「食べる」フレイル予防

3つの習慣で、フレイル予防に必要な食生活を実践しましょう。

1)毎日、7品目以上の食品を食べよう!

いろいろな食品を食べることで、栄養状態を良好に保つことができ、フレイル予防につながります。からだの機能の維持や筋肉・体力の維持には、以下の10の食材のうち、最低でも4点以上、できれば7点以上を目指しましょう。
合言葉は「さあにぎやか(に)いただく!」

※BMI...身長と体重から算出でき(体重÷身長÷身長)、肥満・やせを評価する指標。高齢者の方は、20以下が低栄養傾向とされています。
※アルブミン...血液中に含まれるたんぱく質の一種で、たんぱく質の栄養状態を評価する指標。4.0g/dLを下回ると、栄養不足の恐れがあります。

食べよう!いろいろな食材/合言葉は「さあにぎやか(に)いただく」(10の食品群の頭文字をとったもので、ロコモチャレンジ!推進協議会が考案した合言葉)/さかな・あぶら・にく・ぎゅうにゅう・やさい・かいそう・いも・たまご・だいずせいひん・くだもの

図4.さあにぎやかにいただく10食品群

チェックシートで、簡単に毎日の食べ方を知ることができます。7品目を目指して記録してみましょう。1~2週間、継続してチェックすると、自分の食べ方のくせが見えてきます。

参考:東京都健康長寿医療センター研究所「いろいろ食べポ」

なお、高齢者が毎日食べている人の割合が少ない食品のトップ3は、いも類、海藻類、肉類という調査結果があります。毎日食べることが難しい食品も以下のヒントを参考に、少しずつ取り入れましょう。

●いも類:
おやつ代わりにふかし芋、また汁物などに使ってみましょう。市販品(ポテトサラダやさつまいもの煮物など)や冷凍食品を活用しても◎

●海藻類:
お味噌汁に乾燥のカットわかめを少し入れたり、ご飯と一緒にのりを食べたり、乾物や市販品を上手に利用しましょう。小パックのもずく、めかぶやのりの佃煮なども。

●肉類:
すぐに使えるウィンナーやシュウマイ、ハムなど加工品も使ってみましょう。噛みにくさを感じる人は、ささみや薄切り肉など食べやすいお肉を選びましょう。

2)たんぱく質をしっかりとろう!

高齢期はたんぱく質が不足しがちなため、特に肉・魚・卵・牛乳などの食品からたんぱく質をしっかりとることもポイントです。
高齢者が1日に必要なたんぱく質量の目安として、1.0~1.2g×体重(kg)が推奨されています。フレイル予防にむけては、体重が50㎏の人なら50g~60gが必要です(図5)。
たんぱく質を含む食材をすべて片手に乗るくらい食べることが目安になります。
なお、低栄養が疑われる人は、より多くのたんぱく質を食べるよう心掛けてください。

1日に必要なたんぱく質量の目安/片手が目安!高齢者が1日に必要なたんぱく質量は[1.0から1.2グラム]×体重(キログラム)(体重50キログラムの人は、一日50から60グラム)/豚ロース(焼き)50グラム(約13グラム)+鮭(焼き)70グラム(約20グラム)+牛乳180グラム(約6グラム)+卵50グラム(約6グラム)+納豆50グラム(約8グラム)、これで合計約53グラムのたんぱく質がとれます/日本食品標準成分表2015年版(七訂)より計算。()内はたんぱく質の目安

図5.1日に必要なたんぱく質量の目安

たんぱく質摂取のヒント
●魚の缶詰を活用する:
魚の缶詰は、手軽でちょっと魚を使いたい、足したいというときに便利です。長期保存可能なので、いざというときの非常食にもなります。

※塩分が多いものは(蒲焼、味噌煮など)、缶詰の残り汁は飲まないようにするほか、野菜と一緒に食べるのがおすすめです。

●豆腐を活用する:
豆腐を冷蔵庫に常備しておきましょう。特に、豆腐は、他の食材とも相性が良いので、しらすやカニカマ、鶏のほぐし身、温泉卵など、のせる具材を変えることでアレンジの幅がぐっと広がります。ひと手間加えることでたんぱく質アップ。

3)みんなでおいしく、楽しく食べよう!

食べることは、身体の栄養だけでなく、心の栄養にもなります。会話を楽しみながら、家族や友人・知人と一緒に食べる機会を大切にしましょう。地域の料理教室や会食会などもおすすめです。

このページ(予防のポイントその1「食べる(栄養)」、やってみよう!栄養チェック!、「食べる」フレイル予防)について

原稿作成:
横山 友里((地独)東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム(ヘルシーエイジングと地域保健研究))

参考文献:
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