予防のポイントその2
「動く(体力)」

1) 体力(筋肉量)の減少に要注意!

身体は大まかに「脂肪」「筋肉」「骨」「水分」によって構成されています。加齢とともに「筋肉」が減って「脂肪」に置き換わりやすくなり、その結果、筋力が低下し、体力が衰えていきます。
体力(筋肉量)の低下によって、出歩くことが億劫になると、人との交流や会食など生活全般に影響が及びます。フレイルにならないためには、体力を一定以上に維持することが大切になります。

2)体力を保つための運動

加齢による体力の低下は、適度な運動によって回復が可能です。回復には、日常の活動よりやや強い負荷での活動(刺激)が必要です(図1)。
やや強い負荷と言っても、無理のない範囲で実践することが可能です 。例えば、日頃、買い物に行くときのスーパーまで10分かかるのであれば、9分30秒で行けるようにするなど、少しだけ所要時間を短くしてみたり、あるいは歩幅を意識して、いつもより少しだけ(10cm程度)歩幅を広く歩いてみたり、このようなちょっとした工夫の積み重ねが刺激となって、体力の回復に繋がります。体が慣れてきたら、それに合わせて少しずつ負荷を上げることもポイントです。

過負荷の原則/やや強い負荷(刺激)が体力回復のコツ

図1.過負荷の原則

一般的には、あまり歳を取ると効果がなくなるのではないか、あるいは体力が低いとトレーニングは逆効果になってしまうのではないかと考えられがちですが、高齢者を対象に行った調査では、年齢とトレーニングの効果は無相関、体力が低い方に効果が高いことがわかりました。つまり、何歳でも、体力がやや衰えていたとしても、トレーニングは有効であるということが言えます。日常の活動より少しだけ強い負荷の活動を増やすことが、体力面でのフレイル予防では大切です。

なお、体力のフレイルを予防するためには、栄養もとても大切です。身長と体重の比率から肥満ややせを判定するBMIは、体力の重要な指標でもあります。体力をしっかり作るため、「食べる」フレイル予防のページも確認してみましょう。