「虐待かな?」と思ったら・・・。
あなたの周りに「虐待を受けたと思われる子供」、「虐待の疑いがある家庭」を見つけたときには、ひとりで悩まずに、お住まいの区市町村を担当する子供家庭支援センター、又は児童相談所にご相談ください。
気付いてください、子供と保護者からのサイン。
虐待を受けている子供や虐待をしている保護者には、つぎのような特徴が見られます。一つだけでなく、複数の項目に該当したり、頻繁に見られる場合には虐待が疑われます。
子供について
- 子供の泣き叫ぶ声が頻繁に聞こえる。
- 不自然な外傷(あざ、打撲、やけどなど)が見られる。
- 表情が乏しく活気がない。
- 衣服や身体が極端に不潔である。
- ひどく落ち着きがなく乱暴、情緒不安定である。
- 食事に異常な執着を示す。
- 夜遅くまで遊んでいたり、徘徊している。
- 理由もなく、保育園や学校を休みがちである。 など
保護者について
- 子供を怒鳴りつける声がよく聞こえる。
- 小さい子供を家に置いたままよく外出している。
- 子供の養育に関して拒否的、無関心である。
- 子供を甘やかすのは良くないと強調する。
- 気分の変動が激しく、子供や他人にかんしゃくを爆発させることが多い。
- 子供のケガや欠席について不自然な説明をする。
- 子供がケガをしたり、病気になっても医者に診せようとしない。
- 地域や親族などと交流がなく、孤立している。 など
「虐待かな?」と思ったら、すぐに連絡してください。
子供や保護者からのサインに気付き、「もしかしたらこれって虐待かな?」と思ったら、ひとりで悩まずに、お住まいの区市町村を担当する子供家庭支援センター、又は児童相談所に連絡してください。
虐待かどうかはっきりしない場合も連絡してください。
「子供の泣き叫ぶ声がよく聞こえるけど、本当に虐待かどうか分からない・・・」、「もし虐待ではなかったらどうしよう・・・」と不安に感じるかもしれません。しかし、たとえ虐待ではなかったとしても、連絡をした人の責任が問われることは一切ありません。
連絡をした人の秘密は守られます。
連絡を受けた相談機関は、いかなる理由があっても、連絡をした人の個人情報、又それを特定させるような情報を漏らすことはしません。連絡をした人に関する個人情報は必ず守られます。
子供への虐待とは・・・。
保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護する者)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対して行う行為であり、次の4つに分類されます。なお、ほとんどの虐待の場合が重複して起こっています。
身体的虐待
- 叩く、殴る、けるなどの暴力
- タバコの火などを押しつける
- 逆さづりにする
- 戸外にしめだす など
性的虐待
- 子供への性交、性的暴力
- 性器や性交を見せる
- ポルノグラフィーの被写体などにする など
ネグレクト(養育の放棄又は怠慢)
- 適切な衣食住の世話をせず放置する
- 病気なのに医師にみせない
- 乳幼児を家に残したまま外出する
- 乳幼児を車の中に放置する
- 家に閉じこめる(学校等に登校させない)
- 保護者以外の同居人や自宅に出入りする第三者による虐待を保護者が放置する など
心理的虐待
- 無視、拒否的な態度
- ば声を浴びせる
- 言葉によるおどかし、脅迫
- きょうだい間での極端な差別扱い
- ドメスティック・バイオレンス(配偶者に対する暴力)を行う
- 子供のきょうだいに虐待行為を行う など
虐待を受けた子供たちは・・・。
子供は虐待をされても、周りになかなか訴えることが出来ません。周りに言ってしまうことでさらにひどい仕打ちを受けることになったり、親に見捨てられてしまうのでは、と怯えている子供が多くいます。また、虐待をされるのは「自分が悪いせいだから」と思い込んでしまう子供もいます。
さらに、虐待という行為は子供たちの身体と心に深刻な影響を及ぼし、さまざまな症状として現れます。
- 暴力による身体的外傷、後遺症。
- 栄養不足による低身長・低体重といった発育障害。
- 虐待というトラウマ(心的外傷)による強い不安感や抑うつ状態、ストレス障害、人格障害などの精神症状。
- 対人関係の構築や感情のコントロールが出来ないことによる暴力行為や自傷行為。 など
虐待行為が続けば続くほど、あるいは子供が成長するにつれて、アルコール依存、薬物依存、自殺願望などに結びつく可能性が高くなります。さらには虐待を受けた子供が親になり、次の世代である自分の子供に対して虐待行為を引き起こしてしまうこともあります。
虐待をする保護者たちは・・・。
虐待をする保護者たちの多くが、子育てや家庭の悩み・葛藤を一人で抱え込み、苦しみ続けています。
- 子育ての方法が分からない。
- 親族や地域社会からの孤立。
- 夫婦関係の不和、配偶者からの暴力等。
- 保護者自身が過去に虐待を受けていた経験。 など
親戚や近隣に相談することが出来ずに、ストレスとしてつい必要以上に子供をしかったり、たたいたりしてしまうことがあります。子供への虐待はこのような子育ての不安、家庭の悩みから始まることがよくあります。保護者を責めるだけでは決して虐待の解決にはなりません。あなたからの連絡によって、虐待を受けている子供だけでなく、虐待をしてしまっている保護者への支援にも繋がります。
子育てをしている方へ・・・。
「このままでは虐待してしまうのでは…」
「もしかしたらこれって虐待では…」
と悩んでいませんか?
さまざまなストレスや不安がきっかけになって虐待をしてしまう、それは決して特別なことではありません。同じように悩んでいる人はたくさんいます。
ひとりで悩まないで、信頼できる人や相談機関へご相談ください。
あなたの周りには相談にのって、手助けをしてくれるところがたくさんあります。
一緒に考えましょう。
子供を虐待から守るネットワークの一員として・・・。
子供を虐待から守るための5か条
1 「おかしい」と感じたら迷わず連絡
2 「しつけのつもり…」は言い訳
3 ひとりで抱え込まない
4 親の立場より子供の立場
5 虐待はあなたの周りでも起こりうる
子供への虐待の未然防止、早期発見・対応のためには、子供家庭支援センターや児童相談所、保健機関、学校等だけでなく、地域住民である「あなた」だからこそ出来ることがあります。地域の住民一人ひとりが子供を虐待から守るネットワークの一員です。あなたの一言が子供と親を救うきっかけになります。
「虐待かな?」と思ったら、ひとりで悩まないで、相談機関に心配な思いを伝えてください。
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このページの担当は 児童相談センター 事業課 事業担当 です。