第14回東京都障害者福祉交流セミナー実施報告
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大都市における安心安全ネットワークの構築
第1部(1日目)
基調講演 「住民と行政による新たな福祉の展開」 ~障害者の地域自立生活支援をめざして~
一般講演 「障害者の声と都民の理解で災害につよいまちづくりを」
第2部(2日目)
グループA
「あなたの目の前の人、護(まも)られていますか」
~知りたい!使いたい!地域福祉権利擁護事業と成年後見人制度~
グループB
「福祉の枠を越えてつながる」
~多機関との連携で、作り出す支援とは~
第3部(3日目)
「18歳の扉を開いて、自分らしく歩む!」
~学校と福祉の連携で安心・安全な地域生活を~
1 開催目的
東京都障害者福祉交流セミナーは、都民の皆様や障害福祉関係者を対象に毎年開催しています。
昨年度より「障害者の地域生活をすすめるために」を3ヶ年シリーズのテーマとしてスタートし、障害があっても当たり前に地域で暮らすことの意味や障害の理解を広める内容として実施してきました。
2年目となる今年度は、大都市東京、そしてここで暮らすという視点を外すことなく地域生活をおくる上で欠かせない安心・安全ネットワークの構築や災害時における障害者支援に焦点をあて実施しました。
第1部は、ともに支えあう地域コミュニティを中心として、高齢者・児童・障害者という縦割りでなく住民一人ひとりに対応したサービスの必要性や、障害があっても当たり前に安心してくらせる福祉のまちづくり、住民の理解と協力の視点などについて、講演がありました。
第2・3部は、福祉関係事業の第一線で活躍している実務者を対象に開催し、大都市における安心安全な地域生活をすすめるためにというテーマで3分科会に分かれて実施しました。
2 開催日時 会場
第1日目
開催日時:平成21年12月2日(水曜)午後1時15分から午後4時30分
会場:東京都庁第一庁舎大会議場
第2日目
開催日時:平成21年12月17日(木曜)午後1時30分から午後4時30分
会場:東京都心身障害者福祉センター
第3日目
開催日時:平成22年1月19日(火曜)午後1時30分から午後4時30分
会場:東京都心身障害者福祉センター
3 第1部 ~大都市における安心安全ネットワークの構築~
(1)参加者数 213名
( 内訳 )都民(家族会・民生児童委員・都民等)72名 障害関係機関(相談支援、活動支援、居宅サービス等)60名
区市(行政)29名 都(行政)52名
(2)内 容
◇基調講演
「住民と行政による新たな福祉の展開」~障害者の地域自立生活支援を目指して~
講師 大橋 謙策 日本社会事業大学学長
○戦後社会福祉の展開における誤謬
○戦後社会福祉体制における「自立」論と地域自立生活における「自立」論
○「地域における『新たな支え合い』を求めて――住民と行政の協働による新しい福祉」の報告書が意味するもの
○災害時支援におけるソーシャルワーク機能と障害者の地域自立支援
◇一般講演
「障害者の声と都民の理解で災害につよいまちづくりを」
講師 市橋 博(障害者と家族の生活と権利を守る都民連絡会事務局長)
○障害者の声と都民の理解が福祉のまちづくりをすすめた
○災害時に…時間的経過と障害種別に配慮した支援を行政と地域が役割を担う
○地域での力をつけるとは
(3)感想・意見など (アンケート回収数125名)
◇基調講演に関する意見
●参考になった(112) ●どちらとも言えない(7) ●参考にならなかった(1) ※無回答(5)
<感想・意見>
・行政を生かすのも住民の力と感じる、最近、地域力がなくなっている。
・「幸福追求権」「自立」など、実践を積み重ねると同時に、学ぶ機会が必要だと感じた。
・災害支援以前に、行政や地域の課題、結びつける難しさを考えさせられ、複雑な心境である。
・歴史的視点や日本の地域福祉を考え直すために、かなり参考になった。
・業務の中で忘れがちなケースワークの話が参考になった。やるべきことを考えていきたい。
・自分の業務をマクロ的に見る機会が久しくなかったので、多くの話が参考になった。
◇一般講演に関する意見
●参考になった(116) ●どちらとも言えない(9) ●参考にならなかった(0)
<感想・意見>
・安否確認登録はプライバシーに拘らないモデルもあり得る等、経験からの意見が参考になった。
・自分の命は自分で守る、そして次に何を守るかを考える福祉社会にしなければならない。
・「使う人の立場にたって!」福祉のまちづくりを進めるに者として考えが足りないと感じた。
・何気ない話でも、福祉運動をした結果であり、何とも言えない気持ちになった。
4 第2・3部 ~大都市における安心安全な地域生活をすすめるために~
(1)参加者 101名
●第2部A 24名 ●第2部B 21名 ●第3部 56名
(2)内容
午後1時30分から4時30分 各部会で話題提供者から話題提供後、意見・情報交換、グループ討議、シンポジウムを実施
◇第2部グループA 「あなたの目の前の人、護(まも)られていますか」
~知りたい!使いたい!地域福祉権利擁護事業と成年後見制度~
<話題提供>
大田区社会福祉協議会総務課成年後見センター長 荒砥 康二
東京都福祉保健局生活福祉部地域福祉推進課推進係長 山川 幸弘
◇第2部グループB 「福祉の枠を越えてつながる」
~多機関との連携で、作り出す支援とは~
<話題提供>
足立区東和保健総合センター地域保健担当係長 馬場 優子
板橋区おとしより保健福祉センター相談支援係長 金子 信夫
社会福祉法人イリアンソスのぞみの家施設長 磯部 光孝
◇第3部 「18歳の扉を開いて、自分らしく歩む!」
~学校と福祉の連携で安心・安全な地域生活を~
<話題提供>
東京都立青峰学園進路指導・相談支援担当主幹教諭 原 智彦
東京都立八王子盲学校教諭 渡辺 富士子
社会福祉法人東京都知的障害者育成会知的障害者入所更生施設杉並育成園
すだちの里すぎなみ施設長 仁田坂 和夫
聴覚・言語障害者更生施設東京都聴覚障害者生活支援センター所長 高橋 秀志
(3)感想・意見等
●第2部グループA
・お金の管理や権利問題が発生したら、すぐに後見人と考えかちだが、やはり家族や地域の社会資源をもっとよく活用することが大事だと改めて思った。
・障害者支援をしていると、成年後見制度の活用は必要ですが、実態と乖離しすぎている。問題意識をもった方々が集まってよい知恵をだしていく。こんな小さな一歩から何かができると良いと思った。
・具体的な相談内容が聞けてよかった。今後の参考にしたい。
●第2部グループB
・多分野の方々と意見交換できたのは良かった。
・当事者の生活を良く知り、資源についても知り、本人がより良く暮らしていくために必要な連携、その視点でどこが核になるかと考える重要性を感じました。
・つながる為には、自分がどう動くべきなのか考えさせられた。いいネットワークを築けるようアクションをおこします。
●第3部
・学校と福祉の連携の必要性が、想像以上に重要であることを認識した。
・生活の場や教育の場と就労先や施設との連携が途切れている、個別の教育支援計画、指導計画等の情報を共有し、継続して支援して行く必要があると思った。
5 報告書は下記から
第一日目 ~大都市における安心安全ネットワークの構築~ 報告書
基調講演 「住民と行政による新たな福祉の展開」~障害者の地域自立生活支援をめざして~
一般講演 「障害者の声と都民の理解で災害につよいまちづくりを」
第二・三日目 ~大都市における安心安全な地域生活をすすめるために~ 報告書
●第2部グループA
「あなたの目の前の人、護(まも)られていますか」
~知りたい!使いたい!地域福祉権利擁護事業と成年後見制度~
第2部グループB
「福祉の枠を越えてつながる」
~多機関との連携で、作り出す支援とは~
●第3部
「18歳の扉を開いて、自分らしく歩む!」
~学校と福祉の連携により安心で安全な地域生活を~