平成18年度 高次脳機能障害者支援に関する研修会(実施報告)
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1 実施目的
区市町村等の地域の機関において高次脳機能障害者の相談支援に従事する者を対象として、高次脳機能障害及び支援についての理解を深め、相談支援の実務に役立てる。
2 日時
平成19年3月6日(火曜)午後1時30分から午後5時00分
3 会場
東京都社会福祉保健医療研修センター 702教室
4 内容
【講演】
「東京都における高次脳機能障害者への相談支援」 午後1時35分から午後2時20分
講師:上野 伸子 (東京都高次脳機能障害支援普及事業 支援コーディネーター)
〔内容〕
- 高次脳機能障害支援普及事業の概要
- 東京における高次脳機能障害者支援の仕組み
- 専用相談電話の相談状況(10月~1月)
「高次脳機能障害の特性と医学的リハビリテーション」 午後2時20分から午後4時
講師:橋本 圭司氏 (東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座 医師)
〔内容〕
- 高次脳機能障害とは
- 高次脳機能障害の症状とは
- 前頭葉機能とは
- 高次脳機能障害者に対する通所リハビリテーションプログラムの紹介
【地域における実践報告】 午後4時10分から午後4時50分
「信頼関係づくりから医療機関(診断)への同行支援」
講師:森田 純司氏 (小金井市障害者地域自立生活支援センター 相談員)
〔内容〕
- 相談のきっかけ、支援の開始
- 高次脳機能障害支援拠点機関、医療機関との連携
- 信頼関係づくりについて、今後の支援
【質疑応答】 午後4時50分から午後5時
5 参加者
参加者数 116名
〔内訳〕
区市町村障害福祉保健主管課 41名、区市福祉事務所 10名
障害者地域自立生活支援センター 22名、精神障害者地域生活支援センター 9名
障害者就労支援機関 15名、区保健所 5名、都(行政) 7名、その他(通所施設等) 7名
6 感想・意見など(アンケート結果抜粋)
(1) 講演「東京都における高次脳機能障害者への相談支援」
三択:参考になった(65%)、普通(30%)、未選択(5%)
〔感想・意見〕
- 地域支援ネットワークの全体的なイメージがつかめたので、大変勉強になった。
- 区市町村で行っている支援をバックアップあるいはアドバイスしてもらえる機関はありがたい。
- 心障センターの役割が大きな力となるとともに、地域における支援システムを作る重要性を感じた。
(2) 講演「高次脳機能障害の特性と医学的リハビリテーション」
三択:参考になった(99%)、普通(1%)
〔感想・意見〕
- 高次脳機能障害はどういうものか、とても理解しやすく話も面白く聞くことが出来た。分かりにくいこの障害のイメージがつかめた。
- 「正確な診断の重要性」と「ポジティブ思考の支援」、基盤的な問題である「神経疲労」へのアプローチという話が非常に印象的だった。
- 前頭葉機能のピラミッドを用いての説明で、自己の病識気づきはリハビリの最後の段階であることを教えていただき参考になった。
- 「日々、周囲の人々が当事者に適切に対応することが重要」など、支援者としての姿勢が明確に理解できた。
(3) 地域における実践報告「信頼関係づくりから医療機関(診断)への同行支援」
三択:参考になった(33%)、普通(46%)、参考にならなかった(8%)、未選択(14%)
〔感想・意見〕
- 生々しい事例の経過のなかで、支援にとりくむ姿勢が勉強となった。
- 具体的に、どう対応に困って悩んだのかわかり参考になった。
- 通院に同行した際の様子や、ご本人との関係づくりについて、もう少し実際の様子がわかるような話が聞きたかった。
(4)その他、高次脳機能障害支援に関する感想・意見
- まだまだ社会資源や情報が少ないように感じる。様々な機関で情報を共有できればと思う。
- 家族を含めた周囲ぐるみでリハビリに取り組むことが大切なのが分かった。
- 障害者自立支援法により、3障害が一体化はされたが、自治体の内部では、まだまだ障害別のサービス提供となっている。一体的な相談に応じられる窓口の必要性を痛感している。
- 個別のケースに対する対応は非常に勉強になったので、ケース対応の研修を充実させて欲しい。
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