大切な命を失わないために
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自殺は、その多くが防ぐことができます
- 近年、残念なことに自殺者数が増加し、年間3万人近い多くの人が自らの命を絶っています。
- 自殺は、精神的な悩みや不調を抱えて長い間迷った末になされる、いわば“追い込まれての死”であることが少なくありません。
- 精神的な不調に早めに気づき、対策を講じることによって、自殺を防ぎ、減らしていくことができます。
自殺の起こる背景
- 近年の増加には、不況による失業率の増加、資金繰りの悪化、多重債務など、経済的な要因も大きく影響しています。
- 全国的には中高年の男性に多いですが、東京では若年層の自殺者の割合が全国よりも高いのが特徴です。最近では、いわゆる“就活自殺”と呼ばれる、就職活動を要因とした若者の自殺が社会的に問題となっています。
- 一方、自殺で亡くなる人の約8から9割程度に、うつ病、アルコール依存症などをはじめとするさまざまな精神疾患が関係していると考えられています。そしてそれらは、いずれも治療によって回復する可能性のあるものです。
- 例えば、うつ病を経験した人で医療機関を受診したことのある人は、4分の1に過ぎません。もし、残る4分の3の人が医療機関を受診していれば、自殺を減らしていくことが可能なのです。
精神保健対策と社会全体の取り組みの両方が必要
- 自分自身についても、家族、友人、同僚などについても、“普段と違う”様子(心の不調)に気づくことが、予防の第一歩です。
- 精神的な不調について、早めに専門家に対応策を相談したり治療を受けたりすることが、とても大事です。
- また、そのような相談を気軽に受けられるような仕組みづくりが必要です。
- 同時に、自殺に追い込まれるような状況をなくしていく社会全体の取り組みも欠かせません。さまざまな分野の関係者が、地域ぐるみで協力していく必要があります。
- あなたにも、できることがあります。
自殺の危険が高い場合とは
- 「死にたい」、「もうやっていけない」、「もうどうでもいい」、「自分なんていない方がいい」などと周囲にもらす場合
- 最近、自殺未遂に至ったことがある場合
- うつ病のような症状が見られる場合(不眠、食欲の低下、気分の落ち込み、楽しむことができなくなった等)
- 飲酒量が増してきた場合
- 生活上の困難が増したり、生活の急な変化があった場合
- 身近な人が亡くなるなど、本人にとって大切なものを失う体験をした場合
- 自分や家族の病気のために生活が大きな影響を受ける場合
- 暴力、虐待、いじめ、学業不振、失職、離婚、訴訟などストレスが蓄積している場合
「死にたい」と打ち明けられた時の対応
- 死にたいと言う人も、本心から死にたいというよりは、物事を悲観的にしか考えられないような状態に陥って、すっかり自信を失っていることが多いと言えます。
- 実は、死にたいという絶望感と生き続けたいという望みとを、あわせ持っていることが少なくありません。
- 話をはぐらかさず、ご本人の訴えに耳を傾けましょう。
- 辛い心境をじっくり聴いてもらうことによって、ご本人の気持ちは楽になります。
- ご本人を責めたり、叱咤激励したり、世間一般の常識を押しつけたりすることは避けましょう。
- 不眠、食欲の低下、気分の落ち込み等の症状は、治療でよくなることを伝えましょう。
- 専門家に相談するように勧めましょう。
自殺で残された遺族のケア
- 自殺で後に残された遺族も、その悲しみや戸惑いなどを表現できず、強いストレスを感じていることが少なくありません。
- 身近な人の自殺をめぐる思いを、率直に語り合える場を作っていくことが必要です。
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