令和7年度 東京都障害者差別解消支援地域協議会 (第1回) 令和7年9月2日 福祉局 (午後2時00分 開会) ○小泉課長 定刻でございますので、ただいまから令和7年度第1回東京都障害者差別解消支援地域協議会を開催いたします。   本日は、お忙しい中、ご出席いただき、誠にありがとうございます。   また、このたび、新たに本協議会の委員及びオブザーバーにご就任いただいた方々には、重ねてお礼申し上げます。   私は障害者施策推進部共生社会推進担当課長の小泉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。   これまで本協議会の運営に尽力していただいた小澤会長が退任されたことから、新たな会長が選任されるまでの間、進行役を務めさせていただきます。   まず、お手元に配布してございます会議資料及び委員の出席状況について、確認させていただきます。   本日、お手元にお配りしております資料は、会議次第のほか、 資料1、東京都障害者差別解消支援地域協議会設置要綱。   資料2-1、東京都障害者差別解消支援地域協議会委員名簿。   資料2-2、東京都障害者差別解消支援地域協議会幹事名簿。   資料3-1、東京都障害者権利擁護センターにおける相談受付状況等。   資料3-2、主な相談事例・報道事例。   資料4、令和7年度実施の主な普及啓発事業について。   資料5、東京都障害者差別解消支援地域協議会部会の検討内容等について。   資料6、「東京都手話言語条例」の施行状況について。   参考資料として、 参考資料1、「東京都手話言語条例」の施行状況、(令和4年度~7年度)。   参考資料2、「東京都手話言語条例」。   参考資料3、手話に関する施策の推進に関する法律(令和7年法律第78号) となっております。   なお、ご希望をいただいた方には、ルビ版の資料を合わせて配布しておりますので、よろしくお願いいたします。   資料は以上となります。落丁等がございましたら、事務局までお声かけをお願いいたします。   次に、本協議会の委員、オブザーバー及び幹事の皆様について、時間の関係上、恐れ入りますが、資料2-1及び2-2をもってご紹介に代えさせていただきます。   今年度新たにご就任いただいた委員は9名、オブザーバーは1名いらっしゃいます。お名前を読み上げさせていただきます。   武蔵野大学人間科学部人間科学科教授、岩本操委員。   特定非営利活動法人DPI日本会議事務局次長、白井誠一朗委員。   公益財団法人東京都歯科医師会理事、森玲子委員。   東京都中小企業団体中央会常勤参事、坂巻政一郎委員。   東京商工会議所産業政策第二部課長、佐藤弘太委員。   日本司法支援センター東京地方事務所副所長、生田康介委員。   続いて瑞穂町福祉部福祉課長、青木広幸委員、本日所用によりご欠席のご連絡をいただいております。   台東区福祉部松が谷福祉会館長、江口尚宏委員。   西東京市健康福祉部障害福祉課長、小林祐子委員、本日所用により、ご欠席のご連絡をいただいております。   法務省東京法務局人権擁護部第二課長、野﨑貴義オブザーバーです。どうぞよろしくお願いいたします。   また、ただいまご紹介させていただいたほか、本日は矢嶋委員がオンラインでご出席いただいております。   また、本田委員、西田委員、小林委員、羽生田委員、星委員、宮田委員、関哉委員、佐藤委員からは、所用によりご欠席のご連絡をいただいております。   なお、「東京都障害者差別解消支援地域協議会設置要綱」の第3条第3項によりまして、委員の任期は選任の日から2年以内において福祉局長が定める期間とされておりまして、今期の任期は令和8年3月31日までとなっております。   続いて、進行上のお願いを申し上げます。   まず、会場にお集まりいただいた皆様には、どなたが発言されるのか確認できるよう、ご発言の前にご所属及びお名前をお願いいたします。   また、オンラインでご出席の方は、発言される際に、挙手ボタンを押していただき発言いただきますよう、よろしくお願いいたします。   次に手話通訳を行うため、ご発言の際は、少しゆっくりとお話しいただければと思います。   また、皆様の前にイエローカードをご用意しております。これは、議事の内容が分かりにくかったときなどに掲げていただくものです。このイエローカードの提示があった場合は、ご発言者はいま一度、ゆっくり、分かりやすくご説明ください。   最後に、本協議会は、資料、議事録いずれも原則公開とさせていただいておりますので、発言に当たっては、個人情報などにご配慮ください。   また、本日はオンライン傍聴の方もいらっしゃいますので、ご承知おきいただきますようよろしくお願いいたします。   また、本日多くの皆様にご出席をいただいております。時間の制約もあり、発言の機会が限られてしまうことも考えられます。   そのため、自由意見用紙を後日、メールにて配布いたしますので、そちらのご活用もお願いいたします。   進行上の注意は以上でございます。   では、議事に先立ちまして、障害者施策推進部長梶野からご挨拶を申し上げます。 ○梶野部長 今、紹介いただきました福祉局障害者施策推進部長の梶野でございます。本日はお忙しいところ、また大変お暑い中、令和7年度第1回の協議会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。   本協議会は、差別解消法が全面施行されました平成28年に設置されまして、現在5期目となっております。   先ほど事務局からもございましたが、このたび新たに本協議会の委員及びオブザーバーにご就任いただいた方もいらっしゃいます。ご多忙のところ、委員、オブザーバーをお引き受けいただきました皆様に改めてお礼を申し上げます。   さて、昨年度の本協議会では、障害者差別に関する普及啓発研修事業等について様々なご意見をいただきました。   また、部会におきましては、知的障害者の障害者差別の相談の実績が少なく、相談支援につながっていないケースが多いのではないかというご意見を踏まえまして、知的障害のある方向けに短く分かりやすい言葉で相談先の案内などをする普及啓発物についてご検討いただいたところでございます。   部会のほうでは東京都手をつなぐ育成会の本人部会、東京都知的障害特別支援学校PTA連合会の両団体のご協力の下、当事者やそのご家族、支援者の方々からも数多くのご意見を頂戴しまして、部会委員の皆様のご尽力の下、より分かりやすい普及啓発物の検討を進めていただきました。   ご意見を踏まえて作成した普及啓発物は本日お手元に配布をさせていただいております。後ほど事務局からもご説明いたしますが、今後関係機関を通じてお配りするとともに、都のホームページにも掲載して広く活用いただきたいと考えております。   本日の会議では、昨年度の東京都障害者権利擁護センターにおける相談状況等のほか、手話言語条例施行以降の都の取組等についてもご報告することとしております。   委員の皆様には、ぜひ活発なご発言をいただければと思っております。   都の障害者・障害児施策推進計画では、共生社会の実現、障害者差別解消の推進が施策目標の大きな柱の一つとなっております。今後とも庁内各局との連携はもちろん、関係機関とも連携をさせていただきながら差別解消、共生社会の実現に向けた取組を推進してまいります。   引き続き委員の皆様のお力添えをいただきますようお願いを申し上げまして、簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 ○小泉課長 続きまして、「会長互選及び副会長の指名」に移ります。まず、会長の選任でございます。資料1をご覧ください。   「東京都障害者差別解消支援地域協議会設置要綱」の第5条第1項で、「協議会に会長及び副会長を置く」、第2項で「会長は互選により決定する」と規定してございます。これに基づきまして会長を互選していただきたいと存じ上げます。   ご推薦等いかがでしょうか。   社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会の渡邉様、お願いします。 ○渡邉委員 社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会の渡邉です。私は川内委員に会長をお引き受けいただきたいと思います。川内委員は、長年、当協議会の副会長や部会長を務められ、昨年度部会での知的障害者向け普及啓発物の検討では、部会長として当事者の意見を尊重されながら知的障害者にとって分かりやすい啓発物の作成にご尽力いただきました。   ぜひよろしくお願いいたします。 ○小泉課長 ただいま渡邉委員から川内美彦委員を会長にとのご発言がございましたが、いかがでしょうか。   異議なしということで、ありがとうございます。   それでは、川内委員に本協議会の会長をお願いいたします。川内委員、どうぞ会長席にお移りください。   それでは、川内会長からご挨拶をお願いいたします。 ○川内会長 こんにちは。今ご指名いただきました川内と申します。よろしくお願いします。   どうも拒否権はないみたいですけど、先ほども話がありましたけれども、この協議会そのものが、障害者差別解消法というのがきっかけでできているということで、いまだに事業者のほうからは、何をさせられるか分からないとか、あるいは当事者のほうからは何をしてもらえるんだろうというような声があります。一番重要な相互のコミュニケーション、建設的対話というところを抜きにしては、この差別解消法の一番重要なところが抜け落ちてしまうだろうというふうに思っています。   後でご報告があると思いますけれども、この都の支援窓口にもいろんな声が寄せられています。それもコミュニケーションとか建設的対話というキーワードで解いていかないといけないところというのがとてもたくさんあると思います。   それも含めてこの協議会の活動が、今後も双方という言い方もおかしいですけれども、事業者と当事者の間の変な誤解というか、そういうふうなものを解いていけるようなことに何か役に立てばというふうに思っています。よろしくお願いします。 ○小泉課長 ありがとうございました。   続きまして本協議会の要綱第5条第4項に基づきまして、川内会長から副会長をご指名いただければと存じ上げます。 ○川内会長 それでは、副会長は、新しく委員になられたばかりですけれども、今年3月まで東京都自立支援協議会の会長を務められていた岩本先生にお願いしたいと思います。皆さん、よろしいでしょうか。   じゃあ、岩本委員に副会長をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○小泉課長 ありがとうございました。   それでは、岩本委員どうぞ、副会長席にお移りください。   それでは、岩本副会長からご挨拶をお願いいたします。 ○岩本副会長 ただいま会長よりご指名いただきました岩本でございます。本協議会では新人ですので、まずは皆様に追いついていけるよう頑張りたいと思っております。   私の専門は精神保健福祉で、精神障害のある方やメンタルヘルス課題を抱えている方のソーシャルワークについて実践、教育、研究に携わって参りました。   精神障害の方への合理的配慮というのは、分かりにくい、難しいという声をよく聞きますので、その点も力を入れていきたいと思っております。また、今、ご紹介いただきましたように、私自身、東京都自立支援協議会や地域の自立支援協議会で活動していく中で、当事者の方やご家族がこの差別解消法についてあまりよく御存じないという実態を痛感していました。そうした問題意識を踏まえ、皆様にたくさんお力をいただいて協議に参画したいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○小泉課長 ありがとうございました。川内会長、岩本副会長、どうぞよろしくお願いいたします。   それでは、これからの議事進行は川内会長にお願いいたします。 ○川内会長 今、会長に選ばれたばかりの川内です。   それでは、議事に入りたいと思います。本日の議事は「相談受付状況等について」、それから「普及啓発事業等について」、それから「部会検討内容等について」、それから「「東京都手話言語条例」の施行状況について」の4点です。   まずは、「相談受付状況等について」、事務局から説明をお願いします。 ○小泉課長 それでは、議事1について資料3-1及び3-2に沿ってご報告させていただきます。   まず、資料3-1、「東京都障害者権利擁護センターにおける相談受付状況等」をご覧ください。   1、年次推移でございますが、平成28年4月の障害者差別解消法施行以降、東京都障害者権利擁護センターで受け付けた障害者差別に関する相談件数をお示ししております。   令和6年度に当センターで受け付けた相談件数は、481件で過去最多となっております。   全体の傾向としましては、平成28年度から平成30年度の都条例施行を挟んで令和元年度まで増加傾向でしたが、令和2年度が274件と一度減少しまして、その後、令和3年度以降は年々増加しております。   相談受付については、例えば障害当事者からご相談いただいた場合、当センターから事業者に連絡をし、事業者からもご意見を伺っております。その結果については、相談者に再度連絡し、障害者、事業者双方にご納得いただけるよう調整の往復作業を繰り返しております。   これら全てを含めて1とカウントし、先ほど申し上げた相談件数となっております。   今後も丁寧に相談対応等に当たってまいりたいと思います。   続いて2、令和6年度の受付状況をご覧ください。   (1)相談件数でございますが、令和6年度に受け付けた481件の相談のうち、合理的配慮の提供に関する相談が145件と最も多く、不当な差別に関する相談が110件、以下、苦情、要望が99件、個人間のトラブルが30件、法等に係る相談が15件などと続きます。   なお、件数の欄の括弧内の数字は令和5年度の数値になります。   相談内容としては、合理的配慮に関する相談が145件と昨年の94件から大幅に増えております。   増えた要因の一つとして、令和6年4月から障害者差別解消法の改正によりまして、全国的に東京都と同様に事業者による合理的配慮の提供が努力義務から法的義務となりまして、当事者等の合理的配慮の提供についての関心が高まったことが考えられます。   なお、令和6年度と令和5年度の構成が分かる円グラフを載せておりますが、差別、合理的配慮の相談が合わせて50%程度と全体の半分を占める傾向が続いております。   続いて(2)、相談者の分類についてですけれども、円グラフの割合を見ますと、当事者からの相談が61%と最も多く、次いで当事者のご家族など当事者の関係者からの相談が11%となっております。   次に(3)当事者の障害種別は(2)当事者からの相談295件と当事者の関係者からの相談55件を障害種別ごとに計上した数値となっており、重複障害がある場合は、それぞれカウントしておりまして、合計360件となっております。   精神・発達障害が最も多く、不明その他を除き、次いで肢体不自由、聴覚障害、視覚障害の順となっております。   (4)相談分野をご覧ください。   行政機関に分類される相談が最も多く、その他不明を除き、サービス飲食等、医療・福祉の順となっております。   なお、主な相談事例の内容については、後ほどご報告いたします。   昨年度の協議会では医療・福祉分野の相談が多いというご意見をいただきました。そのご意見を踏まえまして、三師会の皆様のご協力の下、当協議会で作成した東京都障害者差別解消法ハンドブック等を会員の方々に周知いたしました。   医療・福祉分野への相談件数は、令和5年度の90件から令和6年度は69件に減少しており、こうした取組の成果が表れたと考えております。   次に(5)相談内容ごとの相談分野の分類をご覧ください。   傾向として、例えば行政機関等に関する相談は、苦情・要望など職員の接遇に関する相談が多く寄せられています。   また、サービス(飲食等)に関する相談は、コンサートでの情報保障や車椅子席等の確保など、合理的配慮に関する相談の割合が高くなっております。   続いて(6)当事者の障害種別ごとの相談分野の分類をご覧ください。   どの障害種別の当事者から、どのような相談が寄せられているのかを集計したものです。   視覚障害、聴覚障害、肢体不自由の方からは、サービス(飲食等)に関する相談が多く寄せられています。   また、精神・発達障害の方からは、行政機関、教育、医療・福祉に関する相談が多く寄せられております。   次に3、あっせん等の手続に関する実績についてですが、障害者差別に関する相談は、当センターに配置した広域支援相談員が障害者、事業者、双方からの相談を受け付け、関係者間の調整等を行います。   相談員による相談対応でも、なお解決が見込めない場合は、紛争の当事者である障害者は知事に対し、あっせんを求めることができます。   このあっせんの実績については、(2)に記載があり、令和6年度には申立て受理が1件となっております。   続きまして資料3-2「主な相談事例・報道事例」をご覧ください。   資料3-1では、相談件数など、統計的な説明をさせていただきましたが、これから具体的な相談事例についてご報告させていただきます。   まず、(1)不当な差別的取扱いに係る相談事例のア、サービス分野に関する相談です。発達障害のある方から寄せられました。   都内ホテルを利用した際にバッグに目立つようにヘルプマークをつけていたが、障害に対する配慮のない従業員の対応に精神的につらかったというご相談です。   当センターで事業者に連絡をいたしまして事実確認をしましたところ、相談者から障害者だという申出は受けておらず、ヘルプマークを見たという記録も残っていないということでした。   事業者が障害を理由に宿泊等を断ることなく、従業員が丁寧な接遇を行うよう教育を行っていることを確認の上、当センターから改めて差別解消の普及啓発を行い、対応を終了いたしました。   こうしたことから、引き続きヘルプマークの理解促進に取り組むことと合わせ、障害者から社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明をすることの理解を進めることが必要であると考えております。   続いてイ、不動産分野に関する相談です。聴覚障害の当事者からいただいたご相談です。   不動産の仲介業者で月極駐車場を借りようとしたところ、聴覚障害のあることに難色を示された大家さんから、断りの連絡がきたというご相談です。   当センターから事業者に連絡をしたところ、該当の駐車場の大家さんは高齢で、一度面倒だと思うことは話を聞いてくれず、仲介業者の立場でできることは限られており、相談者に不快な思いをさせてしまったことを大変申し訳なく思っている。建設的な対話の重要性について社内に共有するということでした。   当センターから相談者に報告したところ、相談者よりセンターの対応に対し感謝の返信をいただき、対応を終了したところでございます。   今後とも一般都民、事業者に対し、障害者への理解や負担とならない障害者とのコミュニケーション手段について普及啓発していくことが重要であると考えております。   続いてウ、サービス分野に関する相談で、複数の事業者が出店する人の往来が激しい場所の管理者の方からのご相談です。   施設内を電動車椅子で利用しているお客さんがいるが、複数の事業者より大変危険だと苦情がありまして、対応に苦慮しているというご相談でした。   当センターから具体的な状況を確認したところ、暴走等の行為はなく、電動車椅子で走行しているのを目撃しただけで事業者から危険という声が上がっているとのことでした。   センターから単に事故の危険が想定されるといった不確実な理由により、施設利用を制限することは適切ではないことを伝えまして、差別解消ハンドブックの周知をいたしました。   対応においては、事業者が漠然とした危険の可能性により、電動車椅子利用者の施設利用を一律に制限することは適切ではなく、双方が相手の立場を尊重しながら、建設的対話を行うことにご理解をいただくことが重要であると考えております。   次に(2)合理的配慮の提供に関する事例です。   ア、交通分野に関する相談で、視覚障害者からのご相談です。   通勤で他線への乗り入れ電車もある路線を利用するため、優先席のある車両が停車するホーム位置が変わってしまう。優先席のある車両が停車するホーム位置を統一できないのであれば、優先席停車位置を電車到着前にアナウンスしてほしいというご相談でした。   センターから事業者に確認したところ、遅延により到着する電車の順番が変わることが多く、電車到着前のアナウンスが実現できる可能性は低いということでした。   そこで、センターから相談者に対し、相談者から現場の駅員に優先席が停車する位置を聞いて教えてもらう合理的配慮の申出を提案いたしました。   相談者は、センターの提案に納得され、「センターの提案で解決の見込みがなかった困りごとが解決された。」との言葉をいただき対応を終了いたしました。   対応においては、事業者の財政負担等が大きい場合、実現可能性が低くなることがありますが、迅速かつ円滑な解決に向け、障害当事者から合理的配慮の申出を行いまして、双方の話合いにより工夫を重ねることが重要であると考えております。   続いてイ、教育分野に関する相談で、発達障害当事者の親から寄せられたご相談です。   学習障害がある子供の私立大学の入学試験で試験時間の延長と数学及び理科、こちら物理ですけれども、試験での電卓利用を申請したが、試験時間の延長しか認められなかったため、電卓等の利用を配慮として認めた事例があれば教えてほしいという相談でした。   当センターでは事例はなかったため、相談者の希望により大学に事実確認を行いました。大学からは障害者差別解消法のことは理解しており、電卓の使用については大学入試センターに問い合わせたが、他の受験者との公平性の観点から配慮を認めた事例がないということだったので、組織内で検討して認めなかったということでした。   センターからは大学に対して障害者差別解消法の普及啓発を行い、再度建設的な対話を行うことを相談者が望まれていることをお伝えし、大学側の了承を得た上で相談者に状況を報告し、対応を終了いたしました。   今後も当センターとしても入学試験等での合理的配慮に関する相談においては、大学入試センター等の専門機関との連携等が重要であると考えております。   続いてウ、その他、マンションの管理組合に関する相談で、化学物質過敏症の方からの相談です。   マンション敷地内の農薬散布について、ここ数年は自分の部屋の周辺は行わないという配慮をしてもらっていたが、その配慮が行われなくなったため、センターから指導をしてほしいという相談でした。   センターから管理組合に確認したところ、1年前の改修工事の際に、該当の障害者への合理的配慮の提供に500万円超の追加費用がかかりまして、管理組合の総会においてその旨を報告した際に、同じマンションの別の部屋に住む障害者の親より、自分たちまで近所との関係が悪化するため、費用のかかる配慮等は行わないようにという正式な依頼文を受け取ったということでした。   センターから管理組合に障害者本人の意向を再度伝えまして建設的な対話等を依頼しました。   また、相談者に対しても合理的配慮の提供は、こうしなければならないという一律の考えではなくて、過重な負担については考慮し、両者が建設的な対話を重ねて解決策を検討していくことが重要であることを伝えました。   対応においては、合理的配慮の提供にかかる負担が過重である場合において、建設的な対話の重要性を障害当事者と事業者、この事例では管理組合ですが、双方に理解いただくことが重要であると考えております。   最後に2、報道事案についてをご覧ください。   先ほどご説明させていただいた(2)イ、入学試験の事例対応の中で相談者に情報提供をした新聞記事です。   入学試験での合理的配慮の提供に関連した記事となります。後ほどご参照ください。   相談受付状況等に関する報告は以上でございます。 ○川内会長 川内です。ありがとうございました。   それでは、今のご報告についてご質問、ご意見のある方、ご発言をお願いしたいと思います。挙手または何らかのサインをいただければ、私のほうで指名しますが。   今の事例報告にもあったとおり、この権利擁護センターというのは、どちらがいいとか正しいとか間違っているとかというのを判断する場所でもないし、こうしなさいというふうに命令する場所でもありません。両者の言い分を聞きながら間を取り持つというか、その建設的対話に導いていくということなので、権利擁護センターがこういう結論にもっていこうとかという働きをするセンターではないということが、まだ当事者の側にもうまく伝わっていない面があるかなとは思っています。   それを踏まえても踏まえなくてもいいんですけど、皆さんのご意見、ご質問とかありますでしょうか。よろしいですか。   では、何か寂しい感じもしますけど、続いて議事2について普及啓発事業についての説明をお願いします。 ○小泉課長 それでは、議事の2について資料4に沿ってご報告させていただきます。   まず1の啓発物の作成についてです。   1点目として令和6年度部会で内容検討した知的障害者向けの普及啓発物のイラスト作成と印刷を行いました。お手元にお配りしております。 本協議会での報告後、区市町村、特別支援学校などを経由して知的障害者の方に配布をいたします。   2点目としまして、本年7月施行の東京都障害者情報コミュニケーション条例の周知についてです。   区市町村、業界団体、障害者団体等へのリーフレット等配布、新宿駅地下通路や都庁舎のデジタルサイネージを活用した広報、ホームページや広報紙を活用した広報を実施しております。   続きまして2、都民及び事業者向け啓発事業について、令和6年度から行っている事業としてファミリー層や若者などの障害者と関わりが少ない層に障害理解を広げていくために、2025TOKYO共生社会障害理解啓発キャラバンというイベントを9月から来年1月にかけ、都内で区部2回、市部2回、計4回開催する予定でございます。   また、例年どおり、都民及び事業者向け啓発シンポジウムの開催と事業者向け障害及び障害者理解研修事業を今後実施する予定です。   なお、障害者理解研修事業について、障害当事者の方も差別解消法について学ぶことができる機会をというお声を踏まえ、今年度より年10回の開催のうち、1回を障害当事者向け研修会として実施予定です。   開催時期が近づきましたら、委員の皆様にも周知をお願いさせていただくかもしれません。その際はお取り計らいの程、どうぞよろしくお願いいたします。   また、東京都では新たに7月20日をヘルプマークの日に定めまして、世界陸上やデフリンピック開催の機会を捉え、障害への理解の一層の促進に取り組んでおります。   都庁舎のライトアップのほか、動画を活用したSNS広告等を集中的に実施しております。   また、各種イベントでの普及啓発やデフリンピック競技会場でのポスター掲示等を実施予定でございます。   続きまして3、都職員向け啓発事業です。   まず、障害者差別解消に係る説明会を都職員、政策連携団体及び区市町村向けに6月に実施しました。   また、障害者差別解消法が施行された平成28年以降、都庁の全職員が必ず毎年受講する研修として障害者差別解消に関する研修を実施しておりますが、より理解促進を図るため、今年度より本研修を動画配信によるオンデマンドで実施する予定です。   最後に4、区市町村向け支援事業です。   差別解消支援地域協議会活動促進事業としまして、都が先進的な取組と認めたものに係る経費を補助するという事業で、令和2年度より実施しており、今年度も継続して実施しております。   また、障害者差別解消区市町村連絡会を、区市町村と都で情報交換をする場として実施しております。区市町村における障害者差別解消の取組や相談対応状況等、活発な情報交換を行っております。   その他記載された各種事業について、引き続き実施していきます。   資料4に関する説明は以上でございます。 ○川内会長 はい、川内です。   それでは、今のご説明について、ご質問とかご意見のある方、ご発言をお願いしたいと思います。どうぞ、ご発言ください。 ○唯藤委員 東京都聴覚障害者連盟の唯藤と申します。   いろいろと手話などに関する普及啓発、一生懸命やっていただきまして、ありがたく思っております。   資料4ですが、東京都障害者情報コミュニケーション条例がありますよね。7月にスタートして、パンフレットを作っていただきました。ですけれども、残念ながら、内容検討に当事者の参加がないまま進んでしまったという、内容が決まってしまったというイメージがあります。都連盟には情報がなく、パンフレットが出来上がってびっくりしたような状況です。その辺りどうなのか確認したいと思います。よろしくお願いいたします。 ○川内会長 じゃあ、事務局、お願いします。 ○小泉課長 唯藤委員、ご質問ありがとうございました。   こちらの障害者情報コミュニケーション条例のリーフレット等の作成については、東京都障害者団体連絡協議会を構成する団体の皆様には、事前にご意見を聴取いたしまして進めてきたところです。   例えば、障害者と障害者でない方の双方向でのコミュニケーションの重要性が分かるようにしてほしいとか、デジタルの時代ですので、紙での情報保障だけではなく、デジタル機器といったこともちゃんと入れてほしいとか、分かりやすい普及をしてほしいというようなご意見がありました。また、条例で様々なコミュニケーション手段を記載しておりますので、できる限りそういった情報を、盛り込むような形としてほしい、そういった各種団体からの御意見を踏まえて、今回、作成しております。ですので、私どもでは、作成に当たって何もなかったという認識ではございません。 ○川内会長 唯藤さん、いかがでしょうか。 ○唯藤委員 考え方がちょっと違うかなと思います。少し分かりにくいです。コミュニケーションは、手話も含まれていると思いますので、やはり少し情報提供がなくても、やはり問合せはいただきたいと思います。   今後、またよろしくお願いしたいと思います。 ○川内会長 川内ですが、ちょっと今のご発言が、理解が難しいのですけれども、最初に唯藤さんがおっしゃったのは、これを作っていく過程の中で、私たちの意見を聞いてくれなかったというようなご発言だったと思うんですけれども、今2回目のご発言は、それとはちょっと趣旨が変わってきているように思うんです。この私の受け止めは間違っていますか。 ○唯藤委員 リーフレットを作るなど、いろいろな団体から意見をいただいていますよというお話でしたが、含めてほしいとか、変えてほしいとかがあれば、私たちのほうにも相談があってよかったのではないかなと思いました。都の聴覚障害者は手話を使いますので、相談がなかったのが、ちょっと気になったところです。そういう考え方。 ○川内会長 事務局、何かありますか。 ○小泉課長 再度ご質問ありがとうございます。   先ほどご説明したとおり、東京都障害者団体連絡協議会を構成する団体の皆様には、事前に意見聴取をさせていただいているところでございます。 ○川内会長 川内です。ちょっと双方の発言の焦点を当てているところが、ちょっとずれているように私には受け止められるんですね。なので、ちょっとこれについては、今聞いた、聞かないというような話になってきているように思うので、可能であればちょっと放課後に、お互いの誤解がなくなるように、時間をかけて意見交換していただけたらというふうに思いますが、よろしいですか。 ○小泉課長 はい、かしこまりました。 ○唯藤委員 唯藤です。よろしくお願いいたします。 ○川内会長 はい、分かりました。ほかにありますか。じゃあ、白井さん。 ○白井委員 DPI日本会議の白井と申します。ありがとうございます。   普及啓発の取組の一環として、ここには、書かれてはいませんけども、最近、障害者理解につながるようなドキュメンタリー映画試写会などもたくさんいろいろ出ておりますので、そういった映画上映会などを開催して、その上映会を通じて、障害理解とかを促すような、そういった取組も必要なのかなというふうに感じました。映画のほうですね、市民だけではなくて、障害を持つ当事者の方たちも一緒に観る、映画を観るということは、通常ですと、上映時間中、ずっとおとなしく座っていないといけないという暗黙のルールがありますけども、そうではなくて、映画上映中であっても、ちょっと動いたり、走ったりしてもいい、ちょっと疲れやすい方なんかは、地面、そこら辺に寝そべりながら、映画を観られるみたいなそういった、いろんな人たちがともに鑑賞できる映画上映みたいなことをやると、より何か共生社会に向けた何か一つのいい普及啓発につながるのではないのかなというふうに思いましたので、今後の検討として、考えていっていただけたらなと思いました。   以上です。 ○川内会長 川内です。既に様々な映像作品、障害理解についての映像作品が、いろいろ出てきていると、それを使って、いろんな人が先ほど寝転がって観られるとかというのもありましたが、いろんな人が、自由に自分の状況に合わせて観られるような上映会なども開くというのも、一つの方法ではないかという、そういうやり方の提案ということでよろしいですか。   事務局、何かありますか。 ○小泉課長 ご意見ありがとうございます。   手話などの障害理解に関するドキュメンタリーを上映していくというのは、広く障害理解を進める上で必要なことというふうに認識しております。   現状、都といたしましては、手話の人口の裾野を広めるために、若者をターゲットとした普及イベントをやっています。具体的には、都立大学と連携をいたしまして、TOKYOみみカレッジというイベントを実施しております。その中で、ステージイベントとか、教室でのプログラムをやっていますけれども、その中で、色々な障害や手話に関する映画を上映する機会もございます。そのほかに、より障害理解を深めるために、あらゆるイベント等で何かできないかということは必要というふうに思っていますので、今後、どういうことができるか、検討していきたいと思っています。 ○川内会長 白井さん、何かありますか。オーケーですか。   ほかに何かありますか。はい、どうぞ。 ○渡邉委員 東京都手をつなぐ育成会の渡邉です。   7月20日を、ヘルプマークの日に制定されたということは、私自身は知っていたんですが、障害当事者の方や、あと、そのご家族の方、知らない方がたくさんいらっしゃいました。制定されたばかりですので、今後、もっと多くの方に周知していただけるような何か施策なり何かをやっていただければと思っています。せっかく東京発祥のヘルプマークですので、その日が制定されたということを、皆さんにもう少し知っていただければというふうに思いました。   以上です。 ○川内会長 事務局、お願いします。 ○小泉課長 ありがとうございます。   せっかくヘルプマークの日を制定したのに、なかなか知られていないというのは、こちらの力不足と捉えております。   都としては、都庁舎をライトアップしたり、各種SNSを活用した積極的な広報はしておりますけども、まだまだ普及が足りないということかと思いますので、年間を通じて、各種イベントなどで、ヘルプマークの日を周知するとか、さらなる理解促進のためにはどうしたらいいのか、考えていきたいと思っています。 ○川内会長 渡邉さん、よろしいですか。   ほかにありますか。矢嶋委員、オンラインの矢嶋委員からあるそうです。 ○矢嶋委員 ありがとうございます。都立大学の矢嶋と申します。   先ほどの相談対応件数で、全体としては過去最多ということでありながら、知的障害のある方については、相談数が減っているということが、ちょっと気になったんですけれども、今ご説明のあった資料の4-1の知的障害者向け普及啓発物の印刷の配布ということで、今後、権利擁護センターの相談・対応業務に関しても、知的障害者の方に、その存在であるとか、どういう方法を取ればそこに結びつくのかというのが分かりやすくなるということで、すごく期待できるのかなと思うんですが、配布場所として、区市町村などを経由してとあるんですけれども、もちろん、区市町村も大事だと思いますけれども、下のコミュニケーション条例の周知にあるような、直接的に障害者団体であるとか、それから特別支援学校であるとかといったように、もっと直接的に、障害のあるご本人に届くような形での配布ということは、考えられるのかなと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。 ○小泉課長 ご質問ありがとうございます。   矢嶋委員ご指摘のとおり、せっかく作成したのに当事者の方に届かないということにならないよう、特別支援学校の校長連絡会に、9月の初めにこのリーフレットができたということをご報告し、各特別支援学校に配布をして、高等部の生徒さんにお配りするという手続を、現在、進めておりますので、そういったことを通じながら、広く当事者の方が相談しやすい環境整備をしていきたいと思っています。 ○川内会長 矢嶋委員、何かありますか。 ○矢嶋委員 ぜひ、積極的によろしくお願いいたします。 ○川内会長 ということで、引き続き、なかなか当事者に直接届くというルートというのは、あるようで、ないところがあるので、いろいろと模索をしていただかなくては、いけないかなというふうに思います。   ほかにありますか。   ちょっと私、会長の権限で、話を蒸し返すのですけど、申し訳ありません。   一番最初の議事1の相談件数とかの報告のときに、精神と発達障害というのが、数としては、一番多いわけですよね。これを伝統的に精神と発達は、一緒にしてきていたんですけれども、こんなに数が多くなってきているときに、精神と発達を分ける必要はないんでしょうかね。 ○小泉課長 ご意見ありがとうございます。   発達障害について、精神障害に含まれるということで、これまでこういった統計で実施しておりますけども、そこを分けられるかどうかというのは、統計上の取り方とか、全国の統計の話もありますので、そこはちょっと調べて、どういうことをしていったらいいのかというのを考えていきたいと思っています。 ○川内会長 川内です。すみません。勝手なこと言って、全国的な統計については、精神・発達で出すけれども、東京都として、内訳としてとかいうような形もあるかもしれないし、分けるのが難しいという技術的な問題があるかもしれませんけども、ちょっとご検討いただければというふうに思います。   それでは、続いて、議事3に移りたいと思います。   事務局から、説明をお願いします。 ○小泉課長 続いて、議事3について、資料5に沿って説明をいたします。   資料5をご覧ください。   まず、これから説明する内容について、検討の場として、東京都障害者差別解消支援地域協議会設置要綱第8条の規定に基づきまして、部会の設置を提案させていただきたいと思います。なお、同条2項に、部会の設置及び構成は、会長が定めるとありますので、会長からご意見をいただきたいと思います。   会長、よろしくお願いいたします。 ○川内会長 ただいま事務局から提案のありました部会の設置については、事務局案のとおり設置をするということで、検討を進めていただきたいと思います。   部会の取りまとめを行う部会長については、先ほどもご紹介しましたけれども、今年3月まで東京都自立支援協議会の会長を務められており、東京都の障害者施策にも造詣が深い、岩本副会長にお願いできればというふうに考えていますが、よろしいでしょうか。   何でも、岩本副会長にお任せするという話になりますけども、お引き受けいただきたいと思います。 ○岩本副会長 会長、ありがとうございます。   事前に協議会の副会長が、部会長を務めるということを伺っておりましたので、力不足ではありますが、非常に重要な活動だと思っておりますので、お引き受けさせていただきたいと思います。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 ○川内会長 川内です。ありがとうございました。   なお、部会の委員につきましては、現在、検討中ですので、決まり次第、事務局を通じてお声かけさせていただければと思います。皆さん、よろしくお願いします。   続いて、部会検討内容等について、事務局から説明をお願いいたします。 ○小泉課長 議事の3について、資料5をご説明したいと思います。   まず、1、部会における検討テーマについてでございます。   都は、これまで障害の理解促進に向け、特設サイトやハンドブック等により、都民や事業者への差別解消法の普及啓発を進めてきました。一方で、資料3―1で説明させていただいたとおり、東京都障害者権利擁護センターには、障害当事者からの「合理的配慮の提供」に関する相談が増えてきております。つきましては、障害者向けに合理的配慮の提供について、分かりやすくお伝えする普及啓発物を作成したいと考えております。詳細は、部会で検討していきたいと考えておりますが、内容のイメージは、合理的配慮の説明、障害者と事業者が建設的な対話を行うに当たってのポイント紹介、事業者の負担が少ない、多様なコミュニケーション手段の案内などを考えています。普及啓発物の中で紹介する多様なコミュニケーション手段等の案内などにつきましては、障害者団体様に、ぜひ、事例の紹介などでご協力いただきたいと考えております。   次に、2、今後のスケジュールについてでございますが、今後、来年の3月までに、2回程度の部会開催を予定しております。詳細については、別途ご連絡いたします。   資料5の説明は、以上でございます。 ○川内会長 ありがとうございます。   それでは、今の資料5の説明について、ご質問、ご意見のある方は、ご発言お願いします。よろしいでしょうか。   それでは、続きまして、東京都手話言語条例の施行状況について、事務局から説明をお願いします。 ○小泉課長 それでは、議事の4について、資料6に沿ってご説明させていただきます。   資料6、条例の施行状況についてをご覧ください。   「東京都手話言語条例」が、昨日で施行3年を経過しましたので、条例の附則の規定に基づきまして、条例の施行状況等の確認を行うものでございます。本協議会においては、障害を理由とする差別を解消する取組を推進することを設置目的としておりますので、協議会の皆様に条例の施行状況を報告し、ご意見をいただきたいと考えております。   まず、施行状況をご報告する前に、「東京都手話言語条例」の概要をご説明します。   参考資料2、「東京都手話言語条例」をご覧ください。   「東京都手話言語条例」は、議員提案により提案されまして、令和4年6月に制定、令和4年9月1日に施行されました。条例の目的は、第1条にありますとおり、手話が独自の文法を持つ一つの言語であるという認識の下、手話に関する理解の促進及び手話の普及に関する基本理念を定め、東京都の責務並びに都民及び事業者の役割を明らかにするとともに、都の施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な基本事項を定め、もってろう者、難聴者、中途失聴者など手話を必要とする者の意思疎通を行う権利が尊重され、安心して生活することができる共生社会の実現に寄与することでございます。   続いて、第2条で基本理念、第3条から第5条までで、都の責務や都民、事業者の役割などについて規定しておりまして、第6条から、基本施策の規定となっております。   条例の最後をご覧いただきますと、附則において、条例の施行後、3年を経過した場合に、条例の施行の状況等について検討し、時代の要請に適合するものとするために、必要な措置を講ずるものとすると規定されております。なお、手話に関する施策につきましては、国でも今年6月に法律を制定、施行しておりますので、参考資料3として、手話に関する施策の推進に関する法律をおつけしております。後ほどご参照ください。   それでは、東京都手話言語条例施行状況のご報告をいたします。   資料6にお戻りください。   施行状況の概要についてご説明いたします。   まず、全体(都の責務)についてでございます。   手話を使用しやすい環境整備及び手話を用いた情報発信を着実に実施しております。具体的には、都庁各局のイベント、説明会等で手話通訳を配置、動画配信に手話通訳や字幕を表示、知事記者会見において手話通訳を配置するなどしております。   また、都庁や事業所窓口において、遠隔手話通訳を利用できるQRコードを設置しておりまして、こちらは、東京都手話言語条例の施行を踏まえまして、令和4年度からサービス提供時間を拡充したところでございます。   続いて、基本施策の各取組についてご説明いたします。   まず、学習機会の確保等に関する取組でございますが、手話通訳者養成講習会の実施や、職員向けの講習の実施等により、都民が手話を学習する機会及び職員が手話を学習することができる環境を整備しております。   次に、相談支援体制の整備・拡充についてです。   こちらは、聴覚障害者情報文化センターが行っている聴覚障害者に対する相談事業の運営を支援するほか、東京都難聴児相談支援センターを設置いたしまして、新生児期からのきこえとことばに関する相談事業等を実施しております。また、幼稚部を設置する聴覚障害特別支援学校においても、乳幼児に対する教育相談を実施しております。   続いて、2枚目をご覧ください。   手話通訳者の人材確保等に関する取組でございます。   手話通訳者及び手話指導者の養成を実施しております。今年度からは、スポーツ、芸術・文化、医療分野における専門性の高い手話通訳者を養成する専門分野実践クラスを新たに開設しております。   右側、事業者への支援でございますが、聴覚障害者の就職・職場定着に向けて事例紹介や普及啓発などの支援を実施しております。   次に、学校における支援でございます。   教員向けに、手話の理解や聴覚障害児・者の支援について学ぶ機会を実施するほか、聴覚障害特別支援学校において、手話講座や保護者等の手話の学習の機会の提供を実施しております。   続いて、医療等サービスにおける環境整備でございます。   こちらは、令和6年の障害者差別解消法の改正を踏まえまして、「東京都障害者差別解消法ハンドブック」を改訂しまして、都ホームページ掲載による周知や都内病院へのメール周知を行ったほか、東京都医師会、東京都歯科医師会、東京都薬剤師会の皆様を通じ、各会員にも周知していただいたところでございます。   次に、手話の普及啓発についてです。   こちらは、従前より作成していたブックレットを手話言語条例の施行を踏まえ、改訂したほか、デフリンピックや手話について、漫画形式で学ぶことのできる学習ハンドブックや手話単語に触れることのできるダンス動画などを作成、手話普及啓発のイベントを実施するなどしております。   続いて、手話に関する調査研究等についてです。   都では、社会福祉や保健・医療施策推進の基本資料とするために、毎年、福祉の各分野のニーズの高いテーマを選定しまして、「東京都福祉保健基礎調査」を実施しているところでございますが、令和5年度に実施した障害者の生活実態調査では、手話を含めたコミュニケーションの手段や、手話通訳の利用の有無等について、調査項目として入れております。   最後に、災害時における措置でございますが、災害時の対策本部会議等のライブ配信において、手話通訳映像を撮影、挿入するほか、災害時の情報発信については、東京都防災ホームページ、東京都防災X及び東京都防災アプリを通じて、文字による発信などを実施しております。   東京都手話言語条例の施行状況については、説明は、以上でございます。 ○川内会長 川内です。ありがとうございました。   それでは、今のご説明について、ご質問、ご意見ありますでしょうか。   じゃあ、私のほうからちょっとお伺いしたいんですけれども、資料6の冒頭に、都の責務ということで、手話を使用しやすい環境整備とか、手話を用いた情報発信というのがあって、各イベントなどに手話通訳を配置するというのがありますけれども、例えば区市町村が独自にイベントをやるときに、当然そこに、この都の趣旨だと手話通訳なり、何なりがいるべきだと、そこに聴覚障害、手話を使う方が出席するか否かは別として、常に手話通訳がいるべきだというようなことになろうかと思うんですけども、これについて、例えば都が、何らかの支援をするとかというお考えはあるのかどうか。   それから、もう一つは、民間でのいろいろなイベントがありますよね。それについても、この趣旨だと、恐らく手話通訳、必ずついてくるものというような趣旨になるだろうというふうに思っているんですけれども、民間についての、都としての何らかの支援をお考えかどうかの2点についてお願いします。 ○小泉課長 ご質問ありがとうございます。   まず、1点目の区市町村に対する支援ということですが、区市町村のほうでも、地域の実情に応じて、各種啓発イベントを実施しております。そういった中で、啓発イベントと併せて手話の通訳を配置する場合の経費については、分野は子供分野の普及に限られますが、区市町村包括補助事業という補助事業がございますので、都が2分の1負担とする補助制度で実施しているところでございます。   続いて、2点目の民間事業者へのイベントについてですけども、ダイレクトに民間事業者のイベントで手話通訳者を配置することに対して、都の補助というのは現在はございませんけれども、そういったイベントで情報保障の推進を図る観点から、手話通訳者をちゃんと配置してほしいと、そういった普及啓発等は積極的に行っております。 ○川内会長 川内です。ありがとうございます。   先ほど民間事業者と言いましたけれども、例えば営利企業については、手話通訳の費用というのは、それほど負担にならないかもしれませんけども、NPOなどの財政力の脆弱な市民団体については、やっぱり手話通訳者を配置するというのは、かなりな負担になるわけですよね。それについて、都のほうとして、何らかのサポートというのを、お考えではないかということを追加でお聞きしたいと思いますが。 ○小泉課長 ご質問ありがとうございます。   手話通訳者を配置することによって、いろいろな情報を健常者の方と障害者の方が同じ時期に、同じ内容で取得できる、利用できる、そういった考え方は非常に重要でございます。障害者情報コミュニケーション条例でも、基本理念としてございますので、民間のNPO等事業者への支援をどういうやり方でやるのかということは、今後とも検討していきたいと思っています。 ○川内会長 川内です。ありがとうございます。   今私が申し上げたことについては、事務局のほうで、そのことはきっちり受け止めましたというふうに、こちらとして受け止めさせていただきたいと思います。   それから、ちょっと手話言語条例とは離れますけれども、コミュニケーションという点で言うならば、よく聴覚障害のある方は手話だというふうな誤解がありますけれども、手話の使えない方々に対しての要約筆記なり、何なりという文字の情報提供、これが当然セットで行われないといけないわけですよね。そのことについて、何かちょっと番外編ですけども、お考えがありますか。 ○小泉課長 ご質問ありがとうございます。   手話通訳、要約筆記等、様々な情報手段があるわけですけども、都といたしましては、要約筆記の従事者の養成ということで団体に委託をいたしまして、養成する事業をやっておりますので、そういった事業を継続して実施していきたいと思っております。 ○川内会長 川内です。ありがとうございます。   つまり、養成については、いろいろなプログラムを考えているけれども、実際に要約筆記者を何らかのイベントで、民間のNPOなどが使うことに対する支援ということは考えていないという理解でよろしいですか。 ○小泉課長 先ほどのご質問と少しかぶりますけれども、どういったやり方が一番いいのか、今、都としてこうというのはなかなか言えないところではありますけども、情報保障の推進を進めていく中で、民間事業者の支援というのは一つございますので、何ができるかというのは、先ほどと同じ答えになって恐縮ですけども、検討していきたいというふうに思っています。 ○川内会長 川内です。ありがとうございます。よろしくお願いします。   すみません。ご発言ください。 ○宮川委員 東京都盲人福祉協会の宮川です。よろしくお願いいたします。   今、川内先生から、手話通訳者を派遣するに当たっての費用面のお話があったんですが、私のほうからは、その手話通訳者を派遣するに当たっての制度的な問題というか、ちょっと私も無知なので、教えていただきたいところがあるんですけども、実は、私、視覚障害者団体の理事長を務めながら、この2月に小泉課長の前任の志村課長にもご出席いただいて、また、現在、デフリンピックに向けて東京都も頑張っていらっしゃいますが、デフリンピック担当課長にもご出席いただいて、視覚障害者手話体験会というのを、2月に行ったんですね。視覚障害者約30名が、他の障害のバリアを学ぼうという目的で、デフリンピックってどういうものなのかを学ぶとともに、手話通訳、手話を学ぼうというものを行いました。一部メディアとかでも取り上げていただいたんですけれども、その際に、今、川内先生、おっしゃったように、当然自腹で手話通訳者に来ていただいたのですけれども、八王子は、社協さんが主に手話通訳の派遣をやっているんですが、依頼をしたところ、2か月前ぐらいまでに申し込んでくれないと、そんなものは派遣できないんだと言われてしまったんですね。あっ、そんなものかと思って、ちょっとびっくりしたところもあって、社協さんへの依頼はお断りをして、たまたま今日、私の隣にいますガイドヘルパー、今日は、ガイドヘルパーなんですけれども、手話通訳もできるので、相談したら、ああ、いいですよって言ってやってくれたんで、イベント自体は開催ができたんですね。私、目が見えないので、今日もガイドヘルパーとこうやってきていますけど、大体どこの事業所も少なくとも1週間前とかまで受け付けてくれるんですね、依頼を。ただ、手話通訳の方って2か月とか前に申し込まないと、駄目なんだなというのを、そのときに知ったんですけど、現状としては、そういうものなのかどうかというのを、ちょっと教えていただきたいです。 ○川内会長 事務局、お願いします。 ○小泉課長 ご質問ありがとうございます。   今回、この手話施策の施行状況について、庁内で調査して取りまとめたのですけれども、その中で、手話通訳者を確保するために時間がかかるという、同じようなご意見がございました。そちらは、手続面でいろいろな煩雑なところがあって時間がかかるのか、手話通訳者自体が不足しているのか、または手話通訳者はいるけれどもお金の問題なのか、様々な問題がある可能性はございます。そちらについては、私どもとしても、現状、どうなのかというのを、把握したいというふうに思っています。 ○川内会長 現状把握をちょっと確認したいということですね。   いかがでしょうか。 ○宮川委員 東京都盲人福祉協会、宮川です。ご回答ありがとうございます。   それを受けて、ぜひ、今日、いらっしゃっている聴覚障害者団体の委員の方にお聞きしたいんですけれども、現状の制度で困られていないんですかねということをお聞きしたいです。もし、困っているのであれば、ぜひ、すぐにでもやっぱり改善すべきことなのではないのかなと、違う障害ですけども、ちょっと私は気になっているところです。余計なお世話かもしれないですけど、もしよければご回答いただきたいです。 ○川内会長 つまり、手話通訳者の手配に、すごく時間がかかるということについて困っていないかということですよね。 ○宮川委員 はい、そのとおりです。 ○川内会長 じゃあ、唯藤さん。 ○唯藤委員 聴覚障害者連盟の唯藤です。ご意見ありがとうございます。   私どもは、通訳を依頼するときに、東京手話通訳等派遣センターに依頼をしております。宮川さんがお住まいの八王子ですかね、とはちょっと仕組みが違うと思います。八王子のほうは、行政独自の通訳派遣だと思います。派遣センターのほうは、イベントは2か月前までにというルールは、表向きはあるかもしれませんが、派遣はできるように通訳の確保もできております。手話言語条例が制定されて、いろんなところで手話通訳がつくようになって、行政からの依頼も増えているので、通訳が足りない状況もあると思います。それと同時に、民間通訳派遣の会社も少しずつできておりまして、そちらのほうも増えていますので、派遣センター、私たち聴覚障害者は手話講習会のほうも、いろいろと養成のほうでもやってもらっています。専門技術がありますので、指導もきちんとやってもらっております。このような専門性が高い会議のときには、十分に対応ができるレベルではあります。民間のほうはレベルがあまり、言い方難しいんですけれども、技術的な対応ができない状況もあります。私たちも派遣センターの養成を今後も技術を磨いて一生懸命やっていきたいと思っておりますと同時に、通訳者の養成も、もっともっと増やしていかなければいけないと、それは今大きな課題だと思っております。   お答えになっていますでしょうか。 ○川内会長 川内です。ありがとうございます。   宮川さんいかがでしょうか。 ○宮川委員 ありがとうございます。   何か地域間格差というのもあるのかなというふうに感じてはいますが、大体分かりました。ありがとうございます。 ○川内会長 川内です。ありがとうございます。   情報を受けるのが権利だということになると、地域ごとに、しかも、都内で随分違うというのは、何か問題かなという気がするので、都のほうとしても、ちょっとこれは把握されたほうがいいのではないかなと思います。   ほかに何かありますか。よろしいでしょうか。   それでは、この辺りで。様々なご意見をいただき、ありがとうございました。   東京都手話言語条例施行後の取組状況については、様々なご意見、ご要望がありましたけれども、事務局としてこれらの意見を取りまとめて、今後の取組内容を検討していただきたいと思います。   じゃあ、進行を事務局にお戻しします。 ○小泉課長 本日はありがとうございました。   お時間の関係で、ご意見を十分に発言できなかった委員もいらっしゃると思います。ご意見等がございましたら、後日メールで送付いたします自由意見用紙にご記入いただき、ご提出いただければ幸いです。   また、お車でいらっしゃった方は、駐車券をお渡ししますので、事務局までお声かけください。   それでは、本日の会議は、これにて終了といたします。ありがとうございました。 (午後3時31分 閉会)