○高橋分科会長 それから、本審議会の委員長でございます三浦文夫先生がオブザーバーということでご参画をいただきます。よろしくお願いいたします。
○三浦委員 審議会のほうの委員長をやっております三浦でございます。専門分科会に委員長が顔を出すというのは異例のことなんですけれども、一つは、こういうテーマをぜひ検討してほしいということを提案したという立場上、責任上というふうなことと、それからもう一つは、実は私もここで勉強したいと。私も70を過ぎまして、先ほどの藤井委員ではありませんけれども、もう一遍改めて勉強し直そうと。その意味で若い方々のご意見等を勉強させていただこうという気持ちがないわけではございませんで、たまたま事務局のほうからオブザーバーという話があったものですから、喜んで参加をさせてもらったということでございます。
この問題の提起、なぜこういうふうな、ここでいうと資料2のところにございますけれども、審議会のときに、ごく大まかなメモということで出させていただいたわけでございまして、先ほど部長のほうからもご説明があったかと思います。これはまた後ほど議論させていただくことにしまして、実は東京都の社会福祉審議会というのは大変活発な審議会でございまして、今までも国に先んずる形でいろいろなご意見を出しました。そして、東京都自身の福祉だけではなくして、全国的にもかなり大きな影響力を与えてきたと考えてよろしいのでないかと思います。そういう伝統を引き継いできているわけでございますけれども、ただ、最近の基礎構造改革を中心といたしまして、変化が非常に激しくなってきております。それもある程度は、既に出した答申その他で見通しはしていたんですけれども、予想以上にいろいろな事態が動き始めてきているということで、私から見ますと、都の行政のほうも、実はその事態に追われて、てんやわんやという状況だと思うんですね。そこに出てくる諸問題について、いろいろな検討会等々、審議会と別途の形で持ちまして、いろいろ検討しなければならないというような状況が出てきております。
緊急の課題、重要な課題等については、今ほとんど行政を中心にして、学者の方々とか、そういった方々が集まりまして検討を進めてきている状況でございます。それはそれなりに非常に的確な方向で進められたと思っておりますが、ただやはり、部分的、アドホックな対応ということにならざるを得ないだろうという感じを持っているわけです。
そういうことで、実は第15期のときにも、審議会のほうとしても少しまとめていこうじゃないかということになったわけですけれども、十分にそういう機会が得られなかったところでございまして、ぜひ16期目は、そういう大きな変化の中でございますが、次の社会の方向性ということを明らかにしていく必要がありはしないだろうかというのが実は背景にございました。そういう意味で、今回、「これからの福祉」のあり方という大きなテーマを設定させていただいたわけでございまして、先ほど手塚委員から、これからというのはいつごろだというお話がございましたけれども、そういう意味でいきますと、あまり短期的な議論ということよりは、かなり中長期的な展望に立っていただいてよろしいのではないだろうか。流れというものをもう一度確かめて、今の時点の中でその流れ、方向性ということについて、もう一度皆さんで確認し合っていくことが重要ではないだろうかという思いがありまして、こういう非常に大きな、漠然としたテーマを取り上げてきたということになっております。
そういう意味で、実はあまり具体的、個別的な議論というのは、もちろん切り口としてはそういう問題が出てくると思いますけれども、ここで期待されているのは、個別的な議論よりも、全体的な流れにつきまして、都民の方々に対して1つの方向性を示す議論をしていただくような、そういうことがよろしいのではないだろうかということが実はこの思いの中に入ってきております。したがいまして、これはいわゆる答申という形態ではなくして、あくまでも審議会のほうから意見具申という形で知事のほうに申し上げたいというふうな考え方でございますので、どうぞ格調の高い議論をやっていただきまして、内容もそうしていただいたほうがよろしいのでないかと期待をしております。
以上、言うのは非常に簡単でございますけれども、中身については論議をすることが多いと思いますので、私は専らオブザーバーで勉強をさせてもらうというずるい立場でございますけれども、どうぞよろしくご指導のほどをお願いしたいと思います。
○高橋分科会長 ありがとうございました。あと、お茶の水女子大学の平岡公一教授は、きょうは所用のためご欠席でございます。平岡委員は、福祉社会学というか、福祉政策がご専門でございまして、とりわけ、イギリス等の動向に非常にお詳しい委員でもございますし、また次回ご出席いただけるときにご紹介を申し上げたいと思います。
それから、私もちょっとコメントを、自己紹介も含めてしておかなければいけないかなと思っておりますが、この審議会は、先ほど三浦委員長がおっしゃったように、グランドデザインを書くという、そういうことにずっと手がけてまいりまして、昭和62年の「東京都における新しい社会福祉のあり方」以来というか、それ以前からもいろいろな形で折に触れて時代を先取りするような答申をやってまいりましたけれども、ここに来て、私も国のほうの動きで、このところ、介護保険の見直しの基礎作業の委員会にかかわり始めております。それから、例の障害者対策の見直しの検討会がこの5月の末か6月の頭に発足をいたしますが、そこにもかかわることにどうもなるようでございますけれども、その中で、いよいよ大都市型福祉のことを厚生労働省も念頭に置かざるを得なくなったという、そういう印象を持っております。
高齢者介護研究会では、中村局長が、今の団塊の世代が1号被保険者になるときを想定して高齢者介護のモデルをつくってほしい。
やはり大都市型福祉というのは何なのかというのは、これは従来の制限的な福祉では資源が足りませんので、それから、いよいよこれからドドドッと少子高齢化が、まあ、今までの高齢地区というのは、ある意味では伸びがとまり始めているわけですから、その中でどういう仕組みをつくるのか、そしてそれを支える少子化対策、これは大変大きな意味があって、それを総合的に議論するという、これは手塚委員が先ほどご指摘になった、社会福祉の議論はほとんどそれが断片的にやられているという問題があるので、ぜひここの場でそういう議論ができたらいいなと思っておりますので、少し時間をとって委員のご紹介をお願いしたのも、これから自由濶達な議論をお互いにし合えればというふうに思ったからでございますが、そんなことで、いろいろな形で司会役ということになろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。
それから、事務局、行政側の幹事、書記につきましても、ほんとうは自己紹介をお願いしたいところでございますが、ちょっと時間も押しておりますので、どうぞ事務局と委員会ということではなくて、行政のいろいろなお仕事をしている中でさまざまな問題意識をお持ちで、こういうことはどうなのかというご指摘もいただけるのではないかと思いますので、積極的に審議にご参加をいただけたら大変ありがたく思っておりますので、よろしくお願いいたします。ということで、次の組織的なことというか、この進め方の基本的なことについて、まずは議事をさせていただきたいと思います。
分科会につきまして副分科会長を置くということになっております。東京都社会福祉審議会規程第4条3項によりますと、分科会の副会長はあらかじめ会長が指名することになっているという決まりがあるようでございまして、これにつきましては、野村歡委員に副分科会長をお願いしたいと思います。
先ほどご紹介いただきましたように、非常に幅広いお立場から東京都の福祉行政についてご関与をいただいております委員でございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。では、そういうことで野村委員、よろしくお願いいたします。
(野村副分科会長 副分科会長席へ移動)
○野村副分科会長 よろしくお願いいたします。
○高橋分科会長 それでは、次に移りまして、情報公開のこととかかわりますが、本分科会の会議は原則として公開になっております。公開の基準につきましては、お手元の公開の基準について、これは資料としてどこら辺にございますか。
○松浦計画調整課長 後ろから3枚目にございます。
○高橋分科会長 後ろから3枚目に、書記名簿とか、それのもう一つ前のところでございますが、ございますので、このルールに従いまして公開をさせていただくということで、ひとつよろしくご了解をいただきたいと思います。
既に自己紹介の中にも、この委員会の課題等について、また先ほどの部長のお話にもございましたが、資料に即しましてこの点をさらに深めたいと思いますので、事務局より資料説明をお願いしたいと思います。
○松浦計画調整課長 それでは、お手元にお配りしております資料に基づきまして、説明させていただきます。
1枚目は検討分科会会議次第でございます。
1枚めくっていただきまして、資料1、この検討分科会の概要でございまして、趣旨は、「多様な事業者が競い合い、利用者に必要なサービスを提供する『福祉サービス市場』の役割とその将来的方向性を総合的に検討し、大都市東京におけるこれからの福祉のあり方を探る」という形で記載させていただいております。
4の委員構成につきましては、12名で、社会福祉審議会の三浦委員長にオブザーバーとして加わっていただくことになっております。
検討期間は15年5月から16年7月ということで、この専門分科会を6回程度、拡大専門分科会というのは、この総会のメンバーも加わった形で審議していただくというものでございます。それを2〜3回程度やらせていただきたいと思っております。
また、具体的に多少議論が集約されてきまして、報告書を作成するぐらいまで煮詰まってきましたら、起草委員会というのを、もう少し人数を絞った形でつくらせていただいて、また専門分科会にかけるというようなやり方をさせていただければと思っております。
続きまして、資料2でございますけれども、これは総会に三浦委員長から出されたペーパーで、総会でご了解いただいたものでございます。簡単に説明させていただきたいと思います。
介護保険、それから支援費制度という形で、これから利用者がサービスを選択、契約して利用するシステムに変わっていく。
その際には、選択に足りる福祉サービスの量と、利用者が満足する質の向上を図らなければならない。そのためには、多様な事業者が福祉分野に参入し、サービスを競い合うことが必要である。
この競い合う場を、いわゆる「福祉サービス市場」ということができるという位置づけをしますが、この市場は、もちろん自由市場ではなくて、さまざまな制約や条件、例えば公定価格があるとか、そういう「疑似市場」であるという独特の構造を持つ。普遍的に市場原理を導入すべきという「市場万能論」では決してないということでございます。
大都市東京におきましては、社会福祉法人、NPO、民間の企業等さまざまな事業主体がたくさん存在し、このサービス市場の問題は大都市東京においては特に重要な意味を持つという認識でございます。
しかし、これまでの検討は不十分ということで、関連する専門家の方々のご意見等を受けて検討していただいて、その方策を探っていく。その際に、またボランティアとか、いろいろな定義づけがあるわけですけれども、地域通貨(エコマネー)の問題とも関連しますし、また生活保護制度などの社会的なセーフティネットの問題と一体をなすものであるということが、提起されたわけでございます。
続きまして、資料3は、社会福祉審議会の委員の方々からの参加と、臨時委員という形で参加していただいている委員の先生方のメンバーでございます。
資料4が今後のスケジュールでございますけれども、社会福祉審議会の任期は、平成16年の7月までということになってございます。ここまでに意見具申をいただきたいということでございます。そうしますと、今回第1回分科会を開かせていただきまして、6月から9月に分科会を開かせていただいて、大体論点のまとめ、議論のまとめ的なものが11月ぐらいにまとまればいいなと思っております。その段階で1回、総会である社会福祉審議会にお諮りして、そのご意見等を踏まえて、起草委員会を12月につくらせていただいて、その起草案をこの専門部会なり拡大分科会でご意見をいただいて、また起草していく。
16年の4月になって、それをまた検討し、7月に総会でご了承いただいて知事に意見具申をしていただきたいというような日程でございます。
具体的に分科会の手順につきましては、資料5にございまして、第1回を今回やらせていただきまして、第2回から第4回で議論をしていただき、場合によっては、特にこういう専門の方のご意見もお伺いしたいというようなお話になれば、そういう方をお呼びしてお話を伺うということもやらせていただきたいと思っております。
続いて、資料6−1、6−2でございますけれども、これは後でご説明させていただきます。
続きまして、資料7と8に基づきまして、これは東京都の福祉行政について説明させていただきたいと思います。資料7、「福祉先進都市 東京」と銘打ってございますけれども、これは今、東京都が実施している福祉改革の内容を都民向けに簡潔にわかりやすくつくった資料でございます。資料8につきましては、「東京の社会福祉」ということで、その福祉改革の内容も含んでございますけれども、東京都が実施している福祉施策について説明した冊子でございます。これは福祉局の施策だけではなく、他局の施策も含めて詳細に書いてある資料でございます。
まず、資料7の「福祉先進都市 東京」の冊子をおめくりいただきますと、「福祉改革」と銘打った見開きの図があります。戦後に福祉施策が始まって現在まで来ているわけですが、昔は限られた福祉でしたが、都市化とか高齢化、生活スタイルの多様化などの社会経済状況の変化に伴いまして、例を挙げますと介護、保育などの福祉サービス、これはだれもが利用する可能性のある普遍的なものになってきているという認識でございます。
ここで、「これまでの福祉」というのが左側にございますが、今までは行政と社会福祉法人が施設を中心としてサービスを提供してきた。しかも、全国一律の基準に基づいて提供してきたというのがこれまでの福祉システムだったわけですけれども、これまでのシステムは柔軟性とか効率性の面から制度疲労により行き詰まって、都民ニーズに応えられなくなってきているというのが福祉改革を実施する上での認識であるわけです。
その福祉改革の目的でございますけれども、行政がコントロールする既存の福祉システムを根本的に改めまして、利用者自らサービスを選択・利用するという利用者本位の新しいシステムを構築するのが福祉改革の目的でございます。
この内容が「3つのキーワード」で表していますが、まず一番上にある「選択」でございます。恐れ入りますが、27ページをお開きいただきたいと思います。「東京の大都市特性」が記載されてございます。私どものほうで分析しました東京の特性でございますけれども、少子化につきましては、合計特殊出生率は東京都は1.00になっている。女性の就業率は、全国平均と比較しますと、これは意外と高くないというか、平均よりちょっと高いというような状況でございます。ところが、三世代世帯の割合で見ますと全国の3分の1、核家族化が進んでいるということが言えるかと思います。
老年人口につきましては全国平均より若干低いが、一人暮らしの高齢者の世帯につきましては、高齢者世帯を母数にとりますと、東京都は高いという状況が出てございます。
東京の地価、家賃につきましては、地価は全国の約5倍、家賃は2倍というような統計結果が出ております。
こういうような状況でございますけれども、東京はサービス産業の数から言いますと、全国の5分の1が集中、それからNPO法人、これは認証を受けている法人でございますけれども、やはり5分の1が東京都に所在しているということで、東京には民間企業、NPO、ボランティアの多様な事業主体が集積しているというふうに考えております。この集積のメリットを生かして多様な事業主体を参入させることによって競い合いを実現し、サービスの総量を増やして、質的にも一層向上させることができるというふうに考えております。
そういうような特性を認識した上で、また1ページに戻っていただきますと、「3つのキーワード」の2つめ、「競い合い」というキーワードになるかと思います。
最後の「地域」でございますけれども、これまでは、大まかにいうと、在宅で頑張るか、施設に入るかの二者択一という世界でございました。利用者の希望意向調査などをしますと、例えば知的障害者の方で、今、施設に現に入所している方の約3割の方は地域生活が可能であり、本人も希望しているという実態がございます。また都民に対する意向調査、世論調査の結果では、高齢によって介護が必要になった場合の希望ということで聞きますと、引き続き自宅で暮らしたいという方が45%、施設に入りたいという方が15%、また、それ以外に、ケアつき住宅へ行きたいという方が20%いるという結果が出ております。
「福祉改革」の目指すところは、都民の方々が高齢なり障害などで介護を必要とする状況になったとしましても、地域の中でいろいろなサービスを利用しながら充実して生きていける、これが当たり前の世界ではないかと思っていますけれども、こういう世界を実現していきたいと考えているわけでございます。これが「3つのキーワード」の最後の「地域」でございます。
それでは、具体的にどういうことをやっているかということでございますけれども、4ページをお開きいただきたいと思いますが、1つは認証保育所ということでございます。上に13年8月には133カ所というふうにありますけれども、4月時点で見ますと151カ所になってございます。駅前基本型はA型、小規模・家庭的なものがB型という形で下に説明がありますが、151カ所のうちA型が89カ所、B型が62カ所という形になっております。
定員は、A型、89カ所で今、3,030人の定員を確保してございます。B型は62カ所でございますけれども、1,279人、合計4,309人ということになってございます。
駅前基本型のA型でございますけれども、約6割が株式会社の設置でございます。1割が有限会社の設置ということになっております。
認証保育所については、多様な事業主体を参入させております。一方、国のほうでもは認可保育所という形ですけれども、規制緩和がなされていまして、平成12年度に設置主体制限が撤廃されまして、株式会社とか、学校法人なども保育所設置が可能になってございます。都内におきましては、既に株式会社が設置した保育所が4カ所つくられてございます。地域で言いますと、江戸川区、板橋区、東村山市、大田区と4カ所設置されてございます。また、13年度には公立認可保育所を株式会社に委託することができるようになったということで、こちらも都内で3つの公立保育所が株式会社に運営委託されているということでございます。三鷹市が1カ所、文京区が2カ所ということでございます。
また、認証保育所の話に戻りますけれども、資料8「東京の社会福祉」の18ページをお開きいただきたいと思います。ここに「認証保育所の特徴」というのが書いてございます。
認可保育所におきましては、区市町村と保護者が契約をしまして、区市町村が保育所に委託するという形になってございます。一応形としては保育所を選べるという形式にはなっています。認可保育所は、区市町村から委託によって子供を預かるという形になっていまして、保護者は所得に応じて区市町村に保育料を徴収されるというのが認可保育所の仕組みでございます。
認証保育所におきましては、保護者と保育所が直接契約という形になります。保育料につきましても、保育所に直接払うというのが認証と認可の大きな違いの1つでございまして、その保育料につきましても、保育所ごとに異なります。上限という形でありますけれども、この上限につきまして、3歳未満児は8万円が上限で、3歳以上児童は7万7,000円を上限とするという制限のもとに自由に保育料を設定して、保育料を保育所である事業者が直接いただくというのが認証保育所でございます。
また「福祉先進都市 東京」に戻らせていただきますが、9ページをお開きいただきたいと思います。「やっぱり『地域』で暮らしたい」とか、「介護が必要になっても慣れ親しんだ地域で」というような表題がございますけれども、知的障害者と痴呆性高齢者のグループホームがそれぞれ記載されてございまして、右側の痴呆性高齢者のグループホームにつきましては、株式会社も設置することができるようになっています。しかし、社会福祉法人などにつきましては、国は整備費補助を出していますけれども、株式会社には出していないというのが国の制度でございます。東京都は独自に株式会社にも整備費の4分の1を補助するという制度をつくりまして、ある意味ではイコール・フィッティングというか、同じ土俵の上で競い合ってもらうという一環でやっているところでございます。
今年度から、社員寮とか社宅等のオーナーが建物を改修した場合にも新たな補助をするということで、地域にケアつき住まいというところを選択肢として充実していくという具体的な施策を進めているところでございます。
次に、行政として安心して質の高いサービスを選択・利用できるための仕組みをどういうふうに構築しているかといいますと、16ページをお開きいただきたいと思いますが、選択の世界になるわけですから、苦情なり権利侵害、契約支援の仕組みを都独自に構築してございます。
まず、区市町村の窓口でサービスの利用契約締結の支援とか、成年後見制度の活用支援、苦情対応、権利侵害などの対応を、まず区市町村のほうでワンストップで受けとめて、しっかりやっていくという仕組みをつくってございます。
17ページをお開きいただきたいと思いますが、「第三者による福祉サービス評価システム」を4月から本格実施してございます。また、その評価の結果とか、事業者情報、苦情対応情報などを含めて総合的に福祉情報総合ネットワークを構築し、情報を提供するシステム、これも4月から本格稼働しているわけでございます。
将来的に目指す姿は、25ページをお開きいただきたいと思います。「安心して質の高いサービスを選択・利用」という見出しで、サービス評価による質の向上、サービス情報の提供、身近な地域で相談支援、競い合いによるサービスの質の向上ということで、真ん中にそのイメージ図が書いてございます。
資料8につきましては、今ご説明したようなものを含め、いろいろ細かく書いてありますので、後でお読みいただければありがたいと思っております。
それでは、資料6、福祉サービス市場のイメージ図ということでございます。ここから声が小さくなりますが、勉強不足のままつくりましたので、いろいろご指摘があるのかなと思います。そういう観点でちょっとごらんいただきたいと思っております。
まず、福祉サービス市場(イメージ図1)でございますが、これは、サービスの担い手等から見たという形でつくってみたところでございまして、上に地域・住民がありまして、右側に公的制度・行政がありまして、左側に市場・事業者があります。そこにキーワード的なものを乗せていったものでございます。
12年6月に改正されました社会福祉法第1条に「福祉サービスの利用者」という概念が明記された。介護保険制度・支援費制度ができて、大きな流れとしては措置制度から利用契約制度に移っていく。右側がだんだん真ん中のほうに寄ってきたのかなというようなところが今の状況かと思います。
そもそもから言いますと、この3つがもう少し離れていたというのがこれまでのシステムで、それがだんだん今、くっついてきているというようなことも言えるのかなというところのイメージ図でございます。この福祉サービスの契約におきましては、消費者保護基本法とか、消費者契約法とか、東京都で言えば消費生活条例が適用されると考えてございます。
疑似市場という形で、真ん中に書いてありますが、これもいろいろなパターンがあるのかなと考えております。例えば介護保険制度でございますけれども、公定価格の1割の負担をしてサービスを利用するかしないかの選択があり、サービス事業者の選択する基準は、介護サービスの質ということが制度でございます。この点については、例えば医療保険については今3割負担でございますけれども、同じシステムと思っていますが、介護保険ではケアプランを作成して、それに基づくサービスを利用するとか、利用限度額が定められていることなどが医療保険とは違うと考えております。
障害者の支援費制度でございますけれども、これも公定価格のもとに、こちらは応能原則によって定められた額を負担して、サービスを利用する、しないかの選択、また選択する基準は、介護サービスの質によって事業者を選択するというようなことになると思います。
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