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平成13年7月13日

問い合わせ先
福祉保健局総務部企画計理課
電話 03−5320−4019

第48回東京都社会福祉審議会の審議結果

1 開催日時

2 場 所

3 出席者

4 議 事

(1) 委員紹介
(2) 委員長・副委員長選任について
(3) 専門分科会の設置について
(4) その他

5 議事録

(午前10時06分開会)

○松浦計画調整課長

 それでは、お待たせいたしました。本日は、委員の皆様におかれましては、何かとお忙しい中ご出席をいただきまして、ありがとうございます。私、福祉局総務部計画調整課長の松浦と申します。
 開会に先立ちまして、事務局から委員の皆様の出席につきまして報告させていただきます。
 本審議会の委員総数は、本委員30名でございます。そのうち、本日所用のためご欠席というご報告をいただいております委員の方は5名でございます。したがいまして、本日出席予定の委員の方は25名となりますので、定足数に達することを報告させていただきます。
 続きまして、お手元に会議資料を配付してございます。その資料について簡単にご説明させていただきます。
 まず、資料1でございます。資料1は、「東京都福祉改革推進プラン」、この冊子でございます。
 続きまして、資料1−2でございますが、リーフレット「東京から新しい福祉を始めます。」でございます。
 続きまして、資料1−3につきまして、東京都認証保育所の概要でございます。
 資料1−4は、障害者施設緊急整備3か年計画の概要でございます。
 続きまして、資料2でございます。これは、前期、第15期になりますけれども、社会福祉審議会の意見具申でございまして、「利用者が必要とするサービスを選択できるようバックアップするしくみの構築に向けて」でございます。
 続きまして、資料3でございます。資料3は、地域福祉サービス評価システム検討会報告でございます。
 続きまして、資料4でございますが、「成年後見制度及び福祉サービス利用援助事業利用の手引」でございます。
 なお、ご参考までに、それ以外に社会福祉基礎調査「高齢者の生活実態」の結果、これは速報でございますけど、そのまとめたもの。それから、「2001年東京の高齢者福祉」。それと、「新しい東京の障害福祉」、これもリーフレットでございます。それから、「2001年版東京の社会福祉」、「社会福祉の手引2000」を参考までに机上に配付させていただきました。
 また、本審議会の委員の委嘱状につきましては別途送付させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本日は傍聴の方がいらっしゃるということをお知らせいたします。
 また、当審議会の議事録でございますけれども、東京都のホームページに掲載され、インターネットを通じて公開されますので、申し添えます。
 まず、事務局から以上でございます。
 それでは、開会させていただきたいと思います。
○村山企画担当部長

 それでは、ただいまから第48回東京都社会福祉審議会を開会いたします。
 本日は、委員改選後、初めての審議会でございますので、後ほど委員長を互選していただくことになりますが、それまでの間、私が進行役を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 私は、本審議会の事務局を担当しております福祉局企画担当部長の村山でございます。よろしくお願いをいたします。
 まず初めに、本日は、新たな審議会の発足ということでございますので、委員の皆様方のご紹介をさせていただきます。お手元の委員名簿に基づきまして順次ご紹介をさせていただきます。
 まず、私どもから左手手前のほうからご紹介をさせていただきますが、若干遅れるということでご連絡がございましたけれども、後ほどいらっしゃいます今井通子委員でございます。
 それから、順次申し上げますと、大澤義行委員でございます。
 大橋謙策委員でございます。
 大道久委員でございます。
 大本圭野委員でございます。
 小口芳久委員でございます。
 小野田隆委員はご欠席でございます。
 小林良二委員でございます。
 それから、佐々木健雄委員と沢西きよお委員はご欠席でございます。
 曽根はじめ委員でございます。
 高橋紘士委員でございます。
 田端光美委員でございます。
 手塚和彰委員でございます。
 寺田和雄委員はご欠席でございます。
 中島元彦委員でございます。
 それから、こちらのほうにまいりまして、中嶋義雄委員は後ほどいらっしゃるというご連絡でございます。
 新村保子委員でございます。
 野村歡委員でございます。
 野村友子委員はご欠席でございます。
 馬場裕子委員でございます。
 平川佐保子委員でございます。
 藤井俊郎委員でございます。
 松原忠義委員でございます。
 真鍋よしゆき委員は後ほどいらっしゃるということでございます。
 三浦文夫委員でございます。
 南砂委員でございます。
 本沢巳代子委員でございます。
 渡邉潤子委員でございます。
 渡辺光子委員でございます。
 ただいま今井委員がお見えになりましたのでご紹介をいたします。今井通子委員でございます。
 委員の紹介は以上でございます。
 次に、東京都の行政側の出席者をご紹介させていただきます。
 前川燿男福祉局長でございます。
 藤堂義弘福祉局次長でございます。
 なお、事務局の幹事、書記につきましては、お配りしております幹事・書記名簿をもちまして紹介にかえさせていただきますので、ご了承いただきたいと思います。
 本日は、改選後、初めての審議会でございますので、東京都社会福祉審議会規定第2条第1項に基づきまして、委員長を互選により選出することになっております。いかがいたしましょうか。

○野村(歡)委員

 野村でございます。これまで副委員長をされてこられました三浦先生にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○村山企画担当部長

 ただいま野村委員から委員長に三浦委員をというご発言がございましたが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

○村山企画担当部長

 ありがとうございます。それでは、ご異議ございませんようですので、本審議会の委員長は三浦文夫委員にお願いをすることといたしたいと思います。
 恐れ入りますが、三浦委員には委員長席のほうにお移りをいただければと存じます。
 それでは、早速でございますが、委員長にごあいさつをいただければと思います。

○三浦委員長

 図らずも、ただいま今期の委員長にご推薦を賜りました三浦でございます。どうぞよろしくお願いします。
 今お話のように、しばらく、前の仲村優一委員長のもとにおきまして副委員長を務めさせていただいたわけでございます。本審議会の委員長は、葛西嘉資委員長、仲村優一委員長という、いわば日本を代表する方々にお務めいただきました。そういう意味では大変重い部署だというふうに存じておりまして、お二人の後を引き継ぎまして委員長を引き受けることは、大変責任の重いことだというふうに存じておるわけでございます。
 と同時に、東京都の審議会でございますけれども、これまでも数多くの意見具申、答申等を行いまして、ある意味では全国に先駆けまして非常に重要な役割を果たしてきたというふうに存じておるわけでございます。そういう委員会の委員長でございますので、これまた大変身の引き締まるような思いを持っておるわけでございます。
 特に、21世紀にいよいよ入りました。今世紀最初のこの委員会でございます。国及び東京都等をめぐりまして、今さまざまな大きな動きが出ておりまして、特に東京都におきましても、福祉改革ということで新しい方向を今盛んに模索し、さらに進めようとしておるわけでございまして、この審議会におきましても、その方向に沿いまして審議を重ねていく必要があるのではないだろうかと思います。それだけ大変重要な課題を担っておると存じておりまして、どうぞ皆様方のご指導とご鞭撻のほどをお願いいたしまして、この審議会での審議がさらに実り豊かなものになるようにご支援のほどお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○村山企画担当部長

 ありがとうございました。
 それでは、以後の議事進行につきましては三浦委員長にお願いをいたします。よろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 それでは、私のほうから議事の進行を務めさせていただきます。
 まず最初に、東京都社会福祉審議会規定第2項、第3項によりまして副委員長を決めていただくわけでございますが、副委員長は委員長が指名することになっております。大変僣越でございますが、私のほうから副委員長を指名させていただきたいと存じます。
 副委員長には、今期は2名の方をお願いしたいと存じております。お一人は高橋紘士委員でございます。特に前期の答申をまとめるに当たりまして小委員会の委員長を務めていただきました。それから、もうお一方は田端光美委員をお願いしたいと思っております。同じく田端委員につきましても、先ほどの小委員会における副委員長を務めていただきましたし、また、長い間こちらの審議会の委員でもございます。どうぞよろしくお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

○三浦委員長

 それでは、高橋委員、田端委員、副委員長の席に移っていただければと存じますが、よろしくお願いします。
 それでは、両副委員長からごあいさつをいただきたいと思います。

○高橋副委員長

 図らずも副委員長というお役を拝命いたしました。大変若輩でございますが、考えてみますと、私は1944年の生まれでございますから、東京都の高齢化社会が最も本格化するときの福祉システムという意味では、団塊の世代よりちょっと上でございますが、そういう意味ではやや責任を持たなければいけないというふうに考えておりまして、そういうことも含めまして、委員の皆様のご指導をいただきながら、三浦委員長のご指導を仰ぎながら務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○田端副委員長

 ご指名いただきました田端でございます。私も、考えてみますと、東京都が在宅福祉を推進する時代から東京都の福祉をどうするかということにかかわらせていただきまして、その間いろいろ皆様方に教えられながら勉強もさせていただきました。20世紀最後のころと21世紀最初の委員を務める中で、委員長・三浦先生のご指導をいただきながら、そして、皆様方との間で何かお手伝いをできることがあればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入ります前に、本日、大変お忙しい中にもかかわらず、前川福祉局長がいらっしゃっておりますので、ごあいさつをいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○前川福祉局長

 皆様、おはようございます。福祉局長の前川でございます。
 今回の当期の審議会につきまして、大変お忙しい中、審議会の委員を快くお引き受けをいただきまして、心から感謝を申し上げております。
 また、三浦委員長、高橋・田端両副委員長におかれましては、どうぞ運営のほうにつきましてよろしくお願いを申し上げます。
 本来ですと、石原知事から皆様にごあいさつを申し上げるべきところでございますが、あいにく他の公務と重なっておりますので、私から一言あいさつを申し述べさせていただきます。
 この社会福祉審議会におかれては、これまでも社会の変化に対応しながら福祉のさまざまな課題について時宜を得た適切なご意見をいただき、東京都の社会福祉の進むべき方向の指針とさせていただいてまいりました。今期の皆様方におかれましても、今後3年間にわたって東京の社会福祉の発展のために特段のお力添えを賜りますようお願いを申し上げたいと存じます。
 先ほど委員長から一言お話もありましたが、また、お手元に資料も配付してありますけれども、東京都は今、福祉改革という形で、これまでの福祉の見直しを行っております。昨年の暮れには、お手元にあります福祉改革推進プランを発表させていただいて、パンフレットにありますようなさまざまな取り組みを行ってまいりました。
 それでは、私どもは一体何を目指しているのかということでありますけれども、大変僣越な言い方をすると、私どもが目指す福祉改革は、高齢者の方、障害者の方、あるいはまた子供の世界も含めて、できるだけ多くの人々が一人の人間として自立をして、誇りを持って生きられる世界をつくっていきたい、そういうことに尽きるのではないかと考えております。そのためには、徹底してこれまでの福祉サービスのあり方を根底から見直す必要がある。また、福祉サービスの量的な拡大、質の向上も図っていくことが必要であります。こうした方向を目指して、東京の特性あるいは強みを生かしながら、従来の社会福祉法人に加え、NPO、ボランティア、あるいは民間企業等さまざまな事業者が競い合いながら工夫を凝らしてサービスを展開していく世界をつくりたいと考えております。
 そしてまた一方では、私どもの行政も本来の意味での責任をきちんと果たしていく。在宅サービスをはじめ、福祉サービスのインフラ整備、利用者保護の仕組みの整備などに行政が責任を持って行う必要があると考えております。大変に難しい課題でありますけれども、私ども、全力を尽くして、この東京から新しい福祉の世界を創造し、全国に発信できればと考えております。
 本審議会におかれても、この4月、利用者がみずから福祉サービスを選択する際に重要不可欠である利用者のサービス選択をバックアップする仕組みの構築について貴重なご意見をいただいております。このご提言も生かしながら、21世紀の東京にふさわしい福祉システムの実現に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。どうぞ委員長をはじめ委員の皆様方、東京の新しい福祉の方向性について幅広い視点からのご審議をいただきますよう心からお願いを申し上げたいと存じます。
 簡単ではございますが、ごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 どうもありがとうございました。
 それでは、早速、初めの議題に入りたいと思います。審議会の会議次第でございますが、この順序に従って進めていきたいと思いますが、まず最初に、専門分科会の設置につきまして事務局のほうからご説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○松浦計画調整課長

 それでは、専門分科会についてご説明させていただきます。
 東京都社会福祉審議会規程第3条第1項によりまして、審議会には民生委員の適否を申請する民生委員審査分科会と、身体障害者の障害程度の判定などを行う身体障害者福祉分科会を置くとされてございます。これらの分科会は、社会福祉法第11条第1項の規定によります必置の専門分科会でございます。さらに、社会福祉法施行令第3条第1項の規定によりまして、身体障害者福祉分科会に審査部会を置くこととなっております。
 各専門分科会及び審査部会に属する委員につきましては、社会福祉法施行令及び東京都社会福祉審議会条例施行規則によりまして、委員長が指名することになっております。
 以上でございます。

○三浦委員長

 どうもありがとうございました。
 ただいまご説明がありましたように分科会等につきましての所属委員でございますけれども、私のほうからご指名を申し上げたいと存じます。
 ただいま名簿をお配りいたしますので、しばらくお待ちください。
 それでは、初めに民生委員審査分科会の所属委員でございますけれども、大澤委員、大本委員、小野田委員、曽根委員、田端委員、寺田委員、中嶋義雄委員、松原委員、渡辺光子委員にお願い申し上げたいと思います。
 次に、身体障害者福祉分科会でございますけれども、小口委員にお願いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 そのほかの委員の方々につきましては、お手元にお配りを申し上げております名簿に記載されておるとおりの臨時委員の方々にお願いをしたいと思っております。どうぞ所属の皆様、よろしくお願いしたいと思います。
 なお、各分科会の会長及び審査部会長の選出につきましては、それぞれの分科会、審査部会で互選をしていただくことになっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、専門分科会につきましては、以上のような形でご了解いただきたいと思います。
 それでは、次の議事に移らせていただきます。今期の審議会の進め方でございますが、事務局のほうでお考えがあれば、まず最初にご説明を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○松浦計画調整課長

 それでは、説明させていただきます。
 今期の審議会の任期でございますけれども、本日、平成13年7月13日から16年7月12日までの3年間でございます。その中で答申または意見具申を行うことになります。
 先ほど局長あいさつにございましたとおりでございますが、東京都の福祉は、現在大きな変化の中にあるわけでございます。今後の東京における福祉のありようをご審議いただくに当たりましては、社会状況を視野に入れ、国の動向及び都における福祉改革の動向などを踏まえながらご審議を進めていただければ幸いと考えております。
 したがいまして、まずは現下の社会福祉をめぐる状況につきまして意見交換を行いながら、審議の方向について検討していただくということではいかがというふうに思っております。
 こうした意見交換を踏まえまして、本格的な審議を行っていただきまして、今期の任期中に社会福祉審議会としてのご提言をおまとめいただければというふうに考えております。
 以上でございます。

○三浦委員長

 ただいま事務局からご説明いただいたとおり、まず、状況の認識ということを踏まえまして、そのためには、本年度中は意見交換等々を行いまして、その上で本格的な審議を進め、この任期中に審議会としての意見を取りまとめるということで進めたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
 それでは、特にご意見がないようでございますので、そのような形で進めたいと思います。
 本日は、東京都の社会福祉をめぐる状況につきまして説明をお願いし、その後、新しく委員となられた方々から一言ずつご発言をいただきたいと存じております。
 そこで、まず最初に、東京の社会福祉をめぐる状況につきまして、本日の資料をもとにご説明をいただければと思います。事務局、よろしくお願いします。

○松浦計画調整課長

 それでは、資料番号に従いましてご説明させていただきます。
 まず、資料1「東京都福祉改革推進プラン」でございます。
 このプランでございますけれども、利用者がそれぞれの生活実態に合わせて必要なサービスをみずから選択利用できる利用者指向の「開かれた福祉」を実現する福祉改革を実行するために、都が目指す新しい福祉の理念と展望を示すとともに、改革を推進するための戦略と具体的な取り組みを明らかにしたものでございます。
 それでは、恐れ入りますけれども、7ページをお開きいただきたいと思います。この7ページから11ページでございますけれども、ここまでが「福祉改革の基本方向」でございまして、敗戦以降、日本の福祉がたどってきた歴史を振り返り、その間の変化と今日の課題について整理してございます。
 続きまして、10ページをお開きいただきたいと思います。この10ページ、11ページにかけまして、第5といたしまして、利用者指向の新しい「開かれた福祉」の実現に向けた福祉改革の取り組みについて述べてございます。
 続きまして、15ページをお開きいただきたいと思います。これが、「II」ということで「福祉改革推進プランの考え方」でございまして、ページの中ほどにございますとおり、このプランは3つのキーワードをベースに、新しい福祉のシステムへの転換の取り組みを実行することとしてございます。
 キーワードの第1は「選択」でございまして、利用者が必要なサービスを選択できるようにするためには、サービスの質と量を十分確保するとともに、だれもが安心して利用できる仕組みを構築することの重要性を指摘してございます。
 次のページ、16ページをおめくりいただきたいと思います。第2のキーワード「競い合い」でございます。利用者指向のサービスのレベルアップが図られるよう、多様な事業者の参入を促進し、活発な競い合いが行われるようにすることの重要性について述べてございます。
 続いて、第3のキーワードは「地域」でございまして、区市町村の主体的な取り組みを支援し、身近な地域でサービスが提供される基盤をつくっていくこととしてございます。
 次いで、ページの中ほど以下にございますけれども、計画期間は平成16年度までの5年間としまして、下から2行目でございますが、5,200億円を上回る財源を福祉改革の実現のために各種施策に集中投入することとしてございます。
 続きまして20ページをお開きいただきたいと思います。ここからが、それぞれの改革の柱ごとに現状と問題点を整理して、そのための改革を推進していくための戦略、その戦略を先導的に進める戦略プロジェクトなどを示しております。
 ここからずっと記載がございますが、これらをまとめたものが、折り込みになっています57〜58ページ、ここに全体の体系図がございます。ご一読いただければと思います。
 続きまして61ページをお開きいただきますと、ここから70ページにかけまして「分野別事業プラン」でございまして、先ほどごらんいただいた戦略プロジェクトを含む主要事業につきまして分野別に5年間の事業計画として取りまとめております。
 以上、簡単でございますけれども、福祉改革推進プランについてご説明申し上げました。
 内容につきましては、続きます資料1−2、リーフレットがございます。こちらで、ちょっと簡単にご説明させていただきます。「東京から新しい福祉を始めます。」というリーフレットでございます。これは、都民の皆様に福祉改革推進プランをわかりやすく解説したものでございます。
 まず、お開きいただきますと、左側に「福祉改革の目的」ということで、「行政がコントロールする福祉」から利用者指向の「開かれた福祉」への転換と記載されてございます。そのほか、先ほどご説明しましたプランの概略が記載されてございます。
 さらに見開きを開いていただきますと、4つ枠がございまして、都独自の「認証保育所」、障害者施設「緊急整備3か年計画」、高齢者の「ケア・リビング」、「バリアフリー化緊急整備事業」という形で記載されてございます。
 このうち、特に「認証保育所」と「緊急整備3か年計画」につきましては、資料1−3、この1枚の紙で認証保育につきましては詳しく記載されてございます。東京独自の認証保育所でございますけれども、現在の認可保育所では応え切れていない大都市の多様な保育ニーズに対応するものでございまして、全施設でゼロ歳児を預かるとともに、13時間開所を基本とするなどでございます。
 裏をごらんいただきますと、大都市東京の特性に合わせた保育所基準を東京都が独自に設定した上で、認証保育所として認めるものでございます。
 続きまして、資料1−4でございます。障害者が地域の中で暮らしていけるよう3年間で200カ所の居住の場などを整備するもので、整備促進のために、「3」にございますように、施設整備費につきまして設置者負担の2分の1を特別補助するなどの措置を講ずるとしてございます。
 続きまして、資料2に入らせていただきます。これは、前期の、15期でございますけれども、社会福祉審議会で今年の4月に意見具申されたものでございます。
 考え方につきましては、1ページ「はじめに」から3ページに書いてございますが、平成12年4月の介護保険法の施行に続きまして、障害者福祉の分野でも、平成15年度には福祉サービスの利用の仕組みが、措置制度から都民が自ら選択し利用する契約制度へ転換する。また、契約制度のもとで多様な事業者がサービス提供に参入するなど、福祉サービスを取り巻く状況は大きく変化している。そういう現状認識のもとに、平成15年度に向けて早急に検討し、施策に反映することが必要な課題としまして、「利用者のサービス選択をバックアップする仕組み」ということで緊急に提言を行ったものでございます。
 内容につきましては、後ほどお読みいただければ幸いと思います。
 この意見具申に関連しまして、東京都で検討し、まとめたものが資料3と4でございますので、福祉改革推進課長からご説明申し上げます。

○梶原福祉改革推進課長

 福祉改革推進課長の梶原でございます。私のほうから、資料3、資料4についてご説明申し上げます。
 ただいま説明のありました東京都福祉改革推進プラン及び前期の社会福祉審議会意見具申に沿いまして、福祉サービスを利用する方が安心して選択できる仕組みの構築に向けて検討したもの、これが資料3、4でございます。
 まず、資料3の地域福祉サービス評価システム検討会報告でございます。
 これにつきましては、福祉サービスの利用の仕組みが、措置制度から利用者が選択して利用する制度へと大きく変換する中で、福祉サービスを提供する仕組みを利用者指向の開かれた福祉のシステムに変えるためには、まず、利用者がニーズに合ったサービスを選択する信頼できる情報が必要となってございます。また、事業者も、事業運営上あるいは経営上の課題を把握し、質の高いサービスを提供していく、こういうことが重要となってございます。そのため、サービスの質の向上、それと利用者の選択に資する情報提供を行っていくために、多様な事業者が提供するサービスの質、あるいは事業の仕組みを第三者が客観的に評価し、その評価結果を広く情報提供するサービス評価システム、この構築に向けまして検討しているところでございます。資料3は、その検討会の12年度の報告ということになってございます。
 具体的な内容といたしましては、まず最初に、1ページからですが、サービス評価の必要性を整理した上で、第三者評価の手法といたしまして、5つの区市で保育サービス、障害者の通所授産施設、あるいはホームヘルプサービスで利用者の意向の把握として行いました利用者調査の結果を取りまとめたものでございます。この第三者評価につきましては、平成15年度の本格実施を予定しておりまして、本年度も検討会を引き続き開催しております。第三者評価システム全体の仕組みづくり、あるいは今年度対象サービスを拡大した施行実施を検討中ということになってございます。
 次に、資料4をごらんいただきたいと思います。資料4につきましては、成年後見制度及び福祉サービス利用援助事業の手引でございます。
 平成12年度に、痴呆性高齢者や知的障害など判断能力が不十分な方も安心して事業者と契約してサービスが利用できるような支援をするため、成年後見制度あるいは福祉サービス利用援助事業が実施されたところでございます。しかしながら、この2つの制度は、裁判所と福祉という従来比較的かかわりの薄かった分野にまたがる分野で、利用者や現場の職員にとっても難しい、わかりづらいものとなっておりまして、現在のところ、まだ十分に活用されているとは言えない状況でございます。そのため、東京都では、これらの現状を踏まえまして、利用者が安心してサービスを利用できるよう契約支援の仕組みづくりという形で検討を行いまして、現場ですぐ役立つようにわかりやすく解説をいたしました手引書を作成いたしました。これが、この手引書でございまして、こういう意味では全国で初めての実務経験者に役立つ手引書となってございます。
 この契約支援につきましては、今後とも現場の具体例の収集・分析を行いながら、判断能力が不十分な方々の契約を支援するため、引き続き検討を行っていく予定としてございます。
 私からは以上でございます。

○三浦委員長

 どうもありがとうございました。
 以上のご説明に関しまして、何かご質問がございますれば、どうぞ出していただきたいと思います。
 では、簡単なご説明でございますので、ぜひこれはお読みいただきまして、多分これからの審議に、これは生かさなきゃならないと思いますものですから、今すぐご質問は出にくいと思いますので。
 それでは、ただいま申し上げましたように、むしろこれは我々、読みまして、次回以降の審議の中に反映させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、今回、新しく委員になられた方々から一言ずつご発言、何でも結構でございますので、いただきたいというふうに思います。小林委員からお願いしたいと思います。

○小林委員

 小林でございます。初めてこの審議会に参加というか、任命していただきまして、大変名誉なことだと思っております。先輩の諸先生方のご見識を学びながら、私ももし何かお役に立てればというふうに思っております。
 一言ということでございましたので、1つだけお話をさせていただきたいと思いますが、福祉の中に、広い意味での福祉と保険という原理が入ってまいりまして、その間の調整が非常に難しくなってきたというふうに理解しております。保険原理でカバーできる部分と、そこではカバーできない部分、やはり福祉という枠組みがどこかで対応しなくちゃいけないのだろうと思っておりますが、いろんな課題が出てきておりますので、それについてはこの審議会等々でも学ばせていただきたいと思っておりますが、昨年3月だったと思いますが、オーストラリアに参りまして、ケアラーズ・アソシエーション、介護者協会というのでしょうか、国際的な組織ができております。最初、イギリスでできまして、オーストラリア、アメリカ、カナダ等々で介護者の協議会というか、介護者の側が何らかの発言をしていく必要があるのではないかということが言われておりまして、90年代に入りましてから、介護者を独自のカテゴリーとして福祉の仕組みの中で取り上げる必要があるのじゃないかということが指摘されたわけであります。
 日本では、ご承知のとおり、できるだけ家族介護から社会的なシステムへという動きがあるわけですけれども、もう一度介護に携わる人たちの位置づけをし直す。この部分は保険原理では明示的にはカバーし切れていない部分であります。したがいまして、もう一度介護者を仕組みとして位置づけ直す必要があるのではないか。今まで家族に全面的に依存していたところが、保険という形でサービスが出てきた。もう一度介護者をどういうふうにとらえたらいいか。そのことが多分社会的な介護につながっていくのではないかということを考えておった次第であります。
 1つだけということで、一言ということでございますので、その程度にさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして手塚委員にお願いしたいと思います。

○手塚委員

 先ほど改革の方向ということでご説明がありましたけれども、私も、こちらの審議会に今回参加させていただくに当たりまして、第3のキーワードであります身近な地域をどう考えるかということをもう一度この福祉という場で考えてみたい。とりわけ巨大都市東京という場でどういう意味があるのか。
 かねがね私はそう思っているんですが、福祉自身は、個人ができないことを家族が行う。家族ができないことを近隣の地域で行う。地域でできないことを自治体が、自治体にも、東京都の場合、2段階あるわけですが、行う。自治体ができないことを、最後は国が行うというのが原則だと思います。昨今、その点をきちんと見直す必要があるのではないかというぐあいに考えている次第です。どうぞこちらでそういう点を大いに勉強させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 それでは、南委員にお願いしたいと思います。

○南委員

 私も今回初めてこちらの審議会に参加させていただきましたが、日常的に私は医療、福祉、教育といった分野の報道解説を仕事にしております。
 それで、今、何か1つというので、直接この審議会のテーマの中では、私が今非常に危惧していることは、高齢者はもちろんなんですけれども、子どもということなんですね。それで、子育て支援で、今もこのパンフレットを拝見していますと、全施設でゼロ歳児からお預かりし、また、全施設で2時間以上延長する、保育施設の整備拡充ということが、あまりにそれが不足していたために、どんどんそれが拡充していくのは結構なことなのですが、その一方で、誤解を恐れず申し上げるならば、親による育児が、社会化という言葉のもとに、非常に低年齢から集団保育になり、しかも長時間保育になるという傾向が、福祉の推進という形できちんと打ち出されていますので、非常に後ろ向きの発言と受けとめられると困るんですけれども、現場でいろいろ見ていますと、親子関係とか家族関係という点では危惧されるような状況もまま目にするんです。こういうふうに申し上げれば、いろいろご理解いただけると思うんですけれども。
 それで、先ほど局長からも福祉の改革とは何かというと、一人でも多くの人が自立していくことを助けるということで、まさしく育児というのも、育てる側の視点ではなくて育てられる子どもの視点からどういう育児が望ましいのかということを、少し視点として考えていただきたいなというのが私が日常的に考えていることです。それは保育所の整備拡充と方向が違うと私は思わないんですね。
 どういう方法がいいか、具体的なことはともかくとしても、今、育児の社会化という形で、こういう方向だけを強めていくことによって、親子関係とか家族関係という部分の子どもの視点からの問題はどんどん希薄になっていっているのじゃないかなというのが、私がいろいろ子どもの現状とか子どもの事件を見ていると痛感せざるを得ない部分なので、その辺を私としてはこの大きなテーマの中では考えていきたいなと思っております。よろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 どうもありがとうございました。
 引き続きまして、本沢委員からご発言をお願いしたいと思います。

○本沢委員

 私のような者が審議会の委員になっていいのかということも思ったんですけれども、要は東京都さんとは、措置から契約へということで、介護保険が導入されました際に、一番最初にかかわらせていただいたのが、モデル契約書の作成でございます。いろいろご批判も現場ではあるようですが、措置から契約へということで、現場の方にはあまり認識をされていなかったという、それを目に見える形で注意喚起ができたのではないかなと思っております。
 東京都のモデル契約書が全国的にいろいろな影響を与えまして、多様なバージョンができております。私も関西のほうで4つぐらい違うバージョンを、東京都のものをたたき台につくらせていただいております。
 それから、先ほどの資料の中にも出てまいりましたが、成年後見制度と福祉サービス利用援助事業の手引書の作成にもやはりかかわらせていただきました。
 いろんな形で措置から契約へ移りますと、当事者の支援といいますか、行政が、どちらかというと知識や情報などで弱い立場にいる利用者さん側にどういう形でかかわり、支援ができるか、直接介入ができないものですから、そのあたりの苦悩と、それから、情報だけを発信するのではなくて、相談助言システムの確立というのがないと情報がたれ流し状態になって、送っておけばそれでいいんだ、受けとめないおまえたちが悪いんだではいけませんので、そのあたりのことも必要だろう。
 それから、情報ということからすると、第三者評価との絡みといいますか、第三者評価、私はここではかかわっておりませんが、ほかの自治体でかかわっておりますので、第三者評価をいかに情報として発信できるか、あるいは消費者保護的な発想で、どれぐらい消費者行政などとも絡めながら、高齢者、そして障害者の権利を守っていくかという視点もまた必要なのではないかと、常々、問題意識で思っております。
 専門が、もともとは家族法なのですが、大学では全般を教えておりますし、社会保障法を一方でやっておりますので、その辺で少しでも一緒に勉強できるような形がとれればなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 どうもありがとうございました。
 引き続きまして、平川委員、お願いしたいと思います。

○平川委員

 平川と申します。よろしくお願いいたします。
 私は、高度成長期ですけれども、約10年間フランスにおりまして、日本人の方がいらっしゃらないところで生活者としての経験をいたしまして、その後、日本では、「ボランティアを伴う助け合いのネットワーク」というところに入って活動しておりました。
 それで、私は府中市に住んでいるんですけれども、そちらの社会福祉公社というのがございまして、そこにもお手伝いをするという形で参加しております。
 いつも友人のフランス人に言われるんですけれども、「日本の年とったおばあちゃんたちって自立していないね。フランス人のおばあさんは、80になっても、90になってもきれいにして、自分の尊厳というものを持って、アンデパンダントだ」とよく言われるんですけれども、これから自分とか自分の周りの女性たちを見て、いつまでも自分が自立して暮らせるように、そういう世の中ができたらいいなと思っておりますので、ぜひ皆様にいろいろ教えていただいて、勉強させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 どうもありがとうございました。
 それでは、藤井委員、お願いします。

○藤井委員

 このたび審議会委員にお選びいただきまして、皆様のお仲間入りをさせていただくことになりました藤井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私自身、福祉問題についてエキスパートじゃございませんが、1993年でしたか、アメリカのヒラリー・クリントン夫人が、アメリカの社会福祉、医療関係の改革のときに、国民に対して「国民の皆様、私もそうなんですが、エキスパートでは決してありません。しかし、エキスパートでないからといって、そのままではなくて、この問題は大きな問題なので、認識をしっかりとして、そして、自分のできることでいかに社会に役に立つか、こういう行動を起こすべきである」ということを強く訴えておる。そんな気持ちで、私もエキスパートではないんですけど、皆様のお力をかりて、ご指導いただきながら、少しでもお役に立てればというふうに思っております。
 1つということでありますと、私もアメリカとスペインなどに長いこと、企業活動ということでビジネスマンとして住んでおりまして、そのときに感じたんですが、特にアメリカなどでは、日本は特にそうですけど、急速に進む少子・高齢化社会の中にあって、ケア・フォー・ケア・テイカーズということで、ケア・テイカーがどんどん高齢者になっていく。この問題も含めて、日本はまだまだではないかと思ったりしておりますが、そんなことを皆様のご指導をいただきながらお役に立てるようにと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 それでは、渡邉委員にお願いしたいと思います。

○渡邉委員

 渡邉と申します。よろしくお願いいたします。
 現在、人材派遣会社に勤めておりまして、人事労務管理の仕事をしております。また、社会保険の勉強のほうもちょっとしております。それで、職業柄といいますか、障害者雇用の問題について大変興味を持っておりますし、問題意識も持っています。それから、母子家庭の勤務者の方も大変多いので、託児所の問題についても深く考えていきたいと思っています。何分素人ですし、何にもわかりませんけれども、勉強していきながら、また、皆様方のようなすばらしい経歴等持っていませんけれども、一般の民間人の意見がどうであるということとか、そういったことを伝えていければいいなと思っています。これからよろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 どうもありがとうございました。
 今、7人の新しい委員の方々からご発言をいただきました。どうもありがとうございました。
 一応、予定しました時間もまいっておりますので、本日の審議会はこれで終了させていただきたいと思います。
 次回の日程につきまして、事務局のほうからお考えがあればよろしくお願いします。

○松浦計画調整課長

 次回でございますけれども、本日お配りしました資料をご覧いただいた上で、次回は、本年度の後半、秋ごろに開催させていただきまして、新たな状況の変化がありましたら、その状況の説明、また意見交換等を行ってはいかがかなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

○三浦委員長

 冒頭に出ましたように、本年度は問題状況を把握する、認識のできない現状を共通のものにしてくるというふうなことを考えておりますものですから、次回につきましては、ただいまお話がございましたように年度の後半ぐらいに開催をし、現状につきまして議論をし、認識を深めさせていただければと思っております。
 それでは、本日はこれで終了させていただきたいと思います。ご協力どうもありがとうございました。

(午前11時01分閉会)