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東京都社会福祉審議会
第1回「これからの福祉」検討分科会

平成15年5月9日

開会

午前10時01分

○松浦計画調整課長 本日は、お忙しい中ご出席をいただきまして、ありがとうございます。私は、当専門分科会の事務局の書記を担当させていただきます福祉局計画調整課長の松浦と申します。よろしくお願いいたします。
開会に先立ちまして、事務局より、委員の皆様の出欠につきましてご報告させていただきます。本分科会の委員の総数は12名でございます。そのうち、本日所用のため欠席の報告をいただいております委員の方は、平岡委員1名でございます。したがいまして、本日出席予定の委員の方は11名となりますので、定足数に達することを報告させていただきます。
続きまして、事務的に資料の確認をさせていただきたいと思います。皆様のお手元に配付してございます資料は、1から8まででございます。
資料1は、東京都社会福祉審議会「これからの福祉」検討分科会、この専門分科会は「これからの福祉」検討分科会という位置づけをさせていただきたいと思いますけれども、その概要でございます。資料2は、「大都市東京におけるこれからの福祉のあり方について」という資料でございます。資料3、東京都社会福祉審議会「これからの福祉」検討分科会委員の先生方の名簿でございます。資料4、東京都社会福祉審議会「これからの福祉」検討分科会のスケジュールの案でございます。資料5、東京都社会福祉審議会「これからの福祉」検討分科会の審議事項の案でございます。資料6は、図がございますけれども、後ほどまたご説明させていただきますけれども、「福祉サービス市場イメージ図1・2」でございます。
あとは冊子になりますが、資料7、「福祉先進都市 東京」、資料8、「東京の社会福祉2003」ということになってございます。資料はございますでしょうか。
 また、本日は傍聴の方がいらっしゃいますので、あわせてお知らせいたします。なお、当審議会の議事録につきましては、東京都のホームページに掲載されまして、インターネットを通じて公開されますので、念のため申し添えます。
以上で事務的なご説明を終わりまして、ここで、本日は第1回の開催ということでございますので、開会に先立ちまして、福祉局企画担当部長の内海より、ごあいさつ及び今までの概要説明をさせていただきます。

○内海企画担当部長 おはようございます。福祉局企画担当部長の内海でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 皆様方には大変お忙しい中、東京都社会福祉審議会専門分科会の委員にご就任いただきまして、ほんとうにありがとうございます。また、本日は、第1回の専門分科会にご出席を賜りまして、御礼申し上げます。
 東京都の社会福祉審議会は、これまで社会の変化に対応いたしました福祉の今日的課題について、そのときどきの時宜を得た適切なご意見をいただき、東京都の社会福祉の進むべき方向の指針とさせていただいてまいりました。今回は第16期の審議会ということになります。去る3月18日に開催されました第50回の総会におきまして、三浦委員長から「大都市東京におけるこれからの福祉のあり方について」というテーマで意見具申をするということをご提言いただきまして、総会で了承を得るところとなりました。また、その際、専門分科会を設置するということで、審議会の委員の中から分科会へのご参加をお願いするとともに、各分野の専門の方々を新たに臨時委員としてお迎えしてご議論いただくということになった次第でございます。
 専門分科会は、「これからの福祉」検討分科会といたしまして、部会長には、既に三浦委員長のご指名によりまして、高橋紘士副委員長にご就任をいただいているところでございます。
 さて、福祉を取り巻く環境の変化でございますけれども、介護保険制度が導入されて3年が経過し、また障害者福祉分野が今年度から支援費制度に移行しているところでございます。行政がサービスを決定する措置制度から、利用者がサービスを選択・契約してサービスを利用するシステムへの変化が、福祉の分野においても大きな流れとなっているところでございます。東京都が推進している福祉改革、これも多様な事業者の福祉分野への参入を促し、競い合いにより福祉サービスの質と量を充実させて利用者本位の福祉を実現しようと、そういうものでございます。
 本検討分科会委員の皆様方におかれましては、このような都の方向性を十分にご理解いただきながら、今後の専門的なご審議を通して、福祉改革の推進に向けての特段のお力添えをいただければと考えてございます。何とぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 まことに簡単ではございますけれども、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

○松浦計画調整課長 それでは、これから先の議事の進行につきましては、高橋分科会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○高橋分科会長 高橋でございます。よろしくお願いいたします。
 既に先ほども経過説明の中で、総会で私が分科会長ということを引き受けるようにというご指名をいただきましたので、進行役というような形で進めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、第1回でございますし、テーマの議論は後ほどと思いますが、さまざまな領域の皆様にお集まりをいただいております。実はこれ、社会福祉のあり方ではなくて、福祉のあり方という表題設定をしているということと関係いたしまして、それぞれのお立場の委員の皆様にご参集をいただいておりますが、そういうことで、お手元に配付の資料3の「これからの福祉」検討分科会委員名簿をごらんいただきながら、恐縮でございますが、ちょっと自己紹介というような形で、これから長丁場の審議が始まりますが、その中でそれぞれのお立場等もございましょうと思いますので、自己紹介という形で少しご発言をまずいただくというような形にさせていただけたらと思っております。
 大変恐縮でございますが、これによりますと、大澤委員からぐるっといくというふうに書いてございますので、ひとつ大澤委員からということでよろしくお願い申し上げます。

○大澤委員 それでは、ご指名によりまして、私のほうから失礼いたします。
 私は、東京都民生児童委員連合会の会長をやっております大澤義行でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 私どもの分野といたしましては、国の社会福祉基礎構造改革や、あるいは東京都の福祉改革の動向を踏まえまして、現在、私ども都民連といたしましても、都内の約1万余の民生委員、児童委員が新たにこの福祉を展開中でございまして、できる限りその役割を果たしていくべく積極的に取り組んでいるところでございます。
 このような意味におきまして、今回のこの分科会に参加させていただき、皆様方とともに、これからの福祉につきまして検討させていただくということになろうかと思うのでございますが、皆様方もご案内のように、民生委員、児童委員制度といいますのは、行政の補助機関であった戦前の、いわゆる法認時代から、戦後には行政協力機関といたしまして民間奉仕者の立場から、社会福祉の向上のために寄与してまいっているわけでございます。そして、ご承知のように平成12年6月にこの社会福祉基礎構造改革、大きな改革がございましたけれども、この一環といたしまして、私ども民生委員法が約50年ぶりに大きな改正がございました。
 その趣旨、内容をちょっと申し上げますと、改正の前は、民生委員の任務といいますのは、社会奉仕の精神を持っていわゆる保護、指導のことに当たって云々というふうになされておりましたけれども、これが改正法によりましては、社会奉仕の精神を持って常に住民の立場に立って相談に応じ云々というふうに変わりまして、いわゆる住民の立場に立つということが明確に求められるようになった次第でございます。
具体的な職務内容といたしましても、保護、指導が、能力に応じました自立の助言、その他の援助に改められまして、新たな社会、いわゆる福祉サービスを適切に利用するための情報提供が職務として追加をされましたし、また、社会福祉施設だけを想定していた、いわゆる連携支援の相手方といたしましても、今後、在宅サービスの事業者とか、あるいはNPOなども含むような想定に改められたということでございます。このような法改正の内容は、地域福祉の本格的な展開や、あるいは措置から契約へという新たな福祉の流れの中で、今後の民生児童委員活動のあり方を示すものとなっているのではないかと思うわけでございます。
 この分科会で検討されます福祉サービスの市場の問題との関連といいますと、私ども民生児童委員が、いわゆる相談・支援活動にあたります場合には、福祉サービスの利用者となる住民の立場に立って、サービス利用に際しまして情報提供を行いましたり、あるいは事業者との契約に際しまして支援をいたしましたり、あるいは利用者の権利の擁護にあたっていきたいと、こんなようなことを考えているところでございます。
 また近年、民生児童委員は、地域の中でさまざまな相談機関や、あるいはサービス支援との連携を進めておりまして、コーディネート役を担ったりしてまいりましたが、今後は、福祉サービス事業を行う企業や、さまざまな福祉活動を行いますNPOとともに連携を深めていくことが求められるのではないかなと思う次第でございます。
 ちなみに都民連といたしましては、先進的なNPOから積極的に学ぶために、研修の際に、NPOの方々においでをいただいたりしているのが現況でございます。また、生活保護の受給者など、必ずしも福祉サービス市場になじまない方々とも民生児童委員は従来から密接な関係を保ってきたということもあるわけでございます。
 現在、私ども都民連内部におきましては、毎年の活動方針の策定や、あるいは民生児童委員に対します研修の際に、今まで申し上げましたような観点を踏まえまして対応を行うとともに、日常の民生委員、児童委員活動や、あるいはそれぞれの民生児童委員活動の中でも努力しているところでございます。
 この分科会におきましても、このような民生児童委員活動の現況や、あるいは役割が少しでも反映され、また検討結果が民生児童委員活動に反映されるようになれば幸いかなと、このように実は考えております。以上でございます。

○高橋分科会長 どうもありがとうございました。
 それでは、執行委員、どうぞよろしくお願いします。

○執行委員 執行と申します。私は、大学でいわゆる消費者法と、それから民法を教えております。消費者法と言っても非常に広いんですけれども、大きく分けますと、消費者取引に関する法律であるとか、製造物責任などを教えているわけです。東京都との関係では、消費生活対策審議会の委員としまして、例えば福祉機器の表示制度についても検討させていただいたことがあります。それから、直接というわけではないんですけれども、関連して有料老人ホームなどの勉強もしたこともありますし、それから、成年後見制度などについても、民法と密接な関係があるものですから、勉強したことがあります。
 消費者法というのは非常に広いものですから、福祉サービスについても興味を持っていたわけですが、さらに勉強したいと思っていたときでしたので、入れていただいたわけです。ただ、どうしても法律の側面からしか勉強しておりませんので、ほかの専門の方々の広い視野から、いろいろ勉強させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○高橋分科会長 白石委員、お願いいたします。

○白石委員 おはようございます。東洋大学経済学部社会経済システム学科という、名前だけを聞けば何をやっているのかわからない学科で、私は、現在、年金や福祉など新しい社会保障の形というのを教えております。と申しますか、まだ大学助教授になりまして1年でございますので、学生とともに日々勉強しております。
 私自身は、もともとは建築でございまして、学生時代は、前にいらっしゃる野村委員の本などをよく拝見して勉強させていただきました。バックグラウンドはハードウェアでございますが、現在はやややわらかいところを教えております。いろいろ不勉強でございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。


○高橋分科会長 武田委員、お願いします。

○武田委員 ベネッセコーポレーションの武田と申します。よろしくお願いいたします。
 ベネッセコーポレーション、ご存じの方はご存じかとも思うんですけれども、社名変更してまだ10年ほどですので、むしろ福武書店と言ったほうがまだ通りがよいかもわかりません。福祉の分野では、高齢者介護の関係、児童福祉の関係と、民間企業の中では比較的手広くやらせていただいているほうではないかと思っております。
 高齢者介護のほうでは、民間企業で高齢者介護をやっているというと、まずホームヘルプの会社が出てくるわけですけれども、我々はどちらかといえば、介護保険適用型の有料老人ホームである特定施設と言われるものを中心にして、もちろん在宅のホームヘルプ、デイサービス等を含めて展開しております。あと、先般、杉並区のほうで全国初の取り組みとして注目を浴びているPFI活用型の新型ケアハウス、こちらにつきましても弊社が運営事業者としてご選定いただき、取り組んでいるところでございます。   また、児童福祉のほうでは、保育園、特に委託による公設民営型の保育園、我々が三鷹市でやらせていただいているのが全国初ですけれども、こういったものや、あと東京都の認証園のほうも含めて、やらせていただいているところでございます。
 もちろん民間企業が福祉分野のすべてを担えるはずはないわけでございますけれども、やはり既に市場になじみ始めている分野も多々出てきているかと思います。そういった部分を中心に事業展開をしている。こうした事業者でございます。
 私自身のことを申し上げれば、もともと私は実は行政のほうの人間でして、国のほうの厚生行政、そこから出向して自治体のほうでの福祉行政、それから民間企業に移って、現在、コンプライアンスやリスクマネジメント、新規事業の開発などをやっておりますけれども、大体社会人になってからそれぞれ3分の1ずつぐらいということで、行政と民間と両方の視点から、どういう施策があり得るのか、そのあたりのところを発言しろということで委員にご指名いただいたのかなというふうに考えているところでございます。微力を尽くしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○高橋分科会長 手塚委員、よろしくお願いいたします。

○手塚委員 千葉大学の手塚です。私は、現在は社会法という法律の一部分を担当していますけれども、この委員会に参加させていただいた1つの魅力というのは、これからの福祉で、日本でも先進諸国でも福祉という意味が変わってきているということだと思います。このあたりを皆さんと議論しながら、福祉の享受者、逆に供給をする側、あるいは財政的な支援をする側、そういうものが変わってきていて、そういう中で都を中心とする自治体がどういうことをなすべきかという議論を、「これからの」というタイムスパンを委員長はどの程度お考えか伺いたいと思っているんですが、20年、30年後なのか、あるいは当面10年ぐらいなのか、目の前に毎日毎日話題になっているのは少子高齢化というタームですけれども、その中で本質的な議論が非常に欠けていて、実は私も少しあきれているんですが、公的年金に関する議論を見ていますと、ご案内のとおり審議会等々でやられているんですが、本質がはっきりしていないために、ああでもない、こうでもないという議論がたくさん出てきている。本質がはっきりしてないからなので、その点で福祉というところからきちんと押さえておく必要があるだろうということであります。
 例えば昨年までの東京都の、私も新参なんですが、議論を伺っている中で、保育の問題というものをもっともっと規制を緩和していくということも議論されましたし、そうこうしている中で、幼保一元化の問題というのは国でもようやく問題にし始めたわけですが、東京都はむしろ国に先駆けて積極的な議論をして、しかもそれを実現していただきたいということであります。
以上希望を述べて、ごあいさつとさせていただきます。

○高橋分科会長 ありがとうございました。
 では、中村委員、お願いいたします。

○中村委員 中村でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、長らく民間の在野で仕事をしてまいりまして、大体四半世紀以上ぐらい、今日のNPO、NGO、あるいはボランタリーな市民活動と言われてきた、流れの源流になるようなところにおりました。そういうところから、例えば「ネットワーキング」というような言葉が導入され、あるいはそれが今日の「NPO」という言葉になり、そうした流れの中で政府・行政、あるいは民間企業と共同研究とか、そこからの政策提言をしながら、何とかこの新しい社会に見合った制度とかシステムづくりをしたいなということで動いてまいりました。
 10年ぐらい前からご縁がありまして、大学の世界で仕事をするようになりまして、現在は、大学での仕事の傍ら、傍らというから、半々ぐらいなんですが、具体的なNPOの現場のサポートとか、あるいは、みずからがその活動にかかわるという動き方をしております。私も、振り返ってみると、社会の中での3つのセクターは全部経験してきておりまして、民間企業におりましたときもありますし、教育公務員という時代もありましたし、現在のように私立大学でもありますし、それから、民間の比較的大き目の団体に在籍したこともございます。
いろいろこれまでの皆さんの自己紹介をお伺いしておりまして、やはり重なる部分が多いなと思って伺っていたんですが、例えば、私がテーマとしておりますことの1つに、生活者とか、協同組合にかかわる問題がございますけれども、6〜7年ぐらい前でしょうか、東京都の消費生活対策審議会のほうで審議に加わらせていただいたことがございますが、そのときには、ちょうどNPOという存在を、その審議会の中でも大きく扱っていこうということで、当時は、ほかの先生方からも、結構異論もあったようですけれども、流れを1つつくれたかなと思っております。
あるいは今、内閣府のほうで、いわゆる消費者政策の見直しとかかわって、例えば消費者団体に団体訴権を認めていこうというような議論が始まっておりますけれども、その中でもNPO、NGOの立場から話をさせていただきました。あるいはまた、これもまた大きな流れですが、独立行政法人化の流れの中で、例えば国民生活センターもそういうことにことしの秋からなるわけですけれども、生活関連のNPOとの連携を図りたいということで、今、その議論に加わっております。
あるいはまた分野としては、市民自治というところが長らくかかわってきたことですけれども、先ほど武田委員がおっしゃっておりましたように、三鷹は非常に先進的な取り組みをしておりまして、三鷹の市民自治は、今度、清原さんが市長におなりになりましたけれども、一緒に進めさせていただいてきました。
現在、私のおりますところも、一回聞いただけではなかなか覚えられないような名前の研究科なんですが、社会人対応で、私よりも年齢の上の方々に交じりながら、どっちが先生かわからないような感じで、名前のとおり、これからの社会デザインを考えようということで、毎日議論をしたり、あるいは現場での動きをしたりしております。
社会福祉というところは、そういうことで必ずしも専門ではございませんが、高橋委員からは、社会福祉というより、これからの福祉であるということでお話をいただきましたので、NPO法人でも福祉NPOの分野が一番多いということもございますし、あるいは社会福祉協議会のほうでも、NPOとの連携ということをようやくいろいろと議論をされてきているようでもございますので、そういう立場から意見を出すことができればなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○高橋分科会長 新村委員、どうぞ。

○新村委員 住友生命総合研究所の新村でございます。私は、もともとマクロ経済政策をやる役人で、経済屋でございました。その中でだんだんに生活者重視の経済政策というほうに移ってまいりまして、国民生活白書なんかに関与しまして、少子高齢化時代というようなことをテーマにしてきたということでございます。現在の研究所でも、ずっとそういうテーマを研究し続けているわけでございますが、特に福祉となりますと、かつては福祉というのと経済学というのは犬猿の仲のような感じで、福祉の方に営利法人が参入なんていうと、途端に嫌な顔をされる。でも、私は、せっかくの経済学の成果を上手に福祉の中に使っていくことによって、もっともっと効率的なすばらしいものができるというような考え方のもとに、何となく経済原理を福祉とか社会保障の中にきちっと入れていきたいというような望みを持っておりまして、東京都が競い合いでございますとか、そういう民間法人、NPO、多様な主体の参加というようなことを打ち出していることに大変共鳴を感じておりまして、それが上手に公平性、効率性をきちっと担保できるような形で社会の仕組みとして設計できたらすばらしいことではないかという期待を持っております。
以上でございます。

○高橋分科会長 どうぞ。

○野村委員 日本大学の野村でございます。私は建築学をバックにいたしまして、高齢者や障害を持つ人々の生活環境をどのように整備したらいいかということで、ずっと研究をしてまいりました。東京都とは住宅局あるいは福祉局等、いろいろと委員をさせていただいていますが、現在は福祉局の中に福祉のまちづくり推進会議というのがございまして、仲村優一先生の後を受けて会長をさせていただいております。もう少ししますと、7月の上旬に今期の答申ができるつもりでございますので、また機会があれば、それを通じて福祉のまちづくりのあり方を皆さん方にご報告させていただきたいと思います。そこでは、現段階では相当先のことを考えておりまして、本質は何かということを述べたいというふうに今は考えております。
 その中では、私は高齢者、障害者に対する生活環境整備をすることは福祉なのか、もっとほんとうに基本的な人権にかかわるような問題ではないかというようなことを言いながら、一方で社会福祉審議会では福祉の視点で話すという、ちょっと二面性を持っているずるい男でございますが、それは皆さん方にもそういう環境整備ということの重要性をご理解いただきたいということで顔を出させていただいているわけです。
 一方で、シルバーサービス振興会等々で、介護保険の面で住宅改修のいろいろな問題点がございます。あるいは福祉用具等の問題点があります。こんなことを通じてこの委員会で何らかの発言をさせていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。

○高橋分科会長 それでは藤井委員、お願いいたします。

○藤井委員 おはようございます。藤井でございます。
私は、ここに書いております日本発条という会社に勤務いたしまして、そして私自身、海外市場への企業進出や経営に長く携わりまして、海外での生活が永かった、所謂、高度経済成長時代の企業戦士ではなかったかと省りかえったりしておりますが、昨年70歳になって、いろいろなところを全部引かせていただいて、今は無冠となっております。皆様方と御挨拶をさせていただいても、名刺を差し上げられない失礼をお許しいただきたいと思います。
私が東京都の社会福祉に関係させていただくことになりましたのは、若い時から極めて親しくしておりました友人がご両親の痴ほう症介護と連日の全国への講演の疲れで、或る日突然に壮絶なる戦死をしたことがきっかけでした。余りにも身近な人がこういう状況になったことに私はショックを受けまして、これを動機にして何かケア・フォア・ケア・テイカーなどに対して、何か世の中のお役に立つことはできないかと素人なりに考えておりましたところ、ご推薦をいただきまして、こういう立派な場に参ることになって、どんどん、何か専門的なところへ来させていただいて、恐縮している次第です。私は皆様のような専門家ではございませんが、これからの社会福祉市場を行政と対象者、公と民がどのように、マーケットオリエンテッドのマネージメント、経営をやって社会保障に関わっていくのかなどと考えまして、お受けさせていただいた次第であります。
こういった訳で、爾来、図書館へ行ったり、本を購入したり、皆様方のお書きになったことを読んだりして、そして「市場とは現場である」ということをつくづく感じて参りましたので各種の介護施設を訪問して勉強させていただいております。
これまで「スピードと量」の高度成長社会に生きてきた者ですが、これからの「変革と質」の成熟社会の中で社会福祉がどう捉え、構築していくのか、それにはパラダイムを大きく切り替えねばと、一言でも発言して、一隅を照らすことができればと思って座らせていただいている次第でございます。どうぞよろしくご指導いただきたいと思います。


○高橋分科会長 どうぞ。

○三宅委員 東京都社会福祉協議会の三宅でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本分科会は、それぞれ専門分野の委員の皆様方がお集まりでございますので、私自身、いろいろと勉強させていただきたいということで参加をさせていただきました。私自身、いろいろ勉強したいなと思っていることの中で、とりわけ今、社会福祉の分野では市場化が進んでおりますけれども、そうした市場化に伴うさまざまなメリットがございますけれども、一方でさまざまなデメリットもあるわけでして、そうしたデメリットの部分をどういうふうに利用者に支援をしていくか。例えば情報の非対称性といった問題、あるいはひとたび不適切なサービスが行われた場合に、その利用者に対する影響の深さ、そういったものに対してどういうふうなセーフティネットをつくっていくのか、利用者支援の仕組みをつくっていったらいいのか、そういう負の部分の、言ってみればセーフティネットをどういうふうに今後つくっていくのか、そういう点に非常に私自身、興味を持っておりますし、さらにはまた、これからいろいろ企業、あるいは社会福祉法人、NPO、ボランティア、こういったそれぞれの分野の人たちが、どういうふうな連携をとりながら、役割分担をしながら、利用者をどういうふうに支えていったらいいのか、そういう点にも非常に興味を持っております。
とりわけ東京都は、施設中心主義から、言ってみれば住み慣れた地域で安心した生活を送ると。これは別に東京都だけではなくて、国のほうもそういう方向に進んでおりますけれども、そういった、利用者が地域で生活をするために、どういうふうな役割分担のもとに、どういうふうに支えていったらいいのか、そういう仕組みづくりにつきましても、いろいろ皆さん方のお知恵を拝借しながら、都社協のさまざまな活動の中でも、いろいろ参考にさせていただければいいなというふうに実は考えております。皆さん方にいろいろ勉強をさせていただきたいという思いで本日は参加をさせていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。


○高橋分科会長 それから、本審議会の委員長でございます三浦文夫先生がオブザーバーということでご参画をいただきます。よろしくお願いいたします。

○三浦委員 審議会のほうの委員長をやっております三浦でございます。専門分科会に委員長が顔を出すというのは異例のことなんですけれども、一つは、こういうテーマをぜひ検討してほしいということを提案したという立場上、責任上というふうなことと、それからもう一つは、実は私もここで勉強したいと。私も70を過ぎまして、先ほどの藤井委員ではありませんけれども、もう一遍改めて勉強し直そうと。その意味で若い方々のご意見等を勉強させていただこうという気持ちがないわけではございませんで、たまたま事務局のほうからオブザーバーという話があったものですから、喜んで参加をさせてもらったということでございます。
 この問題の提起、なぜこういうふうな、ここでいうと資料2のところにございますけれども、審議会のときに、ごく大まかなメモということで出させていただいたわけでございまして、先ほど部長のほうからもご説明があったかと思います。これはまた後ほど議論させていただくことにしまして、実は東京都の社会福祉審議会というのは大変活発な審議会でございまして、今までも国に先んずる形でいろいろなご意見を出しました。そして、東京都自身の福祉だけではなくして、全国的にもかなり大きな影響力を与えてきたと考えてよろしいのでないかと思います。そういう伝統を引き継いできているわけでございますけれども、ただ、最近の基礎構造改革を中心といたしまして、変化が非常に激しくなってきております。それもある程度は、既に出した答申その他で見通しはしていたんですけれども、予想以上にいろいろな事態が動き始めてきているということで、私から見ますと、都の行政のほうも、実はその事態に追われて、てんやわんやという状況だと思うんですね。そこに出てくる諸問題について、いろいろな検討会等々、審議会と別途の形で持ちまして、いろいろ検討しなければならないというような状況が出てきております。
 緊急の課題、重要な課題等については、今ほとんど行政を中心にして、学者の方々とか、そういった方々が集まりまして検討を進めてきている状況でございます。それはそれなりに非常に的確な方向で進められたと思っておりますが、ただやはり、部分的、アドホックな対応ということにならざるを得ないだろうという感じを持っているわけです。
 そういうことで、実は第15期のときにも、審議会のほうとしても少しまとめていこうじゃないかということになったわけですけれども、十分にそういう機会が得られなかったところでございまして、ぜひ16期目は、そういう大きな変化の中でございますが、次の社会の方向性ということを明らかにしていく必要がありはしないだろうかというのが実は背景にございました。そういう意味で、今回、「これからの福祉」のあり方という大きなテーマを設定させていただいたわけでございまして、先ほど手塚委員から、これからというのはいつごろだというお話がございましたけれども、そういう意味でいきますと、あまり短期的な議論ということよりは、かなり中長期的な展望に立っていただいてよろしいのではないだろうか。流れというものをもう一度確かめて、今の時点の中でその流れ、方向性ということについて、もう一度皆さんで確認し合っていくことが重要ではないだろうかという思いがありまして、こういう非常に大きな、漠然としたテーマを取り上げてきたということになっております。
 そういう意味で、実はあまり具体的、個別的な議論というのは、もちろん切り口としてはそういう問題が出てくると思いますけれども、ここで期待されているのは、個別的な議論よりも、全体的な流れにつきまして、都民の方々に対して1つの方向性を示す議論をしていただくような、そういうことがよろしいのではないだろうかということが実はこの思いの中に入ってきております。したがいまして、これはいわゆる答申という形態ではなくして、あくまでも審議会のほうから意見具申という形で知事のほうに申し上げたいというふうな考え方でございますので、どうぞ格調の高い議論をやっていただきまして、内容もそうしていただいたほうがよろしいのでないかと期待をしております。
以上、言うのは非常に簡単でございますけれども、中身については論議をすることが多いと思いますので、私は専らオブザーバーで勉強をさせてもらうというずるい立場でございますけれども、どうぞよろしくご指導のほどをお願いしたいと思います。

○高橋分科会長 ありがとうございました。あと、お茶の水女子大学の平岡公一教授は、きょうは所用のためご欠席でございます。平岡委員は、福祉社会学というか、福祉政策がご専門でございまして、とりわけ、イギリス等の動向に非常にお詳しい委員でもございますし、また次回ご出席いただけるときにご紹介を申し上げたいと思います。
 それから、私もちょっとコメントを、自己紹介も含めてしておかなければいけないかなと思っておりますが、この審議会は、先ほど三浦委員長がおっしゃったように、グランドデザインを書くという、そういうことにずっと手がけてまいりまして、昭和62年の「東京都における新しい社会福祉のあり方」以来というか、それ以前からもいろいろな形で折に触れて時代を先取りするような答申をやってまいりましたけれども、ここに来て、私も国のほうの動きで、このところ、介護保険の見直しの基礎作業の委員会にかかわり始めております。それから、例の障害者対策の見直しの検討会がこの5月の末か6月の頭に発足をいたしますが、そこにもかかわることにどうもなるようでございますけれども、その中で、いよいよ大都市型福祉のことを厚生労働省も念頭に置かざるを得なくなったという、そういう印象を持っております。
 高齢者介護研究会では、中村局長が、今の団塊の世代が1号被保険者になるときを想定して高齢者介護のモデルをつくってほしい。
やはり大都市型福祉というのは何なのかというのは、これは従来の制限的な福祉では資源が足りませんので、それから、いよいよこれからドドドッと少子高齢化が、まあ、今までの高齢地区というのは、ある意味では伸びがとまり始めているわけですから、その中でどういう仕組みをつくるのか、そしてそれを支える少子化対策、これは大変大きな意味があって、それを総合的に議論するという、これは手塚委員が先ほどご指摘になった、社会福祉の議論はほとんどそれが断片的にやられているという問題があるので、ぜひここの場でそういう議論ができたらいいなと思っておりますので、少し時間をとって委員のご紹介をお願いしたのも、これから自由濶達な議論をお互いにし合えればというふうに思ったからでございますが、そんなことで、いろいろな形で司会役ということになろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。
それから、事務局、行政側の幹事、書記につきましても、ほんとうは自己紹介をお願いしたいところでございますが、ちょっと時間も押しておりますので、どうぞ事務局と委員会ということではなくて、行政のいろいろなお仕事をしている中でさまざまな問題意識をお持ちで、こういうことはどうなのかというご指摘もいただけるのではないかと思いますので、積極的に審議にご参加をいただけたら大変ありがたく思っておりますので、よろしくお願いいたします。ということで、次の組織的なことというか、この進め方の基本的なことについて、まずは議事をさせていただきたいと思います。
 分科会につきまして副分科会長を置くということになっております。東京都社会福祉審議会規程第4条3項によりますと、分科会の副会長はあらかじめ会長が指名することになっているという決まりがあるようでございまして、これにつきましては、野村歡委員に副分科会長をお願いしたいと思います。
先ほどご紹介いただきましたように、非常に幅広いお立場から東京都の福祉行政についてご関与をいただいております委員でございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。では、そういうことで野村委員、よろしくお願いいたします。
(野村副分科会長 副分科会長席へ移動)

○野村副分科会長 よろしくお願いいたします。

○高橋分科会長 それでは、次に移りまして、情報公開のこととかかわりますが、本分科会の会議は原則として公開になっております。公開の基準につきましては、お手元の公開の基準について、これは資料としてどこら辺にございますか。

○松浦計画調整課長 後ろから3枚目にございます。

○高橋分科会長 後ろから3枚目に、書記名簿とか、それのもう一つ前のところでございますが、ございますので、このルールに従いまして公開をさせていただくということで、ひとつよろしくご了解をいただきたいと思います。
 既に自己紹介の中にも、この委員会の課題等について、また先ほどの部長のお話にもございましたが、資料に即しましてこの点をさらに深めたいと思いますので、事務局より資料説明をお願いしたいと思います。

○松浦計画調整課長 それでは、お手元にお配りしております資料に基づきまして、説明させていただきます。
1枚目は検討分科会会議次第でございます。
1枚めくっていただきまして、資料1、この検討分科会の概要でございまして、趣旨は、「多様な事業者が競い合い、利用者に必要なサービスを提供する『福祉サービス市場』の役割とその将来的方向性を総合的に検討し、大都市東京におけるこれからの福祉のあり方を探る」という形で記載させていただいております。
4の委員構成につきましては、12名で、社会福祉審議会の三浦委員長にオブザーバーとして加わっていただくことになっております。
検討期間は15年5月から16年7月ということで、この専門分科会を6回程度、拡大専門分科会というのは、この総会のメンバーも加わった形で審議していただくというものでございます。それを2〜3回程度やらせていただきたいと思っております。
また、具体的に多少議論が集約されてきまして、報告書を作成するぐらいまで煮詰まってきましたら、起草委員会というのを、もう少し人数を絞った形でつくらせていただいて、また専門分科会にかけるというようなやり方をさせていただければと思っております。
続きまして、資料2でございますけれども、これは総会に三浦委員長から出されたペーパーで、総会でご了解いただいたものでございます。簡単に説明させていただきたいと思います。
介護保険、それから支援費制度という形で、これから利用者がサービスを選択、契約して利用するシステムに変わっていく。
その際には、選択に足りる福祉サービスの量と、利用者が満足する質の向上を図らなければならない。そのためには、多様な事業者が福祉分野に参入し、サービスを競い合うことが必要である。
この競い合う場を、いわゆる「福祉サービス市場」ということができるという位置づけをしますが、この市場は、もちろん自由市場ではなくて、さまざまな制約や条件、例えば公定価格があるとか、そういう「疑似市場」であるという独特の構造を持つ。普遍的に市場原理を導入すべきという「市場万能論」では決してないということでございます。
大都市東京におきましては、社会福祉法人、NPO、民間の企業等さまざまな事業主体がたくさん存在し、このサービス市場の問題は大都市東京においては特に重要な意味を持つという認識でございます。
しかし、これまでの検討は不十分ということで、関連する専門家の方々のご意見等を受けて検討していただいて、その方策を探っていく。その際に、またボランティアとか、いろいろな定義づけがあるわけですけれども、地域通貨(エコマネー)の問題とも関連しますし、また生活保護制度などの社会的なセーフティネットの問題と一体をなすものであるということが、提起されたわけでございます。
続きまして、資料3は、社会福祉審議会の委員の方々からの参加と、臨時委員という形で参加していただいている委員の先生方のメンバーでございます。
資料4が今後のスケジュールでございますけれども、社会福祉審議会の任期は、平成16年の7月までということになってございます。ここまでに意見具申をいただきたいということでございます。そうしますと、今回第1回分科会を開かせていただきまして、6月から9月に分科会を開かせていただいて、大体論点のまとめ、議論のまとめ的なものが11月ぐらいにまとまればいいなと思っております。その段階で1回、総会である社会福祉審議会にお諮りして、そのご意見等を踏まえて、起草委員会を12月につくらせていただいて、その起草案をこの専門部会なり拡大分科会でご意見をいただいて、また起草していく。
16年の4月になって、それをまた検討し、7月に総会でご了承いただいて知事に意見具申をしていただきたいというような日程でございます。
具体的に分科会の手順につきましては、資料5にございまして、第1回を今回やらせていただきまして、第2回から第4回で議論をしていただき、場合によっては、特にこういう専門の方のご意見もお伺いしたいというようなお話になれば、そういう方をお呼びしてお話を伺うということもやらせていただきたいと思っております。
続いて、資料6−1、6−2でございますけれども、これは後でご説明させていただきます。
続きまして、資料7と8に基づきまして、これは東京都の福祉行政について説明させていただきたいと思います。資料7、「福祉先進都市 東京」と銘打ってございますけれども、これは今、東京都が実施している福祉改革の内容を都民向けに簡潔にわかりやすくつくった資料でございます。資料8につきましては、「東京の社会福祉」ということで、その福祉改革の内容も含んでございますけれども、東京都が実施している福祉施策について説明した冊子でございます。これは福祉局の施策だけではなく、他局の施策も含めて詳細に書いてある資料でございます。
まず、資料7の「福祉先進都市 東京」の冊子をおめくりいただきますと、「福祉改革」と銘打った見開きの図があります。戦後に福祉施策が始まって現在まで来ているわけですが、昔は限られた福祉でしたが、都市化とか高齢化、生活スタイルの多様化などの社会経済状況の変化に伴いまして、例を挙げますと介護、保育などの福祉サービス、これはだれもが利用する可能性のある普遍的なものになってきているという認識でございます。
ここで、「これまでの福祉」というのが左側にございますが、今までは行政と社会福祉法人が施設を中心としてサービスを提供してきた。しかも、全国一律の基準に基づいて提供してきたというのがこれまでの福祉システムだったわけですけれども、これまでのシステムは柔軟性とか効率性の面から制度疲労により行き詰まって、都民ニーズに応えられなくなってきているというのが福祉改革を実施する上での認識であるわけです。
その福祉改革の目的でございますけれども、行政がコントロールする既存の福祉システムを根本的に改めまして、利用者自らサービスを選択・利用するという利用者本位の新しいシステムを構築するのが福祉改革の目的でございます。
この内容が「3つのキーワード」で表していますが、まず一番上にある「選択」でございます。恐れ入りますが、27ページをお開きいただきたいと思います。「東京の大都市特性」が記載されてございます。私どものほうで分析しました東京の特性でございますけれども、少子化につきましては、合計特殊出生率は東京都は1.00になっている。女性の就業率は、全国平均と比較しますと、これは意外と高くないというか、平均よりちょっと高いというような状況でございます。ところが、三世代世帯の割合で見ますと全国の3分の1、核家族化が進んでいるということが言えるかと思います。
老年人口につきましては全国平均より若干低いが、一人暮らしの高齢者の世帯につきましては、高齢者世帯を母数にとりますと、東京都は高いという状況が出てございます。
東京の地価、家賃につきましては、地価は全国の約5倍、家賃は2倍というような統計結果が出ております。
こういうような状況でございますけれども、東京はサービス産業の数から言いますと、全国の5分の1が集中、それからNPO法人、これは認証を受けている法人でございますけれども、やはり5分の1が東京都に所在しているということで、東京には民間企業、NPO、ボランティアの多様な事業主体が集積しているというふうに考えております。この集積のメリットを生かして多様な事業主体を参入させることによって競い合いを実現し、サービスの総量を増やして、質的にも一層向上させることができるというふうに考えております。
そういうような特性を認識した上で、また1ページに戻っていただきますと、「3つのキーワード」の2つめ、「競い合い」というキーワードになるかと思います。
最後の「地域」でございますけれども、これまでは、大まかにいうと、在宅で頑張るか、施設に入るかの二者択一という世界でございました。利用者の希望意向調査などをしますと、例えば知的障害者の方で、今、施設に現に入所している方の約3割の方は地域生活が可能であり、本人も希望しているという実態がございます。また都民に対する意向調査、世論調査の結果では、高齢によって介護が必要になった場合の希望ということで聞きますと、引き続き自宅で暮らしたいという方が45%、施設に入りたいという方が15%、また、それ以外に、ケアつき住宅へ行きたいという方が20%いるという結果が出ております。
「福祉改革」の目指すところは、都民の方々が高齢なり障害などで介護を必要とする状況になったとしましても、地域の中でいろいろなサービスを利用しながら充実して生きていける、これが当たり前の世界ではないかと思っていますけれども、こういう世界を実現していきたいと考えているわけでございます。これが「3つのキーワード」の最後の「地域」でございます。
それでは、具体的にどういうことをやっているかということでございますけれども、4ページをお開きいただきたいと思いますが、1つは認証保育所ということでございます。上に13年8月には133カ所というふうにありますけれども、4月時点で見ますと151カ所になってございます。駅前基本型はA型、小規模・家庭的なものがB型という形で下に説明がありますが、151カ所のうちA型が89カ所、B型が62カ所という形になっております。
定員は、A型、89カ所で今、3,030人の定員を確保してございます。B型は62カ所でございますけれども、1,279人、合計4,309人ということになってございます。
駅前基本型のA型でございますけれども、約6割が株式会社の設置でございます。1割が有限会社の設置ということになっております。
認証保育所については、多様な事業主体を参入させております。一方、国のほうでもは認可保育所という形ですけれども、規制緩和がなされていまして、平成12年度に設置主体制限が撤廃されまして、株式会社とか、学校法人なども保育所設置が可能になってございます。都内におきましては、既に株式会社が設置した保育所が4カ所つくられてございます。地域で言いますと、江戸川区、板橋区、東村山市、大田区と4カ所設置されてございます。また、13年度には公立認可保育所を株式会社に委託することができるようになったということで、こちらも都内で3つの公立保育所が株式会社に運営委託されているということでございます。三鷹市が1カ所、文京区が2カ所ということでございます。
また、認証保育所の話に戻りますけれども、資料8「東京の社会福祉」の18ページをお開きいただきたいと思います。ここに「認証保育所の特徴」というのが書いてございます。
認可保育所におきましては、区市町村と保護者が契約をしまして、区市町村が保育所に委託するという形になってございます。一応形としては保育所を選べるという形式にはなっています。認可保育所は、区市町村から委託によって子供を預かるという形になっていまして、保護者は所得に応じて区市町村に保育料を徴収されるというのが認可保育所の仕組みでございます。
認証保育所におきましては、保護者と保育所が直接契約という形になります。保育料につきましても、保育所に直接払うというのが認証と認可の大きな違いの1つでございまして、その保育料につきましても、保育所ごとに異なります。上限という形でありますけれども、この上限につきまして、3歳未満児は8万円が上限で、3歳以上児童は7万7,000円を上限とするという制限のもとに自由に保育料を設定して、保育料を保育所である事業者が直接いただくというのが認証保育所でございます。
また「福祉先進都市 東京」に戻らせていただきますが、9ページをお開きいただきたいと思います。「やっぱり『地域』で暮らしたい」とか、「介護が必要になっても慣れ親しんだ地域で」というような表題がございますけれども、知的障害者と痴呆性高齢者のグループホームがそれぞれ記載されてございまして、右側の痴呆性高齢者のグループホームにつきましては、株式会社も設置することができるようになっています。しかし、社会福祉法人などにつきましては、国は整備費補助を出していますけれども、株式会社には出していないというのが国の制度でございます。東京都は独自に株式会社にも整備費の4分の1を補助するという制度をつくりまして、ある意味ではイコール・フィッティングというか、同じ土俵の上で競い合ってもらうという一環でやっているところでございます。
今年度から、社員寮とか社宅等のオーナーが建物を改修した場合にも新たな補助をするということで、地域にケアつき住まいというところを選択肢として充実していくという具体的な施策を進めているところでございます。
次に、行政として安心して質の高いサービスを選択・利用できるための仕組みをどういうふうに構築しているかといいますと、16ページをお開きいただきたいと思いますが、選択の世界になるわけですから、苦情なり権利侵害、契約支援の仕組みを都独自に構築してございます。
まず、区市町村の窓口でサービスの利用契約締結の支援とか、成年後見制度の活用支援、苦情対応、権利侵害などの対応を、まず区市町村のほうでワンストップで受けとめて、しっかりやっていくという仕組みをつくってございます。
17ページをお開きいただきたいと思いますが、「第三者による福祉サービス評価システム」を4月から本格実施してございます。また、その評価の結果とか、事業者情報、苦情対応情報などを含めて総合的に福祉情報総合ネットワークを構築し、情報を提供するシステム、これも4月から本格稼働しているわけでございます。
将来的に目指す姿は、25ページをお開きいただきたいと思います。「安心して質の高いサービスを選択・利用」という見出しで、サービス評価による質の向上、サービス情報の提供、身近な地域で相談支援、競い合いによるサービスの質の向上ということで、真ん中にそのイメージ図が書いてございます。
資料8につきましては、今ご説明したようなものを含め、いろいろ細かく書いてありますので、後でお読みいただければありがたいと思っております。
それでは、資料6、福祉サービス市場のイメージ図ということでございます。ここから声が小さくなりますが、勉強不足のままつくりましたので、いろいろご指摘があるのかなと思います。そういう観点でちょっとごらんいただきたいと思っております。
まず、福祉サービス市場(イメージ図1)でございますが、これは、サービスの担い手等から見たという形でつくってみたところでございまして、上に地域・住民がありまして、右側に公的制度・行政がありまして、左側に市場・事業者があります。そこにキーワード的なものを乗せていったものでございます。
12年6月に改正されました社会福祉法第1条に「福祉サービスの利用者」という概念が明記された。介護保険制度・支援費制度ができて、大きな流れとしては措置制度から利用契約制度に移っていく。右側がだんだん真ん中のほうに寄ってきたのかなというようなところが今の状況かと思います。
そもそもから言いますと、この3つがもう少し離れていたというのがこれまでのシステムで、それがだんだん今、くっついてきているというようなことも言えるのかなというところのイメージ図でございます。この福祉サービスの契約におきましては、消費者保護基本法とか、消費者契約法とか、東京都で言えば消費生活条例が適用されると考えてございます。
疑似市場という形で、真ん中に書いてありますが、これもいろいろなパターンがあるのかなと考えております。例えば介護保険制度でございますけれども、公定価格の1割の負担をしてサービスを利用するかしないかの選択があり、サービス事業者の選択する基準は、介護サービスの質ということが制度でございます。この点については、例えば医療保険については今3割負担でございますけれども、同じシステムと思っていますが、介護保険ではケアプランを作成して、それに基づくサービスを利用するとか、利用限度額が定められていることなどが医療保険とは違うと考えております。
障害者の支援費制度でございますけれども、これも公定価格のもとに、こちらは応能原則によって定められた額を負担して、サービスを利用する、しないかの選択、また選択する基準は、介護サービスの質によって事業者を選択するというようなことになると思います。


ここで「福祉バウチャー」というようなキーワードも書いてありますが、バウチャー制度についてはいろいろな定義がありますが、基本的には利用者1人当たりという形が基本にあって、個人が行政から使い道というか、限定された補助金をもらうというような意味で考えるのであれば、例えば支援費制度にしても、福祉バウチャーの一種と言えると思います。
次に、認証保育所というのがありますが、これは、保育料は上限がありますけれども、価格は保育所が自由に設定し、保護者につきましては、価格と保育のサービスの質によって保育所を選んで直接契約するということでございます。認証保育所につきましては、認可保育所で言っている「保育に欠ける」という要件ではなくて、「保育が必要」という要件になってございます。
認可保育所については、応能原則によって定められた額を負担してサービスを利用するという仕組みでございます。その基準については一応サービスの質というのが出てくるのかなと考えてございます。
また、左側のほうに、有料老人ホームとか、認可外保育所、ベビーホテルと書いてございますが、福祉・国制度の外のサービスというのが民間によってすでに実給されておりまして、多くの場合は福祉・国制度の利用料よりも高い利用料を取っているというところでございます。これは事業者が自由に設定した価格と、サービスの質を考慮して利用者が利用しているというようなことが考えられます。
上には地域・住民ということがございますが、これは民生委員の方々の活動とか、ボランティアの方の活動、NPO等で、昔からあった地域の助け合い、共助というような部分ということもできますし、行政とか民間企業のサービスのすき間を埋めるサービスをやっているというようなことも言えるかもしれません。また、地域通貨(エコマネー)というキーワードを書いてございますが、助け合いの中でお互いのサービスを点数化してやりとりするようなことをやっているところもあるというふうに聞いてございます。こうした仕組みが機能しない部分はセーフティネットがなくてはならないというような形でつくらせていただいたのが資料1でございます。
資料2はイメージ図2という形でございまして、これは福祉サービスについて、供給主体及び財源から分類したという形でつくってございます。供給主体が行政、財源が公費で賄われているものが措置制度Aという形で、代表的な例が措置施設という形になってございます。これに対しまして、自由な契約に基づいて私費を支払って受けるサービスというのは、下の右側、自由市場Cという形で、先ほど申しましたようにベビーホテルとか、有料老人ホーム等が考えられます。そのCの左側のBでございますが、疑似市場というふうに一応入れていますが、利用者との契約に基づいて事業者がサービスを提供するけれども、財源は公費を主体としているというようなところかと思います。
その中で、例えば介護保険が点線で両方にかかっているわけですけれども、例えば住宅改修とか、福祉用具の購入というのは、これまで自由市場で提供されたものですけれども、介護保険の開始によって福祉制度の中に組み込まれることになったというふうに考えてございます。ただ、同じサービスでも、例えば介護保険の上限額を超えた場合は、右側の自由契約によって全額自己負担でやっているというようなところもあるのかなというふうに位置づけてございます。この資料はあえて事務局のほうでつくったものでございまして、資料に対するご指摘等も含めてご議論いただければありがたいなと思っております。
資料説明等は以上でございます。

○高橋分科会長 ありがとうございました。事務局のほうから、東京における福祉改革推進プランに基づきました東京の福祉施策、とりわけ「競い合い」というのがキーワードでございましたが、その話で、東京がチャレンジしておられる幾つかの施策についてご紹介をいただきました。それからもう一つは、資料に基づきまして、1つは資料2がその基礎的な出発点の資料でございますが、三浦委員長から総会に出されました、この分科会のスタートラインになる課題提起の資料がございます。
 それから、東京都の経験を受けて、それを少し整理した福祉サービス市場のイメージ図1、2というものが出されております。これが我々の議論の出発点になるかと思いますが、きょうは、今の説明に基づきながら、もとより出発点でございますので、これを離陸させるための方向づけというか、そのようなこともございましょうかと思いますので、それぞれの委員から、ご感想、コメント、あるいはサジェスチョン、ご示唆まで含めまして、ご自由にご発言をいただけたら大変ありがたいなと思います。ひとつよろしくご審議のほどをお願いいたします。
時間がちょっと押せ押せになりましたけれども、見計らって進めさせていただきますので、どうぞコメントや感想等をよろしくお願いいたします。

○野村副分科会長 私はいろいろとお話を聞いて、大変よく整理をさせていると思いますが、資料6−1、イメージ図1というので、ちょっと気がついたことがあるんですが、この3つの輪というのは大変よくわかるんですが、最近、PFI方式というのがはやってきていますね。これをこの図の中に落とし込んでおいたほうがいいのではないか。というのは、行政と民間が一緒になっていろいろなサービスを提供するということがありますね。これは昔、英国のほうで、道路をつくるときから始まったというふうに聞いているんですが、福祉の世界でもあちこちの自治体でこれを考えてやっていますので、これをぜひうまく考えていただけないだろうか、これが1点です。
 それから第2点は、最近、私どもの関係の法律をつくるときには、大抵パブリックコメントというのからやるわけで、パブリックコメントというのは、初めはニーズをどうやってつかむかということに対して、できたものに対してコメントをするわけですが、ここの議論をするときに、ニーズといいますか、これを利用者本位ということで、利用者というのは、要するに消費者という意味でとらえると、高齢者、障害者という市民の立場と、それからサービスを提供する側のいろいろな考え方があろうかと思うんですね。ここにおられる方は、主に右側の丸のほうから代弁者として出ているんだけれども、実際にサービスを提供するいろいろな立場の方がおられますから、そういう人たちの意見を広く聞くというような仕組みがあるのかないのか、そういうものを事前にとらえておいたほうが、後で議論がしやすいのではないかという2点でございます。

○高橋分科会長 ありがとうございました。コラボレーション型の活動というのがどうも自由市場を動かしていく大変重要な要素というか、これ、一般商品だってかなり似ていますよね。とりわけ一般の商品だって、私はデパートなんかで何とかクラブというのは、あれはそういう機能があると私は思っているんですが、そういう意味で、構造と、重層化と、それから総合関係みたいなもの、これはこれからのかなり大きなキーワードになるかなと思っております。もう一つの議論も大変重要で、今のことも含め、あるいは別の角度からコメントをちょうだいできたらと思います。
私、ちょっと気になっているのは、福祉サービス市場という場合の、ここでサービスというのは、一定の需要というか、ニーズというか、これもまたおもしろい議論になると思うんです。それに対応する個別サービスというふうに概念を設定しているんですが、それと同時に、これは一般市場ですと、サービス利用者が、ある意味で完全情報で、選択能力があって、そしてということが前提で、そうすると事後的に救済するというアプローチですが、そうではない、これはインダイレクトというか、要するに間接的にさまざまな競争条件を整備するためのサービス、これは基本的にはサービスの評価だし、市場サービスだと消費者保護のこれは事後的救済という話、あるいはクーリングオフだとか、いろいろな仕掛けがあると思うんですが、それに当たるものをどういうふうに整備するかというのがかなり大きい議論で、だから、要するにニーズとサービス、あるいは需要と供給という話と同時に、需要関係、供給関係を成り立たせるためのサービスの仕掛けという、そういう議論がどうもあって、そこら辺を少し整理しながら考えていく必要があるなと思いましたので、これが次の議論にいろいろな形で出てくるかなと思いました。どうぞ、今のことも含めまして、あるいは現場でいろいろご活動していてお感じになっていることも含めまして、そうは言ってもという……。新村委員、お願いいたします。

○新村委員 まだあんまり考えがまとまってないんですけれども、今、高橋委員が、需要と供給とのアナロジーで福祉サービスを考えると。そのときに、一体この福祉サービス市場と何が違うのかということをやっぱりきちっと詰めていかなくてはいけないだろうと。1つは、需要者の消費者主権というのを確保しなくてはいけないというのが普通のマーケットでの話なわけですけれども、現実には、福祉マーケットというのは、例えば支援費にしろ、福祉バウチャーというような発想にしろ、需要をつくるような部分があるわけですね、政策のほうで。完全に自分のポケットで選択をするというのとはかなり違う。それから、もちろん、中にはかなりの弱者もいらっしゃるというような需要創造型のマーケット、政策による需要が創造されるようなマーケットであるというところが大きく違うのかなというふうに考えています。
 もう一つは、供給者のほうについても、イコール・フィッティングというようなことで先ほどちょっとご説明がございましたけれども、NPOと民間企業がほんとうにイコール・フィッティングで競えるのかどうか。おそらくすみ分けとか、いろいろな考え方がそこにも入ってこないと、民間企業同士の競争とはちょっと違うのかな。しかも、その中には、極めて資金基盤の弱いようなNPOというようなものが入ってくるという意味で、おっしゃるように、多分、普通のマーケットとは大きく違う。一体何が違うんだというところをきちっと詰めるのが最初の作業なのかしらというふうに思いました。
特にそのときに、これはかなりユニバーサルなサービスで、社会福祉じゃないんだよと最初におっしゃったところがありますけれども、その一番下のところに、セーフティネットはどういうふうにできているかということと、このマーケットとの関係が、私はちょっと今、自分で整理できないんですけれども、おそらく関係してくるのかなというふうな印象を持ちました。
 その中で、大都市東京だと何がというところは、まだちょっとよく見えないんですけれども、日本全体としても豊かな社会になって、今、水準としてはかなり豊かな中で福祉、サービスというものがどういう市場で考えたらよいのかというところをうまく整理できたらすばらしいと思うんですが、この絵では、まだ納得が必ずしもいってないなという感じを受けました。
 以上、感想でございます。

○高橋分科会長 ありがとうございました。後者のほうは、多分、先ほど競い合いのマーケットという話と、もう一つは地域の話が出ていましたね。そこの議論をどういうふうに組み合わせていくかという、要するにグローバルマーケットではなくてローカルという、そうすると、そこで多分NPOというものの意味みたいなものももう一回出てくるのかなと思いましたが、どうぞ少しご自由に、武田委員、お願いいたします。

○武田委員 先ほど野村委員のほうからPFIという話がありましたので、ちょっとそこに絡めて発言させていただきたいと思います。一般に福祉サービスと一括りにしてしまうとそれまでなんですけれども、訪問系のサービスはともかくとして、通所系や施設系のサービスを提供する上では、提供する場所、基盤をどういうふうにつくるのかという面と、それから、そこで提供されるソフトをどういうふうにつくるのかという面とは、やはりきちっと切り分けて整理していかないと事業として成立しない。
 大都市東京、ということを考えた場合、前者、すなわち場所、基盤をいかに整備するか、ここが事業者にとって非常に大きな負担になっているのが事実です。先ほど「福祉先進都市 東京」という中でも、27ページのほうで平均地価が全国の5倍、それから平均家賃が全国の2倍と、こういう話になっています。
先ほどありましたPFI、現に我々は今、杉並区のほうと組んでやらせていただいていますけれども、この仕組みは、前者の部分、すなわち大都市において福祉サービスのインフラとしての基盤をいかに整備していくのか、という問題を解決する画期的な試みだと言えます。民間だけの力で土地を買って建物をつくるというのは非常に難しい部分がありますので、そうした意味で、新型ケアハウス全体のうち、箱ものの部分は自治体のほうが持つ。それは、道路とか水道とかとある意味では同じで、福祉のサービスを提供するための基盤を行政のほうが整備して、その上に乗ってくるソフトの部分は民間にやらそうという発想です。ですから、これから議論を進めていく上で福祉サービスと一括りにして、すべてを一緒に議論するというよりは、むしろその基盤をどう整備するのか、その上でサービスというものを一体だれがどう担っていくのか、ということはできるだけ峻別していったほうがわかりやすい議論になるんじゃないかなと、こんな気がいたしました。

○高橋分科会長 ありがとうございました。私も、PFIに若干参画して感じたのは、今のお話と、もう一つは大変な情報公開制度であるということが、これは、従来の行政が委託したり、それから、業者選定をしたりするときに比べると、あれは大変な情報公開制度で、その要素というのはものすごく大きいなというのを改めて感じました。
 それから、日本では、あれは要するに公共事業にファイナンス市場を通じて民間資金を導入するという発想から始まったのが、福祉の領域は、今おっしゃったように別の機能がどうもありそうだなという感じがあって、そこら辺のことは、先ほど野村委員がおっしゃったことと絡んで少し深めたいなという、そういうテーマでございます。ありがとうございました。どうぞ中村委員、お願いいたします。

○中村委員 今の武田委員と高橋委員のお話と少し絡むと思うんですけれども、社会の中に3つのセクターがあるよという話から始まって、それだけではちょっとうまくお互いの役割分担もわからないということで、そこの議論が大事だと思うんですが、例えばPFIにしても、それから、ニュー・パブリック・マネジメントというような議論も出てきているわけですけれども、例えばインフラ部分の整備という段階での話、それから、それよりさらに発展させて、より具体的な、あるいはその地域により密着した形で福祉サービス市場というものを考えていくときの話、そういう段階を踏むところの議論と絡むんですけれども、例えばNPOと行政との協働というような議論にしましても、今その辺がかなりごちゃごちゃに議論されている現状です。
 例えばNPOの世界で、マネジメントとか、評価の議論が大はやりになっておりまして、それは私ももちろん重要なことだと思うんですが、ただ、そこのあたりで、現在の福祉をめぐるインフラの状況、これは特にソフト面なんかが重要なんですけれども、そこの現状をそのままにした上で、例えばNPOと行政の協働ということを進めようとか、あるいはNPOに対してアカウンタビリティーという議論を持ち込んでいこうということをやりますと、非常にゆがんだ形のNPOの運営、経営というものが出てきている状況なんですね。それは行政との関係においてもそうですし、それから、NPOみずからの経営に関してもそうです。
 そこで考えていくと、例えばこの福祉サービス市場というものを考えるときに、ガバナンスの問題とアカウンタビリティーの問題というのは、必ずきちんと議論していかなきゃいけないことだと思うんですけれども、例えばPFIにしても、イギリスなんかの場合には、その前提として公共的な政策の方向性に関する民主的なプロセスを経た、特に議会での議論というものが前提となって、その上で行政としての施策が出てくるという、この辺の手順というか、プロセスといいますか、これがそれなりにしっかりしているはずであるという前提のもとに出てきているんですが、残念ながら日本の場合には、必ずしもそうとは言い切れないところがありまして、よかれあしかれ行政の担う部分というのは、ちょっと大きくなり過ぎているところもあると思うんですね。
 そういう現状で考えますと、切り分けを少し議論していく必要があると思うんですが、公共政策的なところで、この辺はきちんとしっかりさせてもらわないと、なかなか一律に、いきなりPFIの議論や、あるいはガバナンスの問題やアカウンタビリティーという議論を持ち込んでも、余計混乱をしてしまうよというところは、前提としてぜひご専門の先生方からの意見も伺いながら、まずちょっと整理をして、その上で、そこがある程度しっかりしてくることを前提にした上で、どのようにそれではそこにかかわる諸主体のところでのガバナンスの問題やアカウンタビリティーの問題、あるいはコラボレーションという問題の中でどういう課題があって、どう整理しなければいけないかということを、議論の順序といいますか、プロセスといいますか、そしてその中での整理といいますか、をちょっとしていかないと、このイメージ図は大変よく整理されていると思うんですけれども、やはりどの主体が、どの分野で、どういうふうな分担をしていくことがより望ましい方向性なのかということをめぐる議論の前段のところが、必ずしもちょっとまだ見えていないなという気がいたします。
 私もまだ考えが整理されていないので、ではどうするかということは、まだはっきりと申し上げることはできませんので、それはまた自分自身も考えたいと思いますが、ちょっとそういうことを感じました。

○高橋分科会長 やっぱりシステム構築というか、それをデザインする仕掛けをどう設定するのかという、そういうお話かなというふうに思いました。その議論で言えば、ほんとうは行政学的なアプローチは絶対必要だな。とりわけ今、気にしておりますのは、地方制度調査会が、あれは合併絡みでこの間報告が公開されましたけれども、これにかかわられたある先生に伺うと、これは大都市をねらって出したんだという、要するに基礎自治体の内部に住民自治組織をつくることを、その形態は選択的だと言っているんですが、それを認める。実は23区問題でものすごく切実だったのは、それを制度化しようという話が動き出してきて、そうすると、小地域に議会を持った特別法人としての自治体という、そういうオプションもあらわれ始めていて、そうすると新しいタイプの住民自治、そして、社会的なコンセンサスをつくって、いわゆるデザインをする。そういう機能をどこに求めて、そういう意味では東京都が広域自治体としてやれる話と、23区市町村でやれている話、やれてない話と、もう一つ、その下部にそういう地域共同体的な機能を処理する住民自治組織を特別法人としてつくるというような、これは多分、先ほどの手塚委員のご指摘でいうと、やっぱりここ10年、15年でいうと、それが、2000になったら、特別法じゃなくて一般法にして、そういうのを認めるということで、これは大都市のパブリックセクターの組織論がかなり変わってくる契機がそこに生まれ、そしてそれは当然、住民参加の問題、市民参加の問題、そういう意味の政治参加のあり方と非常に深くかかわって、その主たる争点はやっぱり福祉と環境だと思うので、そこら辺がこの福祉サービス市場という絡みとどういうふうに関係してくるのかという、その辺の議論も、これはもうちょっと議論が詰まった段階でしなければいけない。私もそういう問題意識を持っておりまして、ぜひそこら辺もまたいろいろな機会に発展をさせていきたいなと思っております。
 どうぞ、白石委員、お願いいたします。

○白石委員 貴重な資料整理ありがとうございました。私も、この6−1のイメージするものというものの目的が若干つかみにくいなというふうに感じているわけでございます。これは、たたき台ということは存じておりますけれども、地域・住民、そして市場事業者、公的な3つのセクターの役割図というのが、こうした1つのものに落とし込めるのだろうかということをまず思います。
 福祉サービスの市場といいましても、それが保育なのか、障害児なのか、高齢者なのかということで多岐にわたっておりますし、その内容に即して見た場合も、この役割というのがアメーバーのように若干変わっていくのではないか。さらに今、大都市型の東京のこれからの福祉を考えるということでございますが、やはり23区、人口が集中しているところを重点化して考えていくことは否めないと思うんですけれども、島嶼部など東京の中には若干地域性が異なるところもあります。これについてのこの3者の役割分担ということがかなり変わっていって、行政の範囲の多い部分が島嶼部については出てくるのではないか、また、そこに住んでいる住民のニーズがいかようであるかによって役割が変わってくる。
 先ほどいろいろな先生方がおっしゃいましたけれども、インフラ整備をする側と運営をする側の役割分担、またプロバイダーとパーチェイサーということをよく言われますが、この2者においても、この3つの図の大小も変わってくると思いますし、今、評価制度などが入ってきていて、サービス提供者と、そして行政がチェック機能を担っていくというようなことでも、この図のあり方というのが平板ではない、1種類ではないような気がするんですね。
 この3つのセクターの最適化といいますか、サービス内容によっても違いますし、地域性によっても違います。地域というのは住民のニーズということに置き換えてもいいかもしれませんが、何種類かパターンができていくような気がいたしますので、これからの議論の上で、地域によってこの最適化はどういうものかというようなことが議論できればというふうに感じました。
 以上、感想レベルで恐縮でございます。

○高橋分科会長 ありがとうございました。手塚委員、お願いいたします。

○手塚委員 今のご意見に関係することなんですが、福祉の内容が多岐にわたっているというのは事実だと思います。特にこれから先を見たときに、2025年ぐらいになりますと、一番人口の山が、東京なんかはもうちょっと早く来るのかもしれませんけれども、人口の山をみると、59から60歳の山が高いというようなことになります。そうなると福祉というものに対するニーズというのは、結局、高齢者のニーズに引っ張られるということになるけれども、福祉というものはそれでいいのかどうか。
 福祉を受ける都民なり市民なりは、整理しなくちゃいけないんですが、結局、だれでもがその可能性がある、例えば高齢化だとか、病気だとかというのは、そういうのはほんとうに福祉の対象としてどう考えるべきか。むしろ自立・自助の上は福祉が来るのではないだろうか。そういうものから、ごく限られた人たち、ハンディキャップの方だとか、そういう方たちのものと整理していく必要があると思うんです。ですから、6のところで、福祉を受ける方たちの整理をもう一回してごらんになると、都民の全員にその可能性が、現在、未来にあるものについては市場原理の参入というのは予測されたところで、隣にいらっしゃって申しわけないんですが、ベネッセさんのように、最初は教育産業で若年者、子供を相手にしていたところが、高齢者の市場に参入するというようなことになってくるわけで、そのあたりのところは市場経済というものにある程度ゆだねていいはずですし、それから、かなり社会的な保護が必要な部分というものもあるだろう。
 だから、福祉ということで一般的に言い切っちゃうと、例えばイギリスの場合のように、福祉の中には義務教育まで入っていますから、ただ、これも福祉の意味では、ここにお集まりの皆さん方のご専門を伺っていて、ほんとうに広くなったなと思います。建築の専門家もおられれば、都市の関係の専門家の方もおらえるということで、福祉というものに非常に広い領域の方たちが入ってくる。国の制度というのは完全に縦割りにしていますから、この縦割を突破するのが東京都の役割りだと思っています。
ですから、例えば幼稚園と保育園の一元化なんていうのは、私は国のトップの方に言っているんですが、スウェーデンのような形で、あるときから完全に社会保険庁から教育庁に全員の担当者が移っちゃうというようなことで、それで幼児教育と保育と一緒にして、幼児教育にかなり比重をかけることで子供の教育レベルが上がって、それで高付加価値産業にスウェーデンが転化していく。そういう状況があるわけで、厚生労働省なんかも、例えばの話が、児童家庭とか保育の問題というのは、文部科学省との話し合いで一元化するような、そういう勇気があるのかということを言っているんですけれども、そのあたりのところを、福祉の領域というのはいろいろなところがカバーしていて、これを整理する必要があります。例えば福祉の機器の問題でもそうですよね。例えば身障者の方がお使いになっている、あるいは高齢者の方がお使いになっている機器についても、結局、日本の場合には縦割りの規制があるから、どうしても国際的な市場でかなわなくて、台湾とか何かのほうがはるかに安く物ができるという状態で、日本の場合には、厚生労働省の基準でがんじがらめになっていて、つくっているのは通産省の傘下の中小企業の人たちがつくっている。そういう状況で、そのあたりのところは、市場経済になったら、縦割りで規制するのはやめないとだめなんじゃないかなと思います。
 ですから、そのあたりのところ、福祉の内容をもう一回ここで検討していただく。福祉というのは、昔は一元化されていて、ある意味では国が公的にやるもの、ある意味では限定された人々が受けるものというぐあいになっていたんだと思うんですけれども、そこのところは随分変わってきているので、そのあたりのところをもう一つ、ほんとうはこれが立体的にできれば、図の6−1か6−2が三次元でできればいいんですけれども、できないとすれば、もう一枚必要なのかなという感じがいたします。

○高橋分科会長 どうもありがとうございます。そろそろ時間が来つつあるので、最後にぜひという形でコメント、あるいは三浦委員長、あるいは事務局、特に何かございますれば、少しコメントをちょうだいできたらと思います。

○三浦委員 コメントなんていうほどじゃなくて、なるほどと思って聞いていたんですが、実はある意味では、今回やろうというのは、自由な形で少し議論をした中で、それから宿題の方向に持ってくればよろしいのだろうという意味で、きょうはそういう意味では貴重な意見が出てきたんじゃないかなと思っております。
 それから、先ほど新村委員が出されましたけれども、私は前から、社会的に必要ということと、それから、いわゆる需要ということですね。実はニーズの需要化というのが数年前からできて、それが非常に不十分な中でシルバーサービスを進行することは無理だという議論を随分前にやってきて、いかにニーズを需要化するかという、そこのところを十分に考慮した上で供給の条件を考えるべきではないだろうというふうなことを申し上げたことがあったわけでありますが、それが逆な意味で、保育所の場合に保護者が自由に選択するようになってきたわけですね。それが保育所の待機児をものすごく生み出してきた。それから同じく介護保険における特養、これの待機者が特に大都市地域に激増してきたという状況ですね。その1つの背景にありましたのが、今言ったような、いわゆる社会的な必要性という形で出てきたニーズ的なものが、本人によってその必要性というものが判断されてくるという意味で、いわゆる需要が高まってきた。ところが、供給のほうは全然そうなってなくて、いきなりマーケット的なものだけボンと持ち込んできたので、混乱の極になってきているのではないだろうかという、そういう大きな図で考えてみたわけです。
 その点で、先ほど新村委員が出されたような整理の仕方が、需要レベルの議論、それから供給レベルの議論をもう一遍整理し直してみて、現状から見ていくこともまた有効ではないだろうか。
 それから、特に供給の問題は、私はPFIの問題は1つの切り口だなという感じがしておりました。このあたりも、あちこちで相談を受けたりしておりまして、これから大きく伸びてくる部分だというので、これなども大変重要な点だと思っております。
 それから、これも出されたことですけれども、供給と、実は経営をする場合と、それを委託をしていく場合、経営者と実際のマネジメントが変わってきたように、社会福祉というのは随分種類があるんですね。そういうふうな側面、それに、今言った、それがどういう場面で社会的基盤整備の問題になるのか、サービスの提供の面でどうなるのか、それにお金の問題、つまり、先ほど幾つかの次元というのがありましたけれども、そういった形で、決してイコールではないんですね。行政がやっていたものを民間に委託をしてくる。そうするとお金のほうがいろいろな形でやってくるということがありますから、先ほど財源の議論が出ましたけれども、そういう側面から少し整理をしていくと、先ほどの図も、1枚、2枚で終わらせる必要はないのであって、場合によっては2枚、3枚あってもいいと思う。それを重ねてみたときにどう違うかというあたりが出てくれば、少しは先ほどの議論が実態化するかなという印象を受けました。

○高橋分科会長 ありがとうございました。ほかに委員の皆様、事務局、ご発言ございませんか。
それでは藤井委員、お願いいたします。

○藤井委員 石原都知事がどんどん思ったことを発言・提言をということに勇気づけられての発言として、その辺、ひとつお許しいただきたいと思います。
「大東京」ということで福祉市場を考える場合、この場でこんな発言をするのはいいかどうか判りませんが、日本が将来、州政府的な構想というか、考えもあるなんていうことになりますと、東京都を中心とした周辺の各県もある程度含めたというか、有機的な結びつきも考えに入れながら、「首都圏市場」として我々は検討していくことなのか、それは全く別なんだということなのか、この辺も含めてどういうふうに捉えていくのかと、そんなことを思ったことを。
次に「疑似市場」ということですが日本の場合、公の介入といいますか、直接的なかかわり合いが大ですが、民の市場としてのマスが、先ほどご発言がありましたことに関連して、この資料の図のように同じサイズではなくて、右のほうの公の市場が殆んどで、民の市場、擬似市場は極めて限られた小さなサイズになるのではないだろうか。そしてこの市場の中へ措置から契約ということで、どんどん民間の力を入れなさい、NPOなどの力も加えましょうということですが、この民の市場そのものが、現状は果して参入するほうが、経営するほうの立場として、果して魅力ある市場なのかと、考えざるを得ないと思われます。
皆様、御高承の通り「市場」には責任というものは存在しません。私のささやかな体験と認識では市場は、そこで市場では何をやってもいいんだと。とにかく資本というものは、ROI(リターン・オン・インベストメント)がいかに最大の効果を挙げるかであって、いろいろな魅力ある市場があるわけですから、資本はそのマキシマムを狙うというか、考えている。果して福祉市場に民間資本が参入してくるときに、それだけの魅力のある市場なのかということを真剣に考えざるを得ないのではないかと。社会保障のご発言がありましたように、福祉と医療と年金という、国及び東京都の総合的な社会保障の中で社会福祉はどうあるべきかということから、公と私の市場のすみ分けをどうするのか、はっきりと考えていく必要があると考えます。ということは行政としては、我々のこの場では、福祉市場を如何に魅力ある環境を用意し、育てあげていくことが必要ではなかろうかと思ったりしております。

○高橋分科会長 ありがとうございます。それでは予定した時間がちょっとオーバーしてしまいましたけれども、きょうは事務局が大変ご苦労されてつくった2枚のイメージ図と、幾つかの資料説明を踏まえながら、きょうは自由討論というか、自由な意見交換という形で進めさせていただきましたが、おかげさまでこの苦労を、先ほど松浦課長は小声でおっしゃいましたが、実は出していただいて、ほんとうによかったと思っております。これを基礎にして、我々の議論の海図というか、地図がつくられていくのだろうと。そうすると、それは多分、非常に大まかな、ラフなスケッチの何十万分の1、何百万分の1の地図から、2万5,000分の1までいろいろなものを用意しないと、どうもいけないのではないかというのが、いろいろなご指摘をいただいたことかと思いますので、並行してこの作業を、事務局とご相談しながら、モデル1、モデル2と、まだバージョン0.5ぐらいで、ベータテストまでは行ってないかもしれませんが、それをできるだけバージョン1、バージョン2にしていくという、そんな作業がこれから、そして、これを委員の皆様のご意見とフィードバックさせながら議論していく。
 それともう一つは、その作業をするためにも、領域別にさまざまなトピックスがあるというご指摘をいただきました。資料5をちょっとごらんいただきたいと思いますが、第2回から第4回ぐらいまでをそんな形で、とりあえず大まかに3つぐらいの領域を分けさせていただきましたが、委員の皆様に話題提供をしていただくことと、必要な場合にゲストスピーカーということなら3回で済むかどうか、これは事務局とご相談と思いますが、そんな形で具体的なトピックスを中心にこの議論を進めていくというような、そんなことを考えております。ぜひこれについても、こんなテーマでやったらどうかというご提起もいただきつつ、事務局とご相談しながら、とりあえずこの3つぐらいを考えて、そうしますと、ちょっとお願いしなければならないような方が、このテーマで委員の皆さんがいそうだと思いますが、これは追って事務局からご相談をさせていただくということで、とりあえず次回は、福祉サービス市場の形成ということで、公的介護保険制度と市場、あるいは福祉サービス市場と民間企業というような、そんなテーマをご用意いただきましたが、白石委員と武田委員に、このテーマで話題提起をしていただいて、それをもとに、また次回、討論を進めさせていただく。そんな形でとりあえず次回を設定させていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。ひとつよろしくお願いします。また3回以降、4回以降についても、事務局のほうから、それぞれの先生方にご相談をさせていただきますが、心づもりをひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
そんなことで、きょうは12時、予定の時間をオーバーいたしましたが、事務局の松浦課長のほうにお戻しをして、次回以降の予定等につきましてよろしくお願いいたします。

○松浦計画調整課長 それでは、次回の開催日でございますけれども、できれば6月2日月曜日、午前10時から12時までということでやらせていただければありがたいと思っています。
 先ほど会長からお話がありましたように、第2回のこの会議の議題につきましては、福祉サービス市場の形成ということで、白石委員と武田委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。

○高橋分科会長 とりあえず2回は先ほどお願いしたとおりでございます。3回以降はこういうテーマを設定してございますので、また事務局のほうからご相談をさせていただくということで、きょうはちょっと予定をオーバーいたしましたが、第1回でもございますので、少し自由な形で進めさせていただきました。今後もぜひこういう形で委員の皆様の活発なご意見をいただきながら、ディスカッションを積み重ねて、とりあえず中間報告が目標でございますが、思ったより時間はないな。うっかり2年度にまたがるから2年と思っていたら、ほぼ1年しかないということに気がつきまして、これは大変なテーマを1年でやれというのかと言いたくなりますが、それは委員の皆様の総意を結集しながら進めさせていただければと思いますので、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。どうもきょうはありがとうございました。

閉会

午後12時04分

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