまして、病弱の方、1人暮らしの方の安否の確認、家事手伝い、あるいは施設に対する慰安訪問を行っていますが、そういう中でいろいろと人間関係を築いていくということをやっているわけです。
 問題は、自治会なり町会に加入していない人、あるいは全然どんな団体にも入っていない地域との交流のない一人暮らしの人、そういう人に対してどう対応していくかということで、そこで民生委員さんとの相談もありますが、安心・安全電話帳をつくって、それぞれ用意していただくということがありますが、問題は、電話が通じればいいですが、電話が通じないときどうするかが問題になるわけです。
 とにかくここで出たいろいろな内容を活かして、対応していきたいと考えるので、特に今後の福祉のまちづくりにこの報告書を一部でも安全・安心の関係機関に送っていただければ幸いだと思います。
 以上です。

○部会長
 これは、区市のほうにも、庁内だけではなくて配布されますね。
○事務局
 そうですね。具体的な配布の仕方はまだ決めてないですが、広く周知できるように工夫をしていきたいと思います。

○斉藤委員 
 都精連の斉藤です。
 私は都精連で、毎週月曜日と金曜日の1時から5時まで、電話でピアカウンセリング相談の仕事を請け負っていますが、電話相談の内容として最近目立つところが、やはり震災が怖い、東北で起きたけれども、自分のところで起きたらどうしようと、震災が怖いという声、そういう件数が1年たってからまた目立ってきたなと思っています。
 それで、どうしたらいいのかわからないという人が結構いるので、やはり備えるものは備えて、あとは心の準備、ハード・アンド・ソフトで備えるものは備えて心の準備。あとは避難訓練みたいなものがあったら、そういうところに出てもいいし、水村委員のいわれた当事者同士ネットワークをふだんからつくっておかなければいけないというところも、私どもは申し上げています。
 ちょうど1年たってから、そういうピアカウンセリングの相談件数が目立ってきたなというところに、ほんとうに忘れてはいけない記憶なので、もし自分たちの東京で起きたらどうしようということを、現実に起きるということを想定して考えなければいけないと考えております。
 以上です。

○水村委員 
 すみません、水村です。
 もう、おそらく完本ができ上っているという前提条件だと思うので、どこまで修正できるかということですが、個人的意見で、私はこちらの意見交換報告書を拝見して、構成、あるいは3ページにあるような時間軸を導入した配慮のポイントですけれども、こちらはもう既に内閣府の災害事業援護者支援マニュアルや、あるいはそれに基づくガイドラインがある各自治体で、同じようなものはつくられているのではないかと思います。
 ですから、項目として新しいことは、1つ帰宅困難者問題が3.11で発生して、そのことが入っているということで、それ以外はそんなに新しいことではない。むしろ、3.11を経験した上で最も有効なのが、具体的なエピソードだったと思います。
 それぞれの人が実際に震災というものを、この東京で経験して、どういう対応をしたか、そのときどういう困った問題があったか、そのことがこの報告書にオリジナリティーを持たせるのだと思います。
 そういった意味では、内容を見ると、それぞれの配慮項目が1、2、3という形で挙げられていて、その配慮項目に対する解説があって、そしてその次に主な委員意見例ということで、具体的なエピソードが挙がっていても、むしろこの具体的なエピソードをもっと前面に出して、具体的にあ
の日どういったことがあったかということを修正するようなものにしたほうが、もっと有効に活用できるのではないかと思います。
 例えば今回東日本大震災で、新潟大学のグループですが、仮設の取り扱い説明書を冊子とWeb上でアップしていますが、過去仮設住宅生活経験のあった方が、どういうふうに自分たちでその環境を改善して快適なものにしていったかという、その知恵袋集みたいなものがWeb上あるいは冊子で出回っているけれども、これもそういうものになるといいと思います。
 東京で地震に遭ったときに、実際経験した人たちがどういう困難を克服していったか、そのときどう実際に直面したかということの情報が多くあるほうが、既存のガイドラインよりももっと独自性の高い有効なものになると思いますので、時間の制限もありますし、もうこれが既にでき上がったものという前提であれば、なかなかそういった編集は難しいと思いますが、従来の自治体や内閣府でつくっているものとはまたすこし一味違うものにするという意味で、そのような配慮をもう少し重点的にされたほうがいいのではないかと思いました。
 以上です。

○部会長
 水村委員の意見は建設的に、それから先ほど市橋委員の意見もちょっと似ているところがありましたが、それについてはこれから配布していくときに、この報告書のままということではなく、よりうまく伝わるような工夫をしていただければと思います。

○荒井委員
 荒井です。
 資料2の震災の関係資料です。3点思っていることを言わせてもらいます。
 1つは、私も参画し、いろいろ読ませていただきました。このまとめ方は非常に難しいです。よくここまでまとめていただいたと思います。まずは感謝したいですが、その上に、私自身が非常によくわかりづらいのが、この「震災発生時」という定義が、表を書いたときわかりづらいので、何かどこかにこの「震災発生時の定義」ありましたら記載していただければと思います。「発生後」についても同様で、定義されていれば記載して頂くと明確になると思います。発生はわかりますが、震災発生時、震災発生後というところが私自身の頭の中では整理できていないのが、現状です。
 2つは、これはすこし細かくて非常に恐縮ですが、3番目の「移動経路上への配慮」、「移動経路上の配慮」と2つここで使われています。目次は「への配慮」というのを使っています。5ページは「移動経路の配慮」。統一されて「移動経路上への配慮」がいいのかというところです。
 3つは、こういう良い資料を作成しましたので、ぜひPR等兼ねて、区市町村等にもPRしていただければ非常にいい効果があるし参考になると思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。
○部会長
 誤植的なところも指摘していただき、ありがとうございます。

○横矢委員
 横矢です。
 ほんとうにわかりやすく直していただいてよかったと思いますが、1点気になるところが、この資料2のほうの3ページの時系列表ですが、避難場所への配慮のところに、障害を持つ方への配慮というラインが一つできていますが、これだと、本来は帰宅困難者への配慮の中にも障害を持つ方への配慮が必要ですし、どこにも必要なものが何となく1つだけ出てきてしまっているというのは、わかりにくいではないか、かえっておかしい気がしました。
 特にこの発生後というのは、また線が途切れていますけれども、この発生した後しばらくたってからまた気をつけなければいけないことがあるし、そこの部分のタイトルが違うかなと感じました。とりあえず、お願いします。

○部会長
 共通でくくらなければいけない部分について、ここで特に言いたい意味も多分おわかりになるとは思いますが、わかりました。
 ほかにございますか。

○中野委員
 慶應大学の中野です。
 この冊子を配布していただく、これについてはかなり議論をされていると思いますのでよいと思いますが、付加的な情報として、例えば視覚障害に関しては、まだ安否確認がとれていないところがあり、特に福島が非常に大変で、視覚障害団体の中で、今も支援と調査が続けられています。
 それから震災後のいろいろな問題に関して、私は全国調査をして3割の視覚障害の方たちは現在の時点でもまだ困っていることがあると言われています。
 これは照明の問題だけでなく、さまざまな問題がありまして、調査がいろいろな団体でいま継続的に行われていると思うので、先ほど水村委員からも話がありましたが、いろいろなところの調査ではすごく具体的な話が載っていますので、主要なものに関して、例えばWebページ等を情報として、あわせて紹介いただくとか、これは都のホームページでもいいかと思いますが、そういうものがあわさると非常に活きた資料になるかと思うので、ご検討をぜひよろしくお願いします。

○部会長
 ありがとうございます。これも提案を参考にしながら、事務局のほうで発信するときに、検討をお願いしたいと思います。
 ほかにありますか。

○市橋委員
 できるだけ短くします。
 中野先生からも言ってもらいましたので、2つだけ気になりますが、僕らもこういう震災を迎えて、2つ、法律的あるいは条例的に問題があるかということなので、今後どうやっていくか、あるいはここがなくなるときやっていただきたいことがあると思います。
 1つは安否確認で、中野先生も研究いただいたと思いますが、従来の個人プライバシー条例等々で、各都市でいま、大きな議論になっている、これもどう考えたらいいかという意見を、ここでは書いていないですよね、プライバシー条例の関係は。今後どうやって生かしていくかというのが。
 それからもう一つは、僕が経験したのは、災害救助法と仮設住宅の問題では、バリアフリーの仮設住宅を建てようとすると、大抵災害救助法の問題で、仮設住宅を大きく建てると問題があるということを伺っているので、ここら辺は専門の先生が多いので、僕が口を挟む問題でないですが、もうちょっとここら辺をやらないと、仮設住宅は土台をつくってはいけないというところがあって、土台をつくっていかないと、やはりバリアフリーの問題や何かでいえばかなり問題があるし、今、東北地方でせっかく仮設住宅がいい家を建てたけれども、下から寒い空気が来てとてもいられないみたいなそんな問題があるので、国への提言というところで、今日これをどうこうするという問題じゃないけれども、そういう問題もあるよということを、委員会としてつけ加えながら、今後解決する課題は多いかということをやっていきたいと思います。

○部会長
 この件、仮設住宅のバリアフリー化についても、この専門部会でも議論されています。
 ここの記述としては、全部細かなところまで言っていませんけれども、先ほどの何人かの委員の皆さんから出てきましたけれども、これから発信する時にその辺を少し配慮しながら、それから未検討の部分で、今日出た意見も中にはありますけれども、それらを踏まえて、今後うまく役に立つように、お願いをしたいと思います。
 それでは、ちょうど時間も来ましたので、一応この2つ目の「今後の福祉のまちづくりについて~東日本大震災を踏まえて~」という推進協議会の意見交換報告書につきましても、幾つか今後に資する、あるいは配布するとき、あるいはこれを使った啓発活動を行っていくときに留意しなければいけない部分についても十分配慮していただきながら、それも踏まえてお認めいただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 (異議なしとの声あり)
 それでは専門部会としては、これで第8期第9回最終専門部会を終了させていただきたいと思いますが、最後に事務局からありますか。

○事務局
 まず、報告書の(案)についてはこれでまとめさせていただきたいと思っています。
 ただ、いろいろ委員からご意見ありましたように、発信時、これらを伝えていくという作業もやはり重要なプロセスですので、今日いただいた意見、発信時の参考とさせていただきたいと思います。
 以上です。

○部会長
 その点、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、専門部会についてはひとまずこれで終了させていただいて、引き続き推進協議会に入りたいと思いますので、推進協議会が10時半からでしたか。7分程度お休みいただいて、再開したいと思います。
 ありがとうございました。

閉会 午前10時21分

お問い合わせ

このページの担当は 生活福祉部 企画課 福祉のまちづくり担当(03-5320-4047) です。

本文ここまで


以下 奥付けです。