このデジタルブックは、全部で36ページです。 各ページの左下または右下に音声コードがついています。 表紙 東京都障害者情報コミュニケーション条例―たくさんの「ことば」でつながるために― 1ページ たくさんの「ことば」でつながるために 私たちの暮らすこの世界には、声や文字、目に見えるかたちだけではない、無数の「ことば」があふれています。 たとえば、手や身体の動きで想いを描く、表情や視線の変化で気持ちを伝える、その人だけの「ことば」を持っています。 だれもがことばの奥に持っている想い。「伝えよう」「受けとろう」と歩み寄れば、あらゆるかたちで相手に届きます。 この本では、一人ひとりの違いを「隔たり」にせず、だれもが自分らしく想いを交わし合える社会のあり方を、考えていきます。 たくさんの「ことば」で、つながるために。 2ページ この本を手にとってくれたあなたへ 私たちが使っている「ことば」は、声や文字だけではありません。表情や視線、身ぶり手ぶり、道具やテクノロジーを活用した工夫—。 本書では、障害の特性に応じたコミュニケーション方法の例や、一人ひとりの意思を適切に汲みとり、つないでいくための専門的な支援の役割や、日常のなかで直面する情報のバリアを取り除く方法の具体例をまとめています。また、学校や企業で実際に行われている取組への取材を通じ、多様な「ことば」を社会のなかで生かすためのヒントを紹介しています。 「自分のまわりでは、何ができるだろう」。 この本がそんな問いに対するヒントとして、たくさんの「ことば」でつながるきっかけになることを願っています。 3ページ 目次 1 なぜ「障害者情報コミュニケーション条例」が必要なのか 04ページ 東京都障害者情報コミュニケーション条例の目的・背景/なぜ条例が必要なのか 2 それぞれの違いとできる工夫 05ページ それぞれの障害特性/障害特性ごとの具体的配慮例 3 声や文字だけじゃない、伝え方のひろがり 12ページ さまざまなコミュニケーション手段の種類/支援者が使いやすいツールの紹介 4 “伝わる ” をつなぐ人たち 19ページ 支援者の立場や役割、具体的な支援内容 5 事業者のみなさまにお願いしたいこと 21ページ 行政・教育・医療・交通機関の現場でできる配慮の方法/店舗・施設・Webサイトでの対応/職場での配慮 6 いろいろな工夫 27ページ 教育現場・職場で実際に行われている取組の紹介 7 Q&A。33ページ よくある疑問と回答 4ページ なぜ「障害者情報コミュニケーション条例」が必要なのか 東京都障害者情報コミュニケーション条例とは? 障害の種類や程度に応じたコミュニケーション手段が十分に整っていないことや、社会の理解・配慮が不十分であることから、情報の取得や意思疎通に困難を感じる場面は、いまなお少なくありません。 この条例では、障害のある人が、手話や文字情報、音声、ICTなど、多様な手段の中から、その人にあった方法を選択し、情報の取得・利用や、コミュニケーションを円滑に図ることができるよう環境づくりを進めるため必要なことを定めています。 条例が目指すこと 情報通信技術の活用や多様なコミュニケーション手段、環境づくりなどさまざまな施策を通じ、情報の取得や利用、意思疎通に関わるバリア(障壁)を取り除き、だれもが障害の有無などによって分け隔てられることなく、安心して生活できる社会の実現を目指します。 5ページ それぞれの違いとできる工夫 人によって、感じ方や困りごと、必要な配慮はさまざまです。各障害について正しく理解し、配慮の方法を知ることが、だれもが安心して過ごせる社会につながります。 複数の障害が重複している場合もあり、必要な配慮は一人ひとり異なります。 視覚障害 視機能(視力、視野、色覚、光覚)低下により生活に支障がある状態。 見えない、細部がぼやけてわからない、見える範囲が狭い、明るさに敏感など、見え方はさまざま。 配慮のポイント 視覚情報を得にくいため周囲の状況がわからず、行動に移すことが難しい場合があります。 戸惑っている人を見かけたときは、驚かせないように正面から声をかけ、本人の希望を確認し、必要に応じた援助を。 たとえばこんなときに困っています 誘導用ブロック上に物が置かれており通れない。 「あっち」や「むこう」などの指示語では、場所がわからない。 聴覚障害 音が聞こえにくくなる伝音難聴と、言葉の聞き分けが難しくなる感音難聴、両方を併せ持つ混合難聴の3種類。 聞こえ方には違いがあり、手話を使用する人、補聴器を使用する人など、さまざま。 配慮のポイント 外見からは気づかれにくいことが多くあります。 筆談や手話など、相手に合わせたコミュニケーション方法を確認。 話すときはゆっくり文節を区切ったり、記号や図を用いて分かりやすく。 たとえばこんなときに困っています 複数人が同時に話すと、会話についていくのが難しい。 外出先の緊急時のアナウンスがわからず、状況把握できない。 6ページ 盲ろう 視覚と聴覚の両方に障害がある状態。 目が見えず音も聞こえない「全盲ろう」、目が見えず音が聞こえにくい「盲難聴」、目は見えにくく音が聞こえない「弱視ろう」、目も音も見えにくく聞こえにくい「弱視難聴」の4つに分けられます。 配慮のポイント コミュニケーション、移動などさまざまな場面で困難があり、周囲のサポートが不可欠。 障害の程度により、情報取得やコミュニケーションの方法が異なるため、指点字や触手話など、その人に合わせたコミュニケーションが大切。 たとえばこんなときに困っています 周りの状況がわかりづらく、困っていても援助を求めにくい。 会話の相手が急に変わると混乱する。 失語症 脳の損傷などにより「話す・聞く・読む・書く」といった言語機能に困難が生じる障害。 理解力は保たれている場合が多いですが、伝える手段の不自由さから、理解力にも困難があると誤解されやすいことが特徴です。 配慮のポイント 短く区切ったやさしい言葉、絵や文字、ジェスチャーを組み合わせて伝える、返答をゆっくり待つなど。 伝えたい気持ちを尊重し、焦らせずに意思表出できる環境整備も重要です。 たとえばこんなときに困っています 症状や体調を言葉で伝えられず、適切な診察が受けにくい。 雑談が難しく、孤立感やストレスを感じやすい。 7ページ 構音障害 音をつくる器官やその動きに問題があり、発音がうまくできない状態。 話し方がぎこちなくなったり、言葉が途切れたりなどコミュニケーションに支障をきたすことがあります。 配慮のポイント 本人が言いたいことを伝える際に、不安やストレスを感じてしまわないよう、ゆっくり落ち着いて話をできる環境整備が大切です。 ジェスチャーや文字など言語以外でのコミュニケーション手段も活用を。 たとえばこんなときに困っています 何度も聞き返される。 電話対応がうまくできない。 知的障害 脳がなんらかの影響を受けたために知的機能の発達が遅れ、コミュニケーションなどの社会生活に困難が生じる障害。障害のあらわれ方には大きな個人差があります。 配慮のポイント 複雑な事柄や抽象的な概念の理解が難しい場合もあるため、短文ややさしい言葉、絵や図を使い、「ゆっくり」「ていねいに」「繰り返し」説明をするなどの配慮を。 理解に必要な時間、繰り返し確認できる環境を整え、安心して意思を伝えられるよう配慮することが重要です。 たとえばこんなときに困っています 一度にたくさんのことを言われると混乱する。 案内板などの意味を理解するのが難しい。 8ページ 肢体不自由 先天的または後天的な要因により、体の動きに関する器官が損なわれ、「立つ」「座る」「歩く」「字を書く」など日常の基本的動作に困難がある状態。 発声器官の麻痺などにより、音声でコミュニケーションをとることが難しい人もいます。 配慮のポイント 障害の種類や程度は一人ひとり異なります。 ドアの開閉、筆記など、困っている様子の人を見かけたら、一声かけて必要な援助を。 どんな困りごとがあるのかを理解することが大切です。 たとえばこんなときに困っています 体温調節が難しく、温度感覚が他の人と合わない。 車椅子利用のため、ものを拾ったり、高い位置にある表示を見たり機器を操作したりするのが難しい。 高次脳機能障害 病気や交通事故などで脳が部分的に損傷されたために、思考・記憶・言語・注意などの脳機能の一部に障害が起きた状態。 注意障害や記憶障害、失語症、社会的行動障害などさまざまな症状があります。 配慮のポイント 集中力が続かない、感情のコントロールができないといった症状があるものの、外見からはわかりにくいため、周囲からの十分な理解を得にくいことがあります。 プレッシャーをかけず、安心できる環境整備を。 たとえばこんなときに困っています 新しいことを覚えにくい。 図や表示の意味を理解できないことがある。 9ページ 内部障害 体の内部にある内臓機能に障害があり、日常生活や社会生活に支障がある状態。 障害のある臓器だけでなく全身の健康状態が低下し、疲れやすいといった特徴が挙げられます。 配慮のポイント 疲れがたまりやすい、集中力を維持することが難しいなど、外見からはわかりにくい不便さを抱えていることが多く、周囲からの理解を得られずにストレスを受けやすい状況にあります。 たとえばこんなときに困っています 他の人よりも疲れやすく、周りと同じような動きをすることが難しい。 外見からはわかりづらいので、周囲の目が気になる。 重症心身障害 医療的ケアが必要 重症心身障害児者や医療的ケア児等は、外出中に休憩やケアが必要になることがあります。 周囲は、本人や介護者に支援が必要か確認し、必要に応じて、通路や医療機器電源、トイレの確保など、安心して移動・参加できる環境づくりに協力することが大切です。 配慮のポイント 本人や家族が安心して暮らせるよう、困りごとや不安を相談できる窓口や、支援体制の確立など、各自治体が体制を整備することが重要です。 たとえばこんなときに困っています 痛い・苦しい・疲れたなどを伝えにくい。 痰や呼吸の状態で、急に休憩や痰の吸引などのケアが必要になる。 10ページ 発達障害 自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群などの広汎性発達障害や学習障害、注意欠陥多動性障害など、脳機能の発達の仕方に生まれつき個人差がある障害。 特性は幼いころから現れることが多いとされていますが、診断が下りる時期には個人差があります。 配慮のポイント 対人関係やコミュニケーション、環境変化への適応が難しい場合があります。 症状はさまざまで、望ましい対応方法も異なります。 たとえばこんなときに困っています 同時に複数の作業を行うことが難しい。 感覚が過敏で音、光、臭い、気圧の変化等の刺激が苦手。 精神障害 統合失調症や、うつ病などの気分障害、神経症・ストレス関連障害、アルコールや薬物依存症、認知症などの精神疾患のため、日常生活や社会生活で難しさを抱えている状態。 配慮のポイント 体調や感情のコントロールが難しくなることがあり、敏感さや繊細さへの配慮が必要です。 精神障害が「脳」の機能に関係する病気であることを理解し、正しい知識を学ぶことが重要です。 たとえばこんなときに困っています ほかの人とコミュニケーションをとるときなど、緊張やパニックが起こることがある。 疲れで理解力が落ちる。 11ページ 難病 固有の病名ではなく、発病の原因やメカニズムなどが明らかでなく、治療方法が確立していない希少な疾患で、慢性的な経過をたどり、長期療養が必要なもの。 多くの難病に共通して、体調が不安定になりやすい特徴があります。 配慮のポイント さまざまな疾患があり、外見や行動から難病であることがわかりにくい人もいます。 疲れやすかったり、症状の変化が大きかったりすることも多く、難病に対する周囲の理解と柔軟な対応が必要です。 たとえばこんなときに困っています 「難病」=「働けない」と誤解される。 他の人にうつる病気だと誤解される。 強度行動障害 自傷、他害、異食、多動など、本人や周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態。 特性に、周囲の環境や関わりが、うまく噛み合わないことで生じやすくなります。 配慮のポイント 特性による行動は周囲を「困らせる」行動ではなく、本人が「困っている」サイン。 行動の背景にある不安や緊張、困難を理解し、落ち着いて過ごせる環境整備が必要です。 たとえばこんなときに困っています 特定の順番で物事が進まず先が見通せないと不安、パニックになる。 人の気持ちを読み取るのが難しい。 12ページ 声や文字だけじゃない、伝え方のひろがり 障害のある人の特性や感じ方は一人ひとり異なり、それに応じたコミュニケーションの工夫があります。ここでは、その一部をご紹介します。 点字 指先で触れて読む、6つの点の組み合わせで表現された文字。縦3点、横2列の6つの点を1単位(マス)として、凸点の組み合わせで五十音や数字、アルファベット、記号を表します。点字器や点字タイプライターで打ち出すほか、点字プリンターとパソコンの併用や点字ディスプレイに文字を出力し、それを読み取る方法もあります。 点字ディスプレイ スマートフォンやパソコンと連動して画面上の文字情報を点字で表示したり、図で表示したりする機器のことです。 スクリーンリーダー スマートフォンやパソコンと連動して、画面の表示内容やユーザーの操作内容などを音声で読み上げるソフトウェアのことです。 拡大文字 弱視の人が読めるように、サイズを大きく表示した文字。行間や書体、字の太さにも配慮が必要です。 画面拡大ソフト、拡大読書機、音声読書器 印刷物や写真などをカメラやスキャナーで読み取り、拡大して表示したり、色を反転したり、背景と文字色のコントラストを調整することができます。また、読み取った文書を合成音声で読み上げる機器やアプリもあります。 13ページ 色の配慮 印刷物は、背景色と文字色の明るさに十分な差をつけることで、内容を認識しやすくなります。重要な情報を示す際は、色のみに頼らず、文字・記号・形・線の種類などを組み合わせて表現します。 音声コード 小さな白黒の点の組み合わせで構成される二次元コードをスマートフォンなどで読み取ることで、紙媒体に書かれた文字情報の収録内容を音声で聞くことができます。 代読・代筆 視覚障害のある人や構音障害、肢体不自由のある人に代わって読み上げたり、書いたりする方法です。代読する際は、正しい発音、アクセント、聞きやすい速度で読むことが大切です。 音訳 視覚障害のある人や読書困難者のために、本、雑誌、図表などの墨字(活字)情報を、肉声で忠実に音声化して提供する活動や技術です。 手話 手や顔の表情、身体の動きを使って表現・理解する言語の一種です。 14ページ 遠隔手話 手話通訳者と対面せず、スマートフォンやタブレットのビデオ通話機能を使って、遠隔地からリアルタイムに通訳を行うシステムです。自治体の窓口、病院、災害時など、手話通訳者が同行できない場面でも活用されており、文字チャットや外国語対応を行うサービスも普及しています。 筆談 紙と筆記具、タブレット端末などの筆談具を利用して、音の代わりに文字でコミュニケーションする方法です。スマートフォン画面で文字を伝えたり、空中に文字を書いて伝える「空書」という方法もあります。 要約筆記 話された内容を要約し、紙やパソコン上に文字で書き表して伝える方法です。 音声の文字化 音声認識技術を使って、会話をリアルタイムで文字化する方法です。通話相手の声を文字にして伝えるスマートフォンアプリなどにも活用されています。 電話リレーサービス 聴覚や発話に困難のある人と、きこえる人との会話を通訳オペレーターが手話、または文字、音声で通訳することにより、電話で即時に双方向につなぐことができるサービスです。 15ページ 読話・口話 読話は、話し手の唇の動きや表情から状況を推測して話の内容を読み取る方法です。読話で理解し、訓練により音声で話せる方法を口話といいます。 手書き文字 受け手側の手のひらに指先などで1文字ずつ文字を書いて言葉を伝える方法です。受け手の人の指をとり、机や手のひらの上に書いていく方法もあります。 触手話 発信する側が手話を表し、盲ろう者がその手に触れて手話の内容を読み取る方法です。発信する側が盲ろう者の手指をとり、手話を形づくっていく方法もあります。 指点字 受け手側の手に、発信する側の手を上から重ね、左右の人差し指・中指・薬指の6指を点字の6つの点に見立てて、相手の指に軽く触れることで文字を伝える方法です。 わかりやすい表現 「あそこ」「ちゃんと」などの曖昧な表現や抽象的な表現は使わず、できるだけ具体的に説明します。また、短い文章で簡潔に表現します。相手が理解できるまで、ゆっくり、ていねいに、必要に応じ繰り返し説明することも大切です。 16ページ 身振り手振り(ジェスチャー)・表情 身振り手振り(ジェスチャー)や表情も、コミュニケーションにおける重要な手段のひとつです。聴覚障害、発達障害、知的障害など、障害の特性に合わせて身振り手振りや表情を活用することで、意思疎通がスムーズになります。 実物/絵図 実物や絵、写真など視覚的にわかりやすい情報を利用し、ゆっくり説明します。 コミュニケーションボード 絵や記号、簡単な図を使って説明や意思表示などのやりとりができるようにするものです。 文字盤・シンボルボード 紙やプラスチックなどに記載された文字や絵、記号を指差したり、視線の動きや頷きなどによって意思表示を行う方法です。透明なアクリル板を用いた「透明文字盤」や、基本的なニーズや気持ちを絵で表現した「シンボルカード」などがあります。 携帯用会話補助装置 文字盤の文字キーを押すことで文章を入力・作成し、入力された文章を音声で再生することもできる装置。 重度障害者用意思伝達装置 スイッチ操作や視線入力、脳波などの生体信号を使って微細な動きで、文字入力や音声出力、機器操作などを可能にする装置です。 17ページ さまざまな補助犬 身体障害者補助犬は、特別な訓練を受け、目や耳、手足に障害のある人のお手伝いをする大切なパートナーです。国が指定した法人で訓練を受け、認定を受けています。 盲導犬 視覚障害のある人と一緒に歩き、交差点や段差、障害物や車の接近を知らせるなど、安全な移動をサポートします。体に、白色または黄色のハーネス(胴輪)をつけています。 介助犬 ものを拾ったり、ドアの開閉をするなど、肢体不自由のある人の日常生活動作をサポートします。外出時には「介助犬」と書かれた胴着をつけています。 聴導犬 聴覚障害のある人に、アラームや電話の呼び出し音など、日常生活での必要な音を知らせ、音源まで誘導します。外出時には「聴導犬」と書かれた胴着をつけています。 18ページ 災害・緊急時の情報収集・意思疎通 地震や洪水などの自然災害や、日常生活における交通事故、公共交通機関の事故・遅延、火災などの突然の緊急事態に直面した際、障害のある人は情報収集や避難などにおいて大きな困難が生じます。そのようなときに、障害のある方々にとって有効となりうる方法の一例をご紹介します。事前登録が必要なものも多く、日頃から災害に備え準備をしておくことが重要です。 スマートフォン・タブレットを活用した情報収集 視覚障害のある人に向けて、災害・緊急時の避難に関する情報を提供しているさまざまなスマートフォンアプリがあります。災害に関する情報を音声で読み上げたり、最寄りの避難所までのルートを音声案内をするなどの機能が備わっています。 スマートフォン・タブレットを活用した緊急通報 聴覚障害や構音障害など、音声でのコミュニケーションが困難な人に向けて、スマートフォンやタブレットの画面入力から110番や119番に通報ができるシステムがあります(事前登録が必要)。 スマートフォン・タブレットを活用した意思表示、コミュニケーション 聴覚障害や構音障害など音声でのコミュニケーションが困難な人が、避難所などで自身に障害があることを周囲に伝えたり、必要な支援を要請したりする際には、筆談が有効です。加えて、スマートフォンやタブレットの画面上で示し、相手に言葉を伝えることもできます。 19ページ “伝わる”をつなぐ人たち 障害のために意思疎通を図ることに困難がある人をサポートし、さまざまな方法でコミュニケーションを支援し、“伝わる”を支える人がいます。 聴覚障害者の方に 手話通訳士、手話通訳者、手話奉仕員 聴覚障害があるなど手話を使う人のために、手話を用いて通訳業務を行います。専門資格を有する「手話通訳士」や、「手話通訳者」に加え、区市町村などが行う養成講座を受講した「手話奉仕員」などがあります。 要約筆記者 話の内容をリアルタイムに要約し、ノートやパソコンなどを使って文字として伝えます。さまざまなニーズに対応する要約筆記の知識及び技術を必要としており、研修を受講し、認定試験に合格したのちに登録されます。 20ページ 視覚障害者の方に 点訳・音訳ボランティア 書籍や資料などの文字を点字に変換したり、音訳して伝えます。多くがボランティアとして活動されています。 盲ろう者の方に 盲ろう者向け通訳・介助員 盲ろうの人との日常的なコミュニケーション支援、通訳、移動介助などを行います。複数のコミュニケーション方法を併用したり使い分けるため、さまざまな知識及び技術を習得している必要があり、都道府県が実施する養成研修を受講の上、登録されます。 失語症の方に 失語症者向け意思疎通支援者 失語症の人の多様なニーズや場面に応じたさまざまなコミュニケーションを支援します。都道府県が実施する養成研修を受講の上、登録されます。 21ページ 事業者のみなさまにお願いしたいこと 行政・教育・医療・交通機関の現場でできる配慮の方法 だれもが利用する公共機関には、さまざまな特性の人が訪れます。どのような対応をすれば、誰にとっても利用しやすいサービスが実現するのでしょうか? 行政施設や教育現場、医療現場、交通機関など、場面ごとに具体的な事例を紹介します。 行政施設では 1.手続き窓口 高さ70から80cm程度のカウンターを設置することで、車いす利用者でも無理のない記帳や手続きが可能になります。書類と一緒にバインダーを貸与することも効果的です。 2.イラスト・矢印による誘導 イラストを用いた案内は、知的障害のある人の理解を助けます。コミュニケーションボードの活用も効果的です。 3.わかりやすい印刷物 カラーユニバーサルデザインの配慮、ルビふり、ユニバーサルデザインフォントの利用、音声コードの掲載、やさしい日本語の使用等が有効です。 教育現場では 1.要約筆記 話し手の言葉や音の情報を文字情報に変換することで、聴覚障害のある生徒の理解をサポート。 2.点字・拡大文字等の使用 一人ひとりに合った教材に加え点字や拡大文字等による試験を認めることで、障害の有無に関わらず学習機会を確保することができます。 22ページ 医療現場では 1.予約受付方法の見直し 電話だけでなくメールやFAX、Webフォームといった複数の予約方法を用意しておくことで、さまざまな特性がある人の予約が円滑になります。 2.付き添いやデジタル機器持ち込みの許可 手話通訳等の支援者の付き添いによりコミュニケーションが円滑になります。また、アプリ等を活用した意思疎通のためにスマートフォンやタブレットの持ち込みを認めることも有効です。 交通機関では 1.駅構内での案内 電車の発着情報などを障害のある人が入手しやすくするために、駅員が案内したり、時刻表を読み上げたりすることが重要です。事故など緊急時の情報も、さまざまな障害のある人に伝わるよう、音声や文字などを用いて分かりやすく案内することが重要です。 2.コミュニケーションツールの用意 筆談具やタブレットの使用、口話のためにマスクを外してはっきりと話すなどすることが、聴覚障害のある人との円滑なコミュニケーションに繋がります。 23ページ 店舗・施設・Webサイトでの対応 人々の生活を支える商業施設や飲食店など、毎日のように使う場所の利便性を高めることで、障害のある人々がより気軽に外出できるようになります。では、障害のある人々は、店舗や施設にどのような配慮を求めているのでしょうか? ここでは、飲食店、小売店やイベントなどの場面、そしてWebサイトの制作にあたって気をつけるべきポイントを紹介します。 飲食店では 1.タッチパネル操作の代行 タッチパネルで注文の際、障害特性に応じて店員が操作を補助・代行することで利用しやすくなります。 2.写真・イラスト入りメニューの用意 文字だけでなく、写真やイラスト付きのメニューを作成することで、だれもが注文しやすい環境につながります。 小売店では 1.店員による商品説明 視覚障害のある人には、店員が商品棚まで案内したり、商品がどんな特徴を持つのかを説明することが効果的な場合があります。 2.会計時のコミュニケーション コミュニケーションボードを準備しておくことで、聴覚障害や言語障害のある消費者とも、指差しを通じて円滑にコミュニケーションをとることが可能になります。 24ページ 講演会・イベントでは 1.資料の事前配布 資料を、Wordやテキスト、PDFなど音声読み上げ機能に対応したファイルで事前配布することにより、視覚障害のある人も内容を把握することが可能になります。 2.模様の併用 資料やグラフをつくる際は、色だけで情報を伝えるのではなく、模様や形状も併用して情報を伝えることで、色覚多様性のある人にも情報が伝わりやすくなります Webサイトでは 1.画像に代替テキスト(alt属性)の付与 画像の内容を説明するテキスト(alt属性)を設定することで、画面読み上げソフトを使う視覚障害のある人にも情報が伝わります。 2.キーボードで操作が完結する キーボード操作のみでも、すべてのリンクやフォームにアクセスできるサイトの設計が必要です。 3.自動再生を使用しない 動画や広告が自動再生されるWebサイトでは、激しい光や急な音声がてんかん発作を誘発したり、音声で操作する人の利用の妨げになったりします。 25ページ 職場での配慮 毎日一緒に働く仲間として障害のある人を迎える場合、どのような配慮が必要になるでしょうか? トイレや階段、ドアといったハード面の整備だけではなく、一緒に働く人々による工夫によっても、快適に働くことができる職場環境が実現します。ここでは、飲食・製造業・事務といった業種ごとに、具体的な配慮の例を紹介します。 飲食業では 1.わかりやすい作業マニュアル 写真や図などを活用した作業マニュアルを作成したり、収納棚に品名や番号を表示することで、知的障害のある人でも作業内容を理解しやすい環境になります。 2.職員向けの研修 さまざまな障害特性とそれに応じたコミュニケーション方法を従業員全員と共有することにより、だれもが働きやすい環境につながります。 製造業では 1.視覚による緊急情報の通知 音に加えランプなどを活用することで、聴覚障害のある人にも緊急情報を視覚的に知らせることができます。 2. 作業工程を一緒に行いながら伝える配慮 口頭や文書によるコミュニケーションだけではなく、作業を一緒に行い、動作や手順を共有しながら伝えることが、作業の理解や安全確保につながります。 26ページ 事務作業では 1.拡大文字や音声ソフトの活用 拡大読書器、点字ディスプレイ、画面読み上げソフトなどの活用により、視覚障害のある人が作業しやすい環境を整えます。 2.一人で集中できる環境の確保 発達障害や精神障害のある人の中には、頻繁な声かけが負担となる場合があるため、連絡は文字等で行い、一人で集中できる時間や環境を確保することが有効な場合があります。 27ページ いろいろな工夫(教育現場) 都立葛飾ろう学校 特別支援学校(聴覚)(葛飾区) 手話とICTの組み合わせで、授業を円滑に 生徒の聞こえ具合によって、補聴器、人工内耳の活用から手話まであらゆるコミュニケーションを柔軟に採用。話し言葉を文字化するツールや聞こえを助けるICTを積極的に活用しています。 取組事例 ・声を補聴器や人工内耳に送信するデジタル補聴援助システム「ロジャー」を活用した授業展開。 ・話し言葉を文字化するアプリ「UDトーク」で教員との意思疎通もサポート。 ・校舎内の廊下や階段には衝突防止のミラーや、授業の開始・終了を知らせるライトを設置。文字情報にならないものは姿や光といった視覚情報で伝える工夫あり。 ・小中高の授業は、手話や口の動きを読みやすくするために、生徒が先生を囲む形(馬蹄形)で机を配置。 掲載写真の説明、各教室に配置されたモニターを用いて、視覚的に情報を提示 都立光明学園 特別支援学校(肢体不自由・病弱)(世田谷区) 絵文字を使ってコミュニケーション 肢体不自由児を対象とした日本初の公立学校。現在は小学部から高等部まで、肢体不自由・病弱の障害のある児童・生徒も在籍しており、一人ひとりの障害特性や理解度に合わせたICTを活用しています。 取組事例 ・サポートが必要な児童・生徒のために、複数人の教員が授業に入って個別指導をする「チームティーチング」を実施している。 ・発話の難しい生徒には会話補助装置「トーキングエイド」を活用。絵文字や音声読み上げで意思疎通を図る。 ・絵カードを差す意思表示や文字入力をサポートするため、視線入力装置やダブルクリックとドラッグ操作を補助するトラックボールなどを使用している。 掲載写真の説明、左 がトーキングエイド、右がマウス操作を補助するトラックボール 28ページ 筑波大学附属視覚特別支援学校 特別支援学校(視覚)(文京区) 携帯型点字情報端末を活用 展示による読み書きを身につけ、進学を見据えた教育を展開しています。幼稚部からさまざまな物に触れ、指先から情報を得られるようになることを目指し、中学部・高等部では携帯型点字情報端末を活用した学習を進めています。 取組事例 ・中学部から学習の補助ツールとして「ブレイルメモ」や「ブレイルセンス」と呼ばれる携帯型点字情報端末を用いることも。各端末はPCにおけるモニター部分が点字ディスプレイになっており、辞書やメモ機能、音声録音が可能で、点字使用者の学習におおいに活用されている。 ・全盲の生徒には点字を、弱視の生徒には墨字(通常の文字)を使い、個々の障害に応じて教科指導にあたる。 ・弱視で墨字を使う生徒は、入学直後に読みやすいポイント数やフォントを把握し、拡大教科書やルーペなどを適宜使用。 掲載写真の説明、左がブレイルセンス、右がブレイルメモ 区立中野中学校 公立中学校(中野区) 写真つきの指導で、持参物の整理も簡単に 障害の有無に限らず、すべての生徒に対する配慮が充実した公立中学校。誰ひとり取り残さない学校づくりを目指し、専門家等からの監修を受けた校内研究によるユニバーサルデザインの考え方を授業や学校環境に取り入れています。 取組事例 ・学校にストレスを感じやすい生徒には、「小さな居場所」を準備し案内。校内別室、教育相談室、複数の教室外スペースなど、教室以外の場所を複数用意している。 ・収納が苦手な生徒でも簡単に身の回りを整理できるよう、ロッカーや靴箱には写真をつけて明確化。 ・授業の集中を妨げないよう、黒板横の掲示物はカーテンで隠すなど視覚情報を整理。 掲載写真の説明、ロッカーに置いて良いものは教科ごとに明確に示す 29ページ 東京学芸大学附属特別支援学校 特別支援学校(知的障害)(東久留米市) 個々の発達を支えるコミュニケーションを重視 生涯発達支援を校是とし、主として知的障害のある幼児・児童・生徒を対象に、就学前から卒業後までを見通した教育を実践しています。東京学芸大学の研究・実習とも連携しながら、教育実践に根ざした研究を継続し、学外の参観・教育相談等にも応じています。 取組事例 ・発語が難しい幼児・児童・生徒には、音声ペン・タブレット・絵や写真カード等を活用し、意思表示と情報理解を支える。 ・2択提示や視覚的な情報提示による質問など、本人に伝わりやすい提示方法や問いかけを工夫し、“伝わらなさ”を支援側の伝え方の調整によって補う。 ・地域生活への参加を見据え、家庭や本人のニーズをもとに「個別教育計画」(本人の目標と必要な支援やコミュニケーション手段を整理し、学校と家庭で共有する計画)を整備。 掲載写真の説明、「個別教育計画」のためのシート。目標や支援方針、日常生活での手立てを共有しながら継続的に支援する 東京都立大学 公立大学(八王子市) 見えない・見えにくい人のための「言葉の地図」 東京都立大学のダイバーシティ推進室では、学内のダイバーシティ推進の取組の一環として、学生による「障がい者支援スタッフ」が授業や学内生活のサポートを行っています。その中で、視覚障害や地図の視認が難しい人向けの画面情報読み上げソフトに対応した道案内サービス「言葉の地図」を作成しました。 取組事例 ・学生主体で、「言葉の地図」を制作。 ・主要な道路や移動ルートの距離をウォーキングメジャーで測定し、ルート情報を言語化。年に1回程度のブラッシュアップを継続的に行う。 ・活動を通じて、多様な学部の学生が協働し、障害のある人の移動や情報取得の困難さへの理解を深めるとともに、当事者・支援者との対話や配慮を考えるきっかけが生まれた。 掲載写真の説明、「言葉の地図」作成の様子。 ウォーキングメジャーで距離を測っている 30ページ いろいろな工夫(職場) ソーシャルグッドロースターズ 千代田 福祉施設(就労継続支援B型)(千代田区) ここは、働き方を選べる職場です 最新鋭の焙煎機が設置され、バリスタが常勤する本格的なコーヒー店にて、精神障害・発達障害のある利用者約40名が「焙煎」「ブレンド」「製造」「抽出」「接客」など、一人ひとりの能力や特性に合わせた仕事に取り組んでいます。 取組事例 ・コーヒー豆の選定には一緒に手を動かしながら作業をし、ドリンクをつくるマニュアルには大きな写真を用いるなど、わかりやすさを重視。 ・当事者を「支援対象」として分けるのではなく、「同僚」として同じ目線で対話し、日々のやりとりの中で相互理解を深める。 ・仲間と働く中で、家族・支援者以外との関係性や相談先が広がり、本人の意思を起点にしたコミュニケーションの輪が育っていくよう支える。 掲載写真の説明、デザインや営業にも力を入れており、ビジネスとしての収益を追求し、利用者に還元している 株式会社ニッスイ 食品メーカー(港区) 「合理的配慮シート」で相互理解 「成長と活躍」のコンセプトのもと障害者雇用に取り組み、現在は管理部門・営業部門・生産工場など約30か所の職場で、障害がある従業員が活躍しています。 取組事例 ・障害がある従業員で構成する「ビジネストラストチーム」が、相談対応や業務面のフォローを通じて、「成長と活躍」にむけた従業員の育成・サポートを実施。 ・入社の際に、「社内での障害の開示範囲」や「苦手だが自己対処ができること」、「希望する配慮」などを記載する「合理的配慮シート」を活用。形骸化しないよう、適宜見直しをしている。 ・座談会やワークショップなど、障害がある従業員が“自分の言葉”で発信する機会を積極的に設けている。 掲載写真の説明、「合理的配慮シート」の活用は、スムーズな業務遂行の工夫をともに考え、相互理解を深める機会につながる 31ページ 横河レンタ・リース株式会社 IT機器・計測器レンタル、システム事業(新宿区など) 作業マニュアルに必要なのは、正確な指示 知的障害や自閉症、学習障害があるメンバーが生産性を最優先に考えた障害者専門のチームにて、貸し出していた電子計測器の清掃や検査、事務・庶務などの作業にあたっています。特別支援学校高等部卒業者の定期採用を行っています。 取組事例 ・特性をふまえ「伝わりやすさ」を重視した作業マニュアルを運用。 ・「『どこで』『いつ』『どのようなやり方で』といった情報をもとに業務の指示出し・監督を行う」など、監督者が配慮すべき点を記載。 ・アメリカで開発された、自閉症がある障害のある人への取組「TEACCH Program(自立支援プログラム)」を採用している。 掲載写真の説明、仕事道具は、棚に番 号を割り振って管理している 株式会社 N・SOURCE eスポーツ施設「re-vision」・フリースクール(立川市) ゲームで重ねる対話 引きこもりの経験がある人や、精神障害・発達障害のある10名のスタッフが働いています。オンラインゲームを通じて引きこもりや不登校状態にある子どもたちのコミュニケーションを支援し、施設内では学習支援も行っています。 取組事例 ・体調や特性に応じて「在宅(オンライン)」と「通勤(対面)」を選べる体制とし、業務連絡や相談をオンラインでも滞りなく行えるコミュニケーション手段を整備。 ・定期的に会議や面談を実施し、体調面や働きにくさをヒアリングして共有し、改善を重ねる。 ・トレーニングジムを併設し、心身をリフレッシュできる環境を整えることで、安定した就労と日々のコミュニケーションを支える。 掲載写真の説明、併設したフリースクールでは、引きこもりや不登校 の 子どもたち約30名を受け入れている 32ページ 株式会社 accessibeauty 障害者専門芸能事務所・バリアフリー美容サロン・アクセシブルWEBメディア(渋谷区など) モデル現場から広げる「遠慮ではなく配慮」の姿勢 事務所には、車椅子ユーザー、聴覚障害、視覚障害、オストメイト(お腹に人工肛門・人工膀胱を造設した人)、知的障害、発達障害などの特性があるメンバーが38名所属しています。 取組事例 ・バリアフリー美容サロンでは、聴覚障害があるスタッフが音声を自動で文字起こしするシステム「VUEVO(ビューボ)」や「YYSystem(ワイワイシステム)」を活用し、接客。 ・現場で関わる人たちに「配慮はするけど遠慮はしない」という理念を伝え、必要な配慮の範囲を共有することで相互理解を促す。 ・全メンバー・スタッフに徹底したヒアリングを行い、個々の特性や希望を関わり方・コミュニケーションに反映している。 掲載写真の説明、バリアフリー美容サロンの様子。令和 7 年には「東京都ソーシャルファーム」にも認定された 株式会社物語コーポレーション 飲食店(新宿区など) チャレンジド・サポートブックで社内理解を促進 2020年から積極的に障害者雇用を推進し、知的・精神・身体障害のある従業員が、275名働いています。障害のある従業員を「チャレンジド」と呼称し、多様な属性の人たちが活躍するための仕組みづくり、実践を行っています。 取組事例 ・店長・責任者向けに、障害特性と配慮のポイントを整理した「チャレンジド・サポートブック」を作成し、現場での共通認識づくりに活用 ・チャレンジド・サポートブックはイラストや図を用いて情報を可視化し、安心して働けるためのコミュニケーションの土台を整備 ・特別支援学校の職場体験実習を全国で受け入れ、学校と職場が相互に理解を深める機会として、就職への接続につなげる 掲載写真の説明、「チャレンジド・サ ポートブック」。イラストや図を用いながら、誰にでもわかりやすい解説を心がけている 33ページ Q&A よくお問い合わせいただくご質問にお答えします。 Q、障害のある人に必要な支援等について、もっと知りたいです。 A、東京都の特設サイト「ハートシティ東京」では、障害者差別解消法の概要に加え、障害種別での知ってほしいこと、困ったことやサポート事例や、情報提供の方法(情報保障)などの情報発信を行っています。 https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/tokyoheart/index.html Q、障害に関する悩みをもっています。誰かに相談したいのですが、どこに問い合わせたら良いですか? A、東京都福祉局のホームページや関連ページをご確認いただき、ご自身の状況に応じた相談窓口へお問い合わせください。また、東京都福祉局のホームページでは、お問い合わせ事項に応じた相談窓口等を紹介しています。 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/contact Q、障害があることを声に出しづらいです。今すぐにできることはありますか? A、周囲に配慮や援助が必要であることを知らせる方法のひとつに、ヘルプマークがあります。都内では、都営地下鉄の駅(一部)などで無料配布しています。各配布場所での受け取りが難しい場合は、郵送での受け取りも可能です。 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shougai_shisaku/helpmark 34ページ Q、街で困っている人を見かけました。どう声をかけたら良いですか? A、まずは、「何かお手伝いしましょうか」とゆっくり、やさしく声をかけてみてください。荷物の持ち運びやドアの開閉など、ご自身ができることからサポートができるといいですね。 Q、障害のために意思疎通を図ることが難しい人をサポートしたいと思っています。具体的にどのような資格や役割がありますか? A、たとえば、19から20ページに記載の意思疎通支援者、などが挙げられます。試験を受けたり、研修を受講する必要があるものがあります。詳しくは区市町村の窓口や東京都福祉局障害者施策推進部企画課意思疎通支援担当にお問い合わせください。 Q、店舗や施設で「情報バリアフリー」に取り組もうと思っています。はじめの一歩としてできることはありますか? A、たとえば、飲食店では、タッチパネル操作の代行や、写真・イラスト入りメニューの用意、着席での会計対応などがあります。21ページから26ページに記載の内容のほか、詳しく知りたい方は、東京都福祉局のホームページに掲載している、「東京都障害者差別解消法ハンドブック」や「区市町村・事業者のための『心のバリアフリー』及び「情報バリアフリー」ガイドライン」等もぜひご覧ください。 東京都障害者差別解消法ハンドブック https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/fukushi/han_2024 区市町村・事業者のための「心のバリアフリー」及び「情報バリアフリー」ガイドライン https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kiban/machizukuri/kokoro_joho 35ページ Q、災害などの緊急事態に直面した際、障害のある人にどのように対応すべきでしょうか? A、障害特性や状況に応じた対応が必要になります。災害に備えて、ヘルプマークや、緊急連絡先、必要な支援内容を記載したヘルプカードを身に着けている人もいます。  東京都心身障害者福祉センターでは、障害のある人が日ごろから災害に備え、災害時に必要な支援や介助を円滑に受けられるようにすることを目的として、「防災のことを考えてみませんか ~防災マニュアル(障害当事者の方へ)~」を作成しております。 本マニュアルは、知的障害・視覚障害・聴覚障害・高次脳機能障害者が、災害時に求められる備えや支援内容を、支援者へどのように伝えればよいのかという視点からまとめたものです。災害への備えを考える際の参考として、ご覧ください。 また、東京都総務局では、防災ブック「東京くらし防災」・「東京防災」をはじめとして、障害のある人の防災情報を含めた、さまざまなパンフレット・冊子等を掲載しております。こちらもあわせて、ご覧ください。 防災のことを考えてみませんか、防災マニュアル、障害当事者の方へ https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/shinsho/saigai/saigaimanual 防災に関するパンフレット・冊子等 https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/bousai/1000031/index.html Q、東京都は、みんなが一緒に暮らす共生社会をつくるためにどのような取組をしていますか。 A、都は、共生社会の実現を目指して、障害者差別の解消の推進、障害及び障害のある人への理解促進と心のバリアフリーの推進、情報バリアフリーの推進、障害のある人のスポーツ・文化芸術活動や生涯学習・地域活動等への参加を推進する取組を行っています。 例えば、障害及び障害のある人への理解促進の取組としては、ファミリー層や若者が集う商業施設等でのイベントや、動画・SNS等を活用した普及啓発、共生社会の理念に賛同する企業等の登録・公表等があります。詳しくは「東京都障害者・障害児施策推進計画」等をご覧ください。 https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shougai_shisaku/shougai_keikaku 36ページ Q、このデジタルブックについて質問がある場合はどこに問い合わせれば良いでしょうか? A、東京都福祉局障害者施策推進部企画課意思疎通支援担当までお問い合わせください。 東京都障害者情報コミュニケーション条例 たくさんの「ことば」でつながるために 編集・発行/東京都 福祉局障害者施策推進部 企画課 〒163-8001、東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 電話 03-5320-4147 FAX 03-5388-1413 メールアドレス S1140701@ section.metro.tokyo.jp 監修(敬称略) 青木千帆子 筑波技術大学 准教授 一般社団法人日本支援技術協会 ※掲載の情報は令和8年3月時点のものです。 ※本冊子に掲載しているイラスト・画像はイメージです。 ※本冊子掲載のイラスト・図の無断複製・転載・複写・借用などは、著作権法上の例外を除き禁じます。 裏表紙 東京都障害者情報コミュニケーション条例―たくさんの「ことば」でつながるために―