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高次脳機能障害者実態調査結果

平成20年5月15日

 東京都は、高次脳機能障害者の実態を把握するため、昨年10月に東京都高次脳機能障害者実態調査検討委員会(会長:渡邉修 首都大学東京大学院教授)を設置し、本年1月に医療機関等の協力を得て実態調査を実施しました。
 今般、委員会から調査結果について報告がありましたのでお知らせします。

調査概要

1 医療機関調査(通院患者調査、入院患者調査、退院患者調査)
  (対象)都内全病院 全651か所 回収数419件(64.4%)
       診療所      287か所 回収数194件(67.6%)
  (方法)医療機関を通じて主治医に自記式調査票を配布、郵送回答
2 本人調査
  (対象)医療機関を受診している高次脳機能障害者938人 回答件数198人(21.1%)
  (方法)医療機関を通じて本人または家族に調査票を配布、郵送回答

主な結果(詳しくは、別添「調査結果のポイント(概要)」を参照)

1 医療機関調査結果から
(1) 通院患者調査結果から
◆ 高次脳機能障害者は、男性が女性よりも多く、また、年代別では60歳以上の者が67.2%であった。
◆ 発症の原因は、脳血管障害が81.6%、脳外傷が10.0%であった。年代別にみると、30歳代以上は脳血管障害の割合が脳外傷より高くなっており、60歳以上では脳血管障害者が89.9%を占めていた。
◆ 障害の内容では、行動と感情の障害44.5%(意欲の障害、抑うつ状態、不安、興奮状態など)、記憶障害42.5%、注意障害40.5%、失語症40.4%が多くみられた。
(2) 退院患者調査結果から
   都内の高次脳機能障害者数を約49,000人と推計した。

2 本人調査結果から 
◆ 障害者手帳を1種類以上取得している者が82.3%であった。
   障害者手帳の種類別では、身体障害者手帳73.2%、精神障害者保健福祉手帳20.2%、愛の手帳1.5%であった。また、全体の44.9%が介護保険の認定を受けていた。
◆ 公的支援(年金、手当、生活保護)のいずれかを受給している者が81.8%で、平均受給額は月額151,540円であった。
◆ 今後是非必要とする支援サービスについては、相談支援、自立訓練、就労継続支援、ケアマネジメント、地域活動支援センターの順にニーズが高かった。
◆ 発症時に就労していた者は62.6%で、現在も就労している者は10.1%であった。また、現在就労していない者のうち、50.3%が就労を希望していた。
◆ 今後の就労支援として、「職場に障害を理解してもらうための支援を望む」が43.9%と最も多く、次いで「職業訓練を受けられる機関を望む」が39.9%であった。

《参考 出典:高次脳機能障害者地域支援ハンドブック(平成19年8月) 東京都発行》

【高次脳機能障害】
  高次脳機能障害とは、病気や交通事故など様々な原因で、脳が部分的に損傷を受けたために生ずる、言語や記憶など知的な障害をいいます。新しいことが覚えられない、注意力や集中力の低下、感情や行動の抑制がきかなくなるなどの精神・心理的症状が出現し、周囲の状況にあった適切な行動が選べなくなり、生活に支障を来たすようになります。
【主な症状】
 ○記憶障害・・・新しいことが覚えられない
 ○注意障害・・・気が散りやすい、集中できない
 ○遂行機能障害・・・手際よく作業ができない
 ○行動と感情の障害・・・怒りやすい、幼稚、引きこもり、意欲がわかない
 ○失語症・・・言葉が話せない、理解できない
 ○失認症・・・見えているのに認識できない
 ○失行症・・・一連の動作の手順がわからない
 ○地誌的障害・・・よく知ってる場所でも道に迷う、いる場所がわからない
 ○半測空間無視・・・片側の空間を認識できない
 ○半測身体失認・・・麻痺側を認識できない
 *障害は、重複していることが多く、障害の状態は一人ひとり異なります。
【障害者自立支援法における障害福祉サービス】
  障害者自立支援法における障害福祉サービスについては、障害者手帳の他にも、自立支援医療(精神通院医療)受給者証、医師の診断書(高次脳機能障害診断基準に該当することが確認できるもの)を添えてお住まいの区市町村に申請することができます。

調査結果

※調査結果のポイント(概要)と「東京都高次脳機能障害者実態調査検討委員会」名簿です。

※データ容量の都合により、概要版を2つのファイルに分割して掲載しています。

※データ容量の都合により、報告書を8つのファイルに分割して掲載しています。

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お問い合わせ

このページの担当は 障害者施策推進部 精神保健医療課 です。

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